マリア様がみてる Another ~シスター&シスター~ 作:夏緒七瀬
「菜々さん、ありがとう」
教室に戻ったマリアは、菜々さんにお礼を言って頭を下げた。
「気にしないで。私が勝手に首を突っ込んだだけだから」
「ううん。本当に助かったよ。私も菜々さんみたいに、はっきりと自分の意見を言えたらいいんだけど」
マリアは、少し困ったように言って笑った。
そんなマリアを見た菜々は、「そうだ」と提案する。
「明日からしばらく、私と一緒にお昼ごを飯を食べない? そのほうが、周りの生徒も余計なことを言ったりしないだろうし」
「でも、菜々さんの迷惑じゃない?」
「ぜんぜん」
菜々さんはきっぱりと言って微笑んだ。そして、こそこそ話をするように口元に手を当てて続けた。
「私、クラスメイトと少し距離感があるっていうか、あんまり打ち解けていない気がするんだ。だから、マリアさんと一緒にお昼ご飯食べれたら嬉しいんだけど」
「それはきっと、菜々さんが立派な
マリアも、こそこそ話をするように小さな声で言った。
「通っていたっていうか? まぁ、色々あってそうなったというか。ほとんどお姉さまのせいなんだけどね」
菜々さんはやれやれといった感じで言った。
「でも、すごいよー。そりゃ、みんなも少し近寄りがたいった思っちゃうかも」
「そんなことぜんぜんないんだけどね」
菜々さんはあっけらかんと笑う。
「あ、あの、菜々さんがいいなら、その、明日から、お昼ご飯ご一緒してもいいですか?」
マリアは、顔を赤らめて言った。
「うん。実はね、お昼ご飯を食べるのにうってつけ場所があるの」
「うってつけの場所?」
「私のお姉さまはあんまり好きじゃないみたいだけど、祐巳さまと志摩子さまのお気に入りで、一年生の時に良く使っていた場所なんだって」
「
「実を言うとね、私、マリアさんが薔薇の館に招待されて嬉しんだ」
菜々さんが打ち明けるように言う。
「嬉しい? どうして?」
「私、
「そっかー。やっぱり菜々さんはすごいね。私だったら、瞳子さまや乃梨子さまと一緒の立場なんて考えられないよ。考えただけで緊張しすぎて心臓を吐き出しそう」
それを聞いた菜々さんはころころと笑った。
ああ、何て素敵な笑顔なんだろう――マリアはそんなことを思った。
「マリアさんって面白いね」
「ええ、面白くないよ?」
「ふふふ、面白ってば。それじゃあ、今日の放課後もよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
二人は微笑みあった。