……学校生活は今まで書いていなかった事にさっき気づいた。
さあ、今回は久しぶりにホワイト展開だ!!!
再スタート
親衛隊を脱退してから早くも2日が過ぎた……
「暇だな〜」
家でだらだらとテレビを見ながらそう呟く俺は、今日が平日なのも気にせずにコーヒーにミルクを入れて口にする。
「たまにはミルク入りコーヒーもいいものだな……おっと、つい口調が変わっちゃったな。いつまでもこの口調じゃなくてもいいのに……癖がついたみたいだな。まあ、知り合いと会う事もないだろうし別に気にしなくていいか」
本部での生活が抜けきれず思わず喋り方が変わる事を気にもとめず、再びコーヒーを飲む。朝のテレビのニュースはどこも先日の事を取り上げてばかりでつまらなくなり、やる事も特にないのでテレビを消して映画を観に行く事にした。
「確か今はあれが上映中だったよな。二刀流の銃も使う覆面男のミュータント……続編楽しみだったんだよね」
お目当ての映画が上映開始される時間が後1時間後であるのをネットで確認し、映画館まで少し時間が掛かるのですぐに着替えて準備をする。昨日宅配で送られてきた両親からのプレゼントであるスマホをポケットにしまい、最後に家の中の窓の戸締まりを確認しているとインターホンが鳴った。
「こんな時間に誰だ?」
確認を中断してモニターを覗くのも面倒なので玄関まで向かい、躊躇もせずにドアを開けた。
「はいは〜い、どちら様です……か……」
「こんな時間にお前は何をしているんだ」
「え?先生?なんで?」
目の前には幾度かは顔を合わせた事がある人物の担任教師がだるそうに立っていた。
「それはこっちの台詞だ……久しぶりだな神条、死んだと思ってたぞ」
「いきなり失礼だなあんた!?じゃなくて、どうしてここに?」
「お前は馬鹿か……事情は知らないが神条がここ最近は補習に来ないから、生きているか確認に来たんだ」
そう言って大きなため息を吐く担任教師は心底面倒な態度を隠しもしない。
「いや生きてますから、そんな少し補習に出なかった位で大袈裟ですよ」
「大袈裟な者か、生徒が連絡もなく長い間休んだら心配もする」
「先生……」
「まあ、文句を言うついでにサボる口実も出来たからこっちとしてはありがたいけどな」
「今の俺の感動を返せ!」
「勘違いしたお前が悪い……それに、1年の頃から休日嫌々補習に付き合った恩人にその態度はどうなんだ?ん?」
「うっ……そうは言っても、これでも俺の休日全てを補習に回したんだ……」
「それだけじゃない、出席日数を稼ぐ為なのに出れない日があるのも考慮してスケジュール調整したり、進級テストの範囲をギリギリセーフのラインで教えたり、学長のお叱りを毎度毎度我慢しながら受けたりしたんだぞ!!俺のせいではないのにな……」
「すみませんでしたーー!!」
「分かればよろしい。早速だが制服に着替えてこい」
「いや、自分これから映画を観に行くんで」
「いいからさっさと着替えてこい!!」
「分かりました!!全力で着替えてくるであります!!」
担任教師の気迫に有無も言う事が出来ず、直ぐさま部屋へ向かい制服に着替え直して玄関までダッシュで戻る。
「着替えて来ましたであります!!」
「うむ、それでは行くぞ」
「えーっと、何処へ?」
「決まっている……学校だ」
「な、何だってぇぇぇぇ!?」
「いいから黙ってついてこい!!」
「サー!イエス!サー!」
本日の予定が大幅に変更され、行き先が映画館から学校に変わってしまう。抗議しようにも担任教師には恩もあるので黙って渋々後に続き、担任教師の車に乗り込んで学校へ向かった……
車の中でお互いに喋らないまま車に揺られ数時間後、目的地に到着していた。
「……久しぶりに来たような感覚だ」
「神条は補習に来ているんだからそれは錯覚だ」
「それはそうだけどさ、なんかこう……分かるだろ?」
「いや、さっぱり分からん」
「少しでいいから考える素振りを見せてくれてもいいだろ!?」
「どうでもいい、早く行くぞ……これでお叱りを免れる事が出来る……」
「はぃ?どういう事だよそれ?」
何やら急いでる様に見える担任教師は俺の言葉も耳に入らず、慣れた足取りで校舎内へと入って行く。
「ちょ!待って!置いて行くなよ!?」
1人取り残された俺は、急いで担任教師の後を追った。
校舎内に入り今回も履き慣れた来客用のスリッパに履き替えて廊下を歩く。
「それより先生、授業はどうしたんですか?」
「自習だ」
「……それでいいのか?」
「誰のせいだ!……朝来たと思ったら学長から生徒の安否を確認するように言われて急に決まったんだ。仕方ないだろ」
「心中お察しします……先生も大変ですね」
「喧嘩売ってるのか?」
「そ、そんな訳ないじゃないですかー。心配してるだけですよー」
「……そういう事にしておこう……さて、着いたぞ」
心から先生の苦労を理解しての言葉だったが気に障ったようだ。これからは気をつけて言葉を選ぶようにしようと心の中で決意している最中に目的地に着いていたらしい。
「着いたって……ここ教室じゃないですよ?」
「……ここに連れて来るように言われているんだ」
「俺を?何故?」
「神条の両親に電話して聞いても不登校の理由が分からず、その上両親からは神条自身の好きなようにしていいと了承されている。担任としては親が認めているならば口を挟めない。それをこの前学長に話したら、学長自ら話を聞くと言い出してしまったんだ」
「そんな事が……あれ?でも今まではどうして言わなかったんですか?」
「今までは特に聞かれるような事がなかったからな……だが、2年になってからも来ない事を心配されて聞いてきたんだ」
「羽島学長……」
「ほら、さっさと中に入って挨拶するぞ」
「はい!」
自分を心配してくれていた事につい嬉しくなって元気よく返事してしまった。そんな俺を見て苦笑いしながら担任教師は学長室をノックした。中から綺麗な声で入室の許可を告げられたので、俺と担任教師はドアを開けて中に入る。
「失礼します」
「失礼します」
「あら、そちらの生徒はあまり見かけない顔ね」
「学長、先日お話ししていた生徒を連れてきました」
「そう、あの時の……」
「それでは私は授業があるのでこれで失礼します」
「ご苦労様、悪いわね」
「いえ、私の生徒なので当然の事をしたまでです。それでは失礼します」
まだ入室して間もないのにも関わらず担任教師は退室していった。まるで何かから逃げるように……
「あなたが神条零次君ね」
「はい!お久しぶりです羽島学長、神条零次です」
「久しぶり、と言っても直接こうして会うのは初めてね」
「え?ああ、そうですね!ここで会うのが初めてですね!いやぁ、ついこの間会ったような気がしたけど気のせいでしたー」
「おかしな事を言う人ね。でもそうね、何故か神条君とはつい最近会ったような気がするわ」
「あははは、もしかしたら街ですれ違った事があるのかもしれませんねー」
「ふふっ、そうかもしれないわね」
ついこの間本部で会ったが、その時はゼロとして会っていた事を思い出して慌てて否定した。もう少しで正体がバレるとこだった、もしバレたら敬語も使わない生徒と低評価されてしまう!……少し慎重になって話そう……
「さて、それでは本題に入るわね。実はあなたに聞きたい事があってここに呼び出したの」
「聞きたい事?」
「そうよ。入学してから少し後に神条君は登校しなくなったみたいだけど、理由を聞かせてもらえないかしら」
「それは何と言いますか、そのですね……そう、家庭の事情と言うような、言わないような……」
「ハッキリしないわね……理由は教えてもらえないのかしら?」
「えーと、ちょっと込み入った事情がありまして……すみません」
「はぁ、まあいいわ。これだけは聞かせて頂戴、あなたはこの学校を辞めるわけではないのね?」
「それはないです!」
「……そう、分かったわ。それじゃこの話はこれでおしまいよ」
「え?もう終わりでいいんですか?」
「聞きたいことは聞けたわ、それに後は本人自身の問題ですからね。これ以上は口を挟めないわ」
「そうですか……それじゃ俺はもう家に帰ってもいいんですね?」
「馬鹿な事を言わないで、今日は平日よ?しっかり授業を受けなさい」
「えぇ〜」
「何か文句でもある?」
「よーし!俺はこれから授業を受けるぞー!」
「はぁ、まったく……これからは平日も登校してきなさい。いいわね?」
「すみません、俺には家でダラダラすると言う任務があるんで」
「い・い・わ・ね?」
「了解!神条零次!明日から……今日から毎日登校してきます!」
「……先が思いやられるわ」
「どうしたんですか?頭痛ですか?保健室まで連れて行きましょうか?」
「結構よ。ほら、早く教室に戻りなさい」
「そう言われても……教室が分からないどころか机があるかどうかも……」
「用意してあります!教室も科で別れてるからすぐに分かるわ」
「そうなんだぁー」
「そうなんです!」
「それではこれで失礼します!!」
学長の顔が引きつっているのを見てこれ以上の長居は危険と判断し、お辞儀をしてすぐに部屋から退室した。
「あれ?先生こんな所で何してるの?」
「そういえば神条に教室案内するの忘れていたから、こうして待っていたんだ」
「律儀だねー」
「そうでもない……ほら、行くぞ」
「へぇーい」
本当にそれだけの理由で待っていたのか不明だが、こちらとしては有り難い。学長室から出た後、先生の後を着いていき教室に向かった。教室の前まで来ると1度全員に自己紹介するのかと思いきや、ほとんど同じ顔ぶれしかいないと言う事で先生と共に中に入り指定された席に着く。
「久しぶりだな零次」
「お前は!?半蔵!?」
「達夫だよ!服部だからって全員半蔵って名前だと思うなよ!?」
「すまんすまん……それにしても久しぶりだな」
「まったくだ。今まで何で来なかったんだよ、皆心配してたんだぞ?」
「野郎が野郎を心配するだと?嘘だな……第1、お前らが俺の心配をするような奴じゃないだろ?」
「……悪い、全員心配してなかった」
「分かってはいたけど……お前らは本当ブレないよな!どうせ御刀いじりに夢中だったんだろ!」
「おっしゃる通りで……ちょっと、いや、かなりの時間を御刀の為に費やすような人ばかりだからな」
「だと思った!……別にいいけどな」
「そうは言っても零次を心配する理由がないからな〜」
「そうなのか?」
「そうだぜ、入学してから次の日には大遅刻しても悪びれた素振りも見せずに自分の席で寝始めるし、御刀を研ぐ事になると砥石使用高速化と言いながらひたすら御刀を研いだり、挙げ句の果てには研いだ御刀で素振りを始めるし、素振りも素人のやるような感じでもなかったからな。こいつなら荒魂も倒せるんじゃねーのかとか皆思ってるぞ?」
「……俺は刀使ではないんだぞ?」
「そうなんだけどさ、零次も知っているだろ?刀使でもないのに荒魂を倒している人物の事?」
「そんな人物がいるのか?」
「なんだ、知らないのか?刀使達の中では有名らしいぞ?何でも荒魂の前に現れては1人で相手したり、刀使の中には窮地を救ってもらった人もいるみたいだ。そして、他にもいろいろと噂があるんだ」
「……へぇ、すごいなぁ〜、一体何者なんだろうなぁ〜」
「さあな。俺も刀使の娘から聞いた話だからな……あ、でも名前なら知ってるぞ。確か終焉のゼロとか言われてるみたいだ」
「……そ、そうなんだぁ」
「悪いけどこれ以上は知らないから今度、うちの刀使科の生徒にでも聞いてみてくれ」
「お、おう。暇な時にな……」
「ま、そういう事で零次も倒せるんじゃないのかとか思ってるわけよ。だから心配していなかったんだ」
「そうだったのかー」
「納得してくれたようだな。まあ、なんだ……これからまたよろしくな、零次」
「ああ、よろしく達……美」
「惜しい!夫だよ達夫!」
「……達夫、せいぜい足を引っ張るなよ」
「何でお前は偉そうなの!?」
久しぶりの学友と少しばかり親睦を深めていると、チャイムが鳴り授業が始まった。
こうして、俺の学校生活が再スタートした……
「砥石使用高速化、砥石使用高速化、砥石使用高速化、砥石使用高速化」
「前よりも早くなってる!?」
「達夫、人は日々成長するものだ……お前もどうだ?」
「やらねーよ!!」
今日も御刀を磨く職人、神条零次の磨きが速くなる一方で世間の刀使に対する風当たりが強くなっていく。それでも彼は磨き続ける……
そう、何故なら彼は……
「職人だからな……今日の御刀は眩しいぜ!」
ブラックじゃない展開はこんなにも美しい……
これからの生活がどうなっていくのか思考中……
最近作者は長船の生徒にゾッコン中なのでどうにかして絡ませたいと思います。
エターナルさんとは……何処かで書く予定?