溜まっているものすべてを吐き出して気分がスッキリした頃に奴がやってくる……
サ◯エでございま〜す!!!!
俺にとってのデスマーチ……それは魚介類の名前のアニメでした……
俺の生活はこの前の出撃から変わった……
あれから2つほど月をまたぎ、今日も俺の1日は車に揺られながら始まる。今では一台の車の助手席は俺の特等席となりつつある……途中で降ろしてもらいそこからは己の足を使って要請のあった現場まで向かう。
「機動隊と連携するように言われていたが……単独行動とは聞いていないぞ……ちっ!これでは殆ど連携の意味がないではないか!」
悪態をつきながらも要請がある場所まで走りながら別行動の機動隊員に連絡する。
「こちらゼロ、そちらの状況はどうなってる」
『こちらは現在、刀使と共に荒魂と交戦中……今は何とか持ちこたえているが徐々に押され始めている。至急応援を!!』
「現在そちらに向かっている。後3分、いや、1分で合流する。それまで持ちこたえろ……クソッ!どうして連日続いて荒魂が現れる……それよりも……何故俺に出動要請がくるんだ……ストームアーマーを使えばすぐに片が着くだろうに……折紙紫は機動隊にどんな指示を出しているんだ……」
紫様の命令が最優先事項なのは分かるが、その通りに動かなくてもいいだろ……沖田の言っていたのはこういう事か……
『!”#$%&’#`@”#$』
「全員攻撃の手を緩めるな!あと少しで増援が来る!それまで持ちこたえろ!!」
「「「「了解!!!」」」
「隊長!」
「どうした?」
「増援は何人ほどですか?」
「増援は1人だ……だが、心配する必要はない」
「どういう事ですか?増援が1人だけではこの状況は変わらないのではないですか?」
「そうだろうな……だが、例の人物が増援に来るという事だから心配は要らない」
「例の人物というと……あの、対荒魂戦闘員の事ですか?」
「そうだ、だからその者が来るまで何としても持ちこたえるぞ!!!」
「「「おおぉぉぉぉぉ!!!」」」
俺が現場に駆けつけた時に、機動隊員の間で何か盛り上がってるがどうしたというのだ?まだ、荒魂と交戦中だと言うのに……気が狂ったか?
「おい、何をそんなに盛り上がっている?」
「!?全員聞け!増援が……ゼロが到着したぞ!!!」
「何を言って……」
「何!?ゼロだと!?」
「あのゼロが……終焉がきたのか!!」
「これなら勝てる!勝てるぞぉぉぉぉぉ!!!」
「は?終焉?」
初めて聞いたぞそんなの!?誰だその厨二ネームを勝手につけた奴!この刀で頭髪全て切り落とすぞ!!
「おい、これはどう言う事だ?」
「はっ!失礼しました!現在荒魂と交戦するも苦戦中……刀使達の援護はしているのですが予想以上に敵が強く、このままでは負傷者が出てきます」
「いや、その事ではな「増援感謝致します!」……はぁ……敵はあの一体だけだな?」
「はい!」
「……これより荒魂を殲滅する。後始末は任せるぞ」
「了解!」
もうこれ以上問い詰めても答えてはくれないと感じたので、機動隊員との話を切り上げ交戦中の刀使達の元へ向かった……
「遊撃手、一度後退して!深追いしすぎよ!」
「了解!」
「このままではまずいわね……「おい、そこの貴様離れていろ」誰!?」
「答える義理はない。さっさと全員後退させろ……怪我をしても知らんぞ」
「いきなり何を言っているのよ!あなたこそ怪我するわよ!」
「心配は不要だ……タイムリミットだ、忠告はしたぞ」
1番周りをよく見て指示を出している刀使に忠告するも素直に聞き入れてもらえないまま、やむを得ず刀を抜く。そして、ゆっくりと歩きながら右手に鞘を、左手に刀を握りしめ荒魂の前まで近づいた。
「いつ見ても慣れないな……骨もないのにどうやって体勢を維持するのか教えて欲しいものだ……教えてくれればこの場で斬らないが、どうする荒魂よ……」
『!”#$%&’`#%』
「それが貴様の答えか……残念だ」
突如ターゲットを俺に変え突進してくる荒魂に対してその場から動かずに待つ。後ろで何か叫んでいた刀使はしばらくして駆けつけた機動隊員の1人に何か言われると途端に黙った……グッジョブ隊員!
荒魂の顔と思われる部分が後数メートルの位置で大きく口を開き出し、その状態で襲いかかる……が、素直にやられるはずもなく片足に力を入れて地面を蹴り荒魂よりも速い速度で懐に飛び込み刀を振るう。
『”#$%&’(@#%$』
「休んでる暇はないぞ……」
胴体を切り刻み半身が無くなるも悲鳴じみた叫びを上げる荒魂に間髪いれずに、次は手足みたいな部位を切り落とし、体勢を保てなくなり重力に従って倒れてくる。荒魂の顔部分に移動し、倒れてくる荒魂とは逆方向に刀で斬り上げて顔を斜め半分に断つ。丁度地面に落ちると同時に荒魂の顔が斜めにスライドしながら分かれた。刀についた血を払うように振った後、刀の持ち手をくるりと回して逆手に持ってゆっくりと鞘に収めた。刀を収めた頃には荒魂の体は何やら泥のようなものに変わり始める。
「つまらないものを斬ってしまった……」
現場に到着してまだ数十分も掛からないうちに対象を殲滅し、いつものように本部へ連絡して帰還する許可を得たので帰る前に一度声をかけて置くために現場の者と接触する。
「任務は完了したのでこれより帰還する……先程言った通り、後始末は任せるぞ」
「了解!
一声かけ後始末を全て任せた後、特に急ぐ必要もないので徒歩で帰った。
「あの、今の人は一体?」
「今の人は我々機動隊と連携して、荒魂の対処をしている紫様直属の部下だ……対荒魂戦闘員ゼロだ」
「ゼロですって!?あの終焉の!?」
「知っているのか?」
「はい!今や刀使達の間で有名ですよ!幾多もの刀使達の窮地に現れて瞬く間に荒魂を倒す……私達刀使の間では終焉のゼロと呼んでいます」
「そうだったのか。では、君達刀使の噂がこちらにも流れてきていたようだね」
「そうなのですか?」
「ああ、隊員の1人があの人の事を終焉と呼んでいたから間違いないだろう……それでは、我々はこれよりノロの回収作業に移るので失礼する」
「ご苦労様です!……それにしても、流石は終焉と呼ばれるだけはありますね……私達が苦戦していた相手をたった1人で倒してしまうなんて……それに、あの剣筋も見事でした。帰ったら皆さんに自慢しましょう!」
彼が知らない間にまた1つ噂に尾ひれがつく事になろうとは知る由もなく時間は過ぎていく……
次の日、今日も車に揺られながら1日が始まる……と思っていたが、今日は特にそんな事もなく久しぶりに楽な雑務をこなしながら優雅にコーヒーを飲んで過ごしていた。
「やはりコーヒーは座りながら飲むものだな……」
「いきなりどうしたんだ?」
「改めてコーヒーの美味しさを実感しただけだ、気にするな」
「そ、そうか……」
先程追加で書類を持ってきた沖田にもコーヒーを差し入れ、2人以外いないこの部屋でしばし休憩をとる。しばらく余韻に浸りながらこの時間を過ごしていると、沖田から本部内の世間話を振られた。
「そういえばゼロ、知ってる?」
「知らん……」
「まだ何も言ってないんだけど……」
「ふんっ、どうせこの本部での事だろ?」
「その通りなんだけどさ……」
「ならば、殆どの時間を外で過ごしている俺には知る由もない……違うか?」
「それは自慢する事じゃないと思うよ?」
「……それで、何か話そうとしてはいなかったか?」
「ゼロのせいで話が逸れたんだけど……そんな事言っても意味ないよね……それはそれとして、最近本部内に紫様の親衛隊が結成されたんだよ」
「ほう、親衛隊が……その必要はないと思うが?」
「そうは言っても紫様だって体面上の都合というものがあったんじゃないかな?」
「やれやれ、これだから高い地位に着く者は面倒なものだな……それで、その親衛隊がどうしたんだ?」
「その親衛隊って、当初は3人だったんだけどこの前また新たに1人メンバーが加わったんだよ。しかも来年中学1年になるって話だよ」
「来年中学1年になるだと?紫様は何を考えている?」
「それは分からない……だけど、あの紫様が直に勧誘したって聞いたから理由はある筈だよ」
「直に勧誘だと?俺が外を駆け回っている時にか?」
「あー、たぶん、というかその時以外は外出してなかったからそうじゃないか?」
「……いいご身分だな……」
「あはは、そんなに怒るなよ。それよりも、親衛隊の人達について何か聞いてない?」
「そんなものに興味ない、こちらは定時で終わらせる事に必死だったからな」
「その頑張り方は間違ってると思う……せっかくだし、教えようか?」
「そうだな……この書類もすぐに終わって暇になる事だから少しぐらい話に付き合ってやろう」
「そこは素直に聞きたいでいいんじゃない?……それじゃまず誰について聞きたい?」
「ぬかせ!名前すら誰1人として知らん!」
「……そこまで大変だとは知らなかったよ……」
「貴様は何故俺をそんな目で見ているんだ?」
「いいんだよ、俺の前では無理しなくて……分かっているから……」
「無理などしていない」
「うん、そういう事にしておこうか……さて、それじゃまずは初期メンバーから教えよう」
「おい、勝手に話を進めるな」
「じゃあ、聞きたくないのか?」
「……好きにしろ」
「そうさせてもらうよ。最初の1人目は名前を聞けば……って、誰も知らないんだった……親衛隊第一席、平城学館高等部1年の獅堂真希……刀使による全国剣術大会で前回・前々回と優勝した実力者だ、現在は紫様の護衛と荒魂討伐の作戦指揮が主であまり前線に出ることは少ないけど、荒魂相手に引けをとる事はないよ」
「全国大会二連覇の猛者か……何故作戦指揮を執っている?前線に出れば俺がこんなに忙しくならないのではないか?」
「それは本人に聞いてくれ……次は親衛隊第二席、綾小路武芸学舎高等部1年の此花寿々花……彼女もまたかなりの実力者の刀使で、現在は紫様の政治活動に同行しているんだ。他にも荒魂討伐の陣頭指揮なんかもやっている」
「第二席と言うからには荒魂を相手するのも問題ない筈だ……その者も何故前線に出てこない」
「だから本人に聞いてくれ!……次の人を紹介するね、親衛隊第三席、皐月夜見……彼女については……悪いけどよく分かっていないんだ」
「何?知らないのか?」
「あぁ、あまり彼女についての話は聞かないからね。分かっているのは彼女が中等部3年である事と、紫様と一緒にいるところを良く見かける事だけかな?親衛隊に居るから実力者ではあると思うけど、どれぐらいかは分からない」
「そうか……だが、彼女も実力者ならば何故前線に出てこない?」
「だ・か・ら!本人に聞いてくれ!……んんっ!気を取り直して、最後の人を紹介する。親衛隊第四席、綾小路武芸学舎に在籍している燕結芽」
「ふあっ!?」
「え!?何?どうかした?」
「いや……少しむせただけだ……」
「そうなのか?急いで飲むとむせるんだから気をつけろよ?」
「あぁ、了解した……」
思わずコーヒーを吹き出しそうになった……俺の知ってる名前をいきなり出すな!心臓止まるかと思ったぞ!?いや、それはいい……それよりも、何故結芽ちゃんが親衛隊に居るんだ?訳がわからないぞ?
「……そう言えば先程、新たに1人加入したと言っていたが……もしや、それが紫様が勧誘したという者か?」
「察しがいいね。ゼロの言った通りだ。そして、それが第四席の燕結芽だよ」
「……そうか」
「?そういえばまだ詳しく紹介してなかったね。最後に親衛隊入りを果たした燕結芽についてだけど……実はまだ11歳なんだよ」
「……11歳か……他の親衛隊達とは年が離れているな」
「そうなんだよ、でも紫様が勧誘した程だから実力者なのは間違いない……それに、彼女には噂があるんだ」
「噂だと?内容は?」
「いいか、驚かないで聞いてくれよ……実は彼女、第四席ではあるけど親衛隊の中で1番強いらしいんだ」
「第一席よりもか?……まさかな」
「あくまでも噂だ。本当かどうか分からないけど、もしもそうだったとしたら紫様が勧誘した理由がそれなんじゃないか?」
「……一理あるな」
「まあ、これ以上は親衛隊に聞くしかないけどね。丁度いい時間だしそろそろ戻るよ」
「あぁ、いい暇つぶしになった。礼を言う」
「どういたしまして。それじゃ仕事頑張れよ」
「貴様もな」
「分かってるよ。それと、コーヒーご馳走さま、美味しかったよ……失礼します」
「……行ったか……それにしても、親衛隊か……第四席に心当たりがあるが、気のせいだ……俺の知る人物が戦闘狂でもない限りあり得ないな」
親衛隊の中に聞き覚えのある名前があったのはただの偶然、同じ名前の人間は世界中1人や2人いる者だと思い込み作業を再開した……
「書類はこれで最後か……やはり俺は、外より部屋にこもっていた方が気が楽になるな……」
仕事を終え後片付けをし、少し時間が余ったので席を立ち何気なく外を眺める。久しぶりの楽な仕事は思いの外楽しかった……そんな事を考えていると誰かが扉をノックした。
「……入っていいぞ」
「失礼します」
ノックをした本人が扉を開け中に入る。窓ガラスに反射した姿を見ると、沖田ではない知らない男性職員が扉の前で姿勢正しく立っている。
「何か用か?」
「紫様から伝言を頼まれてきました」
「そうか……内容は?」
「明日の午前、部屋に来るようにとの事です」
「明日の午前か……了解した。足を運ばせてしまってすまないな」
「いえ、お気になさらず。それでは失礼します」
「……紫様からの呼び出しか……また何か企んでいるのか?」
どのような意図があるかは分からないが、どうせ断れない……なので、今日は自室に戻り明日に備えて休息をとることにした。
しかし、明日に呼び出されたのは彼だけではなく他の者にも声がかかっているとは思いもしないだろう……果たして彼は正気でいられるだろうか……
大変長らくお待たせいたしました。次回は親衛隊を少しだけ登場させてみます。
だが、原作開始まで先は遠いんだよね……
早く原作改変して書きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!