私と死神さん   作:憲彦

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お久し振りです。皆さんはゴールデンウィークどの様にお過ごしでしょうか?俺は特に何もせず、一日中動画見てるか寝てるかです。


第6話

月香side

 

現在、私はとある出版社の一室で待機してます。死神さんと一緒に描いたマンガを今日は見て貰おうと思ってここにいます。待っているこの時間は、何回持ち込みを繰り返しても慣れそうにありません。今にも心臓が口から飛び出そう……あ、そう言えばこの例え死神さんに言ったとき……

 

『心臓が口から飛び出そう?あぁ、閻魔様の裁判を受ける亡者の大半が、判決言われる直前に出してますよ。心臓を。と言っても死んでるので、すぐに元に戻るんですけどね』

 

って言ってたな~。見てみたい気もするけど、よくよく考えたらスゴくグロい絵面……閻魔様毎日そんなの見てるんだと思うと、メンタルが物凄く強いんだなって確信できる。流石地獄の王様!まぁそんなことは置いといて……遅いな~、編集さん。名前なんだっけ?

 

「すいません。担当してる先生との打合せが延びちゃいまして。月刊少女ジャッジ編集者の加美です。よろしくお願いします」

 

「は、はい!よろしくお願いします!」

 

「では早速原稿を」

 

「はい!どうぞ」

 

「では拝見します」

 

あ~。待ってる時間も嫌だけど、この時間も嫌だな~。原稿読まれて色々と言われるまでの時間。なんだろう。体験したこと無いけど、閻魔様の前で裁判受けてる感じがする……今までの真面目に生きてた筈だから取り敢えず地獄には行かないと思うけど。

 

「ん~」

 

ゴクッ!大丈夫かな?何か唸ってるけど……大丈夫?これ本当に大丈夫!?お願い!早く言って!早く判決を言ってぇぇぇぇ!

 

「もう1回読ませて貰って良いですか?」

 

「え?あ、はい」

 

え?なにこの反応!今までに無かった反応なんだけど!期待して良い反応なの!?ダメな反応なの!?お願いだから誰か答えてぇぇぇ!

 

「主人公の死神が見てる側の人間として物語が進んでいく。面白いですね。これでは主人公の死神が見てるだけだけど、もしこれに続きがある場合もそんな感じ?」

 

「へ?あいえ。これでは死神さんが見てる側の存在として進んでますけど、この他の死神さんのストーリーを書くとしたら、死神さんの日常を描こうかと……」

 

「成る程……」

 

これは……確かお茶が出ればOKなんだっけ?バクマン的に。と言うか、この流れは初めてなんだけど。

 

「良くできてますね。僕お茶飲みますけど、天城さんはどうします?」

 

「お、お願いします!」

 

よし!ここまではOK!ここからどう出る?!

 

「実は天城さんのマンガ、以前持ち込んだ物の一部を読ませて貰いました。と言っても、コピーを取った物だけですけど」

 

あ~。そう言えば学校の課題でいくつか送ったんだっけ。残ってたんだ。

 

「それと比べてですけど、格段に技量が上がってますね。ストーリーの構成も作画も……うん。出来ればこの先、君の事は僕が見ていきたい。ジャッジで一緒に頑張りましょう」

 

「え?は、はい!!」

 

ウソォォォォ!!!ヤッタァアアアアア!!!死神さんありがとう!早く帰って伝えないと!

 

「じゃあこの原稿は預かっておくね。もし掲載される事になったら連絡するから。あとこれ僕の連絡先ね。また話が出来たら連絡して」

 

「はい!ありがとうございました!!」

 

ちょっと失礼で行儀は悪いけど、貰ったお茶を流し込んで出版社を急いで出ていった。そのまま走ってマンションに向かっていく。手伝ってくれた死神さんに早く伝えたい!死神さんもスマホ持てば良いのに。まぁそんなことは良いから、早く帰らないと!

 

「ん~……ちょっと怖いけど、こっちの方が近道だし」

 

死神さんからは『あんまりお奨めしない』って言われたけど、急いで帰れた方が絶対良いもん!!早く着かないかな~……ん?

 

「あれ?動けない……!?」

 

『ケヒッ…ケヒッ…見つけた。良い体見付けた!』

 

「ッ!?だ、誰?!」

 

なに!?脚を何かが掴んでるこの感じ!?逃げないと!早く離れないと!!

 

『無駄だよ無駄~。その体はボクが貰った!!』

 

ッ!?た、助けて!死神さん!!助けて!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死神side

 

ん?月香さんに呼ばれたような……

 

「気のせいですかね。にしても月香さん遅いな~。早く来ないと冷めるのに」

 

(助けて!)

 

ッ!?気のせい……じゃない!この感じってまさか!?

 

「チッ!人通りの少ない裏路地は通るなって言ったのに!!なんで言ったこと守れないかなあの人は!」

 

この感じは完全に襲われてる!人間相手なら月香さんでも逃げられるから兎も角、相手が亡者なら話は別だ!体が完全に乗っ取られる前に早く引き剥がさないと!と言うかどこに居るんだ!?

 

「昼間の亡者達のせいで上手く位置が分からない……」

 

普段なら気配で分かるけど……昼間のゴチャゴチャした状態の中を長く居たお陰で全く分からない!イライラするな!落ち着け!落ち着け!!考えろ。考えるんだ!あの人の行動パターンを!!落ち着け……彼女の行動パターン。今日の彼女の日程。

 

「確か、出版社に持ち込みをしてからの帰宅。裏路地とかを歩こうとしたのは……早く帰りたかったから。結果が良かったのか?だとしたら、こっちの道か」

 

心臓が動いてなくて助かった。ここで心臓の鼓動が聞こえてたら絶対に集中できなかった!さてと何処だ~?…見付けた!!

 

「た、助けて……!」

 

『無駄無駄~。助けてなんてこな……い?』

 

「何が来ないんですか?全く……これだから亡者は困る。そんなに地獄に行きたいなら死んだときに言ってくれれば良かったのに」

 

『ッ!?う、腕がぁぁぁぁぁ!!!』

 

「またすぐに生えてくるでしょ」

 

斬られた方は消滅するけど。本当、なんで死んでも犯罪を犯そうとするのか、理解に苦しみますね。

 

「さてと、佐藤さんでしたっけ?死んだときに言いましたよね。死者にも守ってもらう規則はある。人間に取り憑く事は、地獄送りとね」

 

『ヒッ!?い、嫌だ!地獄は嫌だぁぁぁぁぁ!!』

 

ならやらなければ良いものを。態々自分で地獄行きを確定させてるのに。

 

「逃げられると思ってるんですか?」

 

『グガァッ!?』

 

「うわぁ~。容赦ない……」

 

「当たり前です。生前はなんの罪を犯してなくても、死後亡者になって罪を犯した。容赦なんかする必要はありません。そもそも、死後の罪は生きていた時の罪よりも重い。人間が相手では無いので暴力腕力等の実力行使も可です」

 

と言うか、亡者は霊体だけの状態。肉体が無いから生半可な攻撃なんて大したダメージにはならない。だから全力で拳とかを叩き込むんですよ。まぁ言った所で変わるわけでも無いので言いませんけど。

 

「さてと。とっとと地獄に墜ちて貰いますよ」

 

地獄までの道を作って。ポイッと。

 

『あぁぁぁぁぁぁ!!!』

 

「鬼人達に揉まれて反省しなさい」

 

ふぅ。今日は面倒事ばっかりだな。タケノコ貰ったり亡者や悪霊や地縛霊や妖怪や悪魔の相手をしたり、引きニートの亡者地獄に送ったり。本当に面倒事だらけだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「う、うん。ありがとうね。死神さん」

 

「はぁ……二度とこんな道通らないで下さいね。貴女に死なれたら困るんですから」

 

「は、はい!……所で、さっきの幽霊は何者なの?」

 

「死んだ者を悪く言うつもりはありませんが、生前は普通の引きニートです。ただ余りにも引き篭もってた故、運動も食事もろくに取らず不摂生な生活をしていた為亡くなりました。毎日ネットサーフィンを繰り返す人でしてね。死後、他の方にするのと同じ説明をしたのですが、生への執着と言うか拘りと言うか、死んだことを受け入れられない人でした。まだ現世に未練があるようでしたので、悪霊化の兆候が出るまここで暮らすのを許可してたんですけど、まさかこんな事になるとは」

 

なんでこんなこと説明しなくちゃいけないのか。まぁ被害者だし教えるのは必要か……

 

「早く帰りますよ。また面倒事に巻き込まれる前に」

 

「また?」

 

「気にしないで下さい。早くしないと料理が冷めます」

 

「あ、そうだった。伝えたいこともあるんだった。死神さん!早く行きましょ」

 

だからそう言ってるでしょ。




雑誌の名前は気にしないでください。俺がジャンプ派と言うのと、取り敢えず死後の世界が関わってくるので、天国行きか地獄行きかの判定。と言うのを含めて考えてみました。…出版社の方の名前はどうしよう……

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