IS 苦難の中の力   作:魔女っ子アルト姫

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第207話

学園別トーナメント二年の部、恐らく三学年の中で最も激戦区だと言われていたトーナメント。その理由とされているのが過去最高と言っても過言ではないほどに集中している代表候補生、専用機持ちの数の多さだった。学年に二人以上いるだけでも多いとも言われる代表候補生が集中しまくっている二学年は正に修羅のような試合が続けられていた。そしてその頂点を決める戦いを征したイギリスの国家代表候補生、第二の男性IS操縦者である杉山 カミツレであった。

 

同じイギリスの代表候補であり恋人でもあるセシリア・オルコットとの激しい決勝戦を戦い抜いて、勝利をもぎ取ったカミツレ。高らかに上げられた咆哮は正に愛機の名を示す勝鬨、そんな咆哮が上げられながらも大きな喝采を浴びた彼はトーナメントに送られるトロフィーを千冬から受け取り、満面の笑みでそれを掲げた。

 

「素直に、嬉しいぜっ……!!!」

 

全てを自分の力で勝ち取った彼に大きな拍手が送られた。そしてこの結果に誰もが驚愕し、悔しがるかのように歯軋りをしていた。カミツレの実力の高さはこれで揺るぎない物として証明された、今までは彼の恋人らのインパクトが強かった。それらに守られるかのようにカミツレもいたが、今回ではそれらを吹き飛ばすかのような活躍を自らの力で見せ付けた。そして各国は何故前々から彼と接触しなかったのかと思う傍らで今からでも接触を試みようとする国も存在するが……カミツレは相手にしない事は目に見えている。

 

「カミツレ~おめでとうぉぉお~!!!」

「おぼふッ!?」

 

表彰式を終えてトロフィーなどを授与されたカミツレは自室へと戻ろうとしている所だったが、そんな息子の活躍を労いつつも祝い、そして大喜びしている母の愛理が思いっきり抱き付いてきた。

 

「ンもう本当に貴方ってば超素敵、流石私の子供だわぁ~♪ああんもう、このまま家に帰って皆でお祝いしたいわ~!!」

「ちょっ母さん、苦しい……マジで、勘弁……っ!!!!」

「いやんいやんもっと貴方を感じるの~!!」

 

とより強く抱き締める愛理、だがなんだかんだで愛理も農作業などでそれなりに身体は締まっており力も強い。加えてスタイルも非常に良い、そんな母に抱き締められているカミツレは胸にすっぽりと顔を覆われ更に首辺りをがっしりと抱きしめてしまっている愛理に締め落とされる寸前にまで顔色が悪くなっていた。

 

「あ、ああ愛理さんでしたっけ!?その辺りにしてあげて、今度は優しくソフトに抱き締めてあげてください!!カミツレの顔が締められてて色々とマッハ!!?」

「あ、あらいけないっ!!私ったらついカミツレの活躍が嬉しい余り……私ったらいけない子♪ごめんねカミツレ大丈夫?」

「ゲホゲホッ……な、なんか意識が遠退いて行きそうだった……」

 

マジで締め落とされる数秒前だったらしくカミツレの表情は冗談抜きで青い、カミツレも身体を鍛えていたつもりだったが矢張り母の物はかなり来る。何故かと言われたら愛理曰く

 

「ふふんお母さんのものはそう簡単には防げないわよ、だって愛情は世界最強の防御貫通属性なんだもん♪」

 

との事らしい。つまり、別段悪意などもなくただ単に愛情表現の一端だから無効化出来ないと言う良く分からない理論らしい。取り合えずカミツレは一夏に感謝する事にした。

 

「にしても本当に凄い若いっすね……」

「若さの秘訣は何かですって?」

「否聞いてないです」

「それは―――家族と毎日愛情を分かち合う事よん♪」

「だから聞いてないですって!!やばいカミツレこの人全然話聞かない!!」

「母さんだからしょうがない」

 

この後、愛理は一夏諸共これから家族になる全員をカミツレの部屋に連れて行って沢山話をしたり家族自慢を決行するのであった。嵐のような超ハイテンションに誰もが圧倒され、愛理の家族に対する凄まじい惚気話に千冬やヨランドまでたじたじになってしまった。

 

「ふふん、カミツレのお嫁さん達一つだけ言うわね。孫期待してるわよ♪」

『任せてください!!!』

「うぅ~ん私の息子超愛されてるぅ~!!」

「……あの、マジでやめて……」


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