僕と戦車乙女の“非”日常です   作:神崎識

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長らくお待たせしました!

私情によりしばらく更新を断ちましたが、これからいつも通りに戻していく予定ですので今後ともよろしくお願いいたします!


みんなでゲーム大会です『後編』!

水分補給を終えた巧は体育館に戻った。

 

もう一度、自販機に行かないように買っておいたスポーツドリンクを少し飲みながら戻ってきた

 

体育館には戻ってくる前にはなかったバレーボールのネットが張られていた。

 

バレーボールが体育館の床にたたきつけられる鋭い音が鳴り響いていた。

 

明らかな実力の差で繰り広げられているバレーボールの光景があった。

 

八九式の乗員であるバレーボール部員対M3Leeの乗員の一年生たちがバレーボールをしているが、実力はもちろんバレーボール部員である八九式の乗員である4人の方が優勢であった。

 

4対6のハンデをもろともしないバレーボール部員の猛攻に一年生たちは逃げていた。

 

巧はこのままではけが人が出ると思い、スポーツドリンクを体育館の端に置いて急ぎ足でそれに乱入するように巧が一年生の澤梓に飛んできたスパイクを片手で受け止めた。

 

「これはスポーツマンシップにのっとらない行為だよ。澤さんけがはないですか?」

 

ペタッと女の子座りで座り込んでいる梓を心配で声をかけた。

 

「大丈夫です!」

 

バレーボール部員の4人が我に返り梓を含めた一年生6人に謝り始めた。

 

「ごめんなさい!久々のバレーに夢中になってしまって・・・」

 

キャプテンである二年生のバレーボール部員の中では低身長の体操服の少女、磯部典子が代表して謝った。

 

梓は大丈夫そうな素振りをしていたが巧は見抜いていた。

 

「左の足首を軽く捻挫しているね。動かない方が良い。ほら手を貸して」

 

「あ、ありがとうございます」

 

梓は巧の差し出した手を取った。

 

巧はそのまま手を引き寄せて梓を捻挫していない右の片足だけで立たせた。

 

そして梓の背中の方に手をまわして空いた方の腕で梓の足を持ちあげた。

 

「!?」

 

一般的にこれをお姫様抱っこと呼ぶ。

 

『きゃーっ!』

 

一年生の数名が歓喜の悲鳴を上げた。

 

それもそうだろう個性的なメンバーの中でごく一般的な女子高生が多い一年生チームだからこそ女の子のあこがれでもお姫様抱っこを目前にしているのだから。

 

梓はあまりにも突然な事に脳内がフリーズしており、ただ顔が赤くなっていくだけだった。

 

真っ赤な顔になった梓を抱えたまま体育館の端の方に連れて行き、パイプ椅子に梓を座らせた。

 

巧は梓の左足の体育館シューズを脱がして腫れ具合を確認した。

 

「腫れはそこまで酷くないけど悪化する可能性があるから固定して冷やした方が良い」

 

とりあえず、梓の靴下を脱がせた。

 

「誰かテーピングは持ってるかな?」

 

巧は周りに問いかけるとみほが近づいてきた。

 

「巧さんこれ」

 

みほの手にはテーピングがあり、巧はそれを受け取った。

 

「ありがとうみほちゃん」

 

巧はお礼を言っただけでそれを不服と思ったみほが不機嫌な顔で頭を巧に差し出した。

 

巧はそれを察して巧はみほの頭を軽く撫でるとみほは満足気な表情をした。

 

「えへへっ」

 

だが、それ以外のⅣ号の乗員の顔はかなり険しくなっていた。

 

巧はみほから貰ったテーピングで梓の捻挫した左足首を固定した。

 

「誰か保健室に行ってアイシング用の氷を取ってくれないかい?」

 

巧がまたもや周りに聞くと誰よりも早い速度で優花里が声を上げた。

 

「私が取ってきます!」

 

そう言うと優花里が普段よりも早い速度で走り去って行った。

 

それはまるで飼い主が投げたボールを全力で取りに行く犬のようだった。

 

そして数分が経過すると優花里が走って戻ってきた。

 

その速度は氷がまだ溶け始めていないのでかなり早い事が分かる。

 

「ど、どうぞ!」

 

息がかなり上がっていて過呼吸になっている優花里から巧はビニール袋に入った氷を受け取った。

 

「ありがとう優花里。飲みかけで悪いけどこれでも飲んで落ち着いて」

 

巧は先程飲んでいたスポーツドリンクを優花里に渡した。

 

「ありがとうございます!家宝にします!一生の宝にします!いっそのこと祭壇を作って崇めます!」

 

「優花里は面白い冗談を言うんだね」

 

巧は軽く笑った。

 

「・・・冗談じゃないですけどね

 

優花里が口からボソッと呟いた言葉は巧には届いてはいなかった。

 

「澤さん少し冷たいけど我慢してね?」

 

巧は優花里から貰った氷の入ったビニール袋を梓の捻挫した左足首の腫れている所に当てた。

 

「ひゃっ!?」

 

あまりの冷たさに梓は可愛い悲鳴を上げた。

 

「これで良し」

 

一通りの応急処置を終えて巧がスッと立ち上がった。

 

そして一息置いて八九式の乗員の4人に近づいた。

 

4人は怒られる覚悟をしていた。

 

巧も怒るかのような真面目な表情をしていた。

 

そして巧が重い口を開いた。

 

「失敗をする事は悪くないと思うんだ僕は」

 

「えっ・・・」

 

巧の思いもよらない一言に4人は戸惑いを隠せなかった。

 

「どんな人間でも褒められたり怒られたりして成長するんだと思うんだ。現にみほちゃんだって小さい頃はよく悪戯をする子でしほさん、みほちゃんのお母さんによく怒られていたんだよ」

 

「た、巧さん昔の話は・・・」

 

みほは恥ずかしくて顔を赤らめた。

 

「西住隊長の意外な一面だな・・・」

 

「先輩って意外とお茶目だったんですね~」

 

「みぽりんが意外・・・巧さんとは小さい頃から一緒なんだな。なんかずるい・・・

 

と色々な十人十色な反応があった。

 

意外と思う者、面白がる者、そして嫉妬する者。

 

各自それぞれの思いがあるのだ。

 

巧は続けて口をひらいた。

 

「だから今回の事は君たちが成長するいいきっかけになってくれたと僕は思うんだ。確かに僕も学生時代は戦車道に夢中になると周りが見えなくなっていたけど、それに気づかせてくれる大事な仲間が居たんだ。だから僕も成長を繰り返して大人になったんだ」

 

納得のいく言葉に4人は頷き納得していた。

 

戦車道には人生に全てが詰まっている・・・

 

巧がよく言う言葉だ。

 

戦車道は乙女の嗜みとしても礼節のある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子を育成するとして戦車道を通して成長を促すのが自分の役目だと巧は認識している。

 

「とりあえず僕が言えることそれくらいだから」

 

自分の言った事にむず痒いのか軽く頬を掻いた。

 

照れた顔を見られたくなくて巧は顔を下に向けていた。

 

「(巧さんの照れた顔、可愛いなぁ。独り占めしたいな)」

 

「(お父さんの照れた顔・・・)

 

「(あんな顔を私に向けてくれたら・・・やだも~!)」

 

「(巧殿のあの顔は・・・飯盒丸々一個のご飯が食べきれてしまいます!)」

 

巧の普段は見せない顔に興奮気味の4人。

 

それに便乗するかのように生徒会の3人も巧の顔に見とれていた。

 

そんな事に気づいてない巧は下げていた顔を上げて4人の顔に再び顔を向けた。

 

巧は4人の顔に目を向けると驚いた光景があった。

 

涙を目に浮かべて今にも泣きそうな表情をしている4人が居たのだ。

 

「えっと・・・僕、何かいけない事でも言ったかな?」

 

素直な巧は直球に4人に聞いた。

 

「ち、違うんです・・・怒られると思ってて・・・私達にこんなに優しく言葉をかけてくれる大人なんていなくて・・・」

 

「(いつの時代でも子供の気持ちになって考える大人は少ないのだろね。僕もそうだったから分かるよ・・・)」

 

巧は深々とそう思いながら理解した。

 

「何かあれば僕に頼ってくれたらいいから」

 

そう言い残して巧は去ろうした。

 

巧は自分自身でキザなセリフ言ったと思い今すぐにでもここから立ち去りたいと思っていたのだ。

 

「み、みんな適当にもう終わっていいから!」

 

 

そう言い残して急ぎ足で一旦、体育館を後にした。

 

~★~

 

~みほsideIn~

 

私は深く考えて出した結論を巧さんが居ないときに実行するべきだと考えていた。

 

それは先日の練習試合の後にグロリアーナの隊長のダージリンさんが言っていた事。

 

この先、私一人では勝てない敵に遭遇するかもしれない。

 

お姉ちゃんやお母さんのような相手には絶対と言ってもいいほど勝てないだろう。

 

でもこの学校のみんなとなら勝てるかもしれない。

 

ホントは嫌なんだけど巧さんを他に盗られるのはもっと嫌!

 

だから1人でも多くの仲間が必要になる。

 

沙織さん、華さん、優花里さん、麻子さんは多分こっち側(ヤンデレ)

 

生徒会の皆さんも同じ。

 

後は澤さんは傾きかけていると思う。

 

それとBチームの磯部さんを含めた4人も可能性はある。

 

すぐにでも仲間に引き込まないと・・・

 

残る一年生は澤さんに任せよう。

 

まずは澤さんからかな?

 

私はそう思いながら座っている澤さんにさりげなく近づいた。

 

「澤さんちょと良いかな?」

 

「どうしました?西住先輩」

 

こちらを振り向く澤さん。

 

「澤さんに聞くけど巧さんの事そう思う?」

 

私のその言葉で少し困惑した表情をした。

 

「・・・いい教官だと思います」

 

「そういうのじゃなくて異性的にどう思います?」

 

私の一言で固まる澤さん。

 

少し考えるような素振りをして間を開けて答えた。

 

「異性としては結婚しても良いくらいの人です」

 

「そうですか」

 

私の考え通り澤さんもこっち側(ヤンデレ)に近い人間だと認識できた。

 

だけどもう一押し確実にこっち側(ヤンデレ)に堕ちるようにしないと。

 

「実は先日戦った聖グロリアーナ女学院には澤さんと同じ学年の優秀な選手が居ます。巧さんはそちらの方に期待しているようです」

 

澤さんの額から冷や汗が出始めている

 

「そ、それが何の関係があるんですか?」

 

「このままでは澤さんに巧さんは見向きもしないようになるんですよ?」

 

私は確信的な一撃に近い言葉で澤さんの心に響く言葉をぶつけた。

 

澤さんは胸を押さえて俯いた。

 

そして幾分かの間があり、澤さんが顔を上げた。

 

「・・・私はあの人の視線独占したい!」

 

澤さんの目には純粋だったは光はなくなって、ただどす黒く底の見えない欲望のような真っ黒な色になっていた。

 

「ライバルは多いです。一人では勝てない敵もいます。だから手を貸してくれませんか?」

 

私は澤さんの前に手を差し出した。

 

「西住先輩・・・一時に共闘ですよ?」

 

「構いません。それよりも共通の敵を倒すために仲間を増やす必要があります」

 

「それなら一年生は私に任せてください」

 

「私もこちらで動きます」

 

これで現大洗女子学園の戦車道履修者の私を含めて約半分ぐらいがこっち側(ヤンデレ)に堕ちました。

 

私も各校にある独自の情報網に似た情報網を作らないと。

 

やっぱり情報網を握るにはその手に強い人間を雇った方がいいよね。

 

私はそう思いながら新たな計画を練ることにした。

 

~みほsideOut~

 

~★~

 

巧は体育館の外に出てやることもなく放浪していた。

 

「お父さん一緒に帰ろう」

 

麻子が制服姿で巧に追いつこうと走ってきたのだ。

 

「いいよ」

 

麻子は巧の右手と繋ぎ帰路につくのであった。

 

そしてこのまま1日目が終わればよかったのだが、まだこの先に地獄が待っているのであった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?

今回はブラックみぽりんが登場しました!

予定ですが次回で1日目がやっと終了します!

それではまた次回!

チャオ!
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