オレの個性は地怨虞……地怨虞!?あの角都さんの!?   作:ベニヤ板

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イエーイ!!ちょっと湯雄ができたから投稿イエーイ!!
次の更新は来週になりそうイエーイ!!
前回の話にたいする沢山の感想ありがイエーイ!!


心臓二十個目 生きた死体

あるところに、少年がいた。

少年が生まれた世の中は個性という超能力が当たり前の世界。

時々、個性を持っていない人間がいるが、少年はちゃんと持っていた。

しかし、少年は、その能力を嫌っていた。

 

それもそうだ。

なぜならその個性のせいで外見は凶悪なヴィランそのもの。

大体の人は話しかけるどころか関わろうともしないだろう。

少年は孤独だった。

 

家族以外との会話が欠落した日々。

いじめられるどころか人と関われない気持ちがわかる人間など数少ない。

当然少年の周りにはそんな人はいなかったし、必ず避けられる。

一度、いじめっ子がいじめられっ子をいじめてるのを助けた事があったが、いじめられっ子はお礼を言うどころか、少年を恐れ、さっきまで自分をいじめていた人と同じような人だと認識していた。

そのことは目と表情を見て、なんとなくわかった。

その時は何も言わず立ち去った。

 

少年は共通の趣味があれば皆、仲良くしてくれるのではと思い、様々なものに手を出した。

将棋、チェス、漫画やテレビゲーム、もしかしたらすごいと思って仲良くしてくれるかもと思い料理や家事、勉強もたくさんした。

しかし、ただスペックが上がっただけで、そのスペックを披露できる場が無かった。

当然そんなことで友人が増えるわけがなかった。

 

少年は神を恨んだ。

自身の生まれ持った、こんな見た目にした個性を呪った。

人を見た目で判断する、人の悪いところが大嫌いになった。

そうして時はどんどん過ぎ去ってゆき、気が付けば、もうちょっとで中学生というところまで来ていた。

少年は口元の縫い目をマスクで隠す事にした。

そうすればヴィランっぽい見た目がちょっとはマシになるかな、と思ったからだ。

学校には個性のせいで怖くなった顔を隠したいと言えば承認してくれた。

そして、これはすぐに成果が出た。

 

「ねぇねぇ、君、そのマスクなに?

オシャレ?なんかかっこいい!」

 

うん、なんか当初の目的とは違う感じでマスクが役に立った。

なんと同じ異形型だが、友人の多いきさくな性格の少女が話しかけてくれたのだ。

少年はうれしかった。

今まで話しかけられる事など、ほとんどなかった。

家族以外との会話なんて、ほとんどなかった。

自分を普通の人のように接してくれる人なんていなかった。

 

少女は、少年の初めての友達になった。

少女を経由して、もう一人、友達ができた。

漢としてヒーローになるのを夢見る少年だった。

その二人は少年の親友と呼べるところまでくるのに時間はかからなかった。

 

少年はうれしい反面、怖かった。

この二人も自身の個性を見て、いつも通りに接してくれるかが不安だった。

頭ではそんなことないと考えても、不安はぬぐえなかった。

とうとう二人には自分の個性については説明するだけで、個性を見せなかった。

 

少年はヒーローに憧れていたが、親友二人とは違い、目指さなかった。

見た目が恐ろしいからだ。

少年は人の見た目で判断する悪い部分をよく知っていた。

だから、自分はヒーローになっても、きっと必要とされない。

そう思った。

ヒーローは必要だから活動するのだ。

必要じゃないヒーローなんて、もはやヒーローとして存在する価値はない。

故に少年は一度、夢を諦めた。

 

しかしそんな少年に転機が訪れる。

親友二人が、ヴィランの人質にとられたのだ。

少年は一瞬迷った。

ヴィランなんて個性を使わない限りはまず倒せないだろう。

しかし、個性を使うと二人は個性を、恐ろしい自身の個性を見ることになる。

百聞は一見に如かず、言葉で恐ろしさはちょっとは伝わってるかもしれないが、本物を見るのとでは大分違う。

だが、迷ったのはあくまで一瞬。

気が付いたら前に出ていた。

大嫌いな個性を使っていた。

少年はこう思った。

『嫌われるのを恐れて親友を見捨てるより、嫌われてもいいから親友を助けたい』、と。

そうして少年は親友を助けた。

 

しかし、新たな問題ができた。

少年は見せたのだ。

自身の恐ろしい個性を。

今は親友二人は恐れないでいてくれる。

しかし、今はそうでも時がたつにつれ、自身へ対する恐怖感が大きくなるのではと考えた。

風呂のタイルに根をはってカビのように。

少年は恐れた。

そのうち親友が自分の元を離れるのではという不安と恐怖が少年の胸を苦しめた。

そして、少年はその恐怖から自身の精神を守るため、わざと感情を不安定にし、ストレスを誤魔化した。

少年は幸せだった。

ストレスを忘れて親友たちと、楽しく笑いあうのが。

 

しかし、神はこの少年が嫌いなのだろうか。

ある日、大きなイベントが少年の通っている学校で行われた。

それは、ヒーローの卵たちが自身の力を競い合うイベントだった。

そこで観戦に来ていた観客は、用心して、確実に勝とうとしただけなのに、あろうことか少年をヴィランだの、化け物だの、ブーイングを飛ばした。

そこで少年は思い出した。

必要とされないヒーローはいらない。

自分は必要とされていない。

その答えが、少年に大きなストレスを与えた。

少年の、ヒーローの鑑と呼べるような人格は、揺るぎつつあった。

 

 

 

 

 

 

今、少年は保健室をこっそり抜け出して、携帯を眺めていた。

そこには、自身に対するスレが立っていた。

スレの内容は、『ヒーローの卵の中にヴィランの卵が混じってる件』だ。

 

『ヒーローの卵の中にヴィランの卵が混じってる件』

 

『うん、体育祭は見てるけど明らかに異質なのがいるね。』

 

『腕切断されても平気とか、バケモンかよ・・・・・・』

 

『知ってるか?この後雄英では職場体験があるんだぜ?』

 

『マジか。こいつが野に放たれるのか・・・・・』

 

『女の子を眼力だけでノックアウトできるような化け物がヒーローになるのか。

世も末だな。』

 

『待って。眼力だけでノックアウトできるならその前に殴ってたのはなんだったの?

何?遊んでたの?女子を殴って?』

 

『確かにそれもそうだ。最低だな。』

 

『うん、明らかにヒーロー向いてないよ』

 

そんな事が書かれている。

別に、眼力でノックアウトはわざとやったわけでわない。

顔を向けたら勝手に怖がられただけだ。

最初っからできるならしている。

 

(ヒーロー、向いてない、か・・・・・・)

 

少年はヒーローに憧れた。

しかし、そのヒーローに夢を否定された。

 

(人を守る立派な人間になりたかった・・・・・・・いや、本当にそれが理由か?)

 

少年は悩んでいた。

本当に自分は人を助けたいがためにヒーローを目指したのか?

ただ、好きになってほしかっただけではないのか?

桃から生まれようが身長が一寸しかなかろうが、英雄は必ず愛される。

自分も英雄になって愛されたかったんじゃなかったのか?

人を助けたい、そんな立派な理由で自分はヒーローを目指したのか?

少年はわからなかった。

自分のオリジンを忘れてしまった。

少年の眼は、もうすっかり冷たくなっていた。

もはや、そこにいるのは自身の個性で悩んでいる優しい少年ではなく、ただの生きた死体だった。




とうとう精神がやんでしまったね。
次は切島君と戦うというのに情けない!!←大体こいつのせい
これ、最悪棄権するんじゃ・・・・・・
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