もしも家庭人として上手くいったケイネスが居たなら。
もしも愛に生きるソラウが居たなら。
もしも自害しないディルムッドが居たなら。
もしも可愛い女の子になったウェイバーが居たなら。
もしもそれら全てが一緒になった家族が居たならば。
それは存在したかもしれないFateの物語。


完全に思い付きで書いたFate/Zeroの現代風パロディです。
色々と設定が狂ってます。一部TSがあるのでご注意を。

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アーチボルト一家の日常

 

 

 

 

これはIFの物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん、朝だよ」

「ああ……起きるよウェイバー」

 

 

愛娘ウェイバー・アーチボルトに起こされたケイネス・アーチボルトは重い眼を開きながら起きる。

昨夜は生徒の雨生龍之介に誘われて外に飲みに行ったのだが、少々悪酔いしたらしい。

ケイネスがダルい体を引きずりリビングに顔を出すと、妻であるソラウ・アーチボルトが朝食を作っていた。

 

 

「あら、おはようケイネス。今日は寝坊助さんね」

「ああ……昨日、ジルさんの所で飲んだ酒がまだ残っていたのかもしれん」

 

 

未だに思考がハッキリとしないのは昨夜、飲みすぎたからなのかオススメのツマミの見た目がグロテスクだったからなのか。ケイネスはそんな事を思っていると、スッと水の入ったグラスが差し出された。長男のディルムッド・アーチボルトが父を気遣って水を持ってきたのだ。

 

 

「父さん、青髭で飲んだんだって?あの店はゲテモノ料理で有名な所だよ」

「ああ……話には聞いていたがアレ程とはね。だが生徒の誘いだ。断りきれなかったんだよ」

 

 

ケイネスは飲み終えたグラスをテーブルに置くとフゥと一息吐く。漸く落ち着いたようだ。

 

 

「もう、ケイネスったら。昨夜は私……寂しかったのよ?」

「すまないねソラウ。今夜は一人にさせないよ」

 

 

作った朝食をテーブルに並べるソラウが不満そうに告げると、ケイネスはソラウの耳元で囁くように告げる。それを聞いたソラウは頬を染めながら微笑んだ。

 

 

「お父さんもお母さんも仲良いよね」

「ああ、子供達の前であれだけイチャつけるのは流石だ」

 

 

そんな光景を慣れた様子で眺めるウェイバーとディルムッド。アーチボルト家では当たり前の光景である。

 

 

「そう言えばウェイバー。今日はバイトの日だったかしら?」

「あ、うん。でも夕御飯までには帰ってくるよ」

 

 

そんな中、ソラウが思い出したようにウェイバーのバイトの話を切り出した。

 

 

「ああ……遠坂さんの所の凛ちゃんだったか?」

「うん、あの子ったら意地っ張りで大変だけど教え甲斐があるんだ」

 

 

ケイネスは会話の中のウェイバーのバイト先を思い出す。ウェイバーは家庭教師のバイトとして遠坂家の長女の凛に勉強を教えていた。少々意地っ張りだが、可愛い子だと以前ウェイバーから話を聞いたのをケイネスは思い出していた。

 

 

「まったく……バイトばかりだなウェイバーは」

「お兄ちゃんもでしょ。それにこの間もグラニア先輩の告白断ったって聞いたけど」

 

 

やれやれと溜め息を吐いたディルムッドだが、ウェイバーの指摘にウッと喉を詰まらせた。ディルムッドは学校でモテるのだが、いつも断っていた。

 

 

「それがあったから生徒会長もスゴい目付きで睨んでたし」

「フィン先輩とは話をしたんだがなぁ……」

 

 

ウェイバーが心配そうに告げるとディルムッドはウームと悩む。先日、告白された件で呼び出されたので必死に弁明したのだが、フィンには受け入れられなかったらしい。

 

 

「だが父さんは心配だぞディルムッド。ウェイバーに恋人が出来たら自害しそうだ」

「そうね……血の涙を流しながら相手を呪う言葉を吐きそうだわ」

「やだなぁ父さん、母さん。俺はそんな事しないよ」

 

 

ケイネスの指摘に同意するソラウ。そしてアッハッハッと笑い合うディルムッドだが、何故かウェイバーにはその光景が鮮明に脳裏によぎった為にとても笑えなかったりする。

 

 

「あ、そうだ!お母さん、今日はAm○zonから荷物届くから受け取っといて!」

「荷物……ああ、『アレキサンダーの冒険』のDVDね。貴女、アレ好きよね」

 

 

話題を変える為にウェイバーは今日、宅配で届く荷物を母に頼むことにした。

 

 

「うん、色々な国に冒険していくアレキサンダーさんの話って面白いんだもん」

「貴女の年頃ならアイドルとかに憧れるものなんだけどね……わかったわ。受け取っといてあげる」

 

 

キラキラと冒険家アレキサンダーの話をするウェイバーの瞳は好きなアイドルを語る女子高生そのものだった。ソラウは少し呆れながらもDVDを受けとることを承諾する。

 

 

「それはそうとディルムッド、ウェイバー。時間は良いのか?」

「あ、やばっ!?」

「急がないと。行ってきます!」

 

 

ケイネスの指摘に時計を見るディルムッドとウェイバー。急がないと遅刻するかもしれない時間になっていた。二人はバタバタとリビングから出ていってしまう。

 

 

「やれやれ、慌ただしいな」

「そうね……でも幸せだわ」

 

 

食後のコーヒーを飲むケイネスにソラウは目を細めて微笑んだ。

 

 

「さて、私もそろそろ行くとしよう」

「はい、見送らせてもらいます」

 

 

コーヒーを飲み終えてコートを着たケイネスの見送りに玄関まで出るソラウ。

 

 

「じゃあ行ってくるよソラウ」

「ええ、いってらっしゃいアナタ」

 

 

ケイネスは出る直前にソラウにキスをしてソラウはそれを受け入れた。

これが幸せなアーチボルト一家の日常である。

 

 

 

 

 

 

『ケイネス・アーチボルト』

大学の教授でアーチボルト家の大黒柱。

ソラウとはお見合いの席で一目惚れしてから求婚を申し込み、今でも新婚さながらの夫婦仲。

 

『ソラウ・アーチボルト』

ケイネスの妻で専業主婦。

お見合いでケイネスと知り合う。ケイネスは一目惚れだった、ソラウ側はそうでもなかった。ケイネスの熱烈なアプローチに段々惹かれていき結婚に至る。

 

『ディルムッド・アーチボルト』

アーチボルト家の長男で高校二年生。

非常にモテるのだが重度のシスコン。

 

『ウェイバー・アーチボルト』

アーチボルト家の長女で高校一年生。

兄に気を使って恋人はいない。冒険家のアレキサンダーに憧れている。

 

『遠坂凛』

ウェイバーに家庭教師をさせている近所の小学生。ツンデレが標準装備。

 

『ジル・ド・レェ』

BAR『青髭』のマスター。

ゲテモノ料理のツマミを出す事で不評だが、味は確かなもので何気にファンも多い。常連の龍之介とは仲が良い。

 

『雨生龍之介』

大学生でケイネスの教え子。

青髭の常連客でジル・ド・レェの事を旦那と呼び親しむ。

 

『グラニア』

ディルムッドやウェイバーの通う学校の生徒。

ディルムッドと同級生で告白するがフラレた。まだ諦めきれない様子。フィンとは幼馴染み。

 

『フィン』

グラニアの幼馴染みで高校三年生で生徒会長。

グラニアに惚れているが、想いがすれ違い気味な上にディルムッドにグラニアを取られたと一方的に敵視している。

 

『アレキサンダー』

テレビなどで有名な冒険家。


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