生まれ変わって調整体魔法師   作:アマノハブキ

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生存報告。

受験で死にそう。なぁにが誘導リアクタンスじゃ、回路図破り捨てるぞ。



次回は梓さん暴走会かも


これからもお付き合いしていただけたらと思ってます。

では




第10話

 

 

 

 

「ごめんなさいイリヤさん、本当は生徒会室でお話ししようと思ってたけど、少し付き合ってもらってもいいかしら?」

 

「はい?」

 

そう言う真由美の後ろを見てみれば何やら少し緊張した空気の中、他の生徒会役員が移動の準備をしていた。それについてこいと言うわけか。

 

「別にいいですが……何があったのですか?」

 

「実はね……」

 

ため息交じりに真由美が話した内容をまとめると、事の発端は今日の昼休み。この学校では、入学試験で首席だったものには生徒会に入ってもらうと言う伝統があるらしい。それで今年の首席であった司波深雪に生徒会に入ってくれるようにお願いしたところ、そこで少し問題?があったらしい。

なんと、筆記試験では司波達也が文句なしの一位だったらしいのだ。しかし、実技が上手くいかなかったようで、首席にはならなかったのだと。

そこで、深雪は達也の方が自分よりも生徒会に相応しいと言い張った。最終的には、深雪が生徒会に入ることになったのだが、魔法式を読み取れると言う貴重な人材(達也)を逃すわけにはいかず、風紀委員に入れると言う形で落ち着いたらしい。

 

問題はこの後だ。副会長である服部なんとか(名前は長いので忘れた)先輩がどうしても納得いかなかったそう。

 

それで今から司波達也と服部何某で試合を行うとのこと。

 

なるほど、本当にこの一科生二科生制度は面倒くさい。このシステムだけはドイツに持ってくわけにはいかないな。

まぁ、司波達也に関しては、見えすぎているようだし。こんなところで本気は出さないだろうが、見ておくのも悪くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故アインツベルン さんがここに」

 

「イリヤでいいわよ。その代わり私も達也くんと呼ぶわ。そうね、成り行きとしか言いようがないわ」

 

少し広い演習場に入ると、達也と目があった。取り敢えず、挨拶をする。

 

「なるほど」

 

「それにしてもよく付き合うわね、貴方。どうせ勝負にならないでしょうに」

 

「なんでそう思うんだ?相手は一科生の服部先輩だぞ?」

 

「あら、(とぼ)けるのね。言いふらすつもりもないけれど、貴方の体の動かし方、普通じゃないもの。それこそどこかの兵士みたい」

 

達也の目がスッと細められる。

 

この男は普通(・・)ではない。魔法式が読み取れると言う異常な能力、それに身のこなし方。味方か敵かはハッキリしないが、一応は釘を刺しておく。私のキャンパスライフをぶち壊したら許さないからな、と言うことだ。

 

「驚いた。イリヤさんはよく人を見ているようだ」

 

「存分に褒めなさい。じゃ、頑張って」

 

そう言って生徒会役員が集まっている壁際に向かう。

 

「イリヤさんはどっちが勝つと思う?」

 

「そうですね……ここは達也くんに賭けてみます」

 

そう言った瞬間、深雪がいるあたりから「私もそう思います!」と言わんばかりのオーラが飛んできたが感じなかったことにする。

 

そう、といってあまり興味がなさげだが、十中八九会長も達也が勝つと考えているだろう。

 

なんというか、服部何某が勝つ未来が見えないのだ。副会長にまで上ったのは実力もあるだろうが、日本の諺にある「井の中の蛙大海を知らず」を知った方がいい。「上には上がいる」、これは諺ではないか。

 

両者がCADを手に演習場中央に立つ。

 

 

 

 

そして試合が始まった。

 

 

 

 

本当に決着は一瞬だった。

 

司波達也の圧勝だ。達也は、服部何某が使用した魔法よりも早く、自力のみで服部何某の背後に回り込み、波長の違うサイオンの波を上手く使って、ハッキリと言葉にするならば酔わせて服部何某をダウンさせたのだ。

 

まぁ、確かにあの攻撃は優れた魔法師であればあるほど初見で食らうと苦しいだろう。優れた魔法師ほど常にさらされ続けているサイオンには強い。しかし、それを上回るずらされた波をじかに食らったら対処のしようがないはずだ。強い波の生成、波の合成かな?

 

 

「待て。今のは自己加速術式を予め展開していたのか?」

 

「そんなわけないのは先輩が一番ご存知なハズですが」

 

「だがあれは……」

 

摩利の戸惑うに声に深雪がハッキリと答える。

 

まぁ、そう言いたくなるのもわかる。やはりあの男は普通ではなかったのだということだ。

 

「魔法ではありません。正真正銘、身体的な技術ですよ」

 

「私も証言します。あれは兄の体術です。兄は、忍術使い・九重八雲先生の指導を受けているのです」

 

なるほど、そういうことか。達也はジャパニーズニンジャの弟子だったのか…………いや、やめよう。なんかアホに聞こえる。

 

そして、達也からの解説。少しずれてたみたいだが、大方予想通りだった。しかし、随分と器用なことをする男だ。

 

そして、他にも優秀な生徒がいるようだ。黒髪ロングの先輩が波の合成であることを見事当てた。やはり、ただの高校生ではないのだというのがよくわかった。

 

(そして極め付けは)

 

チラリと達也の手に握られているものをみる。

 

間違いない、あれはシルバーホーン。忌々しいループキャスト技術が載せられたフォア・リーブス・テクノロジーの最新作だ。しかも銃身が長い限定生産モデル。

 

魔法師の演算キャパシティが許す限り何度でも連続して魔法を発動できるように組まれたシステム、あんなもの金持ちでも手が出せないほどのものだったはず。

 

見ればオレンジ色の髪をした女生徒が熱心に件のCADについて語っていた。

 

うーん。司波、芝、違う四葉(よつば)フォア・リーブス・テクノロジー(ふぉー・はっぱ・技術)

 

考えすぎだろうか。

 

うーん、四葉って日本の一番ヤバい一族とかって言ってたっけ。この件は口に出すべきではなさそうだな。

 

 

 

それを除いても、司波達也。やはり只者ではないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後もなんやかんやあったが、落ち着いたようだ。

 

生徒会室に戻ってきて改めてお話というわけだ。

 

開かれた扉から生徒会室内に入ると、中央に生徒会長の七草真由美、その両隣から順番に生徒会役員が座っている。司波兄妹は先に帰ったようだ。

 

 

「単刀直入にお聞きします。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンさん、生徒会に入りませんか?」

 

「お断りします」

 

 

 

そこで言われたのがこれだ。

 

 

 

「何故、留学生である私に?」

 

「日本の高校についてもっと中心に立って間近で感じて欲しいのです」

 

生徒会室に通されて、まず最初の一声がこれだ。もちろん断る。

 

そもそも、私は日本に仕事しに来たんじゃない(仕事はしなきゃいけない)。遊びに、楽しみに来たのだ。生徒会に入る?そんなもの面倒臭いに決まっているじゃないか。絶対に入らないぞ。

 

 

「この学校は権力の一点集中型で、その権力をまとめて持っているのが生徒会です。そんな中に私が入っていくというのは些か不用心ではないですか?なんせ国外から来てます、スパイかもしれなせんよ?」

 

「あら、イリヤさんがスパイ?それこそアインツベルン が本気を出せばこんなことをしなくてもいいはずです」

 

やりづらい……というか面倒くさい。

 

おや、会長の雰囲気が変わったぞ。

 

「先ほどの試合ですが、事の発端は一科生と二科生の差別的な今の状態が引き起こした問題です。私が生徒会長であるあいだにどうにかしたいと考えています。ドイツの魔法教育は国際的にみても進んでいると聞いています。その教育局の特別顧問であるイリヤさんのお力をお借りしたいのです」

 

そういうことか。まぁ、会長ほどの真面目な人ならこの状態をなんとかしたいと思うのは当然か。

 

「どうか、よろしくお願いします」

 

そう言って頭を下げる真由美。

 

「私からもお願いしたい。この通りだ」

 

風紀委員長に続くように、他の役員も頭を下げた。

 

(ッッ〜〜ー!)

 

本当に、やり辛くて仕方がない。

 

 

 

「頭をあげて下さい、この学校のリーダーがそう易々と頭を下げては示しがつかないでしょう?」

 

「じゃあ……」

 

「生徒会所属の件、了解しました。微力ながらお手伝いさせていただきます」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 

 

しかし、こういうのも悪くないのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、生徒会室に来るのは本当に必要な用事がある時と、協力の要請がある時だけです、お願いしますね!」

 

あくまでも自分が一番なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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