快楽天が逝く。   作:Leu

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何だか調子が良いのでさらに投稿。



奇跡の価値

カルネ村を救った後、アインズ達は自分達の存在を広める駒として村を襲った騎士の残党を逃がし、今は村長の家で話し合いを行っている。アインズは自ら交渉するつもりだったが、キアラが”交渉は自分がするので、ただ隣で偉そうに座っていればいい”と言って交渉の役を買って出てくれた。そんなこともあり、彼は完全に彼女に交渉を放り投げることにしたのだ。ちなみにアルベドはハルバードが部屋に入らなかった為、扉の外で警戒に当たっている。そうしてキアラと村長は互いに軽い自己紹介を終え、話を本題に移す。

 

「この度は村をお救いくださり、誠にありがとうございます。何かお礼をさせていただきたいのは山々なのですが、ご覧の通りここは裕福とは言い難い村でございます。ゴウン様方を満足させられるものが用意できるかと申しますと...」

 

村長は異形のアインズを恐ろしげにチラチラとみながら話をする。そんな空気を知ってか知らずか、キアラは優しい慈愛に満ちた笑みを浮かべながら村長に言葉を返す。

 

「いえ、お礼などお気持ちだけで充分でございます。ただ少しばかり些細なお願いを聞いてはいただけませんでしょうか?」

 

「お、お願いとは?」

 

「我々は遠方からアインズ様の素晴らしい教えを広めに参ったのですが、その足がかりとしてこの村に教会を建てたいのでございます。もちろん場所を譲っていただければ後はこちらで何とか致しますので」

 

「この村にですか?先の騒動で空いた家もありますので、それは構わないのですが...」

 

「何か問題でも?」

 

「この村はリ・エスティーゼ王国の端にある辺境の村です。もし布教活動をされるのでしたら、もっと王都に近い方が良いのではないかと...あっ!いえ!決して村から出て行って欲しいとかそう言うわけではなくてですね!」

 

「いえいえ、何事も小さなことからコツコツとです。我々に救いを求める者がいるのならば大小など些末なこと。それに我々はまだこの地に来て日が浅く、この辺りの常識について疎うございます。なのでその辺りも皆様に教えていただければと」

 

「そうでしたか。余計な心配を失礼しました。と、ところでアインズ様は神様だと仰っていましたが、いったいどのような神様なのでしょうか?」

 

「アインズ様は死を司る神でございます。あぁそんな怯えた顔をなさらないでください。死を司ると言うことは同時に生を司るのと同義でございます。御方にとっては死とは状態の一種でしかなく、死者を蘇らせるのは容易いことなのです」

 

「なんとっ!?でしたら...」

 

「しかしアインズ様は目覚められてまだ日が浅く、まだ十全に力を発揮出来ずにおります。その力を取り戻すためにはより多くの信仰を必要とします故、こうして布教に勤しんでいるのです」

 

「そ、そうですか...」

 

死者を復活させることができるのなら村人たちを蘇らせて貰えないかと考えた村長だったが、キアラの話を聞いて肩を落とす。そんな2人の会話の後、この辺り一帯の地理や流通する貨幣、国の勢力図などを簡単に聞き出し、途中で葬儀の為、一旦話はお開きとなった。

 

「しかし、本当に私が神を名乗って大丈夫だったのだろうか」

 

「いえ、アインズ様の御威光を知らしめるには良い判断かと思います」

 

アインズの言葉にアルベドが強く頷く。

 

「そ、そうか。しかし確かに死者を蘇らせることは出来るが、話してしまってよかったのか?厄介なことに巻き込まれなければ良いが」

 

「えぇ、信仰というのは奇跡無くして語ることができません。その中でも死者の復活と言うのはどんな時代や場所においても特に重要視される事柄でございます。それに村長には信仰がその力になると言っておきましたので、噂を聞いた死者の蘇生を望む者は総じて私たちの信者になるでしょう。本当は一度デモンストレーションが出来ると完璧なのでしょうが、ある程度の経験値を消費してしまう蘇生(リザレクション)はレベルの低い村人で耐えられるかどうか怪しいんですのよね」

 

キアラは悩ましげに頰に手を添えると溜息を吐く。その横でアインズは両親の墓の前で泣く姉妹を遠い目で眺め、しばらく彼女達を見つめると、キアラやアルベドと共にその場を後にした。

 

 

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村に戻ったアインズ達は壊された村を修復する村人達を眺め周っていた。多くの人は異形種のアインズを見ると若干怯えた顔を見せるが、村長が諭したからだろう。最初にあったエンリ姉妹ほど怯えた様子は見せなかった。ただ男たちはアインズより隣にいるキアラに目が行っているようで、時折鼻を伸ばしながら妻と思われる女にひっぱたかれていた。アインズは仲間がそんなゲスな目で見られていることに不快感を抱くが、当の本人が涼しい顔で気にした様子もなく、むしろそんな男達にいつもみたく優しく微笑みかけていたので彼も気にしないことにした。

 

(この世界ではアンデッドは恐れられている存在なのかぁ。ユグドラシルじゃそんな珍しいものでもなかったんだけどなぁ...キアラさんは畏怖も信仰には重要です、とか言ったけど、やっぱり顔は隠した方がいいんじゃないか?)

 

彼はそんな事を考えながらふと隣にいるアルベドに目をやる。ヘルムで顔を伺い知ることはできないが、どこか不機嫌そうだ。その理由が何となくわかるアインズは彼女に少し尋ねてみることにした。

 

「人間は嫌いか?」

 

「惰弱な生き物、下等生物。虫のように踏み潰したらどれだけ気持ちが良いかと」

 

「あー...アルベドよ。そう思うことを止めろとは言わぬが、時に演技とは重要なものだぞ?」

 

アインズの言葉にアルベドは押し黙ってしまい、その様子に彼は心の中で苦笑する。

 

(まぁ確かにアンデッドになって人間という種に対する親近感は全く湧かなくなった。どちらかというと、そこら辺にいる虫でも見ているような感覚だ。そうだとしたらキアラさんは人間についてどう思ってるんだろう?)

 

向こうの方で子供達と戯れるキアラを見つめながらアインズは考える。よくよく思えば彼はあまりキアラについて知っているわけではなかった。ゲームの中でリアルの事をあれこれ詮索するのはマナー違反だと思っていたし、何より彼女自身が自分の事をあまり喋りたがらなかったのだ。リアルでキアラはカウンセラーを職業としているらしく、そのせいも相まってか、どちからというとメンバーの相談事や愚痴を聞いていることの方が多かった気がする。

 

(そういえばあのペロロンチーノさんがキアラさんを師匠って呼んでいたけど、あれはどう言うことだったのかな?ともかく帰ったら一度キアラさんとちゃんとお互いの現状について話し合った方がいいかもしれない)

 

キアラのことについてアインズがそんなことを考えていると、何やら村人達の様子が騒がしい。村長を中心に4、5人の男達がなにやら集まって相談しているようだった。

 

「やれやれ、厄介ごとか...」

 

キアラもそんな村の様子に気がついたようで、子供達と戯れるのをやめ、村長達に話を聞きに行っている。そしてそのままアインズ達のいる場所へと戻ってきた。

 

「どうやら武装した兵団が騎馬でこちらへ向かっているようです」

 

「また面倒な。ただ折角手に入れた拠点を襲われるのは気に入らないな」

 

「えぇ、ですがどうやら先ほどの騎士達とは身なりが異なるとのことでしたので、もしかしたら王国側の救援隊かもしれません。そうなると貴方の存在を向こうに知られるのはまだ少し時期尚早でございます。ですので村長に話をしてつけましたので、どこかで少し身を隠していただけませんか?」

 

「うむ、いいだろう。アルベドは必要か?」

 

「いえ、あの程度の相手でしたら1000人居ようが私1人で十分ですわ。それに後詰めで他にも僕達を配置しているのでしょう?」

 

「はい、この村を囲むような形でアウラ以下の者達が控えております」

 

「そうか。では私はアルベドと共に姿を隠そう。ここは任せた。完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)!」

 

透明化の魔法で姿を眩ましたアインズとアルベドは一定の距離を保ちつつ、村長の元へと戻るキアラについていく。どうやらキアラと村長だけでその兵団を迎えるらしく、他の村人達は大きな家の中に纏まって隠れるようだ。そして暫くすると、遠くの方で上がる土煙と、馬に乗った兵士達がやってくる様子が見えた。そして彼らはキアラと村長の数メートル前で馬を止めると、先頭をきっていた屈強な男が1人前に進みでる。

 

「私はリ・エスティーゼ王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。この近隣を荒らし回っている帝国の騎士達を討伐する為に王のご命令を受け、村々をまわっている者である」

 

(王国戦士長がどの程度の地位の人間かは測りかねますが、村長の反応からするにそこそこの身分の方でしょうか?でしたら多少下手に出たほうが良さそうですわね)

 

まだ情報が圧倒的に足りないが、キアラは隣で驚いている村長を横目に見つつ当たりをつける。

 

「この村の村長だな?横にいる女性は一体誰なのか教えてもらいたい」

 

「こ、この方は...」

 

「お初にお目に掛かります王国戦士長様。私はキアラと申します。諸国を旅して布教をしております、しがない聖職者ですが、この村が襲われておりましたので助けに参った次第でございます」

 

「っ...!この村を救って頂き、感謝の言葉もない!」

 

ガゼフはキアラの話を聞くとその場で馬を降り、頭を下げた。

 

「しかしそのような麗しい身で騎士達を退けるとは。俄かには信じられないが、どうやら相当お強い方のようだ」

 

「いえいえ、私などまだまだ非凡の未熟者でございます。それより戦士長様?どうやらお客様がお見えになったようですよ?」

 

「それはどういう「戦士長!」」

 

二人が会話をしているとガゼフの部下が話を遮るように慌てた様子で彼に駆け寄る。

 

「周囲に複数の人影!村を囲むような形で接近しつつあります!」

 

ガゼフを含め、兵達や村長の間に緊張が走る。

 

「取り敢えずお話はこの危機を乗り切った後にいたしましょう」

 

そんな中キアラは慌てた様子もなく、ゆるりと笑うのであった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「一体彼らは何者なのでしょうか?」

 

「これだけの魔法詠唱者(マジックキャスター)を揃えられるのはスレイン法国、それも神官長直轄の部隊。六色聖典のいずれかだろう」

 

「なるほど。やはり先ほど村を襲った輩はバハルス帝国の騎士に偽装したスレイン法国の者と言うわけですね」

 

キアラはガゼフの話を聞いて顎に手を添え、考える仕草をする。

 

(宗教国家とは厄介ですね。すでに他の神を信仰しているとなるとこちらには取り込み辛いでしょうし、早々に強襲して潰してしまうべきでしょうか?)

 

そんな物騒なことを考えるキアラだったが、あまりに法国の情報が少な過ぎる今の段階では考えても仕方ないかと一旦思考を放棄する。

 

「しかしこんな手の込んだ陽動までして貴方様を始末しようとしているとは、随分と嫌われていらっしゃるようですね?」

 

「やはり貴方もそう思うか。本当に困ったものだ。まさかスレイン法国にまで狙われているとは」

 

ガゼフはそう呆れながら笑う。そして何かを思い立ったのか、キアラの方を向き口を開いた。

 

「貴方のような女性にこんなことを頼むのはおかしな話だが、キアラ殿、我々に雇われる気は無いか?報酬は望まれる額を約束しよう」

 

「ウフフフ...戦う前からそんな弱気になる必要がどこにありましょうか?きっと貴方様でしたら彼らに勝てますわ。そうですね。力をお貸しすることは出来ませんが、ここの村の方々は我が神、”アインズ・ウール・ゴウン”様に誓って必ずや守りましょう」

 

ガゼフはその言葉に驚き一瞬目を丸くし、大きな笑い声をあげた。

 

「フハハハハ!それもそうだな。貴方のようにお美しい女性にばかり頼っていては男が廃ると言うもの。それに貴方がこの村を守って頂けるのなら後顧の憂なし!私は前のみを見て進ませていただこう!」

 

「いえ、ガゼフ様にも神のお導きがあらん事を」

 

「ではさらばだキアラ殿!この村を守っていただいた事、本当に感謝する!」

 

ガゼフはそう言い残し、彼女とかたく握手を交わすと馬に跨り兵を引き連れ颯爽と敵に向かって駆けていった。

それを見送ったキアラの横に完全不可知化(パーフェクト・アンノウアブル)を解いたアインズが現れた。

 

「それで、戦士長はどこに?」

 

「おそらく村人を逃がすために包囲網を崩すつもりなのでしょう。ですがせっかく手に入れた拠点です。それをむざむざ手放す程、私は甘くは無いですわ。私達のものを奪うと言うのであればそれ相応の覚悟をしていただかなければ」

 

「ふっ、それもそうだな」

 

アインズとキアラはお互いに笑いあう。キアラの笑った顔はいつもの慈悲に溢れた笑顔ではなく、どこか邪悪を感じさせる笑みであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

村を離れたガゼフは、村人が何とか逃げられるようにスレイン法国の包囲網を崩すため決死の覚悟で馬を走らせていた。そしてそんな中、先ほど出会った女性を思い出す。まるで教会のシスターが着るような白い頭巾に黒い服に身を包んだ女性。彼女自身も聖職者であると言っていたが、その笑顔はとても優しげで美しく、まさに聖女と呼ぶにふさわしい佇まいだった。彼の率いる兵士たちも皆彼女を見るなり鼻の下を伸ばしていたが、あの美貌では仕方ない事だろう。かく言うガゼフも彼女のことが気にならなかったというと嘘になる。しかし彼はその美しさと尊さより、彼女の強さに強い興味を持っていた。少し村長に話を聞いた際、どうやら彼女の召喚したあのアンデットの騎士が村を襲ってた者達を倒したようだが、そのモンスターを使役していた彼女はおそらくそのモンスターよりは強いということだろう。ガゼフはそのアンデットの騎士を見たとき、正直な見解で勝てないだろうと思った。王国に伝わる五宝物を装備していれば状況は変わったかもれないが、現状のガゼフでは到底及ばないだろう。それにどことなく彼女は自分の実力を隠している。ガゼフはそう感じた。特に確証があるわけでは無い。ただこんな自分が殺されてしまうかもしれない絶対絶命の状況で、彼女は怯えることも。まして彼のように死を覚悟するわけでもなく、ただただ優しく、全てを見透かすように微笑むだけだったのだ。そんな彼女を心強いと思う反面、同じくらい不気味な存在でもあった。

 

(だが彼女は今回は味方だ。村を守ると言ってくれた時、その目には嘘や偽りは見えなかった。ならばウジウジ考えていても仕方あるまい!)

 

彼はそこで一旦思考に区切りをつけ、目の前に立ちはだかる敵に集中する。そして大きな雄叫びをあげると、率いる部下とともに敵陣のど真ん中へと突っ込んで行くのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ほう、中々面白い技を使うのだな。あれはユグドラシルにはなかったものだ」

 

「興味深いですね。私達があれを使えれば戦力の強化につながりそうですわ」

 

「モンクであるキアラは可能かもしれぬが、魔法詠唱者(マジックキャスター)の私には難しそうだ」

 

アインズ、キアラ、アルベドの三人は村人達とは別室でガゼフ達の戦闘の様子を遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモート・ビューイング)を使いながら観察してた。ガゼフが時折繰り出す技に興味を抱きながらも、アインズとキアラの話題は法国側が召喚しているモンスターへと移った。

 

「あれは炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)か?どうしてユグドラシルのモンスターが召喚されている?」

 

「どうでしょうか。もしかしたらユグドラシルプレイヤーが彼らに魔法を教えたのかも知れませんね」

 

「うーむ、では法国にはプレイヤーの後ろ盾があると考えたほうが良いのだろうか?」

 

アインズは終始興味深そうに観察しながら彼らの戦闘を見ているが、戦いのレベルが低すぎてキアラには退屈に思えた。するとそのうちにどんどんとガゼフが追い詰められていき、部下達は全滅。それに彼も全身傷だらけで、もはや満身創痍と言った様子だ。

 

「では我々もそろそろ行くか」

 

「えぇ、ただ今回は私に譲ってくだいさね?アインズさん」

 

「わかっているとも。極力私は手を出さない。それにこれはキアラのスキルの実験も兼ねているしな」

 

「迂闊にナザリックで使うわけにも行きませんでしたしね。私、少し昂ぶっております」

 

そういって自分を抱きしめながらブルッと身震いをするキアラ。その様子を見たアインズは、やはりどこか残念な仲間に少し落ち込むのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「くっ!魔法ってのは何でもありなのかっ!」

 

倒しても倒しても次々と召喚される炎の上位天使(アークエンジェル・フレイム)を睨みながらガゼフは呟く。体のあちこちに攻撃を受け、鎧はボロボロになり、あちらこちらで血が滴っていた。彼の部下達も既に全滅しており、時折呻く声が聞こえるも、誰も立ち上がることはできないようだった。そんな絶望的状況の中でも尚、彼はフラつきながらも剣を構える。すでに視界は霞み始め、武技もあと数回使えるかどうかと言うところだ。だがそんな中でも敵の攻撃の手が休まることはなく、そのうちに背中から大きな攻撃を一発食らってしまい、彼はその場に倒れ伏してしまった。

 

「トドメだ。ただし一体でやらせるな。数体で確実に仕留めろ」

 

敵の指揮官であるニグン・グリッド・ルーインがその好機を見逃すはずもなく、勝ち誇った笑みを浮かべながら部下達に指示を出す。

 

「なぁーめーるーなぁっっっ!!!俺は王国戦士長!この国を愛し!守護するものっ!王国を汚す貴様らにっ!負けるわけにいくかあぁぁぁっっ!!!」

 

歯を食いしばり、満身創痍の体を奮い立たせ立ち上がるガゼフ。ニグンはそんな彼を鼻で嘲笑いつつ口を開く。

 

「そんな夢物語を語るからこそ、貴様はここで死ぬのだ、ガゼフ・ストロノーフ。その体で何ができる?お前を殺したのち、村人達も殺す。無駄な足掻きをやめ、大人しくそこで横になれ。せめてもの情けに、苦痛なく殺してやる」

 

「ふっ、愚かなことだ。あの村には俺よりも強い御仁がいるぞ」

 

「ハッタリか?まぁいい、天使達よ!ストロノーフを殺せ!」

 

ニグンの号令で天使達が一斉にガゼフに襲いかかる。何とかガゼフも最後の力を振り絞り、襲いかかる天使達を退けながら指揮官であるニグンに迫ろうとする。しかし...

 

「............ぐふっ!」

 

動きを止め、口から血を吐き出すガゼフ。彼の体には殺到した天使達の光剣が深々と突き刺さっており、天使達がそれを抜いた瞬間夥しい量の血が吹き出した。ガゼフはその場で崩れ落ち、地面に倒れる。

 

(もう駄目か...王よ、申し訳ございません......)

 

己の至らなさに歯痒い思いを感じるが、どうやらこの体はもう動きそうに無い。どんどんと視界が暗くなり、自分が死んでいくのがわかる。そんな時だった。

 

「ウフフフ....貴方の足掻き、魅せて頂きましたわ。あまりの昂ぶりに思わず出てきてしまいました」

 

「キ....キアラ殿......なのか.....?」

 

聞き覚えのある声に、もはやまともに映らない目をうっすら開くとそこにはボンヤリとだが女性らしき人が見える。声からしておそらくキアラなのだろう。ただ幻覚なのか先ほどの彼女とはどこか雰囲気が違い、頭には何か角のようなものが生えているような気もする。

 

「キ....アラど..の...どうか...奴ら......を........」

 

「えぇ。お任せください。貴方はもう休むと良いですわ」

 

役目を終えたガゼフは、その言葉に安心したのか少し笑うと目を閉じ、そのまま息を引き取った。それを見届けたキアラはゆっくりとニグン達に立ちはだかる。そんな彼女をニグンは怪訝に思いながらも油断なく見据える。

 

「何だお前は?その(なり)からすると人間では無いな?我々の邪魔をするな化け物め」

 

「化け物とは随分と失礼な殿方でございますね。その失礼な物言いといい、声といい、まるでどこかの童話作家を...んんっ!」

 

何かを言いかけたキアラだったが、途中で一つ咳き込むと両手を広げ言葉を続けた。

 

「初めましてスレイン法国の皆様。私の名はキアラ。生きとし生けるもの、有情無情の区別なく味わい尽くす魔性菩薩。さぁ、我が六欲に溺れましょうや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

にぐ「邪魔をするなこの牛女!」

 

きあ「喝破!」

 

にぐ「ゴフッ!失敬、言い過ぎだったっ!牛女ではなくメロン峠t(バキッ!ゴスッ!)」

 

きあ「アンデルセエエェェェェェンッッッーーーーーーー!!!!!」

 

にぐ「AMEN….」(チーン)

 

綺麗「股ぐらがイキリ勃つ!」

 

きあ「濡れる!」

 

きあ&綺麗 ガシッ!(固く握手)

 

あいん「もう嫌だこのギルド…」

 




最後までご観覧ありがとうございます。
感想をくださった方にもさらに感謝を。
至らぬとこは数多くございますがそこはご愛嬌で。
他の作者さんのを見ようとランキング開いたら自分のが乗ってるってビビりますね。
しかも27位くらいまで行ってて思わずスマホを落としそうになりました笑
オーバーロード とキアラさんが人気故の結果だとは思いますがやっぱり嬉しくは思います。
何とか今後も続けられるようにかんばりますので、応援していただければ幸いです。
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