小説版仮面ライダーエグゼイド 〜GAME IN THE LOSTBELT〜   作:玉ねぎは大正義ッ!

2 / 3
『0から1 1から宇宙の果てまで』は自分の中では、『0から1』は『0と1』、つまり「デジタルで記される全て」ではなく「無から有へ」、『宇宙の果てまで』は「有から無限まで」で、『照らし出す光はここにある』は「干渉しうる力を有している」であると思ってます。
そしてこれをゲームのレベル或いは本編における永夢や黎斗を示してる説と重ね合わせると、あらゆるゲームをプレイ或いはクリエイトする力又はあらゆる患者を救う力、要するに何処までも進化する人そのものを示してるともとれる。
因みに型月的視点で見つめた場合、0(根源)から1(全宇宙全次元における生命と定義できるもの)が生まれ、そして宇宙の果て(根源)に至る、つまりは型月における幼年期の終わり、或いは命の一生を示してるって捉えられる。
そんでこれらの説全てを纏めると、永夢ならばゲームをプレイする或いは患者を救う度にその過程で得たデータをベースに次なるゲームをプレイ或いは患者を救う、黎斗ならばゲームやそれに直接関連する機器を創造する度にその過程で得たデータをベースに新たなタイプのゲームや周辺機器を創造する、ということを『0から1、1から宇宙の果てまで、照らし出す光はここにある』は指してるととれる。

少し逸れて型月における一部のワードをゲームに例えるなら、人理定礎がセーブポイント、歴史がセーブデータ、世界(編纂・剪定事象)がゲームそのもの、宇宙は世界を内包するメモリーカード、次元はソフトウェアとハードウェアの違いのような感じだと思ってる。

と、長々と分かりにくい説明をしてきたけど、ここまでして自分が何を言いたいのかっていうと、
総計7つ存在すると色んなところで言われてるビーストが持つ理のうち永夢と黎斗ならば何に当てはまるのかと考えたとき三番目、『愛欲』の理にあたるんじゃないかということ。因みに右(ラプチャー)が黎斗。左(不明。恐らくは『奉仕』か『献身』か)に永夢。
ゲームをプレイすることを楽しむという内向的にとれる愛をもって患者と定義できる凡ゆるものを医療という形で救うという行為を義務感でやって退ける他者愛の化身と、ゲームをクリエイトすることを楽しむという開放的にとれる愛をもって夢と希望に満たされていないと定義できる凡ゆるものをゲームという形で救うという行為を私情でやって退ける自己愛の化身。
見事に対になってる。

因みにライダー界で他にこの理当てはまりそうなのは初代オーズ(フリードリヒ2世)と映司。
初代オーズが右(快楽)、映司が左(奉仕)ってところ。



言い終えたところで第2話投稿です。


第2話 意外なるAssisted person!!

――――――こえるかな。おーい、聞こえてるー?」

 

 

その言葉で僕は目を覚ました。すると其処にはパラドほどではないけれど、僕が日頃よく見ているある存在の顔が映っていた。

 

 

「うえええええええええええ!!!!????」

 

「お、起きたか。それじゃあまずは自己紹介させてもらおうかな。といっても、君は君の故郷で私のことをゲームキャラとしてではあるがそこそこに知っているだろうから短めにね」

「改めてはじめまして。そして宜しく。私はマーリン。マーリン・アンブロシウス。住所はアヴァロンだ。マーリンお兄さんと呼んでくれると嬉しいな☆」

 

「やめてくれ気色悪い!」

 

そう、こいつの名はマーリン。世界的に有名なキングメーカーで、夢魔と人間の混血児で、不死者で、そして何よりこちらも世界的に有名な騎士王、アーサー・ペンドラゴンお抱えの魔術師として多くの人に知られる男だ。そして僕の故郷では、「Fate/Grand Order」というゲームにおけるキーパーソンの一人としても有名だった。何よりサーヴァントの中でも特級に凄い種類、冠位英雄、グランドサーヴァント、キャスタークラスのそれに該当するやつでもある。でもその人でなしで穀潰しな性格からプレイヤーの多くにグランドクズ野郎と呼ばれて久しい。まあこいつにもしっかり泣かされる背景はあってそれがまたいいのだ。って、全部今はどうでもいい、それ以上に優先されるべきことがあるからだ。そう、それは……

 

 

「な、なんでお前がここにいるんだよ!」

 

こいつはあくまで僕たちの世界にはいない筈の存在だということだ。どれだけその背景に凄みを覚えたとしても。だというのに、こいつは視認可能な存在として僕の眼前にいる。そして今気づいたが、ここは夢の中だろう。周りに僕とこいつ以外いないことからして間違いない。だがそれも含めて本当いったいなんでなんだ…?

 

 

「何故って、そりゃここ、というよりは君の肉体が今いるのは平行世界だからさ。 君の故郷での言い方をするならばFGO時空とも呼称できる世界。そこに今君の肉体も意識もあるわけなのさ」

 

「あ」

 

その説明で色々なことが腑に落ちた。そうだ。あれからどれくらい経過したかは不明だが、僕の感覚で言うと少し前に僕は黎斗さんの平行世界渡航の実験に付き合って平行世界に渡航を開始したのだ。そして今このグランドクズ野郎の説明を額面どおりに理解するならばそれに成功したのだろう。

 

 

「――――――いや待てよ?」

 

だがそこに来て僕はある疑問に気づいた。

 

 

「僕のがまだ眠ってるっていうのはわからないでもない。けど、それにわざわざお前が干渉してこなくちゃいけない道理はなんだ?」

 

「お、早くもそこに気づいたか。流石天才ゲーマーでドクターの宝生永夢。異世界の同一存在でもそれは変わらずだね」

 

マーリンはそれに飄々としながら解答をする。

ん? ううん!? 何か今サラッと重要なことを吐いた気がするんだが!?

 

 

「同一存在? お前は僕と知り合いなのか?」

 

「うん、そうだね」

 

やっぱりか。そしてその理由もなんとなく理解できたが、とりあえずそれに関することも含めて質問を続ける。

 

 

「具体的にはどんな風に?」

「うん。まあもう気づいたと思うけど、カルデアのマスター、つまりは人類最後のマスターはこの世界線で生きていた頃の君だったのさ」

「生きていた頃? なんで過去形みたいな言い方なんだ? ……まさか!?」

 

刹那、僕の脳裏に恐ろしい想像が過った。だが同時にそれは医療に携わる者ならば思いつくのも至極真っ当なことだと言えてしまえるのも事実だった。

僕は震える心と声を落ち着かせながら、マーリンに自分の想像を告げた。

 

「―――この世界の僕は死んだのか?」

 

「惜しい! 微妙に違うんだ。この世界線における君は少し前に銃弾で脳と心臓を穿たれた。現在カルデアに訪れている脅威の大元に足を凍らされた状態で下っ端からそれぞれ二発ずつもらう形で。真っ直ぐ、ストレートに。君の大切な後輩を庇ってね」

 

こいつ、他人事だからって軽々しく言いやがって…。

偉そうに宣いたくはないが、こいつはマシュとこの世界線の僕のファンで、この世界線の僕のことをマイロードと時に呼ぶほど仲は良かった筈だ。なのにそのロードが死んでも飄々としている。こいつは半分人じゃないからか。なら当然なのか。

情けないことにマーリンの言い草に動揺よりも少しばかり怒りが勝ってしまっていた僕は、だがその時またもある矛盾に気づいた。

 

 

「脳と心臓を穿たれて惜しい、って何だってことはもしかしてこの世界の僕はまだ生きてるのか? つまりそれは助かる余地があるってことでいいんだな?」

 

そう、よく考えてみればこいつはこの世界の僕は死んだとは言わなかった。つまりそれは確率はどうあれ助かる可能性があるということで間違いないだろう。

 

 

「うん、そうだね。それで正解だ」

「そっか…!」

 

どうやらぴったり符号していたようだ。だが同時にまだ完全には安心できないのも事実だ。だからこそ僕はこの世界の僕を助ける方法を問うた。

 

 

「それで、どうすればいい。どうすればマシュとこの世界の僕を取り戻せる?」

 

「またも察しが良くて助かるよ。流石世界は違っても天才ゲーマーでドクターなだけはあるなあ」

 

「お世辞はいいから、早く教えてくれ」

 

「なんだいつれないなあ。いやまあでも、それも君らしいと言えば君らしいか。それじゃあこの世界線の君を助ける方法を言うとしようか」

 

そしてマーリンが僕に告げたそれは、またも僕の度肝を抜くこととなった。

 

 

「この世界線の君を助ける方法。それは、君とこの世界線の君が融合することだ」

 

「――――――――――――は?」

 

その瞬間こいつに対する怒りが湧き上がった。なによりその方法は知ってはいたが、人命救助をする身としては許せないこととして僕は認識していた。なぜならば、それは約数ヶ月前にある男が二つの世界を巻き込んで起こそうとした目的の一つでもあったからだ。

 

 

「どうだい、驚いたろう?」

 

「当たり前だ! それに驚くどころか怒りすら抱いてる! つまりその方法はこの世界の僕を世界から永遠に消し去るって言ってるようなもんじゃないか! ふざけるな、この人でなし!」

 

「そう言われてもね。私が人のもたらす結末としてはハッピーエンドが好きだというのは君も知ってるだろう?そしてこの世界の君のファンであるということも。加えて私は半分人じゃない。だから彼の紡ぐハッピーエンドをもっと見たいがために俗に言う人でなしな行為に走っても仕方ない。だろう?」

 

「おまえっ!!」

 

思わず胸ぐらを掴んでしまう。だが知っていてもこうしただろう。そう知覚できてしまうほどに今の自分は怒っていた。

 

 

「落ち着きたまえよ。 実はこれでも後悔はしてるんだ。元々君の世界の私が君を推していなければ私とて正直このやり方に納得はしていなかったさ」

 

「? 僕の世界にもマーリンという存在はいるってことなのか」

 

少し怒りを抑えて問いただす。

 

 

「そうだね。そして君の世界の私は今言ったとおり君のファンさ。そして今は私と融合している。つまり二つの世界の私がフュージョンしたということだ」

 

「今の文の前半と後半の脈絡がないように感じるんだが!?」

 

途中からいきなり話を変えてきたマーリン。言いたいことがよく分からず思わず叫んでしまった。

 

 

「あはは。そうだね、すまない。だけどこれは今の君の状況やこの世界の君を助ける方法にもある程度関係があることなんだ」

 

「何が言いたいんだよ。早く言え」

 

とりあえずマーリンが何を言おうとしているのかを聞くことにした。

 

 

「それじゃあまず一つ、君がこの世界に来れた最大の原因は何かな?」

 

「そりゃエニグマだ」

 

「じゃあその主な機能は?」

 

「平行世界の融合。実際は破壊って形だったけど」

 

「そうだね。じゃあもしそれが例えば君もよく知る財団Xの連中の手で進化して、二つの世界のあらゆる部分を一切の負荷なく誰にも気づかれないうちに完全融合し、あらゆる人間を不死生命体にできるようになったレベルになっていたとしたら?」

 

「そりゃ絶対破壊するさ」

 

「じゃあそれが君の世界のエニグマの起動と同時に強制起動し、尚且つ破壊しても全く意味のないという機能があったとしたら?」

 

「それでもやるさ。明日の地球を投げ出さないため。何より、誰かの笑顔を守るために」

 

「じゃあそれがもう、例えば世界の破壊者の手で成されたとしたら?」

 

「なら良かったじゃないか」

 

「ところがどっこい、ギリギリ間に合わず不死にならないようにしかできなかったとしたら?」

 

「おまえさっきから何が言いたいんだよ。ってまさか!? そうか、そういうことか……!」

 

「うん、そういうことだね」

 

「くっ…」

 

悲しさと悔しさに襲われながら僕はある結論を口にした。

 

 

「つまり、今おまえが言った理屈でこの世界と僕のいた世界が融合し始めてしまったってことか……ちくしょう!!」

 

「そう、だからこの世界の君を助ける方法がこれしかないというのも本当は違う。時間が圧倒的に足りないから成されるがままになるしかないってのを取り繕ってるだけ。詭弁なんだ。僕の不徳の致すところってわけじゃあないけども本当に申し訳ない」

 

その態度を示すかのようにマーリンは雰囲気を変えずに頭を下げてくる。流石にもう怒れなかった。というより、怒っている場合ではなかった。なればこそ、こいつに聞いておかねばならないことがあった。

 

 

「マーリン、この世界の僕の意識はまだ残ってるのか。もし残ってるなら話を僅かでもいいからさせてくれ」

 

 

そう、詳しい理由は不明だが恐らく僕にはこちらの世界の知識が全くと言っていいほど入ってきていない。つまり僕とこの世界の僕はまだ死んではいない、僅かではあるが息があるということになる。ならば話ができるかもしれない。だからこの世界の主人たるマーリンに頼むことにしたのだ。

 

 

「その言葉を待ってたんだ。返事は勿論YESさ。さあもういいよマイロード。別の世界の君ととても短い時間になるが話すといい」

 

 

どうやらマーリンはそれを待っていたらしく、心よく引き受けてくれた。そしてその途端、マーリンの側に花が咲き乱れる。そして後には見紛うはずもない、この世界の僕、宝生永夢が立っていた。そしてすぐに話が始まる。

 

 

「えっと初めまして。こっちの世界の僕」

 

「ああ、初めまして。そして……ほんとにごめん! 君を助けられなくて」

 

「気にすることないよ。って言っても気にしちゃうか」

 

「うん…」

 

「じゃあ、頼みごとをしていいかな」

 

「うん。いいけど何を?」

 

「まず一つ、今カルデアは謎の勢力からの襲撃を受けている。これをどうにか退けてくれ。次、これが一番重要だ。現実世界の今の状況も含めてなんだけど、これからのマシュの助けになってやってくれ。彼女は充分僕がいなくても強い子なんだけど本人はきっとそうは思ってないだろうから…」

 

この世界の僕は本当に辛そうな顔をしながらそう言った。意味は酷く理解できた。マシュは僕からしてみれば本当に頼りになるし、ゲームという二次元のものとはいえ、彼女と共に歩んできたのは僕も一緒だったからだ。だからこそ僕はこう答えた。

 

 

「……わかった。君ほど上手く先輩としてやれるかはわからないけど、それでも他ならぬ僕の頼みで何よりカルデアの皆さんやマシュを助けるためだ。その頼み、引き受けるよ!」

 

「よかった」

 

その反応にこの世界の僕が喜びを示した瞬間、彼の身体が輝き粒子化し始めた。そして僕の脳内に様々な風景が少しずつ入ってくる。この状況、景色に写るものからして彼の記憶で間違いないだろう。どれも僕らしいや。そう言えるものばかりだ。だが同時にこうしたことが起き始めたということは彼を構成する全てが現実から消え始めている。つまりこの世から去る。その合図とでも言うべきものが鳴り始めたということだ。

 

 

「その反応…」

「うん、どうやら時間が来ちゃったみたいだ。じゃあ、カルデアの皆、そしてマシュのこと、宜しく頼んだよ!」

「ああ、ああ、任せてくれ。絶対に、絶対に果たしてみせる。僕の心で!」

「そっか、ああ―――――安心した」

 

そしてそれは当然彼自身知覚できているようで、しかしそれに怯えるそぶりを全く見せず、僕に先程の約束を念押ししてくる。僕も涙を堪え、泣き叫ぶ心を黙らせながら、彼に強く再び約束した。

そうして彼は、何処かの正義の味方が奇しくも同じ、死に際にしてみせたような、発言と笑顔をしてみせる。そしてそれを最後に、この世から息を引き取った…。

直後、彼の全ての記憶を僕が理解し終える。同時に今カルデアでダヴィンチちゃんやマシュがどうなっているか。そして同時に今ダヴィンチちゃんやマシュが直面している脅威の姿もしっかりと把握した。

刹那、僕の体も輝きを放ち始める。これはつまりそういうことだろう。

 

 

「いよいよ別れの時間のようだ。僅かばかりとはいえ私のわがままに付き合ってくれて本当にありがとう永夢、いや今ばかりはマイロードと呼ぶべきかな」

 

「それはお互い様だろ。だから気にしないでくれ。それにその呼び名は僕にはまだ早いものだからよしてくれ」

 

「そうかい? じゃあ最後に助言を二つ。今現実世界ではガシャットがレベル0及びレベル―――に属するものを除いて全て使用不可になっている。そして今、君を守ろうと九条貴利矢と檀黎斗が戦っている。無論レベル0でね。また彼らが戦っている連中の二人は、バグスターでサーヴァントだ」

 

 

 

 

 

 

そうか、あれからそんなことが判明してたのか…そして貴利矢さんたちもカルデアに…なら一刻も早く目覚めないと!

 

 

「ありがとうマーリン! じゃあ行ってくる!」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

 

その会話を最後に僕は花の魔術師に背を向ける。瞬間、僕の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、私も一ファンとして引き続き彼の活躍を見届けることとしよう。そして祈ろう。彼と彼らの未来に幸あらんことを。また願わくば、最果て()の地にて再び巡り会わんことを―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚まし起き上がると見覚えのある立方体状のレンガのブロックが幾つか、それも浮遊しているのが目に映る。また全体的に暗い。こぬ即座に永夢はこの場一帯が何処であるかを把握した。次に、少し視点を変えると自分ではない自分の記憶に映っていたある人物の顔が目に入った。金髪碧眼で一見すると図々しそうに、また小太りに映るその顔のつくりはこの状況から考えるに、カルデア新所長、ゴルドルフ・ムジーク・ユグドミレニアその人のものに違いなかった。白目を向きはしていたが。また顔に比例して小太りのその体はまるで死に直面したかのように、まるでガクガクブルブルという擬音が聞こえてくるかのように小刻みに何度も震えていた。

 

そして彼と自分を守っていると判断できる存在の背中が目に入った。まるでバイクが人の姿を取ったような、それでいて頭部と全体的な色彩以外の全てが自分の変身するある姿によく似た仮面の戦士、その名は仮面ライダーレーザーターボ。バイクゲーマーLv.0。変身者の名は自分もよく知る男、九条貴利矢だ。

 

次に目に映ったのはレーザーターボの少し手前で恐らく新所長と自分を守るために戦闘中である三人のメンバーの姿だ。

 

 

「ンゲームマスターであるこの私に許可なくガシャットを作ったこと、万死に値するゥ!!」

 

一人目は、自身のことを檀黎斗神と名乗っている男、本名檀黎斗が変身する仮面の戦士、仮面ライダーゲンムアクションゲーマーLv.0。

 

二人目は「モナ・リザ」「ラ・ジョコンダ」で有名な約500年前に生きていた女性、リザ・デル・ジョコンダ。その生き写しではないかと思えるような顔立ち、かつて戦いを共にしたことがある自分とは別系統の仮面の戦士である仮面ライダーフォーゼが使っていたロケット型ナックルのような左腕、自分がFGOで大層お世話になっているサーヴァントを召喚するための石である聖晶石、或いはマニアにはダヴィンチの星と呼ばれる正多面体(もの)の一つである正八面体、それを想起させるものが先端に取り付けられている杖、これらから想起される人物は間違いなくただ一人だった。

東方の三博士(マギウス)北欧の大神(オーディン)知恵の果実(マルス)、それらに匹敵、或いはそれらを超越する才能と叡智の所有者であるその者の名はレオナルド・ダ・ヴィンチ、つまりこの人物は彼の万能の天才その人なのだ。その見た目だけでは常人ならば到底想像が及ばないだろうが。

 

そして最後に目に映ったのはうら若き一人の小柄な少女だった。アメジストのように透き通った紫色の目・リナリアのように青紫でそこにほんのりピンクとゴールドが混じったような髪色・先端が凄くバランス良く不揃いで、カール掛かった髪型・細く、だがしっかり肉つきがとれた肉体・夢か幻か過去か未来か現在か多くのことが曖昧だった空間で自分でない自分が見た恐らくは円卓13番目の騎士であろう男を想起させる鎧、そして身の丈以上の大きさのラウンドシールド。これらの要素が全てある少女の名を、姿を想起させた。その者の名はマシュ・キリエライト。ここに来てからできた初めての知り合いで、彼にとっての初めてのサーヴァントで、何より数多の特異点を彼の一番側で彼と共に駆け抜けて来た何より大切な、彼の自慢の後輩だった。

 

 

そんなマシュだったが、今の彼女は何処か悲しみを宿しているように永夢には見てとれた。そしてその理由も当然把握できていた。自分でない自分は彼女を庇って攻撃を喰らい、地に伏すこととなった。なれば誰より動揺し、誰より自分を責めた筈だ。恐らく今もそれは変化はしてはいないだろう。それでも戦っているのは、彼女の側で今戦っているダヴィンチちゃんがある程度彼女に喝を入れ檄を飛ばすようなことをやってのけてくれたからなのだろうと伺えた。

なれば、今自分がすべきことはたった一つ。

 

マシュとダヴィンチちゃん、そしてカルデアの皆さんを助ける!

 

そう認識した永夢は即座に貴利矢に小声で話しかけた。

 

 

「貴利矢さん貴利矢さん」

 

「はいはい何だ、って永夢ぅ!? いや、ええ? お前死んだ筈じゃあ…いや待てよ、そっか! なるほどね、さっきの揺れが原因てわけか。悪いな少し声荒げちまって」

 

「…いえ仕方ないことですよ。それで話は変わるんですけど、ここってレベル0のゲームエリアですよね?」

 

「正確には敵さんのゲームエリアと混じり合った状態だがな。おまけにレベル0以外のガシャットが使用不可ってのが檀黎斗のおかげで判明済みだぜチクショウ!挙句敵さんは全員ネビュラバグスターときた。ったくいやになるぜ」

「あと今言った経緯からお前の中のパラドも少し弱ってるだろうしそのせいでマキシマムマイティやムテキの力も使えない筈だ」

「そうですか…」

 

(パラド 、今のは本当なのか)

 

(ああ。あと少しってとこで力が強くロックされてる感じだ。だから今の俺一人じゃ、悔しいけど永夢の助けになれない…)

(なるほどな、なら…)

 

 

すると永夢は少し逡巡するようなそぶりを見せ、そして、

「……分かりました。じゃあ貴利矢さん、僕に貴利矢さんのバグヴァイザー(ツヴァイ)を貸してください。それがこの状況の突破口になるかもしれないんです!」

 

 

そう述べた。

 

 

「…もしかしてそれはあれか、こん中にまだいるアイツの力が現状打破の為になるってことか?」

 

「はい」

 

 

先程永夢が口にしたバグヴァイザーⅡとは簡単に言えば複数存在する、ガシャットと組み合わせることが可能な武器、通称ガシャコンウェポン、その一つだ。変身ベルトとしても使える。またバグスターを吸収して内部に幽閉しておくことも可能だ。そして正に永夢の目的とは現在貴利矢のバグヴァイザーⅡ内に幽閉されているあるバグスターの力を自身に取り込むことだった。

 

その名はアナザーパラド 。永夢と同時期に彼同様最初期のバグスターウイルスに感染した男・天才ゲームクリエイター檀黎斗の父親・幻夢コーポレーション初代社長、檀正宗。彼の肉体からある女医の手で分離され誕生した。そして永夢に宿るバグスター、つまり原初のバグスターであるパラドと瓜二つな容姿でありながら、彼と正反対の、正確に言えばバグスター特有の性質故に檀正宗同様の精神性を持つバグスター、それがアナザーパラドだ。永夢がこれを己が肉体に流し込んだということは、つまり二人分の原初のバグスターウイルスの力を取り込んだということ。パラドがより強くなるということ。つまり1+1=2 or ∞という考えだ。内側(パラド )から無理なら外側(えむ)から抉じ開けてやろうというわけだ。だが当然、アナザーパラドにも人格がある以上、そう簡単にはいかない。反発する恐れもある。つまり永夢の肉体にそれ相応の負荷がかかるということだ。

そしてそれは恐らく、いや確実に貴利矢も理解しているだろう。だから次の貴利矢の反応も当然と言えば当然のものだった。

 

 

「……おい永夢、それは深く考えた上での結論か?」

 

「はい、現状それしか思いつかなかったので」

 

「……ハア、ったくしゃあない。こういう時のお前は頑固なのはよーく知ってるかんな」

「但し、お前が戦闘中少しでも疲れてるそぶりを見せたらすぐ止める。それが条件だ。わかったな。あと―――」

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

「―――了解です。それじゃあ貴利矢さん」

 

「おう、受け取れ。そんでさっさと変身しちまいな」

 

 

そう言って貴利矢は自分のバグヴァイザーⅡを永夢に手渡す。すると永夢は右手でそれを受け取り同時に左手で懐からあるものを取り出した。ゲーマドライバー。彼がライダーに変身するために必要なものの一つ。彼はそれを腰に当てる。するとベルトの両端から帯のようなものが瞬時に飛び出し永夢の腰を覆った。次に永夢は自分の胸の辺りに素早くバグヴァイザーⅡを押し当てた。すると…

 

 

「うっ、ガアッ!?」

 

 

刃にも勝るとも劣らない鋭い痛みが彼の全身を襲った。当然呻き声をあげる永夢。

 

 

「ッ、はあっ!!」

 

 

だが数秒後、彼が一言叫んだのと同時に彼の右目がルビー、左目がエメラルドのように強く輝きを放った。直後、永夢の懐から二つのガシャットが飛び出した。その二つの名は「マキシマムマイティアクションX」、そして「ハイパームテキ」。

彼はその二つを両手で一つずつ持ちながらムの字の形に構え、両者のスイッチを押す。

するとバトルの始まりを告げるゴングの如く、両者に内包された電子音声が辺りに響く。

 

刹那、永夢は駆け出す。彼を導くあの場所へ。そして一言、大きくこう唱えながらドライバーに設けられたスロットにガシャットをセットし、レバーを引いた。

 

 

「マシュとダヴィンチちゃん、そしてカルデアの皆の運命は、俺が変える! ハイパー大変身ッ!!」

 

 

 

ガッチャーン! LEVEL MAX!

最大級のパワフルボディ! ダリラガン! ダゴズバン! 最大級のパワフルボディ! マキシマムパワーX!!

 

ドッキーング!

パッカーン! ムーテーキー!

輝け! 流星の如く! 黄金の最強ゲーマー! ハイパームテキエグゼイド!

 

 

すると再び先程とは異なる電子音声が鳴り響き、同時に永夢のいた地点から途轍もなくまばゆい黄金の光が放たれある場所目掛けて飛び出した。それは逆襲を告げる引き金であり、夜空に輝く流星の如しだった。

 

 

 

 




次回の仮面ライダーエグゼイド 〜GAME I IN THE LOSTBELT〜!
「残念だがそれは果たされない」「チヴェディアーモ、万能の人」
「宝生永夢ゥ!」「カルデアは…崩壊した」「汎人類史は2018年を以って終了した」「ホームズと言えば冒険でしょう」「更なる禁忌へ手を伸ばそう」
「虚数潜航、敢行するッ!!!」

第3話 そして、人類未踏のGAMEへ…!!
投稿日不明!


次回 序章終了。世界がリセットされます…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。