ヒーローに憧れる君達に1つ仕事を紹介しよう。
その仕事はヒーローだけど目立たず、
皆がしないような仕事を優先する。
そうだな、1つ昔話をしようかね。
暗く狭い裏路地に2種類の足音が響く。
ひとつは軽くペースが短い。
もうひとつは重くゆったりとして足音がよく響いている。
暫くすると軽い足音がなり止む。
「いやっ、来ないで」
焦った様な声色で懇願する。
だが足音は止まらない。
迫る足音の主は辺りが暗いせいでよく見えない。
助かりそうにない。
そう悟ったのか最後の抵抗とばかりに、
スマホを取り出しフラッシュを焚いて写真を取る。
足音の主を確認しようと画面を覗き込む時、
急に足音が早くなり画面を水とも主の顔を覗くことが出来た。
ごつごつした腕が肩に伸び壁に押し付けて逃さない。
「お嬢ちゃん写真撮るとか馬鹿か。
助け呼ぶのが普通だろうがよ。」
顔をお面で隠しているが声色からして男である事が分かる。
男は右肩を抑えていた腕を首に変えて左の拘束を解く。
男は空いた左腕を自分のズボンに手をかけベルトを外す。
ここまでくれば男の目的はもうわかったようなものだ。
拘束を解こうと少女は暴れ出すが男は微動だにしない。
逆に首が締まり体力が減っていく一方だ。
男はズボンのチャックを開け準備万端の中身が外へ顔を出そうとする。
男は最早声をあげなくなった少女を見てせせら笑い首の拘束を解き、
乱暴に服を掴み地面に倒す。
押し倒した状態になりもう少女に逃げ場は無い。
男は遂に窓を開けて自分を外にさらけ出す。
男は勝利を確信し薄気味悪い笑を零す。
「ぉおおっ.......ぉぉあ。」
そして訪れたのは天国、ではなく地獄だった。
急に今まで感じたことのない激痛が走り、床ドン状態を解いてそこいらの床にのたうち回る。
その男の無様な様を押し倒されていた少女は冷ややかな目を向けながら、さっきと同様フラッシュを焚いて写真を取る。
「てめっ...何っ」
「金的のお味はいかが?」
そおれ、もう一発。
もう一度男を激痛が襲う。
さっきと違いぐりぐりと体重もかけて。
そしておもむろに少女はスマホを操作して電話をかける。
「もしもし、社長。
生死問わずの変態ヴィランを確保。
首だけ持ち帰ります?」
物騒だ。
そんな言葉を耳にした男は激痛を忘れ...耐えながら、少女から逃げようと必死にもがいて逃げる。
しかし抵抗虚しくも蹴り上げかかと落としの追撃を喰らい撃沈。
「はい。わかりました。
お前は生け捕りだって。
よかったね。死期が伸びて。」
少女は気絶した男の男をしまいズボンを履かせる。
そしておでこに「こいつヴィラン」と書いて、引きずって警察署まで持っていく。
引渡しの際何時もの担当でない警察と遭遇してお小言を貰う。
「高校生がヒーローの真似事は良くないよ。
君はどこの高校だ。学生証を見せなさい。」
少女は不満げな顔をして学生証ではなく運転免許証を見せた。
驚いた顔をしたお小言の警察を苦笑い気味で見る担当の警察。
「好きでこんな格好してるんじゃありません。」
釘を刺す様に一言を放ち、担当の警察から書類を貰う。
電車に揺られて事務所に帰り貰った書類を社長に渡す。
書類を一通り見た社長は事務所に在籍する一部のヒーローを招集し、
何処からともなく出したホワイトボードにさっきの男の顔写真を張り出し罪状と個性を書く。
数分後、招集のかかった少女を含め5人のヒーローが集まりホワイトボードを見る。
「こいつを担当したい奴いるか?推薦でも構わない。」
「俺まだ余裕あるからパスで。」
「私もパス。」
「パワー型にはパワー型でいいと思うわ。」
「賛成だな。鬼塚さんを推薦する。」
これを推薦風押し付けという。
「だそうだ。任せる。」
確認すら取らない社長。
これをクズという。
ため息をつかざるを得ない。
「私が捕まえたし、私が行くわ。」
ため息を連発する少女は社長から書類を貰い家に帰る。
さっきのメンツの大富豪でビリになり罰ゲームで着させられてたこの妙にリアルなセーラー服を脱ぎ捨てて、部屋着に着替える。
そして砥石を並べ始め野菜を切るには鋭く、牛肉を切るには重く、魚を切るには繊細な動きをしづらい。
そんな包丁の形をした刃物を丁寧に研ぎあげる。
そして4日後に社長から仕事にいけとのお電話。
ボストンバックに特注の黒い撥水性のあるツナギとタオルと大きく黒いビニール袋を入れ、鋭く触れるだけで切れてしまう位に研いだ包丁型刃物をケースに入れて仕事場へ行く。
門前で警備員がいて挨拶をするがどことなく顔が暗い。
会釈で返した少女は建物の奥に入り、案内された部屋でツナギに着替えて机に置いてある水を飲む。
10分後にまた違う部屋に案内される。
そこは何も無い白くて殺風景な部屋だった。
1箇所だけ色が違うとしたら壁に付いた銀色の取っ手のついた扉。
人が通る用では無く正方形の形をしている。
中には引き出す台があり横の壁にはボタンが1つある。
色々見ていると部屋の扉が開き、あの男が入ってくる。
男は私を見て急にムキムキになり攻撃してくる。
大ぶりばかりで避けやすい。
右のパンチが来た時に腕を掴んで人差し指を折る。
それだけで動きがとても鈍くなる。
雄叫びをあげながら突撃する男の腹に1発ストレートを入れて怯ませる。
そして手入れをした包丁型刃物を取り出し左腕を肩から切り落とす。
右腕も同様に切り落とす。
立てずに地面を転がり白い床を血で汚す男の首に跨る。
「楽になりたいか?」
痛みと恐怖で顔が涙と鼻水でぐしゃぐしゃの男は頷く。
「しっかり罪を悔いたか?」
後悔で顔をが涙と鼻水でぐしゃぐしゃの男は頷く。
「そうか。
しっかり地獄で罪を裁いて貰え。
次は真人間になれるといいな。
じゃあな変態ヴィラン。」
男の首を包丁で薙ぐ。
研いだおかげか刃はなんの抵抗も無く皮膚や肉を切り骨を断つ。
ごとりと首が落ち切れ口から鮮血が溢れ出る。
次いで少女は男の両足を付け根から切り落とし、心臓を出し、背中を開き背筋を剥ぐ。
用済みになった心臓以外の内蔵の詰まった胴体と頭をさっき扉の中の台に入れて扉を閉める。
忘れずにボタンを押す。
そして足音に転がる四肢を二の腕、腕、太腿、脛、と切り分けてビニール袋に詰め、ボストンバッグに入れる。
仕事を終え部屋から出ると警備についてた人が青ざめた顔を少女に向ける。
依頼された事なのにこんな顔はお門違いだとは思うが普通はそうなのだろう。
警備の人に会釈をして更衣室でツナギを脱ぎ違うビニール袋に入れて同じくボストンバッグに入れ刑務所を出る。
家に帰る前に事務所に寄り社長に挨拶をする。
「処刑ご苦労さま。
依頼とヴィラン確保のボーナス給料に入れとくね。」
「はい。
お疲れ様でした。」
帰路につき無事家に帰る。
そして今日仕入れたものを裁いて冷凍庫に入れる。
これで明日も食べるものがある。
人肉は食べたくて食べる訳じゃない。
体がそれしか受け付けない。
個性が発言したと同時に牛肉などの味が無くなった。
代わりに人肉が美味しく感じ始めた。
額に角が2つ生えたことから個性は「鬼」
妖のような人を喰らう悪鬼だそうだ。
きっとこの仕事を社長に教えて貰わなかったら飢えてヴィランにでも何にでもなっていただろう。
このヒーロー事務所は社長が立ち上げて個性が食人や必ず生命を死に到しめる人しか入れない。
その仕事は生死問わずのヴィランを狩り、個性の強い死刑囚の処刑を刑務官の代わりに処刑するという汚れ仕事。
もし、あなたの個性が私達と同じなら、
ようこそ、汚す仕事専門のヒーロー事務所へ。
あなたを歓迎します。
捕まった凶悪ヴィランは誰が処理するんだろうという疑問が涌いて書き上げました。
関係ないけど桜咲きましたね。
誤字脱字があれば報告してくれると有難いです。