初投稿です。
私が考える、エリカが戦車道をみつけるまでのストーリーです。
そのため、自分なりの解釈やオリジナル設定もあります。
文は会話と擬音のみです。
エリカ(隊長はそういってくれたけど、私がずっと追いかけていたのは隊長の背中・・・)
エリカ(西住流が私の戦車道そのものだったのに・・・)
エリカ(それに、黒森峰の戦車道の方針を安易に変えてしまったら、少なからず隊員から不満の声が出るはず・・・)
エリカ(私らしい戦車道なんて全然わからないです隊長・・・)
コンコン
エリカ「どうぞ」
ガチャ
小梅「こんばんは隊長。今大丈夫ですか?」
エリカ「ええ、構わないわ。どうしたのよ?」
エリカ「それと、二人だけの時は名前呼びでいいわよ」
小梅「あっすみません、そうでしたねエリカさん」
小梅「ここ最近エリカさん悩んでばかりいるので心配になって・・・」
エリカ「あぁ、そのことね。気にしないでいいわよ」
小梅「でっ、でもっ!」
エリカ「新隊長が隊員に迷惑かけるなんてみっともないわ。それに、この問題は私自身が解決しないといけない事よ」
小梅「そ、そうですか・・・」
エリカ「でも、一つだけ小梅に聞いておきたいことがあるの」
小梅「なんですか?」
エリカ「そ、その・・・私が新隊長になってほかの隊員どう思っているのか、噂でもなんでも聞いたことあったら教えてほしいの」
小梅「そうですね・・・私が聞いた噂は2つあります」
小梅「一つは、エリカさんは元隊長であるまほさんの意思を受け継ぐ人だから、隊長が変わっても戦車道は今までと同じ戦術で行えるから安心だというものです」
エリカ「それで、もうひとつは?」
小梅「はい、これがちょっと・・・」
エリカ「いいわよ、ためらってないで言っちゃいなさい!」
小梅「その・・・エリカさんには西住流すべてを体現することは無理だという噂が・・・」
エリカ「・・・・・・」
小梅「いくらまほさんに忠実で、いくら西住流を学んでいようとも、西住の血を受け継いでいなければ無理だろう。まほさんを超えるには、それ以上の何かがないと無理だというものです・・・」
エリカ「そう・・・ありがと・・・」
小梅「わ、私はエリカさんを応援していますし、エリカさんの戦車道を貫いてくれればいいと思っています!」
エリカ「私の戦車道・・・私の戦車道・・・私の戦車道・・・」ブツブツ
小梅「エ、エリカ・・・さん・・・?」
エリカ「ごっ、ごめんなさい、別に怒ってはいないわよ!あ、そう、疲れているのよ!」
小梅「そうですか、安心しました。しっかり休んでくださいね」
エリカ「ありがと。小梅もしっかり休みなさい」
小梅「ありがとうございます。では、おやすみなさい」
エリカ「ええ、おやすみ」
ガチャ
パタン
エリカ「はぁ・・・・・」
エリカ(やっぱり、私は隊長と同じ場所には立てないのかしら・・・)
エリカ(隊長を超える秘策・・・それに私らしい戦車道って・・・)
Zzz…
エリカ「ハッ!?」
エリカ「今何時よ!?・・・・って9時!」
エリカ「新隊長になって遅刻なんて最悪だわ、早く着替えて行かないと!」
エリカ「支度している間に、テレビでニュースだけでも見ておかないと」
ピッ
ニュースキャスター『私は今、大洗女子学園艦に来ています!』
エリカ「大洗女子っ!?」
ニュースキャスター『大洗女子といえば戦車道!今年は無限軌道杯が復活するという事で、戦車道が熱くなりそうですね!』
ニュースキャスター『今日は数々の奇策で高校生大会優勝、さらには大学選抜を打ち破ったことで有名な、西住みほさんにインタビューです!』
みほ『よっ、よろしくお願いしまふっ!か、噛んじゃった』
ニュースキャスター『大丈夫大丈夫、リラックスリラックス~!』
エリカ「元っ・・・副隊長っ・・・!」
エリカ「って真剣に見てる場合じゃなかったわ。学校行かないと」
ニュースキャスター『いやー、土曜日なのに取材協力ありがとうございます!』
エリカ「土曜日!?」
みほ『いえ、わたしも今日は暇だったのでちょうどよかったです』
エリカ「はぁ・・・じゃあ今日はお休みじゃない・・・ここ最近忙しかったから、曜日感覚なくなっているわね」
エリカ「なら、これ見てしっかり大洗を研究して、無限軌道杯で叩き潰してあげるわ」
ニュースキャスター『無限軌道杯で優勝する学校についての予想アンケートを取ったところ、大洗女子が1位でした!ズバリ、大洗女子の戦車道チームが心掛けていることとは何ですか?』
みほ『はい、私たちのチームは全員が欠けることなく試合に関わってくれました。それに、私も勝つのならチーム全員で勝ちたいという思いがより一層強くなりました!』
ニュースキャスター『確かに高校大会の決勝戦では、川で立ち往生してしまったM3リー中戦車をみほさん自ら体を張って助けていましたよね』
みほ『はい。やっぱり私には仲間を見捨てる事なんてできませんでした。たとえ劣勢でも、仲間を見捨ててつかんだ勝利は絶対に清々しいものではないと思います』
ニュースキャスター『なるほど。これこそが大洗の勝利の秘訣なんですね!』
エリカ「フン、それが甘っちょろいのよ。裏返せばそこが弱点だってことじゃない。小梅の時は不可抗力だったけど、今後そこをワザと突いてくる相手がいるかもしれないわね」
みほ『もう一つは、それぞれのチームの特徴を生かして戦うことが重要だと考えています』
ニュースキャスター『ほぅ、それは興味深いですね』
みほ『戦車の特徴を活かすのはもちろんですが、乗員の特徴も把握することで、色々な作戦を立てられます』
ニュースキャスター『なるほど。戦車だけではなく。乗る人によっても個性が出るんですね』
みほ『はいっ!一番わかりやすいのはレオポンさんチームですね!』
ニュースキャスター『自動車部の皆さんが乗る、ポルシェティーガーですか!確かに、あれはすごいですね』
みほ『はいっ!欠点を自動車部の皆さんが腕で補ってくれているのと、数秒ですが加速できるというのが唯一無二の個性だと思っています!』
ニュースキャスター『なるほど。確かに他の人たちが乗っていたら、このようには絶対に扱えていませんでしたね!』
エリカ「黒森峰だって、装甲の固いヤークトティーがーを盾にしたり、Ⅲ号戦車をおとりにマウスの元へおびき出したりしているわ」
Prrrr
エリカ「ん・・・隊長から電話!?」
エリカ「もしもし!」
まほ【エリカ、元気そうでよかった】
エリカ「はいっ!」
まほ【大事な話があるんだ。他の黒森峰の生徒に聞こえない場所で頼む】
エリカ「わかりました!」
エリカ(じゃあトイレで・・・個室だし音もあまり漏れないわよね多分・・・・・)
エリカ「まさか家元が来週月曜日に黒森峰に来るなんて・・・まだ私の戦車道、見つかっていないのに」
エリカ「もし今後の黒森峰の方針を聞かれたらおしまいだわ・・・」
エリカ「あっ、それについて隊長に相談しておけばよかった・・・」
ニュースキャスター『では最後に、無限軌道杯に向けた意気込みと、ファンの皆様に一言お願いします!』
みほ『わかりました。えっと、無限軌道杯はまだ当たったことのない学校と対戦する可能性もあると思います。高校大会で優勝できたからといって気を抜かずに、初心を忘れず全力で立ち向かおうと思っています!』
みほ『ファンの皆さん。私たちがこうやって楽しく戦車道ができるのも、応援してくれる皆さんのおかげだと思っています。先ほどチームの信頼についてお話ししましたが、皆さんの応援も私たちを信頼してくれている証の一つだと思っています。なので、無限軌道杯でも大洗女子の応援よろしくお願いします!』
ニュースキャスター『ありがとうございました!以上、大洗女子学園艦からでした~!』
ブツッ
エリカ「はぁ・・・」
エリカ(何が信頼よ・・・私はあなたが黒森峰で戦車道を続けてくれると思っていたのに・・・)
エリカ(10連勝逃したことは確かに許せないわ・・・でも、小梅達は助かったし、戦車道連盟は今後、選手に危険が伴った合は試合を中断するというルールを導入することになって安全面も強化された。次の大会優勝に向けてみんなの士気も上がっていた)
エリカ(なのに何も言わないで逃げ出して・・・今では無名校を優勝まで導き、大学選抜を打ち破った隊長サマ・・・)
エリカ(私たちを信頼してくれていなかったの・・・?私たちは貴方に見捨てられたも同然の扱いを受けたのよ・・・?)
エリカ「私の苦労も知らないで・・・あなたの抜けた穴なんて、私じゃ完全に埋められないから苦労し・・・ハッ」
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小梅「その・・・エリカさんには西住流すべてを体現することは無理だという噂が・・・」
小梅「いくら元隊長に忠実で、いくら西住流を学んでいようとも、西住の血を受け継いでいなければ無理だろうということです・・・」
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エリカ「副隊長に就任した時から、所詮私は西住流の皮をかぶったいち隊員でしかなかったのね・・・あの時に気付いていればこんな悩まずに済んだかもしれないのに・・・」
エリカ「とはいえ、悩んでいても仕方ないわね。気分転換にショッピングモールにでも出かけようかしら」
エリカ「とはいえ、何も買うものなんてないのよね。適当に見て回ることに・・・あれって」
エリカ「やっぱり。元副隊長が好きなクマのぬいぐるみね。ボコ、だったかしら」
エリカ「いつも思うけど、これのどこがイイのか全くわからないのよ。これの良さがわからないと、元副隊長の良さも分からないとか?・・・いや、そんなことないわ。大体ボコボコにされても立ち向かうなんてゴメンよね。勝つんだったら圧倒的火力で無傷の勝利が絶対にいいと思うし・・・」ブツブツ
???「そんな曖昧な状態では、みほさんには勝てない」
エリカ「っっ!誰よっ!!」
???「貴方は見なければいけないものを見落としている」
エリカ「私が元副隊長のどこを見ていないっていうのよ!・・・・・って、貴方は・・・島田愛里寿っ!なんでこんなところにいるのよ」
愛里寿「限定ボコのぬいぐるみを買いに来た」
愛里寿「そんなことより、あなたはみほさんの何を見ているの?」
エリカ「私は元副隊長を、黒森峰から勝手に逃げだした人、私たちの気持ちも知らずに大洗で幸せそうにしているおひとよしだと思っているわ。朝も調子のいいことばっかり言って・・・」
愛里寿「朝・・・ニュース番組の事ね。みほさんに突っかかっているのに見ていたの?」
エリカ「うるさいわね!言っておくけど、私も黒森峰の戦車道隊員たちの個性を活かして戦車道はしているわ」
愛里寿「隊員同士で買い物や食事に行ったりはしないの?」
エリカ「はぁ?なによそれ。そんな無駄なことしてる暇があったら練習するにきまってるじゃない」
愛里寿「はぁ・・・今朝の番組、ちゃんと見てないの?」
エリカ「見たわよ!」
愛里寿「じゃあ私がさっき言ったことに対して、なぜ改善しようとしない」
エリカ「しないもなにも、元副隊長はそんなこと言ってなかったわよ!・・・はっ、もしかして・・・」
愛里寿「何か気づいた?」
エリカ「1番最後が無限軌道杯に向けた意気込みと、ファンに一言だったわよね」
愛里寿「うん」
エリカ「その前のインタビュー内容は何だったの?」
愛里寿「みほさん自身が考える、戦車道を続けていく中で大切にしていること」
エリカ(私が隊長と電話で話している時に私が見落としていたのね・・・)
愛里寿「その様子だと、そこだけ聞いていなかったようね。大方、大事な人と何かをしていたというところだろう」
エリカ「くっ!」
愛里寿「ここで長話も辛い。私の家に来るといい」
エリカ「はぁ!?なんで西住流を目指す私があなたのところに」
愛里寿「廃校をかけたあの戦いが終わった時、西住流も島田流もお互いのわだかまりは無くなったとお母さまが言っていた。だから遠慮する必要はない」
エリカ「わ、わかったわよ」
愛里寿「戦車道をしていても、隊員の人たちと戦車道の話だけではなく、そこから離れた話もすることが重要だとみほさんはいっていた」
エリカ「なによそれ。よくわからないわ」
愛里寿「ようするに、戦車道に関わっている隊員と戦車道の話をするのは当たり前だけど、好きな食べ物の話とか、学校帰りにショッピングモールに寄るとかして交流することが大事ってこと」
エリカ「そんなこと、大洗が強い理由になるの?」
愛里寿「戦車道を履修している者同士、戦車道関係の話題ならたくさんお話しできる。でも、お互いの好きな食べ物や趣味までは知ることができない」
エリカ「でっ。でも、私は隊長や小梅の好きな食べ物とか把握しているわよ!」
愛里寿「じゃあ、貴方の乗っているティーガーⅡで一緒の仲間の好物や趣味は?」
エリカ「それは・・・・っ」
愛里寿「そういう事。2・3人の好みについて知っていても、それだけでは大人数である戦車道のチーム全体はまとまらない」
エリカ「・・・・・・」
愛里寿「それに、みほさんたちは戦車道チーム全員で海やキャンプ場へ行っている」
エリカ「く、黒森峰だって強化合宿があるわ!」
愛里寿「内容は?」
エリカ「みんなで山や海に行って戦車道の特訓よ!」
愛里寿「海で遊んだり山でバーベキューしたりは?」
エリカ「そんなことしている暇なんてないわ。黒森峰は強くならなきゃなんだから、地形が変わっても戦車をあやつれるような練習に取り組むわ」
愛里寿「それがもうだめ・・・隊員と交流する場を作らないと」
エリカ「でも、これは黒森峰の伝統よ?そんなものいきなり変えられるわけないじゃない」
愛里寿「別にそこから変える必要はないと思う。貴方がさりげなく隊員の好きなものを聞いたり、学校の帰りにショッピングモールなどに誘ったりしていけばいい。はぁ・・・まさかここまで私が教えないといけないとは」
エリカ「悪かったわね。とりあえず試してみるわ。ありがと、それじゃあ失礼するわ」
愛里寿「まだ話は終わっていない」
エリカ「あとは何よ」
愛里寿「貴方、対戦した学校との交流は?」
エリカ「まさか、それも必要なの?」
愛里寿「当たり前だ。例えば、私はあなたの好きなものについて知らない。みほさんの姉を慕っているのは知っている」
エリカ「なっ、なんでそんなこと知っているのよ!」
愛里寿「秘密だ」
エリカ(どうせ元副隊長あたりがベラベラと喋ったのね・・・そういえば、その二人の共通点はあのクマね・・・)
エリカ「ねぇ、貴方と元副隊長ってあのボコってやつが好きよね」
愛里寿「気づいたか。私はボコのおかげでみほさんと友達になることができた。つまり、趣味について知ることができれば、ほかの学校の人たちとも今以上に親しくなれるはずだ」
愛里寿「みほさんは私たち大学選抜と戦う前に、知波単と連合を組んで、聖グロ・プラウダ連合と戦うエキシビジョンマッチを大洗市街でやって、その後全員で温泉に入ったといっていた」
エリカ「そんなところまで一緒に交流するの!?」
愛里寿「その他は、みほさんが車長をやっているあんこうチームが、高校大会の時にお世話になった学校にそれぞれ一人ずつ訪問しに行ったと聞いた。みほさんは黒森峰に行ったと話してくれた」
エリカ「確か、うちに来た時にそんな話していたわね。そこまで重要なことだと思ってなかったけど」
愛里寿「貴方が聞き逃したのはここまでだと思う」
エリカ「とても参考になったわ。島田流にお礼を言うのは納得がいかないけど、今回は助かったわ」
愛里寿「そういう素直じゃないところも直した方がいい。みほさんへの態度とか」
エリカ「余計なお世話よっ!じゃあね」ソソクサ
愛里寿「待て、この距離を歩いて帰るつもりなの?」
エリカ「あっ・・・」
愛里寿「照れ隠しも下手・・・」
エリカ「もうっ!そろそろ本気で怒るわよ!!」
エリカ「ふぅ・・・送り迎えに聞き逃した話・・・島田流にお世話になりすぎたわね」
エリカ「月曜日からは少しずつ隊員の好きなものを聞いていきましょ」
月曜日:戦車道の時間
エリカ「えっ、なんでもう家元が・・・?」
しほ「まほから極秘で連絡がいっているはずですが」
エリカ「は、はい。ありました」
エリカ(隊長・・・日を一週間間違えています)
しほ「では大丈夫ですね。戦車倉庫に戦車道履修者を集めておきました。そこであなたも含めて全員に発表がありますから、お願いします」
エリカ「はい、わかりました」
エリカ(発表って何だろう?)
しほ「全員揃いましたね。では、よく聞いてください」
全員「・・・・・」
しほ「新隊長の逸見エリカさんを悪くいっている人が一定数いると、ある生徒から聞きました」
ザワッ
エリカ「っ・・・!!」
しほ「静粛に。私は教えてくれた生徒の勇気ある行動を称賛します。それと共に、今のままではいけないと強く思いました」
しほ「さらに、エリカさんが今後の黒森峰をどう引っ張っていくか悩んでいることも聞きました」
エリカ「まさかっ・・・!?」チラッ
小梅「」ウインク
エリカ(そういうことね・・・小梅、私を心配してくれて・・・)
しほ「隊長が悩んでいたら隊員が助けてあげるもの。しかし、隊員がそういった噂をすれば、隊長は相談し辛い」
しほ「そのような悪循環がこの黒森峰にできたことを、私は恥ずべきことだと思っています」
全員「・・・・・」
しほ「それと同時に、私の力不足であったとも思います」
エリカ(えっ・・・?)
しほ「私はまほのドイツ留学、みほの間接的手助けばかり行っていて、黒森峰に顔を出すことがほとんどできませんでした」
しほ「家族の絆を大事にしたいと思っていましたが、それにつきっきりで知らぬ間にエリカさんを苦しめていました」
エリカ「・・・・・」
しほ「聞けば、西住流戦車道がエリカさんに体現できる意見とできない意見が出てきているそうですね」
しほ「では、私からはっきりと言っておかなければなりません」
エリカ(いったい何を・・・?)
しほ「エリカさんは西住流にこだわらない戦車道をやっても構わないです」
ザワッ
エリカ「そ、そんなっ・・・!?」
しほ「真の西住流はまほが受け継いでいます。だがら無理やりそれに合わせる必要はありません」
しほ「そして、今後の黒森峰をどう変えていくかは、ここにいる全員で考えるべきです」
エリカ(全員で・・・)
しほ「西住流と黒森峰は深い鎖で結ばれています。これは伝統といっても過言ではありませんから、私は2つの案を提案します」
しほ「1つはこれからも西住流を追い続けた戦車道にするのか。もう1つは西住流を土台にした新たな戦車道をするのか・・・」
しほ「無限軌道杯までは少し時間があります。それまでに考えをまとめてください。私も顔を出しますし、相談に来ても構いません」
しほ「それでは」
スタスタ
エリカ「家元・・・」
小梅「エリカさんっ!」
エリカ「わっ!びっくりするじゃない」
小梅「すみません。それより、勝手な行動をしてごめんなさい」
エリカ「謝ることじゃないわ!私は気持ちが軽くなって良かったわよ」
小梅「それならよかったです。この分裂騒動を壊すには、力のある人の意見が必要だと思ったんです」
エリカ「それで家元に声をかけたってことね」
小梅「はい。あ、詳しい話はあとでしましょう。とりあえず、ここにいる全員に何か声をかけた方がいいかもです」
エリカ「わかったわ。みんな混乱してるとおもうしね」
ザワザワ
エリカ「全員、ちょっといいかしら?」
エリカ「さっき家元が言った通り、私は今後の戦車道について悩んでいたわ。それをみんな薄々感じ取っていたのか分からないけど、貴方たちも私の指導が今後どうなるか不安だったのね」
エリカ「本当は今日から話し合いたいところだけど、みんな突然の事で頭の整理ができていないと思うし、疲れてもいると思うから今日は解散よ」
エリカ「明日までに私も言いたいことをまとめておくから、そこから全員で話し合いましょう」
全員「はいっ・・・・・」
帰り道
エリカ「とはいったものの、明日までに纏まるかしら・・・」
エリカ「島田愛里寿から助言はもらったけど、やはりみんなの前で話すのは勇気がいるわね」
エリカ「かといって隊長の西住流を目指しても絶対に中途半端になってしまうと思うし・・・あーもうっ!」
ダージリン「こんな言葉を知っていて?偽りの自分を愛されるより、ありのままの自分を憎まれる方がいい」
エリカ「えっ!?なんであなたがここにいるのよ?」
オレンジペコ「アメリカのロックバンドのボーカル、カート・コバーンの言葉ですね」
ダージリン「そのとおりよペコ」
エリカ「・・・・・」
ダージリン「失礼、今のあなたにピッタリの言葉よ」
エリカ「どういうことよ?」
ダージリン「貴方はまだ、西住流の形を変えたことによって生徒たちから不満が出ると思っている。違うかしら?」
エリカ「ぐっ!・・・悔しいけどそのとおりよ」
ダージリン「愛里寿さんから聞いたわよ。それに、先程の家元さんのお話も勝手ながら聞かせてもらったわ」
エリカ「あなた・・・勝手に学園内にはいったのね」
オレンジペコ「申し訳ありません!でも、私たちはエリカさんの手助けがしたかったんです」
エリカ「なんでグロリアーナが?」
ダージリン「エリカさん。今のままでは、貴方は大洗どころか1回戦敗退で無限軌道杯は幕を閉じてしまうわ」
エリカ「そんなこと・・・わかってるわよ!」
ダージリン「こんな言葉を知っていて?ステージに上がった時、自分が一番上手いと思え。ステージを降りている時は、1番下手だと思え」
オレンジペコ「イングランドのギタリスト、エリック・クラプトンの言葉ですね」
ダージリン「エリカさん、隊長である貴方が迷っていては、黒森峰の士気が落ちてしまうわ。でも裏を返せば、貴方の進む道へ全員がついてきてくれるわ」
エリカ「で、でも、もしそれが上手くいかなかったら」
ダージリン「自信を持ちなさいと言っているのよ?新しいことへの挑戦は誰でも不安になるわ。私だってそうだもの」
ダージリン「でも、不安という殻を破って踏み出した一歩、それが貴方だけの道・・・いえ、戦車道になるはずよ。まほさんも喜んでくれるとおもうわ」
エリカ「隊長が喜んでくれる・・・わかったわ。不安だけど、無限軌道杯で優勝するために冒険してみるわ」
オレンジペコ「少しはお力になれたみたいでよかったです」
エリカ「えぇ。もしあなた達に会わないで帰ったら、一人で悩んで抱え込んでしまうところだったわ」
ダージリン「ふふっ、まず不安の殻は破ることができたようね」
ダージリン「そんな貴方にこの言葉を残すわ。これまでの人生で間違ったことも幾つかやってしまったが、過ちは誰にでもあるものだ。人生とはそういうものだ」
オレンジペコ「イギリスのロックバンドのボーカル、オジー・オズボーンの言葉ですね」
ダージリン「間違いに怯えていては勝利なんて夢のまた夢よ」
ダージリン「それではごきげんよう。無限軌道杯で新しい貴方と黒森峰に会えるのを楽しみにしているわ」
オレンジペコ「私たちも応援しますし、対戦になった場合は全力でお相手させていただきます!」
エリカ「わかったわ!覚悟なさい!」
エリカ「ふぅ・・・・・」
エリカ「相変わらず格言名言をポンポン並べていたけど、リラックスできたのか、なんだか肩が軽くなったわ」
エリカ「よし、かえって意見をまとめないと!」
次の日
エリカ「全員いるわね。じゃあ、私が考えた今後の黒森峰について話そうと思うわ」
全員「・・・」ゴクリ
エリカ「戦車道の大まかな部分は西住流を土台にするわ」
エリカ「ただ、マニュアル通りにしか動けないという私たちの弱点は徹底的に変えていきたいと思うの」
エリカ「ある程度はたいちょ・・・元隊長が新たな戦術を取り入れて練習してくれていたけど、私たちは大切なことを見逃していたわ」
生徒「大切なこと・・・?」ザワザワ
生徒「戦車の整備が甘いとか?」ザワザワ
生徒「いや、隊列とか砲撃の正確さかもよ」ザワザワ
エリカ「静かに!あなた達、搭乗車の仲間が好きな食べ物とか趣味とか知っているかしら?」
生徒「えっ!?」ザワザワ
生徒「知らないな~」ザワザワ
生徒「でも戦車には関係なさそ~う」ザワザワ
エリカ「はいはい静かに!」
エリカ「私も戦車道のみで付き合う仲間だから、プライベートまで知る必要はないと思っていたわ」
エリカ「でも色々な学校の話を聞いたら、どこも温泉に行ったり合宿で海や山で遊んだり、お互いの学校を知るために訪問もしているそうよ」
エリカ(色々な学校って言ったけど、ほぼ大洗女子なんだけどね)
生徒「へぇ~」
生徒「そういえば、日曜日の朝のニュース番組でそんなこと聞いたような・・・」
生徒「それって確か元副隊長が出てたやつだっけ?」
エリカ「だから、私たちもお互いをもっと知るところから始めたいと思うわ」
エリカ「方法はたくさんあるわ。今からでも始められるものだったら、帰りにショッピングしたり、何か食べたりね」
エリカ「そうすることによって、戦車道の試合でマニュアルが壊れてもお互いしっかり意思疎通ができて、臨機応変に動けると思うわ」
エリカ「戦車道を通じた仲も大切だと思うけど、その殻を破ってフランクに付き合えることも重要だと思うわ」
エリカ「どうかしら?」
全員「・・・・・」シーン
エリカ(はぁ・・・自信をもって発言はできたけど、失敗だったのかしらね・・・)
小梅「わっ、私は賛成です!」
エリカ「小梅・・・!」
小梅「私、実は色々な人ともっと仲良くなりたいと心の中で考えていました」
小梅「でも、黒森峰ではそういうのは不要みたいな雰囲気があって、中々言い出せませんでした」
生徒「私もっ!」
生徒「私も・・・!」
小梅「もちろん、前の隊長であるまほさんを責めているわけではありません!」
小梅「私たち全員の面倒をしっかり見てくださったまほさんにはとても感謝していますし、まほさんには西住流の後継者であったため、自分の意見や行動に自由がきかなくて当たり前だと思います」
エリカ「もちろん、私も元隊長には感謝してもしきれないわ」
小梅「でも、今の隊長であるエリカさんはそれが可能になりました!」
小梅「それに、家元さんも西住流に何が何でもこだわらなくていいとおっしゃいました」
エリカ「じ、じゃあ、もう一度聞くわ。私の意見、どうかしら・・・?」
生徒「いいと思いますよ!」
生徒「賛成です!」
生徒「変革黒森峰ですね!」
エリカ「貴方たち・・・ありがとう」ウルウル
小梅「よかったですね。泣くほどうれしいなんて」
エリカ「な、泣いてないわよ!」
エリカ「それじゃあ戦車道の練習始めるわよ。搭乗後はまず、仲間で好きな物や趣味について情報交換する事」
エリカ「それから、戦車道が終わったら帰りにどこか寄ってもいいわよ」
全員「やったー!」
エリカ「ただし、ハメを外しすぎないようにね。黒森峰の生徒だという事は忘れないようにしてね」
全員「はーい!」
エリカ(帰ったら隊長にビデオ通話しないと・・・!)
エリカ「隊長っ!私の戦車道、見つけました!」
まほ「そうか。よかったな」
エリカ「はいっ!」
まほ「フッ、表情がとても明るくなったな」
エリカ「これもたくさんの人のおかげです」
まほ「そうか。それにしても、私の一言でエリカを悩ませてしまったな、すまない」
エリカ「そ、そんなことないです!これもいい経験でしたし、私も成長できました」
まほ「それならいいが・・・」
エリカ「隊長、そんな悲しそうな顔しないでください」
エリカ「そうだ!もしこちらに帰る予定があれば、私の新しい戦術を見てください」
まほ「わかった。ぜひ見てみたいな」
エリカ「はいっ!では、夜も遅いのでこれで失礼します」
まほ「待ってくれ。これだけは言いたい」
エリカ「なんですか?」
まほ「無限軌道杯、今までのエリカの戦車道人生をしっかりぶつけてほしい」
エリカ「もちろんです!今度こそ大洗に勝って優勝をつかんでみせますよ」
まほ「楽しみだ、ではおやすみ」
エリカ「はいっ、おやすみなさい!」
プツッ
エリカ「ふぅっ・・・」
エリカ(隊長の期待に応えられるように頑張らないと)
エリカ(それに、新しい戦術もしっかりと練習しておかないと)
エリカ(大洗女子学園、元副隊長・・・・いえ、みほ!)
エリカ「待ってなさい!私が・・・私たちが今度こそ、新たな王者の戦いで叩き潰してあげるわ!!」
完
最終章を映画館で見てエリカについて書こうと決め、自分なりに色々と考えて執筆してみました。私の中で、黒森峰は戦車道一筋のお堅い感じで、普通の女子高生らしいことを余りしていないイメージがあった為、それを足して書いてみました。