この度書きたくなって書いてみました東方二次小説。後悔はしていない。
第一話のためとても短いですが、どうか気に留めてもらえればと思います。
それでは、どうぞ。
孤独は寂しい。寂しいのは嫌だ。
拒絶は痛い。痛いのも嫌だ。
皆僕を拒絶する。皆が僕を忌避している。
ならば、僕は独りでいい。
それが誰も傷付かない、最善の方法だから。
◇◆◇◆
「ここかしら……?」
緑の髪に赤く鋭い目。花を模した日傘を所在無さげにゆらゆらと揺らす少女がいた。
名を風見幽香。
可憐な姿とは裏腹に人々から恐れられている大妖怪である。本人的には、さほど興味がない、らしい。
目の前にあるのは、もとは普通の家だったのであろう建物の成れの果て。の一歩手前くらいに古びて壊れかけているもの。もとの家としての役割を果たしているのかさえ怪しい。
だがまあ、それ自体は別段変わったことではない。使われなくなって朽ちていった家など探せばいくらでもある。
それが異質であるのは、それが建つ場所にあった。
周りは一面木。つまりは森の中。それでも家の周囲だけは綺麗に、とまではいかなくとも邪魔にならない程度には木や雑草は刈り取られている。
森の中に好んで住もうとする奴なんて、よくて出家とか言って山で修行する僧ぐらいだろうか。仕事の関連で森に立ち入る者はいるが、その大半は別に森に住んでいる訳では無いし、自殺志願の人間だって、別に森に住みたい訳じゃない。
なぜか。
森、ひいては山中というのはあまりに危険だからだ。それこそ、自殺の場所の選択肢になるくらいには。
猪や熊などの猛獣はまだいい。いや危険ではあるのだろうが、まだいい。
もっと恐ろしいのが、幽香のような、妖怪である。
狐や狸に化かされるなんて可愛いもので、普通に食われて死ぬ。自衛能力がないのなら尚更。
そんな危険地帯である森の中で、誰かが住んでいるとしか思えない程に明らかに人の手が加わっている場所がある。
怪しい。果てしなく怪しい。
と言っても、彼女がここにいるのはまた別の理由があるのだが。
(近くに人が住んでいる気配は無い。妖力は若干感じるけど、森の中なら不思議なことじゃない)
辺りに気を配りながら、一応玄関へと近付き、戸を開く。
いくら古びてるとはいえ、家そのものは大きく、それなりに広く感じる。
しかし、たとえ死角から襲われたところで幽香ならなんの心配もない。
知人であるあの胡散臭いスキマ妖怪程の力が無ければ、幽香に敵うことはできまい。下手に襲ったら最後、相手との力量差を読み切れなかったその存在は、彼女に殺されるだろう。
尤も、彼女が大妖怪風見幽香だというのは人妖問わず有名で、姿を見れば即座に分かる。そんな彼女に襲い掛かる輩などいるはずもないのだが。
「ふうん……?」
断言しよう。
ここに人は住んでいる。
僅かにする人間の匂い。埃を被っていない床や家具。今は無人のようだが、何処かに出払っているのだろうか。
そして何より、新しい。
家の外観はあれほどまでに古いというのに、こうして中を見てみると、そこからは想像つかないほど、それこそ狐や狸に化かされたかと思うほどの変わりよう。
あくまで外観の割に、であるので中そのものが新品のよう、という訳ではないのだが。
考えられるのはやはり幻覚や幻術の類の妖術。しかし幽香にそれを仕掛けられるほどの技量と度量がある妖怪ならば、少なからず噂立つ筈だ。そんな話は聞いていない。
ならば人間が使う霊術や陰陽術の類か。それこそ有り得ない。そんな腕の立つ人間ならばこんな森の中ではなく都の方へと行く筈だからだ。
一番可能性として高いのは、ここに住んでいる人間の仕業。どんな理由があるかは知らないが、それが一番しっくりくる。こんな森の中に住んでいるのだから、噂にもならないのも道理だ。
「誰……?」
「ッ!?」
声がした。
発生源は後ろ。
振り向かずに妖力弾を放つ。
「わわっ」
地面が擦れる音がした。声の主が驚いて後退りしたか、尻餅を付いたか。
違うそうじゃない。
何故そんな小さな音が聞こえたのだ?
「…………」
警戒し、辺りに妖力を放ちながら振り向く。
そこらの妖怪ならそれだけで恐れを成して逃げ出す。殆ど存在しないが、もし格上だとしても十分警戒させるに足る濃密さで妖力をぶつける。
「え……?」
声の主は玄関にいた。
それは、齢二桁に満たないような、幼い白髪の少年であった。
次回からは文字数が増える予定です。
幽香SSが書きたかったので書きました。また別作品のSSも書いているのですが、それはそれ。これはこれ。
基本的に文章力が無いので、何か変な所があっても生暖かい目で見てやってください。
不明な点、矛盾点等ございましたらご指摘お願いします。
それでは次回も読んでいただけることを願いつつ、ここらで終わりとさせていただきます。
評価、感想等があると作者はやる気とか何か色々湧き出ます。