神の暇つぶしでAUOにされたので好き勝手に生きます   作:K@krk

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英雄王の口調難しいです……。


2.プロローグ2

――ある日、寝落ちしたらギルガメッシュになっていた。

 

 

こう聞くと余りに馬鹿馬鹿しく、ラノベの読み過ぎだとか現実と妄想の区別もつかないのかと馬鹿にされそうだが、事実だ。

ラノベでよく見られる、憑依だか転生だかの不可思議すぎる不思議現象。それを自身が体験するはめになるとか誰が思うよ。

しかも始まりは地上からはるか上空だぞ?当初は自身がギルガメッシュになってることに気付く余裕もなく、動揺するやら達観するやらで大忙しだった。

打開策を見つける間もなく雷と共に船の上に落ちて、これまたろくに現状を把握する間もなく海賊同士の戦闘に巻き込まれて、本当に散々な目に遭った。

しかも自分の意思とは関係なく体が動き出した時が一番意味が解らなかったな。

まあ、あの出来事のおかげ……おかげ?で自分がギルガメッシュになっていたんだと気付けたんだけど。

それからまあ、これもなんかの縁だろうとロジャー海賊団の船に暫く世話になって、適当な島で降ろしてもらおうと思ってたんだが、そこで一騒動あった。

 

なんと、かの海賊王が俺を気に入ってしまったらしい。

 

物好きにもほどがあると呆れたし海賊になる気もなかったんで断ったんだが、あの男は存外諦めが悪かった。

あの後辿り着いた島では、住人たちに俺が海賊と交流があるのだと見せつけ居辛くし、次の島に辿り着いて俺が早々に別行動を取れば、俺の名を呼びながら島中探しまわるという嫌がらせを行いやがる。

その所為でどちらも定住できそうな島だったのだが、出来なくなってしまった。

おまけに海賊団の何名かが俺の加入を望んでいるらしく、船長直々の勧誘は勿論、あの手この手と品を変えてくる勧誘にもうんざりしてきた。

 

 

「毎度毎度、よく飽きぬな。雑種ども」

「お、おおおおおおおれだって来たくて来てるわけじゃねェ!!船長の命令で仕方なくだなあ!」

「まあまあ、落ち着けよバギー。ほら、船長からあんたに手紙だ」

 

 

今日はシャンクスとバギーのコンビで勧誘に来たらしい。

俺が初対面の時に二人に反応したのを見逃してなかったとかほんとすげえわ、あの人。

だが、それとこれとは話が別である。

 

 

「ふん、中を見る価値もない。そこらにでも捨てておけ」

「んなつれねェ事言わずにさ、目を通すだけでもしてくれないか?」

 

 

今にも逃げだしたいと言わんばかりのバギーとは反対に、シャンクスは堂々と俺に手紙を差し出してくる。

英雄王の王気(オーラ)にも怯まないとか、流石未来の四皇だ。

 

 

「……仕方あるまい。そこに置いておけ」

「ああ、サンキューな。そのついでと言っちゃなんだが「仲間にはならんぞ」……やっぱ駄目かぁ」

「最初に言ったであろう。(オレ)は海賊などに興味はない、と」

「何でだよ?仲間との冒険はすげー楽しいし見つけた宝は自分の物に出来るし何より自由だぜ?」

「くどいぞ、雑種。(オレ)は海賊になる気はないと散々言ったはずだ。そうあの男にも伝えておけ」

 

 

度重なる勧誘に流石にうんざりしていたので、黙らせるためにも不機嫌さを隠しもせずに二人を睨み付けた。

今にも泡噴いて倒れそうな顔色になったバギーを放置して、シャンクスは肩を竦めてため息を吐くだけだった。

 

 

「まあ、まだ次の島まで時間はあるんだし、気が変わったらいつでも言ってくれよな」

 

 

にかっと笑ってシャンクスがドアを開くとその隙間に飛び込むように身を捻じ込んでバギーが飛び出していった。

「おーいバギー。んな走ると危ないぞ」なんて暢気な声を出しながらシャンクスが部屋から出ていくのを黙って見送る。

……シャンクスがマスターであったなら船に残る事も考えたかもしれないが、残念ながら彼は勿論、この船にマスターはいなかった。

ならば、何故俺はこの船に落ちたのか?という疑問が頭を過ぎるが、それも神とやらの『暇つぶし』のひとつなのかもしれない。

当たり前のように腹が減るのと霊体化出来ない状態からして、完全に受肉してるしな……。

 

 

「……奴の真の目的が暇つぶしなのかは分からぬが、いい加減この船にも飽いてきたな」

 

 

後、この自動翻訳機能みたいなの、どうにか出来ないのかね?……無理か。

かと言ってこのままこの船に乗り続けていても、結局はまた邪魔をされて島に移住する事も叶わないだろう。

ならば、どうするか……。

 

 

「いっその事、此処から出るか」

 

 

思い立ったが吉日。

俺はシャンクスが置いていった手紙を開き、中身を読むことなく裏紙として使用する。

内容はまあ、ここまで世話になった事への礼とその謝礼として宝石を置いていくから好きにしろと言った内容だ。

ちなみに宝石は王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)から出した物ではなく、二つ目の島で単独行動してた時に黄金律というスキルで手に入れた物だ。

なかなかの大きさだから売ればそれなりの金になるだろう。他にも似たような物を幾つか持っているから一つくらい減っても問題はない。

 

部屋の外に気配がないのを確認してから、王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を展開する。

取り出すのは「若返りの秘薬」だ。何故かって?窓から出ようにも窓が小さすぎて今の姿じゃ出られないんでな。

そして取り出した薬を一気飲みして……。

 

 

「ボクとしたことが、迂闊でした……」

 

 

飲む前に椅子の用意と窓を開けておけばよかった。

縮んだ身長では窓の留め具を外す事も出来ず、仕方がないので椅子を窓の前に移動させて上る。

 

 

「よいしょ……っと」

 

 

窓を開けて外にヴィマーナを出す。

よしよし、ここまでは順調だ。でも見張りの連中にバレるとまずいから急がないとな。

さっさと乗り込んで光学迷彩を起動させた。

黄金とエメラルドで出来た船が空気に溶ける様に透明になっていく。

念のため自分もハデスの隠れ兜を出して被る。

 

 

「さて、それでは各島を巡って住みやすそうな場所を探しましょうか」

 

 

それが終わったら原作が始まるまで二十数年あるみたいだし、キャラの若い頃を見に行くのも良いかもしれないな。

 

 

 

 

 

 

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