駄文の本気見せてやる!!!!
急ピッチで真庭本部長の居場所まで走った俺は……現在、人に見つからないように細心の注意を払って建物内を移動していた。
「まさか、正面から堂々と通ろうとしたら関係者以外立ち入り禁止で追い出されるとは……くそっ!真庭本部長の仕組んだ罠か!……いいだろう、その挑戦受けて立つ!絶対に辿り着いてみせるぞ真庭本部長。俺の休暇を取り消す事は不可能だとその身をもって知るが良い……フハハハ!!」
俺の頭の中は休暇の事で一杯になり、この行為がやってはいけない事だと理解もせずにどんどん目的の部屋まで進む。そして、ようやく誰にも見つかる事なく目的地付近に辿り着くと近くから風船の割れたような音が聞こえて身を低くして隠れる。
「敵襲か!?……ん?」
音が鳴ってから周囲を見回していると、何処かから声が聞こえてきたので耳を澄ませる。
「……この声、何処かで聞いた事があるような……」
すぐには分からずそのまま耳を澄ませて聞いていると、驚愕する程の内容を聞き取った俺は思わず立ち上がる。
『獅堂さん、此花さん。あなた達の戦いは無駄にはしません。もちろん、ベットで眠ったままの燕さんの戦いも』
「結芽がベットに眠ったままだと?」
顎に手を当ててしばらくそれだけを考え続ける俺……だが、結局真実は分からないままな為これ以上我慢は出来ずにその部屋の中に入っていった。その部屋は丁度俺の目的地と合致していたので何も問題はない。
「失礼します」
「零次さん!?」
「やぁ、久しぶりだね……と言っても昨日会ったばかりだけど」
「お前が何故ここに?」
「ちょっと真庭本部長に呼び出されてね。探していたらここに辿り着いたんだ」
「あぁ、そういえば神条は私が呼んでいたんだったな」
「おいおい、忘れないでくださいよ」
「すまんすまん」
「まったく……お久しぶりです朱音様」
「お久しぶりですね神条さん、今日は真庭本部長に御用があったのですか?」
「はい。次の任務について話があるとお聞きしています」
朱音様相手には礼儀を持って接する俺は姿勢を正し、右手を胸に当ててお辞儀をする。こんな事をするのは今のところ朱音様だけである。となりのブラックな上司には一生やる気はないと断言してもいい!
「お前は!?」
「真希さん?知り合いですの?」
「あぁ、この前山の中で偶然居合わせたんだ」
特に気にしないで見ていなかった人達が何やら話ししていたので、少し確認の為そちらに振り向くと見知った顔が目に入り驚いてしまった。だがそこは得意なポーカーフェイスで悟られないように注意しながら話しかける。
「おや?あなたは確かこの前山の中でお会いした方じゃないですか」
「……覚えていたのか」
「えぇ、これでも美女と美少女の顔はすぐに覚えるのが特技なので」
「なっ!?」
「ははは、特技というのは冗談ですよ」
「お、お前!僕をからかったのか!?」
「すみません、今のは軽いジョークです。ですがあなたが美女であるのは冗談ではなく俺の本心ですよ。お隣の方もお綺麗ですね」
「なっ!?何を言いだすんですの!?」
「俺の本心を言ったまでですよ。初対面の女性は必ず褒めるように父から教わったので」
「おい神条、私は褒められた事がないんだが?」
「……それでは、思わず本音が漏れてしまったようですね」
「おい神条、どうして私から顔を逸らすんだ?んん?」
「あははは、嫌だな真庭本部長。別に顔を逸らしてる訳ではないですよ。ただ」
「ただ?」
「……寝違えて首が動かせないんですよ。あはははは」
「お前さっきこっち向いていたよな?」
「……実は数秒毎に向きを変えられるという特殊な症状が「神条」……それで、話しというのは何でしょうか?」
「ちっ、話を逸らしやがったな……それは後で問い詰めるとして、今回の任務にお前も加わってくれ」
「そう言うという事は、朱音様の護衛ですか?」
「そうだ。お前達は明日、朱音様に同行してもらう」
「今度は何処へですか?」
「刀剣類管理局局長、我が姉、折神紫の元へ参ります」
朱音様の発言に皆が驚き、俺だけはその場で苦い顔になった。
「紫様の元へですか。いきなり斬られたりしませんかね?」
「それはありません。今の姉はタギツヒメに取り憑かれた以前までの折神紫ではなく、元の折神紫なのです」
「そうなんですか?」
「はい。信じてもらえないでしょうが……」
「俺は信じますよ」
「え?」
「何を驚いているんですか朱音様?朱音様がそう言うという事は本当にそうなのでしょう……これが真庭本部長だったら怪しんでいましたけどね。はっはっはっは」
「神条さん……」
「神条……それはどういう意味なのかじっくり聞かせてもらおうじゃないか」
「はっ!?しまった!」
「朱音様、すみませんが少しこの馬鹿とお話があるので席を外します」
「え、ええ。お手柔らかにお願いしますね?」
「もちろんです」
何故だか最近は真庭本部長を止める事が少なくなってきた朱音様は、否定もせずに了承してしまった。そして、朱音様からの許可を得た真庭本部長は少しずつ俺との距離を詰めてくる。片方の手を握りしめ、もう片方の手でその拳を掴んだ格好で音を出しながら近づいてくる真庭本部長から俺は後ずさりながら何か言い訳を考えて伝えた。
「あ、いや、その……そ、そうだ!今日はこの後ピアノのレッスンがあるんだった!」
「お前いつもそんな事してないだろ」
「じゃ、じゃあ。今日はそろばんが「それもないだろ」……く◯ん、いくもん!」
最後の訳の分からない言い訳も無意味に終わり、俺の横を通りぬけた真庭本部長を見て一安心して油断してると、服の後ろの襟元を掴まれて首が締まった状態のまま引きづられていく。
「それでは失礼します。ほら行くぞ」
「ちょ……首……絞まってる……」
「いいから歩け」
「いや……それなら離して……ぅぅ」
バランスを崩して尻もちをついた俺は、そのまま真庭本部長に引きづられながら部屋を出て行った。それからしばらくの間引きづられて、とうとう意識が朦朧としてきた時になってやっと解放された。
「はぁ、はぁ。し、死ぬかと思った……」
「大袈裟な奴だな」
「いやマジで危険だったんですけど!?」
「あーはいはい。そういう演技はいらないから」
「演技じゃない!……それで、どうして俺だけ連れ出されたんですか?」
「勿論さっきの話についてじっくり聞く為だ……と思っていたんだがな」
「え?許してくれるんですか?」
「誰が許すか……今はその話は保留だ。それよりも、さっき部屋を出て歩いている時に思い出した事があってな」
「思い出した事?」
「あぁ……お前は燕結芽の親戚だそうだな」
「え、ええそうですが。それが何か?」
「そうか……まぁ、その、実はだな。今現在燕がここに入院しているんだ」
「なっ!?結芽ちゃんが!?生きてるんですか!?」
「落ち着け、彼女は生きている」
「そう、ですか……ははっ、マジかよ……良かった」
「ん、んん!」
「あ、ああ。すみません、少し取り乱してしまいましたね」
「それは構わん。それよりもお前は今、生きているか聞いてきたがどういう意味だ?」
「えっ!?いや、そ、それは……」
「……すまん、言いにくい事だったな」
「え?」
「事情は知っている。彼女は数年前から病院のベットに寝たきりの生活を過ごしていたが、ある日を境に両親が見舞いに来なくなったんだよな」
「見舞いに来なくなった?」
「そして、彼女の容態は悪化していきベットから動く事すら出来ずにいた……お前はその時に見舞いに来てその姿を見たんだろ?」
「あ、いやぁ。そういう事じゃなくて……」
「言うな。私は分かってる……だからこそお前は、今こうして働いているんだよな。見舞いに行く時間を割いてでも治療費を稼ぐ為に……今までずっとそうしてバイトしてたんだろ?」
「いやいや、それは真庭本部長の仕事の量が多過ぎなだけで、以前はバイトも何も……」
「神条、今この場には燕はいない……無理しなくていいんだぞ?」
「えぇぇぇ……」
「……やはりお前も男だから弱気な姿を見せられないか……分かった、これ以上は聞かないでやる」
「……あ、はい」
もう何を言いたいのか分からず、いくら言い返しても無意味なので流れに身を任せることにした。
「あの〜、それで一体何が言いたいんですか?」
「ん?ああ、すまん。話が逸れたな……さっきお前があの部屋にいない時に、獅堂と此花には燕が眠ったままだと言ったんだがな……実は一月程前から目を覚ましているんだ」
「は?それじゃあ、何故そんな嘘を言ったんですか?」
「それはだな……目を覚ましたと言っても当時はかなり容態が悪くてな。今ではかなり良くはなっているが無理をすれば、最悪死ぬ可能性もある」
「……だからって別に見舞いぐらいはいいんじゃないんですか?」
「そうは言ってもな……燕も獅堂も此花も元親衛隊だからな。もしもの事を考えて接触させないようにさせているんだ」
「もしも?……まさかタギツヒメ達に3人が協力するとでも思っているんですか?」
「可能性は0じゃない。3人とも相当な実力があるからな。悪いが看過する事は出来ない……それに、燕が親衛隊のメンバーに会ったら何をしでかすか予想出来ないからな」
「……そうですか。ですが、俺はいいんですか?」
「何を言っている?お前は親衛隊ではないだろ」
「……そうでしたね。ついうっかりしちゃったぜ!てへ」
「……気持ち悪いから今すぐやめろ」
「はい……」
「話を戻すぞ、数週間前から体調もだんだんと回復してきたんだがどうも退屈そうでな。以前の事もあるからつい冗談混じりに何か要望があれば言うように聞いてみたらある人物に会いたいと言われてな」
「……一応聞きますけど、誰の名前を上げたのですか?」
「元親衛隊のメンバー全員と彼女のご両親、そしてお前だ」
「何というか……ほとんど会うのが難しい人ばかりですね」
「だからこうして消去法で残ったお前を連れてきたんだ」
「なるほど……つまり、俺は人畜無害な人間という事ですね!」
「んなわけあるかこの馬鹿が……まあ、お前の事はこの1ヶ月見てきたが信用できる人物だと思う……そう判断したから連れてきた」
「真庭本部長……ちなみに何処らへんが?」
「仕事を必ずこなすとこだ。あとは脅迫……こほんっ、頼み込むと引き受けてくれるとこだな」
「今脅迫って言ったよね!?」
「……さて、そういう事だ。もちろんこれは強制じゃないから断ってもらっても構わないがどうする?」
「まぁた話逸らした……はぁぁ、どうせ断ろうとしても脅迫されるなら会いますよ」
「そうかそうか、私はそう言うと信じていたぞ神条」
「都合良いなあんたは!?……まあ、俺も会いたいですから今回は感謝します」
「ほう?何だ神条、お前実はかなり心配していたのか?」
「……別にいいじゃないですか!俺の信仰心に曇りなし!正義は可愛い事が重要なのだ!フハハハハ!!!」
「お、おい神条!?落ち着け!?いきなりどうした!?」
「はっ!?……これは失礼、少し寝不足で疲れていたようです」
「お前大丈夫なのか?」
「もちろんサー」
「……本当に大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。ですから早く行きましょう真庭本部長、彼女は待ってはくれませんよ」
「いや、部屋で大人しく待っているんだが……はぁぁ。本人の了承も得た事だから早速見舞いに行くぞ」
「イエッサーボス!」
「……本当に大丈夫なんだよな?私の判断は正しかったのだろうか?」
「ほらほら早く行きましょうよ真庭本部長」
「……あぁ、分かった。ついてきてくれ」
こうして、俺は真庭本部長の後について歩いた。
そして、目的の部屋の前まで来ると真庭本部長が呼ぶまで入室しないように言われたので、1人廊下で立たずむ。深呼吸して心を落ち着かせるも急に真庭本部長から呼ばれて焦る。だが、目を閉じて両方の頬を手で叩くと気が引き締まりいくらか心も落ち着いたので、背筋を伸ばし胸を張って部屋の中に入った。
「失礼します」
初め見た時はその人物が天使だと錯覚した……
今この瞬間俺は……天使と再会を果たしたのだ……
To Be Cntinue!!!!!!!!!!
……とじみこ終わってしもうたやん……
最終話というのはどうしてこうも悲しくなるのか……心に穴が空いた気分だよ……
もう、作者の思うがままに書いていこうと思いますのでよろしく!!