変境で育てられた自称常識人   作:レイジャック

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少し休憩がてら執筆したものなので過度な期待はしないよう、ご注意ください


ネタが浮かんでこないんだよね……


番外編:勤務時間でも休んで良いんですよ?

これはまだ、俺が親衛隊のサポート要員になる前の事である。昨日もいつも通り車に揺られ朝から晩まで荒魂の相手をしてから自室に戻ると時刻はここ三日連続で時計の針が10を指していた。だが、ここで終わりと思いきや3日外に出ていてやれなかった書類が作業部屋の上に綺麗に置かれ、おまけに明日までに終わらせるようにメモまで書き置きがある。期限まで時間もなく寝る間も惜しんで作業をして、終わる頃には鬱陶しく感じるほどに輝いている朝日が窓の外から差し込んでいた。

 

「……朝か……さて、寝るとしよう」

 

「ゼロ、何逃げようとしてるの?」

 

「……疲れてるようだな。沖田とそっくりの人物が目の前にいるが……これは幻だな」

 

「本物だよ!……疲れてるのは分かるけど今日だけは頑張ってくれ。明日は休みだから」

 

「嘘だ……ゼロの休日はゼロ……は、ハハハハハハハハ!!」

 

「おい!正気に戻れ!ゼロぉぉぉぉ!!」

 

「!?俺は一体何を?」

 

「正気に戻ったか」

 

「ああ。何とか持ちこたえた……それで、今日は書類を持っていないみたいだが……もしや、今日は!」

 

「期待してるとこ悪いけど休みではないからね」

 

「……我が生涯に悔いは「言わせないよ!?」……チッ」

 

「何故舌打ちしたの!?」

 

「何故だか無性に舌打ちしたくなったからだ……他に理由はあまりない」

 

「あまりって事は何かあるの?」

 

「ファントムが見えるこの現状に舌打ちしたくなっただけだ」

 

「だから本物だよ!幻じゃないから!!……はぁ、今度はこっちが疲れてきたから早く用事を済ませよう……」

 

「沖田……人間には活動限界がある事を知っているか?」

 

「あーはいはい。知ってますから用件を伝えるね」

 

「……仕方ない、腹を括るか……くっ!話せ!」

 

「……リアクションしてやらないからな?」

 

「……つまらない奴だな……それで、今日はどんな仕事をすればいいんだ?」

 

「最近ちょっとした噂が出回っていてね。それの調査だよ」

 

「噂か……聞いたことない」

 

「ゼロは外に居るから聞かないのかもね。知らないゼロの為に教えておくけどあくまで噂だという事なのを忘れないでね」

 

「分かった。その噂の内容を教えてくれ」

 

「了解。その噂の内容は……管理局内に反折紙紫派の者達が集まって組織を結成していると言われている」

 

「反折紙紫派……その噂の信憑性はどうなんだ?」

 

「悪いけど今のところ証拠もないから薄いね。だけど、このまま放置出来るものでもない……」

 

「だからこその調査か……それならば仕方ないが、手掛かりは何か無いのか?」

 

「うーん、あるのはあるけどほぼあり得ないんだよね」

 

「この世に絶対というものはない……それに何もないよりあるだけマシだからな」

 

「そう言われると何も言い返せないね。ゼロ、これは俺個人で調べた結果だからあまり当てにしないで」

 

「……分かった」

 

「それじゃあこの写真を見てくれ」

 

「これは?」

 

「これに写っているのは数年前から行方を眩ませている人物だ……リチャード・フリードマン……S装備開発に携わった科学者だ」

 

「それは凄い事だよな?」

 

「そうだね、この人物がいなければ開発も順調に進まなかったかもしれない程の重要人物だよ……だけど、開発技術のレベルが向上した頃から様子がおかしくなったんだ」

 

「それは歳のせいだろ」

 

「いや、確かにその可能性もなくはないけど……そうじゃなくて、科学こそが生きがいみたいな人だったんだけどさ、S装備開発後からの行動に少し違和感があったんだ」

 

「歳のせいではなく?」

 

「そうだよ!……こほん、とにかく違和感を感じたから少し監視していたんだけど特に怪しい事はしていなかったんだ……消息不明になる少し前まではね」

 

「……その人物が……いや、他の誰かと手を組んで反折紙紫派の組織を結成する為に消息不明になったとでも言いたいのか?」

 

「おそらく……あくまでも勘なんだけどね……だけど最近、この人物を目撃したという情報を耳にしてね。その近くには若い女性もいたとか」

 

「それはあれだ……肉体は衰えても精神は衰えてないという奴だろ」

 

「そういうのじゃない……他にも長船学長と接触しているという情報もあるんだよ」

 

「ただの偶然……にしては出来過ぎているか……それでその若い女性とは誰なんだ?」

 

「それなんだけど……可能性は0に等しい程の人物なんだよね」

 

「まさか……俺か?」

 

「そんな訳ないだろ!まったく、ゼロ繋がりって意味じゃないんだよ」

 

「悪い……今のは冗談だ」

 

「……まあ今更だけどね」

 

「……それで、俺以外となると誰なんだ?」

 

「それは……紫様の妹、折紙朱音様だよ」

 

「妹だと?見間違いか瓜二つの人物じゃないのか?」

 

「証拠がないからそうとも言い切れないんだよ……そこで、今回ゼロにはこの写真の人物と接触して情報を引き出して欲しい」

 

「今日の仕事は調査か……紫様には言ってあるのか?」

 

「流石に不確かな事は言ってないよ。今回の調査も実は内緒にしているんだ」

 

「いいのかそれで……俺の今日の仕事はどうする?要請が来たら行かなくてはいけないんだが?」

 

「そこは大丈夫、書類作業も朝終わらせたみたいだから今日はフリーだ。それに、要請がきた時は調査を切り上げて向かってくれていいよ」

 

「……仕方ない。本来ならば断るとこだが、無関係でもないみたいだからな……その依頼引き受けよう」

 

「ありがとうゼロ。さっそくで悪いけど今すぐにこの場所に向かってくれ。この前、フリードマンに似た人物を偶然見かけたという情報があったんだ。これが本当ならそこに居るはず」

 

「そういっても、無関係の者は入れないのでは」

 

「安心して!今回は視察という名目で訪ねる事になってるから大丈夫だよ」

 

「紫様に内緒ではなかったのか?」

 

「そうだよ。だから、丁度視察する予定があったからこっちでゼロを任命しておいたんだ」

 

「……用意周到だな。今日はフリーではないのか?」

 

「それはここでの話だよ。悪いとは思ってるけど、本当に反折紙紫派の組織があればここも危険だからね」

 

「そうだな……それではそろそろ出発するが、何か言い忘れた事はないか?」

 

「そういえば1つだけ、今回はあくまで視察だから武装しないで向かってほしい」

 

「……生身1つでどうにかしろという事か?」

 

「そうしないと立入禁止になってしまうんだ……悪いね」

 

「別に構わん……他には?」

 

「あとはないかな」

 

「そうか、それではこれより現地に向かう」

 

「ああ、何か分かったら出来る限り教えてくれ」

 

「……覚えていたらな」

 

沖田を1人部屋に残し指定された移動に使う車両へ向かい乗り込む。ドライバーの隊員は乗った事を確認してからエンジンをかけ車を発進させ、目的地まで法定速度を厳守しながらゆっくり向かった。

 

 

 

車で向かってからは話相手も同乗していない事もあり暇を持て余しながら、着くまでの間中ずっと窓の外を眺めながら何も考えず呆然としていた……

 

「……人員補充して欲しい……はっ!?」

 

現状の体制についての本音が思わず漏れてしまい我に帰り、運転手を見ると何かを口ずさんでハンドルを握っていたので聞かれなかったと思う……運転手とは対照的な気分になりながらもう一度外の景色を見ようとすると急に車が大きな建物の前で停車した。

 

「ゼロ、目的地に到着したぜ!」

 

「そうか……それにしてもやけに機嫌がいいな」

 

「おっ?分かっちまうか?実はこの後の時間はゼロが帰るまで自由行動なんだよ。だからこの辺の美味い料理を食べに行こうと考えていたら……悪い、思わず涎が」

 

「……帰るときに連絡する。その時は頼んだぞ」

 

「おうよ!任せとけって!」

 

悪態の1つでも言いたくなったが必死に堪え車を降り、目的地の建物の正面入り口に向かう。

 

「ここか……それにしてもやけに金がかかってそうな場所だな……特別希少金属研究開発機構、か……科学者にはいい思い出がないからさっさと用件を済ませて帰るか」

 

入り口前で止まっていても不審者扱いされて通報されるかもしれないので、建物観察をやめて中に入る。中に入りあたりを見回していると1人の男性ががこちらに気づき歩み寄ってきた。

 

「やあ、君がゼロ様だね」

 

「様づけはやめろ、ゼロでいい……その前にお前は誰だ?」

 

「HAHAHA!これは失礼。僕はフリードマン、見てわかる通り科学者だ」

 

「最近の科学者は白衣を着ないのが主流なのか?」

 

「Oh、痛いとこをつくねゼロ。確かに白衣は着てないけど科学者なのは本当だよ」

 

そこは知っている。沖田から聞いているからな……それよりも沖田の見せた写真と全然違う。写真ではもっと若々しく写ってたけど目の前の人は面影はあるが白衣も着ていない爺さんって感じだ。何より……ピンクのシャツを着ているぞ!お笑いから始まりボディビルダーにでもなるつもりか?……あれはピンクのセーターだったから違うか……

 

「ふん、そんな事はどうでもいい……それより、今回案内するのは貴様なのか?」

 

「That’s light!!本当は他の人がする予定だったんだけど、僕が無理言って代わってもらったんだ」

 

「何故だ?」

 

「実は前からゼロに一度会ってみたかったんだ。噂を聞いているうちに興味が湧いてね」

 

「悪いが俺にそっちの趣味はない、他を当たってくれ」

 

「そういう意味じゃないよ!?」

 

「……他に理由があるのか?」

 

「Of course!君という人間がどんな人物か知っておきたくてね……今後の為に」

 

「今後の為?」

 

「おっと、今のは忘れて!こっちの話さ……ところで、さっきからフレンドリーに話しているけど大丈夫かい?」

 

「今更だな、そのままでいい。俺としても敬語で話されるより気が楽だ」

 

「そうなのかい?それならこのまま話すよ」

 

「そうしてくれ」

 

「ん〜……やっぱり噂は当てに出来ないな〜」

 

「何のことだ?」

 

「実は噂ではゼロの事を悪魔も泣いてしまう存在だから、絶対に近づくな……って言われているんだよ」

 

噂は噂、その内消えると思っていたが……まさか逆に尾ひれがついて広まっているとは知らなかった……何だか目の前が暗くなっていく気分だ……

 

「……」

 

「あ、あれ?ゼロ?」

 

「あ、あぁ悪い……少し目眩がしただけだ、気にするな」

 

「大丈夫かい?」

 

「大丈夫だ、問題ない」

 

「それならいいけど……もしもこれから見て回る時に気分が優れない時は言ってくれれば休憩するから、無理はしないでくれ」

 

「分かった」

 

「よし!このままここにいてもつまらないだろうから行こうか」

 

「そうだな。それでは案内を頼むぞ、フリードマン」

 

「任せてくれ!」

 

急に気合が入ったフリードマンと一緒にフリードマン案内の元この施設を歩き回る。途中に目についた場所があれば嫌な顔をせず、親切丁寧に説明をしてくれる事もあり時間がかかってしまったがとても有意義な時間を過ごせた。やはり知らない物というのは新鮮味があってどれも輝いて見える。そう、例えば今見ている武装に備え付けてあるノロのような物体でも輝いて……

 

「いや待ておかしいだろ」

 

「ゼロ、どうしたんだい?」

 

「フリードマン、何故ノロがあそこにあるんだ?」

 

「もしかしてゼロ、S装備は初めてかい?」

 

「……言葉は知っている程度だ」

 

「そうか、それなら驚くのも仕方ないね。あそこにあるのはS装備、正式名称はストームアーマーと言って刀使専用の装備なんだ」

 

「それは知っている……荒魂殲滅用の強襲装備で短時間だが装着者の身体能力と防御力を飛躍的に向上させる」

 

「そうだね、ゼロの言った通りの性能が備わっている……しかし、それだけのものを稼働する為にはどうしても必要なものがあるんだ」

 

「それがノロ……」

 

「正解!……こればかりは他に代用が効かなくてね」

 

「……科学者も苦労しているんだな」

 

「分かってくれるかゼロ……」

 

「俺にも少し似たような経験があってな……だが、これがあれば荒魂の被害が拡大する前に討伐出来るようになるのか。これさえあれば俺も外に出る機会が減るはず……」

 

「ゼロ?」

 

「んん!何でもない……それにしても、フリードマンは顔が広いのだな」

 

「まあね。これでもS装備開発に携わった1人だからよく話しかけられるんだ」

 

「ほう、そうか。それならば、若い女性にも声を掛けられるのも納得がいく」

 

「……何を言っているんだいゼロ?」

 

「丁度いい、全て見回った事だから帰る前に聞いておこうか……フリードマン、貴様は一体何をするつもりだ?」

 

「悪いけどゼロの言っている意味が分からない」

 

「とぼけるつもりか?貴様は現在消息不明となっている……それに、刀使や長船の学長、それとある人物とも接触していると情報があった」

 

「ある人物?」

 

「ああそうだ。流石にこの名前を聞けば少しは尻尾を見せるだろうな」

 

「そんな事はしていないんだけどね」

 

「あくまでもしらを切るか……フリードマン、貴様はとある女性とここ最近接触はしたか?」

 

「とある女性と言われても誰の事か分からないから答えようがないよ?」

 

「……折紙朱音と言えば分かるか?」

 

「なっ!?」

 

「ビンゴ……やっと尻尾を見せたな……もう一度聞くが何をするつもりだ?」

 

「……ゼロ、君は僕をどうするつもりだい」

 

「質問しているのはこちらの方だ……答えろ、貴様は管理局をどうするつもりだ」

 

「……ははっ、僕の負けだ。降参するよ……僕は……僕達はとある目的があるんだ。管理局は別にどうこうするつもりはない」

 

「管理局は?」

 

「そうだよ。僕はある人物、朱音様に従って組織を結成した。十数年前にやり残した事を果たすための備えとしてね……」

 

「その目的を果たす為に世の人々を危険に晒すつもりはないのか?」

 

「ああ、そのつもりはないよ……そう言っても信じてもらえないかもしれないけど……どうか見逃してくれないだろうか?」

 

「分かった、見逃してやろう」

 

「え?」

 

「どうした?信じてやると言っているんだぞ?」

 

「それはありがたいんだけど……いいのかい?」

 

「いいも何も、人々を危険に晒すわけではないのだろ?」

 

「そうだけど……」

 

「ならば問題ない」

 

「……僕達が何をしようとしてるか聞かなくていいのかい?」

 

「人々が危険に晒されないのなら聞く意味がない」

 

「……ゼロは……本当に見逃してくれるのか?」

 

「くどい!俺は貴様達のやろうとしてる事に首を突っ込む気もないし興味もない。被害が出なければそれでいい」

 

「……はははっ!」

 

「なぜ笑う?」

 

「これは失礼……ゼロ、君は噂通り本当に変わってるね」

 

「……その言葉は言われ慣れている」

 

「そうか。言われ慣れてるのか……ゼロ」

 

「何だ?早く帰って休息を取りたいのだが?」

 

「1つ頼みがあるんだ。聞いてくれないか?」

 

「……手短になら聞いてやる」

 

「ありがとう。それじゃあ単刀直入に言う……僕達に協力して欲しい」

 

「……いきなりどうした?」

 

「今日一日君という人物を観察させてもらったけど、敵に回したら為すすべもない事を十分理解出来た」

 

「そうか……」

 

「だけど、それと同時に味方になってもらえればとても心強い事も分かったんだ……だから、協力を申し出たんだ」

 

「……敵に回さない為にか?」

 

「それは違うよゼロ。僕は純粋に君に仲間になってもらいたいんだ」

 

「俺は管理局の人間だ……必要とあらば貴様達に刃を向ける事もあるんだぞ?」

 

「そうかもしれない。それでも、その間だけでも仲間になって欲しいんだ……頼めないか?」

 

「……俺はほとんど毎日暇な時間がない。だから、あまり頼りにするな」

 

「それって……」

 

「目の届かない所で何か面倒事を起こされるよりはまだマシだからな……これからは無謀な事をするなよ?」

 

「ありがとうゼロ!」

 

「礼はいらん……それより、協力するからには何をするか聞いていた方がいいのか?」

 

「そうだね、そうした方が今後頼みたい事がある時に何かと都合が良くなるかもしれないね」

 

「まあほとんど協力は出来ないと思うがな……」

 

「それでも一応伝えておくよ……僕達の組織は舞草と呼ばれていて、先程も言ったように準備を整えているんだ……ある荒魂討伐の為にね」

 

「その荒魂は手強いのか?」

 

「手強いというより最大の敵と言った方が正しい、何せ十数年間もの間力を蓄えているから」

 

「随分と大きな目的だな……だが、悪くない。少し興味が湧いた」

 

「君はこういう事には無関心だと思っていたよ」

 

「そんな事はない……やる事については大体分かったが、1つ聞いておきたい事がある」

 

「ん?何が聞きたいんだい?」

 

「協力するのはいいが連絡はどうやって取ればいい?俺の持っているスマホは管理局から支給されたものだから足がついてバレるぞ」

 

「それは安心してくれ。今からゼロ用に用意する」

 

「……時間はどれくらいかかる?」

 

「ん〜、今からだと2時間くらい掛かるかな?それまでは悪いけどここに残ってくれたまえ」

 

「それならば仕方ない……「そうだ!」どうした?」

 

「良かったら休憩室で仮眠をとっていてはどうだろうか?」

 

「何!?良いのか?」

 

「もちろんだとも。今の時間は誰も使わないから安心して使ってくれ」

 

「感謝する。この借りはいずれ返す」

 

「そんな大袈裟な事では無いんだけど……せっかくだし貸しにしておくよ」

 

「承知した。それでは後で休憩室に来てくれ、俺はそこで待っている」

 

「OK、それではまたあとで会おう」

 

「御意……では失礼する」

 

そこでフリードマンと一旦別れ1分でも仮眠をとるために急ぎ休憩室に向かい、備えつけのイスに横になってしばし仮眠をとる。勤務中に仮眠をとれるなんて……協力する事にして良かった。これだけで元は取れる……はずだ。

 

 

 

「……ロ……きてくれ」

 

誰かの声が聞こえゆっくりと覚醒して状態を起こしていく。

 

「……フリードマンか」

 

「やっと起きたか……先程用意できたから届けにきたよ」

 

「そうか……もう少し遅くても良かったのだがな……」

 

「悪いね、この後僕にも予定があるんだ」

 

「……それで、例の物はその手に持っているものか?」

 

「その通り。見た目は管理局と区別がつかなくなると思って黒色にしてあるから安心してくれ」

 

「それはありがたい。これなら連絡をとっても足がつかないんだな?」

 

「ああ、これは問題なく連絡をとれるようにカスタマイズしてあるから大丈夫だよ。でも、くれぐれも他人に見つからないようにしてほしい」

 

「ふん、安心しろ。そんなヘマはしない……さてそれでは帰るとするか」

 

「もう帰るのかい?」

 

「ここに残る意味がなくなったからな……フリードマン、今日は有意義な時間を過ごせた。感謝する」

 

「それはこちらのセリフだ。中々に楽しい時間を過ごせたよ」

 

「それは何よりだ……ではまたな、フリードマン」

 

「また会おう、ゼロ」

 

フリードマンと別れの挨拶を済ませた後、正面入り口に1人歩いて行った。そして、外に出てから送迎の車を手配してもらうと数分後にきた時と同じ車が到着して、それに乗り込んで本部に帰る。

 

 

本部に到着した後、車を降りてから一直線に作業部屋へ向かうと予想通り沖田が待っていた。

 

「お疲れ様、ゼロ……それでどうだった?」

 

「……特に目立ったものはなかったな。例の人物も見当たらない」

 

それもそのはず、写真よりも年老いた姿なのだから見つかるわけがない……だから、俺は嘘は言っていない。

 

「そうか〜、やっぱり居ないか……はぁ」

 

「残念だったな……悪いが俺は疲れたから部屋に戻るぞ」

 

「ああ、うん。ゆっくり休んでくれ」

 

「そのつもりだ……じゃあな」

 

今も落ち込んでいる沖田を残し、多少の罪悪感が残るまま部屋を出て自室に戻る。

 

「悪いな沖田……だが、お前の見せてくれた写真が悪いんだからな」

 

自室に戻り少しばかりの愚痴を吐いてから部屋着に着替え、寝床につくと先程仮眠をとったにも関わらず、すぐに睡魔が押し寄せて眠りについた……

 

 

これが、フリードマンという人物と初めて出会った日の事……そして、過酷な労働を強いられていた時期の思い出だ……

 

 

 

 

 

 

 




番外編なのについ力を入れてしまった……

後悔はしてないがもう少し短くできるように努力する……


次があればね……
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