やあ (´・ω・`)
ようこそ、バーボンハウスへ。
このテキーラはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

でも、この題名を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このコピペをしたんだ。

じゃあ、注文を聞こうか

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モー人伝

モー人伝

 

 

ブリテンの都キャメロットに住むモードレットが、母親の妖姫モルガンに誑かされブリテン第一の覇者になろうと志を立てた。

 

己の師と頼むべき人物を物色するに、当今ブリテンに国を作っては騎士王アーサーに及ぶものがあろうとは思われぬ。

 

 

100マイルを隔てて戦争をするに百戦百勝するという達人だそうである。

 

 

モードレットは遥々国王を訪ねてその門に入った。

 

国王は新入のモー人に、まず奴隷制を学べと命じた。

 

モードレットはロンデニウムの川べりに行き、灌漑に立って、そこで市民に鍬を振り続けさせた。

 

生かさず殺さずでじっと絞り取ろうという工夫である。

 

理由を知らない市民は大いに驚いた。

 

第一、延々といたぶられるのは困るという。

 

厭がる市民をモードレットは無視して、無理に鍬を振り続けた。

 

来る日も来る日もモードレットは奴隷市に行っては、奴隷兵士を増やしていく。

 

3ヶ月の後には、北方の蛮族戦士に出くわしても絶えて慌てることが無くなった。

 

モードレットはようやく隣国に挑戦する。

 

最早、ピクト人が出てきても動じぬようになっていた。

 

蛮族の首都に突入しても、丘の上に槍持ちケルトが居ても決して兵力が足りないことはない。

 

都市の徴兵可能人口は最早本来の役目を忘れ果て、村に男が3人しかいない時でも次の日には奴隷が補充されていた。

 

ついに隣国のウェセックスを平らげるに及んで、モードレットはようやく自信を得て、師のアーサー王にこれを告げた。

 

それを聞いてアーサー王が言う。

 

奴隷制のみではまだ制覇には足りぬ。

 

次には、市場を建てよ。

 

経世済民に熟して、さて、金貨を見ること石材のごとくなったならば、来たって我に告げるがよいと。

 

モードレットは再び都市に戻り、奴隷の中から市民を選び出して、これを解放して市場での徴税を許した。

 

そうして、金の流れを絶やさないように、終日都市のインフラを整える。

 

毎日毎日モードレットは市場に人と物を流し入れ続ける。

 

最初の税が納められた時、始め、もちろんそれらは金貨の2枚しかない。

 

二、三週間たっても、依然として2枚である。

 

ところが一ヶ月余り過ぎると、気のせいか、どうやらそれがほんの少しながら3枚の金貨を持ってくるように思われる。

 

4ヶ月目の終わりには、明らかに5枚入りの袋が混じるようになってきた。

 

都市の外の風物は次第に移り変わる。

 

茂っていた森林の木々はいつしか交易船や宿場の建材に変わり、相互通商を結んだ大商人が国境を渡って行ったかと思うと、はや、第二次コンスタンティノポリス公会議で東ローマ帝国がローマ=カトリックとの関係を悪化させる。

 

モードレットは根気よく、都市の中で税を蓄え続ける。

 

その金貨も何千と生産されていくうちに早くも一年の月日が流れた。

 

ある日ふと気が付くと、ローマ由来の都市インフラが全て揃っていた。

 

しめたと、モードレットは膝を打ち、表へ出る。

 

モードレットは我が目を疑った。

 

奴隷兵は騎兵であった。

 

弓兵は弩兵の如く、空にはワイバーンに乗った兵が見える。

 

雀躍して都市にとって返したモードレットは、再び国境に立ち向かい、カタパルトを山積みして都市城壁を破壊すれば、

騎兵は見事に都市を奪取して、しかも兵士は一人りも消耗しない。

 

モードレットは早速師の許に赴いてこれを報ずる。

 

アーサー王は胸を打ち、初めて「でかしたぞ」と褒めた。

 

そうして、直ちに王道の定石を余すところなくモードレットに授け始めた。

 

内政に2年もかけた甲斐があって、モードレットの国力の上昇は、驚くほど速い

 

奥儀伝授が始まってから、一ヶ月の後、試みにモードレットがスコットランド人に挑戦するに、すでに百戦百勝である。

 

2ヶ月の後、地平を埋め尽くすアングロ・サクソン連合軍にワイバーンで空襲を入れてから殴りかからせるに、防衛軍は消耗せず、しかも都市の防壁さえも必要としない。

 

3ヶ月の後、ハドリアヌスの長城の攻略を試みたところ、海軍の砲撃により一日にして長城の壁は崩れ、続いて爆撃した空軍は過たず兵舎を焼き払い、さらに間髪入れず陸軍が占領する。

 

陸海空軍相属し、陸海空軍相及んで、蛮族討伐は必ず成功するが故に、絶えて反撃をくらうことがない。

 

瞬く間に、百万の軍団は一体の如くに相連なり、首都から一直線に続いたローマ式街道のその最後の都市は屑立地が如くに見える。

 

傍で見ていた師のアーサー王も思わず「善し!」と言った。

 

6ヶ月の後、たまたま発見したばかりのアイルランド島に行って蛮族といさかいをしたモードレットがこれを威そうとて、射石砲に騎兵を添えて蛮族都市に送り出した。

 

軍団は蛮族槍兵の脇を横切って都市を落としたが、槍兵は一向に気づかず、降伏もしないで槍を掲げ続けた。

 

けだし、モードレットの至芸による進軍の速度と戦術の精妙さとは、実にこの域にまで達していたのである。

 

もはや師から学びとるべき何物もなくなったモードレットは、ある日、ふとよからぬ考えを起こした。

 

モードレットがその時独りつくづくと考えるには、今やブリテンをもって己に敵すべきものは、師のアーサー王をおいて外にない。

 

ブリテン第一の覇者になる為にはどうあってもアーサー王を除かねばならぬと。

 

秘かにその機会をうかがっている中に、一日偶々平原において、向こうからただ一人歩み寄るアーサー王に出会った。

 

とっさに意を決したモードレットが盗み出した選定の剣クラレントを掲げ、その気配を察してアーサー王もまたエクスカリバーを執って相応ずる。

 

二人互いに号令をかければ、軍団はその度に野戦となり、ともに丘陵森林に陣取った。

 

アーサー王の騎士団が尽きた時、モードレットの方はまだ余力を残していた。。

 

得たりと勢込んでモードレットが宝具を解放し、アーサー王はとっさに、鞘を投げその先端でハッしと叩き落とした。

 

竟に非望の遂げられないことを悟ったモードレットの胸に、成功したならば決して生じなかったに違いない道義的慙愧の念が、このとき忽焉として沸き起こった。

 

アーサー王の方ではまた、危機を脱しえた安堵と己が技量についての満足とが、

不義の子に対する諸々の憎しみをすっきり忘れさせた。

 

二人は互いに駆け寄ると、両軍の兵士の死体で出来たカムランの丘の上に相抱いて、暫し美しい師弟愛の涙にかきくれた。

 

(こうした事を今日の道義観をもって見るのは当らない。ウーサー王がコンウォールのゴルロイスを攻め、その首をもって妻の寝室に乗り込んだとき、イグレインはこれを受け入れた。十六年前、モルガンは魔術でアーサーを眠らせたその晩、三度襲うた。すべてそのような時代の話である。)

 

涙にくれて相擁しながらも、再び弟子がかかる企みを抱くようなことがあっては国土が甚だ危いと思ったアーサー王は、

モードレットに新たな目標を与えてその気を転ずるにしくはないと考えた。

 

アーサーはこの危険な弟子に向って言った。

 

最早、伝うべき程のことは悉く伝えた。

なんじがもしこれ以上この道の蘊奥を極めたいと望むならば、ゆいて西方の新大陸に渡り、とある都市を訪れよ。

 

そこには天帝老師とて古今を曠しゅうする王道の大家がおられるはず。

 

老師の技に比べれば、我々の政の如きは殆ど児戯に類する。

 

なんじの師と頼むべきは、今は天帝師の外にあるまいと。

 

モードレットはすぐに西に向って旅立つ。

 

その人の前に出ては我々の技の如き児戯に等しいと言った師の言葉が、彼の自尊心に堪えた。

 

もしそれが本当だとすれば、ブリテン第一を目指すモードレットの望も、まだまだ前途程遠いわけである。

 

己が技が児戯に類するかどうか、

とにもかくにも早くその人に会って腕を比べたいとあせりつつ、モードレットはひたすらに道を急ぐ。

 

荒れ狂う海を越え、後にモードレットは漸く目指す新大陸に辿りつく。

 

気負いたつモードレットを迎えたのは、羊のような柔和な目をした、しかし酷ひどくよぼよぼの爺さんである。

 

年齢は百歳をも超えてゐよう。腰の曲つてゐるせゐもあつて、白髯はくぜんは歩く時も地に曳きずつてゐる。

 

相手が目指す国の属国かも知れぬと、大声に遽だしくモードレットは来意を告げる。

 

己が技の程を見て貰いたい旨を述べると、あせり立った彼はいきなり背に控える船団に号令を出して蛮族都市に向かわせた。

 

そうして、蛮族都市に横付けすると、

折から都市を守備しているインディアンの群に向って狙いを定める。

 

指示に応じて、海軍が上陸し忽ちに都市が鮮やかに落とされた。

 

「一通り出来るようじゃな」と、天帝が穏かな微笑を含んで言う。

 

「だが、それは所詮、戦之戦というもの、好漢未だ不戦之戦を知らぬと見える」。

 

ムッとしたモードレットを導いて、天帝は、其処から5里ばかり離れた隣国との国境まで連れて来る。

 

相手は文字通りの戦争狂い、凶犬の如きインカの帝王モンテスマ、遥か遠方に豆のような小ささに見えるジャガー戦士の大軍団を一寸覗いただけで忽ち眩暈を感ずる程の戦力である。

 

その国境から半ば向こう側に乗出した丘の上につかつかと天帝は駈上り、振返ってモードレットに言う。

 

「どうじゃ。この丘の上で先刻の業を今一度見せてくれぬか」今更引込もならぬ。

 

天帝と入代りにモードレットがその丘を履んだ時、ジャガー戦士は微かにこちらを向いた。

 

強いて気を励まして都市に向けて軍を移動しようとすると、ちょうど逆の国境からケツァ・コアトルが攻め入って行った。

 

その行方を目で追うた時、覚えずモードレットは丘上に伏した。

 

脚はワナワナと顫え、汗は流れて踵にまで至った。

 

天帝が笑いながら手を差し伸べて彼を丘から下し、自ら代ってこれに乗ると、

「では戦というものを御目にかけようかな」と言った。

 

まだ動悸がおさまらず蒼ざめた顔をしてはいたが、モードレットは直ぐに気が付いて言った。

 

「しかし、兵はどうなさる? 兵は?」天帝は守備隊を残せば空手だったのである。

 

「兵?」と天帝は笑う。

 

「兵や砦の要る中はまだ戦之戦じゃ。不戦之戦には、兵も砦もいらぬ」。

 

ちょうど彼等の真横、国境の極めて近い所に1つの都市が国王感謝祭を開いていた。

 

その胡麻粒ほどに小さく見える花火を暫く見上げていた天帝が、やがて、外交使節を送り、都市委譲を俎上に載せれば、

見よ、モンテスマは対案も乗せず都市を石材の如くに割譲するではないか。

 

モードレットは慄然とした。今にして始めて王道の深淵を覗き得た心地であった。

 

九年の間、モードレットはこの老名人の許に留まった。

 

その問如何なる修業を積んだものやらそれは誰にも判らぬ。

 

九年たって海を渡り戻って来た時、人々はモードレットの顔付の変ったのに驚いた。

 

以前の負けず嫌いな精悍な面魂は何処かに影をひそめ、何の表情も無い、

木偶の如く愚者の如き容貌に変っている。

 

久しぶりに旧師のアーサー王を訪ねた時、しかし、アーサー王はこの顔付を一見すると感嘆して叫んだ。

 

「これでこそ初めて星の覇者だ。我儕の如き、足下にも及ぶものでない」と。

 

ブリテンは、天下統一の名人となって戻って来たモードレットを迎えて、

やがて眼前に示されるに違いないその妙技への期待に湧返った。

 

ところがモードレットは一向にその要望に応えようとしない。

 

いや、政治の場さえ出ようとしない。

 

海を渡る時に携えて行ったクラレントも何処かへ棄てて来た様子である。

 

そのわけを訊ねた一人に答えて、モードレットは懶げに言った。

 

「至為は為す無く、至言は言を去り、至制は制することなし」と。

 

成程と、至極物分りのいいブリテンの人士は直ぐに合点した。

 

王道を執らざる王道の名人は彼等の誇となった。

 

様々な噂が人々の口から口へと伝わる。

 

毎夜三更を過ぎる頃、モードレットの家の屋上で何者の立てるとも知れぬパパパパパウワードドンとの音がする。

 

名人の内に宿る政道の神が主人公の睡っている間に体内を脱け出し、蛮族を払うべく徹宵守護に当っているのだという。

 

モードレットの都市に忍び入ろうとしたところ、国境に足を掛けた途端に聖剣ブッパが都市の中から奔り出てまともに自国の首都を打ったので、覚えず降伏したと白状したスパイもある。

 

爾来、邪心を抱く者共は彼の都市は避けて廻り道をし、賢い野生動物共は彼の国境からの視界内を通らなくなった。

 

名人モードレットは次第に老いて行く。

 

既に早く政道を離れたモードレットの心は、益々枯淡虚静の域にはいって行ったようである。

 

木偶の如き顔は更に表情を失い、語ることも稀となり、ついに円卓の仲間では生死さえ疑われるに至った。

 

「既に、我と彼との別、是と非との分を知らぬ。眼は耳の如く、耳は鼻の如く、鼻は口の如く思はれる。」

というのが、老名人モードレット晩年の述懐である。

 

天帝師の許を辞してから40年の後、モードレットは静かに、誠に煙の如く静かに星を脱出した。

 

その40年の間、彼は絶えて戦争に口を挟むことが無かった。

 

口を挟みさえしなかった位だから、兵士を執っての活動などあろう筈が無い。

勿論、寓話作者としてはここで老モードレットに掉尾の大活躍をさせて、名人の真に名人たる所以を明らかにしたいのは山々ながら、次のような妙な話の外には何一つ伝わっていない。

 

その話というのは、彼の脱出する1、2年前のことらしい。

 

或日老いたるモードレットが知人の許に招かれて行ったところ、その都市で1人の男を見た。

 

確かに見憶えのある格好だが、どうしてもその名前が思出せぬし、その用途も思い当らない。

 

老人はその都市の主人に尋ねた。

 

それは何と呼ぶ者で、又、何に用いるのかと。

 

主人は、客が冗談を言っているとのみ思って、ニヤリととぼけた笑い方をした。

 

老モードレットは真剣になって再び尋ねる。

 

それでも相手は曖昧な笑を浮べて、客の心をはかりかねた様子である。

 

三度モードレットが真面目な顔をして同じ問を繰返した時、始めて主人の顔に驚愕の色が現れた。

 

彼は客の眼を凝乎と見詰める。

 

相手が冗談を言っているのでもなく、気が狂っているのでもなく、又自分が聞き違えをしているのでもないことを確かめると、彼は殆ど恐怖に近い狼狽を示して、吃りながら叫んだ。

 

「ああ、夫子が、――古今無双の王道の名人たる夫子が、労働者を忘れ果てられたとや? ああ、労働者という名も、その使い途も!」

 

その後当分の間、星では、大芸術家は絵筆を隠し、大商人は財布の紐を断ち、大技術者は規矩を手にするのを恥じたということである。

 

 

 


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