東方幻操卿   作:さんにい

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※この本文には、『上海アリス幻樂団』様公式サイトに掲載されている文章の一部を適宜省略し、引用をさせて頂いている部分があります。


東方紅魔郷
Opening


 幻想郷は、予想以上に騒がしい日々をおくっていた。

 謎の来訪者に、夏の亡霊も戸惑ってるかの様に見えた。

 

 そんな全てが普通な夏。

 辺境は紅色の幻想に包まれた。

 

 勘の鋭い少女は、直感を頼りに湖の方向へ出発した。

 普通の少女は、何かめぼしい物が無いか探しに行くかのように出発した。

 むしろ探しに行ったのだった。

 

 湖は、一面妖霧に包まれていた。

 普通の人間は30分はもつ程度の妖気だったが、普通じゃない人もやはり30分程度はもつようだった。

 

 妖霧の中心地は、昼は常にぼんやり明るく、夜は月明かりでぼんやり明るかった。

 霧の中から見る満月はぼやけて数倍ににも膨れて見えるのだった。

 

 もしこの霧が人間の仕業だとすると、ベラドンナの花でもかじった人間であることは容易に想像できる。

 

 中心地には島があり、そこには人気を嫌った、とてもじゃないけど人間の住めないようなところに、窓の少ない洋館が存在した。

 

 

 昼も夜も無い館に、『彼女』は、いた。

 

 

 

 

 

 **********

 

 

 

「ん────……ん?」

 

 少女は、目覚めを自覚する。

 そしてすぐに異変に気がついた。

 

「ここは…………どこでしょうか」

 

 人間は、目が覚めたときに知らない場所にいると、ひどく戸惑うとか。

 さすがの彼女も、そこは変わらないらしい。黒い瞳に、動揺の色が広がる。

 

 同時に、翡翠の瞳には好奇の心が発現していた。

 

 そして、黒と翡翠の少女は、更なる異変に気づく。

 

「…………これは、霧?」

 

 彼女の周囲には、どこまでも続いていそうな、深い、(ふか)い森。

 その、八百万の木々の合間を縫うように広がるのは、(あか)い、紅い妖霧。

 

 目を覚ました少女の翡翠は、その中で30分以上いたとしても平気なことを告げていた。

 

 しかし彼女は、蔓延する紅色の幻想にも怯まない。

 外来人の少女は、着物の袖を緩やかに振りながら、惹かれるがままに歩みを進め始めた。

 

 妖怪のような、傍若無人さを纏って。

 妖精のように、興味津々とした様子で。

 そこが、彼女が彼女たる所以なのだろうか。

 

 

 そして少女は、風に乗ってやって来た幕開けを認知する。

 

「あら? 夜しか活動しない人も見たことある気がするわ」

「それは取って食べたりしてもいいのよ」

「そーなのかー」

 

 次には、紅い森の中に、光と御札の花火が打ち上がっていた。

 幻想の空に輝く、小さな幻想。

 

 行く宛を意識していなかった少女は、その華やかさに釣られ、音と光の幻想へと引き付けられていった。

 

 

 

 普通の少女にとって、全てが普通でない夏が、こうして始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東方紅魔郷 ~the Embodiment of Scarlet Devil.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『永遠の巫女』

 博麗(はくれい) 霊夢(れいむ)

 

『東洋の西洋魔術師』

 霧雨(きりさめ) 魔理沙(まりさ)

 

『招かれざる来賓』

古卿(ふるきみ) 詩音(しおん)

 

 

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