俺がクー・フーリンなのは絶対に間違っている   作:神崎真

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早い投稿だろ?この話、前の話を投稿した時には、もう出来ていた……って、言ったらどうする?


第3話 未知との遭遇 1

「オオオオオラァッ!!」

「ハアッ!!」

 

 ガレスがタンクとして敵を抑え、ベートの強烈な脚による一撃が、フィンの槍による突きがブラックライノスを的確に屠りみるみる数が減っていく。

 そんな中、俺は彼らの背後で休憩していた。

 待ってくれ、これにも理由があるんだ。フィン曰く『お前の疲弊を最小限に押し留めて、51層で待ち構えるカドモスに単騎でぶつける。道中の露払いは他のメンバーがするから、お前は休んでろ(意訳)』だから、休憩してるんであってね、それにヤバくなったらいつでも、ルーン使えるように準備してるから、休憩というよりバックアップだ。

 

「ん?」

 

 ……楽できると思って、了承したがよくよく考えれば俺損してない?道中の雑魚を3人でローテーション組んでやるのと、中ボスを一人でやるの、どっちが大変か………フィン、謀りやがったな!

 

 気づいたはいいがもう遅い。仲間に戦わせて楽する最低な男の絵は出来上がってしまっている(死んだ目)。さて諸君、こういう時に罪悪感を打ち消す魔法の言葉を唱えましょう。

 

 フィンの責任だ俺は悪くない何も悪くない全責任はフィンにあるフィンがやれって言った俺に罪はないフィンが主にフィンが悪いフィンのせいだフィンが………

 

 すると何だか本当にそんな気がするのだから、人間って不思議だなぁ(白目)。一瞬した寒気は、きっと気の所為だろう。団長大好きなアマゾネスさんからの殺気とかあり得ない。

 

 

 

第3話 未知との遭遇 1

 

 

 

 51層カドモスの泉。その泉を守る様に横たわっていたカドモスは、侵入者の気配に瞼を開く。それはフィン率いる第一級冒険者達のパーティー。フィン、ベート、ガレスは足を止めて待機する。歩み寄るのはクー・フーリンのみだ。

 

「よお。相変わらずデカイ図体だな」

『ガァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!』

 

 挨拶がわりのタメ口、返答は咆哮だった。

 しかし、クー・フーリンは怯まない。寧ろ獰猛な笑みを浮かべて、紅蓮の外套を翻し跳躍する。カドモスは空中という人にとっては逃げ場が無い舞台に、自分からやってきた鴨にブレスを吐き出す。

 

 回避は不可能。普通の冒険者なら、良くて大ダメージ。最悪の場合は即死。しかし、この冒険者(英雄)はーー

 

「あらよっと!」

 

 ーー空中でもう一段階跳躍する事で、それを回避した。

『鮭飛びの秘術』彼の能力の本元である『クー・フーリン』も習得した、空気の壁を踏み台にして跳躍する、無限ジャンプ。1人の戦士が一生を掛けて身につける奥義。この世界の彼が試行錯誤して身につけた(スキル)

 

「生憎スケジュール詰まってて、遊んでる暇はねぇんだ。

 だからこの一撃、手向けとして受け取るがいいーー」

 

 カドモスの眼前に着地し、魔槍に魔力を送り込む。紅い魔力の猛りが、獲物はまだかと急かはしーーその真名が解き放たれる。

 

「ーー刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

 

『因果逆転の呪い』が働く。魔石(心臓)に当たったという結果を作り、槍を放ったという原因を後付けする。つまり、『槍が当たったから、放った』という事だ。確定した死から逃れられるはずがなく、カドモスは死に絶えた。

 

 

 

***

 

 

 番人であったカドモスが消え、ガレス達は泉に湧き出した水を回収する。

 

「……終わったぜ」

「採取完了じゃ」

「よし、直ぐ」

 

 フィンは自身の親指の疼きを感じて、言葉を止める。そこで気づく、クー・フーリンが無言になり、とある方向を睨んでいる事に。そして、耳は何かが這いずる音を捉えた。

 

「クー!!」

「ああ、来るぜ!ガレス、ベート!戦闘準備だ!!」

 

 現れたのは、巨大な芋虫型のモンスター。

 オラリオ内で1、2を争うロキファミリアの冒険者達でさえ、そのモンスターを見たものは居なかった。

 

「新種か?」

「取り敢えず、ぶっ潰す!!」

 

 ベートが新種へと飛び掛かり、モンスターは口から液体を吐き出す。咄嗟に回避したが、大部分はベートが背負うバックに浴びてしまう。

 

「チッ、………あ?ッッッアアアアアアアアアア!!」

「ベート!?」

 

 ベートは痛みに絶叫を上げる。痛みの正体は、カバンに掛かった液体。それはベートが背負うカバンを溶かして、その背中までも溶かそうとしていた。

 直ぐさま、クー・フーリンは治癒のルーンを施す。

 

「フィン!どうするんじゃ!!」

「撤退だ、ベート走れるか?!」

「あ、ああ」

 

 フィンはぞろぞろ湧き出し、逃げ道を塞ぐ新種の一体に槍を突き刺す。モンスターは倒せても、体液で武器を溶かされてしまう。だが、逃げ道は確保でき、逃走を開始した。

 

 暫く逃げ続けると、絶叫を聞いたアイズ達と出くわす。

 ティオナは助けに入るために、走り出した。

 

「止せ、ティオナ!」

 

 フィンは制止の声を上げるが、既にティオナは新種の胴体に大双刃(ウルガ)を振り抜いていた。モンスターは悲鳴をあげ、その傷口から液体を飛ばす。軽くかかったティオナの髪の一房が溶ける。

 

「えっ!?」

 

 すぐさま飛び退いたティオナは目を見開く。彼女の武器が溶けていたからだ。

 モンスターは咆哮をあげる。ティオナは大急ぎで回避し、アイズ達と共に逃走に加わる。

 

「あんなの聞いてないよー!?」

「フィンが止めただろ、馬鹿女!!」

「フィン、あれなんだ!」

「わからない。僕達も突然襲われた」

 

 フィンは合流したばかりで状況を呑み込めてない、アイズ達に簡単かつ分かりやすく、現状を説明する。

 

「フィン、あのモンスターは倒せる?」

「可能だ。けど一撃で一つの武器を失う、割りに合わなすぎる。………クー確か君の武器は壊れなかったよね」

「無茶言うな!槍は溶けなくても、俺が溶けるわ!!」

「……冗談だよ。この状況じゃ難しいけど魔法なら………詠唱する時間を何とか稼いで、群れを殲滅できるほどの強力な魔法を撃ち込めたなら………クーは唯一武器損失の心配がないから前衛として外せない………」

 

 フィンの分析が終わり、レフィーヤに視線が集まる。そうこうしているうちに前方から群れが現れて、挟み撃ちにされそうになるが、そうなる前に前に右の通路に飛び込む。その先は行き止まり、必然迎え撃つしかない。武器を失っていた一班に第二班の予備の武器が渡る。

 

「親指がうずうずいってる。───恐らく、来るんじゃないかな」

 

 フィンの呟きが的中し、三方の壁に亀裂が走る。それは、モンスターが産まれる前兆。

怪物の宴(モンスター・パーティー)

 出口は新種が、周りの壁からは湧いた大量のモンスター。

 

「ベート、ガレス、ティオナ!レフィーヤを援護しながら駆逐しろ!あの新種は僕とアイズ、クーでやるーーかかれ!」

 

 フィンの号令に、強者達が獲物を構え仕事に取り掛かった。




次話の投稿は目処が立ってませんが、次話が投稿されれば、直ぐに次々話を投稿します。
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