僕と戦車乙女の“非”日常です   作:神崎識

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今回の話は前後半に別れた話です!

大洗女子学園の生徒と大きく交流を深める話を予定してます。


みんなでゲーム大会です『前編』!

巧は放課後になり、戦車道履修者を一つの場所に集合させていた。

 

それは体育館で普段なら戦車倉庫に集合させるのだが、今回は特別に体育館に集合させたのだ。

 

それはある意味、娯楽ともいえる為に集合させたのだ。

 

それは・・・

 

「今日はみんなでゲーム大会をしようと思って集まってもらいました」

 

全国高校戦車道大会が目前に迫っているはずなのに遊んでる暇がないはずなのに巧はなぜゲーム大会を開いたのか?

 

「やった~!」

 

一年生チームは歓喜の声を上げていたが何人かの疑問の声と反対の声が上がっていた。

 

「だが全国大会は近い。我々に遊んでいる暇はない」

 

「そうです!練習するべきです!」

 

それに巧ではなく別の者が反論の声を上げた。

 

「巧さんの言う事が聞けないのですか!?」

 

「西住さんの言う通りだ。お父さんの言う事に間違いはない」

 

「西住殿と同意見です!」

 

「そうだよ!巧さんの言う通りだよ!」

 

Ⅳ号の乗員の砲手以外の四人が声を荒げて言った。

 

普段温厚なみほが声を荒げている事に対して驚きを隠せない人間が何人かいた。

 

「だよね~巧ちゃんの言う通りだね」

 

「巧さんの言う通りだよ!みんな言う事聞かないと・・・ね?」

 

「そうだ!文句を言うな!」

 

四人に援護するように生徒会メンバーの三人も声を荒げて言った。

 

そこ声に怯える一年生と疑問の声を上げた人間たち。

 

巧は仲裁に入って止めた。

 

「やめなさい。怯えているじゃないか」

 

巧が仲裁に入ると声をあげなくなった。

 

「心配しなくてもこれは一種の練習法なんだ」

 

巧が解説を始めた。

 

「これは色々なゲームで判断力を鍛えることを目的にしているんだ。それに練習ばかりではなく適度な息抜きも必要と思うんだ。それに今回は運動系のゲームも予定しているから体力も付くから一石二鳥だよ」

 

巧の解説で何となくだが納得した。

 

「それでは解散して好きな事をしてね」

 

巧は皆に一言掛けて解散させた。

 

渋々、従う者、嬉しそうに従う者、それぞれだ。

 

巧に近寄る者が居た。

 

いや、それは計り知れぬ闇を心に抱えている少女たちが・・・

 

『巧さん(殿)(ちゃん)!』

 

「お父さん!」

 

それぞれの呼び方で巧を呼んだ。

 

巧は振り向いて少女たちと顔を合わせた。

 

「どうしたの?」

 

巧が振り向くと飢えた獣のような眼をした少女たちが立っていた。

 

「巧さんゲームしませんか?」

 

「いいよ。何するの?」

 

「賭けをしませんか?」

 

「賭け?」

 

巧がみほに聞き返した。

 

「私が勝ったら言う事を一つ言う事をきいてください」

 

「いいよ。僕が勝ったら僕の言う事をきいてもらうよ」

 

お互いの賭けの内容が成立し、戦いが始まる。

 

「それじゃあポーカーで」

 

みほはトランプゲームのポーカーを選択した。

 

「僕がカードをシャッフルさせてもらうよ」

 

新品のトランプの箱のセキュリティシールを切って新品のトランプを取り出す巧。

 

「ジョーカー二枚は抜かせてもらうよ」

 

トランプの束から二枚のジョーカーカードを抜くのをみほに見せてカードをシャッフルした。

 

高速にシャッフルしてショットガンシャッフルを行い、完璧にシャッフルをした。

 

「みほと僕に交互にカードを配るよ」

 

みほから巧へと交互に一枚ずつ計五枚になるまでカードを配った。

 

「(巧さんに不安な動きはない・・・ここで制服に隠したカードにすり替えて・・・)」

 

みほは巧や周りの誰にもバレない様に制服の袖に隠していたカードと配られたカードを一枚ずつゆっくりと入れ替えた。

 

「僕は二枚、入れ替えるよ」

 

「私はいいかな」

 

巧は手札を二枚に入れ替えた。

 

みほの手札はイカサマでフルハウスとなっていた。

 

「(これで合法的に巧さんと・・・)」

 

みほの心の中の闇が膨れ上がっていた。

 

「それではオープンしようか」

 

巧とみほの手札が同時にオープンされる。

 

みほはこの時点で勝利を確信していたが、それは大きく裏切られた。

 

「!?」

 

みほはフルハウスだったが、巧はキングのフォアカードだった。

 

「僕の勝ちだね」

 

巧はイカサマをしたわけではなかった。

 

この手札になったのは巧の単純な運だった。

 

運も実力のうちと言うのだ。

 

「命令は貸しにしておくよ」

 

巧は立ち上がり立ち去ろうとした。

 

「次は私です!」

 

巧の前に立ちはだかる優花里。

 

「どちらかが早く知恵の輪を解けるか勝負です!」

 

優花里は巧に知恵の輪を渡した。

 

「(巧殿には難しい知恵の輪を渡したので断然に解くスピードは私の方が上!)」

 

優花里も勝つためにイカサマ紛いの事をしたのだ。

 

「わかったよ」

 

巧は知恵の輪を持って解く用意をした。

 

「それではいきますよ!スタートです!」

 

優花里の掛け声で一斉に知恵の輪を解き始めた。

 

「(これくらい一分あれば十分です!)」

 

これも優花里が勝利を確信した。

 

だがそう簡単に成功しないのが世の流れだ。

 

「終わったよ」

 

綺麗に解かれた知恵の輪が巧の前に並べられていた。

 

がっくりと項垂れる優花里であった。

 

「次は誰かな?」

 

巧は次の対戦者を催促した。

 

「次は私だ」

 

麻子がチェス盤を持って巧の前に座った。

 

「次は麻子だね」

 

「お父さん、手加減はなしだ」

 

麻子は巧の正面に座り黒い駒を選択した。

 

それはまるで心の色と同じような真っ黒な駒だった。

 

「それでは始めよう」

 

巧の一言で始まる盤面上の戦いだった。

 

だが戦いは数分で終局を迎えた。

 

巧の勝利で。

 

「チェックメイトだ」

 

巧の駒は2つしかとられてないのに対して麻子はほぼ全滅していた。

 

「強いな麻子は」

 

巧は麻子の頭を撫でると巧の膝の上に座りまるで親子のようになっていた。

 

「次は私!」

 

沙織が見るに堪えかねて次の勝負を仕掛けてきた。

 

「オセロで勝負だよ!」

 

沙織がオセロ盤を床に置いて対戦を仕掛けてきた。

 

麻子は巧の膝でお昼寝を始めていた。

 

巧の周りの数人は嫉妬の目線を向けていたが、麻子は気にせず普通に寝ていた。

 

「それでは僕は白で」

 

「私は黒で」

 

二色の色に別れて戦いが始まったが、沙織は呆気なく白の駒に埋め尽くされ置く場所が無くなり、強制的に負けになった。

 

「大人げないですね僕」

 

巧は反省していた。

 

高校生とはいえ、子供相手にゲームで本気を出したことに少し大人げなさを覚えた。

 

「次は私です」

 

Ⅳ号砲手の五十鈴華が巧に勝負を仕掛けた。

 

「競技かるたでどうでしょうか?」

 

競技かるたの小倉百人一首の札百枚を巧の前に差し出した。

 

「一応、ある程度は覚えているから大丈夫だよ」

 

競技かるたにての対戦を引き受けた巧は麻子を抱えて畳の敷いてある場所に移動した。

 

麻子を畳の上に寝かせた。

 

競技かるたに使用する五十枚の札を選出させて混ぜ始めた。

 

そして二十五枚ずつ自分の陣地(自陣)の畳に、上段、中段、下段の3段に分けて並べた。

 

競技かるたは畳の上の格闘技と言われており、とてもアクティブなのだ。

 

華は制服の袖を捲り上げ、髪を後ろに束ねてポニーテールにして動きやすくした。

 

「十五分の暗記時間です」

 

競技かるたは十五分間の暗記時間が設けられ、その間に自陣・敵陣の50枚の位置を暗記する事が出来るのだ。

 

最後の二分間は素振りが許されているのだ。

 

巧と華は互いの陣地の札を暗記をした。

 

そして詠手に礼をして競技が始まる。

 

詠手は小山柚子だった。

 

柚子も多少は競技かるたの事を知っているので今回は詠手に回ったのだ。

 

そしてかるたは礼に始まって礼に終わるというかるた道の精神によって、定式化されている。

 

戦車道とかるた道にも共通点はあるのだ。

 

競技開始時に百人一首に選定されていない序歌を詠むのが競技かるたの始まりだ。

 

そして競技かるたの百人一首を詠んだ。

 

上の句を詠み始めた一瞬で華は札を一枚弾き飛ばした。

 

弾き飛ばしたのは正解の札で、あまりの速度に巧は呆気に取られていた。

 

「(流石、五十鈴殿・・・華道をやっているとは聞きましたが、競技かるたの腕前も一流なのですね!)」

 

関心に浸る優花里を裏目に巧も本気を出すことにしたようだ。

 

上着を脱いで袖を捲り上げて先程とは比べ物にならないような集中力を出した。

 

「本気でいこう。これも礼儀だ」

 

全力で来る相手には全力で答えるのが礼儀なのだ。

 

巧も本気を出して一騎当千に臨むのだ。

 

お互いに一歩引かずの互角の戦いで白熱した戦いをしていた。

 

そしてお互いの自陣に一枚だけが残った。

 

だが、詠み札は百首全てが用意されるのに対して、場にある札は半分の五十枚のため、詠まれた歌の札が自陣・敵陣どちらにも存在しない場合もある。

 

これを空札と言う。

 

空札をも合わせて残り三枚となり、お互いに神経を尖らせていた。

 

そして柚子の口が開いた。

 

瞬間、華の方が一瞬早く巧の自陣に手が出て巧が出遅れた。

 

だが華は大きく手を出したため緊張で固まった体が思いのほか動かず、体勢が崩れて畳に顔から落ちかけていた。

 

巧は札を取るのをやめて華を優しく受け止めた。

 

「危なかったね」

 

巧は華の手を取り、札の上に手を置いてあげた。

 

「君の勝ちだ。僕は完全に出遅れたよ。それよりも君の綺麗な顔に傷が付かなくてよかった」

 

まるで落し文句のような言葉で華はノックアウトした。

 

華は顔が真っ赤になり、気絶してしまった。

 

そもそもここは女子校で華は家の影響で男の人とあまり触れあったことがないのでこういうのには耐性がないのだ。

 

ちなみに巧のこういうのは無意識なので本人に自覚はない。

 

「ど、どうしたんだろ?」

 

巧は戸惑いながら気絶した華を抱きかかえていた。

 

華をそっと優しく畳の上に置いて脱ぎ捨てた上着をかけた。

 

そっと立ち上がる巧に嫉妬の目線が突き刺さる。

 

「(なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでみほの巧さんが盗られなきゃいけないの!一緒に居た時間は誰よりも長いはずなのに!あとはお姉ちゃんだけだと思ってたのに!)」

 

「(巧殿と五十鈴殿を見ているとなんだが胸の中がチクチクします・・・)」

 

みほと優花里の二人は嫉妬に心をかき乱していた。

 

寝ていた麻子もかるたの取る音で起きていて巧の事を見ていた。

 

「(むぅお父さん・・・今回だけだぞ。次やったらユルサナイカラ・・・)」

 

「(巧さんがトラレソウ・・・やっぱり雑誌通りの高アプローチが良いのかな?)」

 

沙織も麻子も嫉妬心をむき出しにしていたのだ。

 

「少し休憩したいから飲み物買いに行ってくるよ」

 

巧はそんなことを微塵も気づいておらず飲み物を買うために体育館を後にした。

 

自販機の前に行った巧は時間を確認しようとスマホを出した。

 

すると先程もあった非通知の不在着信があった。

 

巧は折り返して電話をかけた。

 

数コールもしないうちに電話に出た。

 

「何の用だい?」

 

『私の正体がわかるかな?』

 

さっきと同じの変声機を使用していて、声の主がわからないようになっていた。

 

「僕が黒森峰女学園の三年生の時に一年生として入学してきた黒森峰女学園戦車道の副隊長、伊吹彩だね?」

 

『正解です。流石隊長ですね』

 

変声機を解除していて声が戻っていた。

 

そう電話の主は巧が黒森峰女学園の三年生だった時に一年生だった少女。

 

そして一年生にして巧は彼女に自分の右腕として副隊長に任命したのだ。

 

「少し悩んだけど僕に敬語で話す人間でそんな質問をする人間は君くらいだ」

 

『それよりも巧さんに折り入ってお話があります』

 

電話越しに彩の真面目な態度が巧に伝わってきた。

 

『巧さんに社会人チームに入ってもらいたいと思い電話しました』

 

巧はその言葉を聞いて一息ついて答えた。

 

「そうしたいのはやまやまですが、僕は裏切ってしまったから・・・」

 

巧の声は細く力がなかった。

 

『大丈夫です!みんな隊長を待ってます!それに私は戦車道の社会人チームの副隊長と選手会長しています!手続きは任せてください!』

 

「そうか・・・橘・・・立夏は元気かい?」

 

『・・・橘先輩は巧さんに近づくために毎日努力をしてます』

 

巧は力が抜けたように地面に座り込んだ。

 

『巧さんは知ってると思いますが、実は近々に大学選抜との交流試合があります。見に来てください。それを見て社会人チームに入るかどうか決めてください』

 

「わかったよ。見に行かせてもらうよ」

 

『それではまた会いましょう』

 

巧は彩から電話を切って立ち上がった。

 

自販機でコーラを買って少し口に含んで飲み込んだ。

 

刺激的な炭酸が少し辛く感じた。




どうでしたか?

今作に登場するオリジナルキャラクターはヤンデレではありませんので。

そしてあんこうチーム全員が堕ちましたね。

あとアンケートの結果でサメさんチームは登場しない事になりましたので。

それではまた次回!

チャオ!
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