OVERLORD 不死者の王 彼の地にて、斯く君臨せり   作:安野雲

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6月30日:次回は早めに投稿します
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8月04日

ほんとにすいませんでした...
ちょっと7月に私用が立て込みすぎて書く時間が取れなかったんです...

いつもより若干分量多めですが、それではどうぞ。


第6話「陽光聖典」(後編)

その日は、ダイン・ウッドワンダーにとって、正しく激動の一日となった。

 

「漆黒の剣」の仲間、漆黒の剣士モモンと美しき魔法詠唱者ナーベと共にモンスター討伐に赴いた二日目のことである。

その途中、辺境の村々を襲う謎の兵団の存在が明るみとなり、自分達は大慌てでカルネ村という集落まで逃れた。

不幸中の幸いだったのは、偶発的な遭遇という最悪の可能性を避けられたことだったが、結局のところ逃げてきたカルネ村にも兵団の手は及び、自分達は戦いを余儀なくされる。

その時は圧倒的な数の差を目の当たりにして、茂みの中に隠れていたダインも絶望しそうになった。

それでも勇気を振り絞って立ち向かうことができたのは、大切な仲間達がいたからであり、そして、モモン、ナーベという頼もしい二人の協力があったからこそだ。

最終的には、何とか兵団を追い返すことができたが、もしもモモン達の助けがなかったらと思うと、今でもぞっとする。

また、兵団の内の何人かを捕虜として捕らえることができ、彼らが帝国の兵士に扮した法国の手の者であるということが判明し、ダインも仲間と共に驚愕することとなった。

彼らの本当の狙いは、かの王国戦士長であり、村々を襲ってきたのも全ては彼一人を誘き出す為の罠だったのだという。

ダイン達「漆黒の剣」は、仮にも王国に住む冒険者である。王国戦士長が如何ほどの戦士であるかは理解しているつもりだ。

 

この世は、千人の凡兵よりも一人の英雄が勝る世界。

戦士長を喪うということは、それ即ち王国の軍事力が傾くことを意味する。

事ここに至って漸く、ダインらはこの一連の出来事の重大さを理解した。

遠方より訪れたと聞いていたモモンとナーベは、最初よく分かっていないような態度をしていたが、ペテルが説明すると「成る程」と事の深刻さを理解したのか何度も頷いていた。

 

そうこうしている内に、徐々に日が傾き始めた頃のこと。

 

今日はもう、あれ以上の大きな出来事が起こることはないだろうとタカを括っていたときに、カルネ村へ来訪する者達がいた。

先刻の襲撃を受けて憔悴し切っていた村人達から必死の懇願をされてしまい、一行は村の前で来訪者を待ち受ける。

 

斯くして現れたのは、件の王国戦士長ガゼフ・ストロノーフと、彼が率いる戦士隊だった。

 

しかし、よくよく考えてみれば至極当然のことであるようにも考えられる。

法国の兵団の目的は王国戦士長であり、彼が来る可能性があると考えたからこそ、カルネ村や近隣の村々を襲ったのだろう。

実際、こうして戦士長は村へと訪れているのだから、法国の狙いは当たっていたということになる。

 

「――――――私は、リ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。この近隣を荒らし回っている帝国の騎士達を討伐する為に、王の御命令を受けて村々を回っている者である」

 

王国戦士長の名に恥じぬ堂々とした立ち振る舞いと名乗りに、漆黒の剣の四人は格の違いを見せつけられたように圧倒されたが、一方のモモン、ナーベの二人は流石というべきか、動揺した様子はなかった。

 

その後、カルネ村での出来事をペテルが伝えると、何と戦士長自らが頭を下げて礼を述べてきた。そのことに驚かされつつも、その誠実な人となりを理解することができた。

 

「貴方達がいなければ今頃どうなっていたかわからなかった。本当に、感謝する」

 

戦士長はそう言って再び頭を下げた。代表として話を付けていたペテルは、慌ててそれに応える。

 

「そ、そんなことは....!頭を上げてください、王国戦士長様!」

 

一度ならず二度までも、目の前で頭を下げられたペテルは困り果てていたが、肝心なことを聞き忘れていたことを思い出して、其方に話を持っていく。

 

「そ。それより少しお話しなければならないことがあるのですが...」

 

ペテルが相談したこと。それは勿論、スレイン法国―――――――他国の兵隊と冒険者である自分達が事を構えたことである。

本来、冒険者はその性質上、政治や国同士の諍いに関わってはいけない。

それを破れば、所属する冒険者組合からの厳重な処罰が下されることになる。罰金だけならばまだマシな方かもしれないが、最悪の場合は冒険者としての資格を永久に剥奪されてしまうことも有り得る。

 

ペテルも、ダインもそれ以外の二人も、緊張した面持ちで戦士長の言葉を待つ。

戦士長は少し考え込む素振りをしたが、返ってきた言葉は至って穏やかなものだった。

 

「成る程、そういうことであれば問題はないだろう。もし問題があったならば、君達が所属する冒険者組合の方に私の方からも掛け合ってみよう」

 

決して悪いようにはしない、と確固たる意志を込めた声で告げる。それを聞いた漆黒の剣のメンバーは、心の底から安心することができた。

その後の話し合いで、明朝にも戦士長の部隊は、幾人か拘束することができた法国の兵士を捕虜として王都に連れ帰ることになった。そこで、自分達も同乗する形でエ・ランテルに帰還することに決まった。

その際、エ・ランテルの冒険者組合にあてて、今回の一件について漆黒の剣及びモモン、ナーベの無実を保証する内容の正式な書状を手渡される。

 

「....出来ることなら自分も同行して説明したかったのだが、本当に申し訳ない。しかし、事は急を要する。恐らく、今回の件は王国の今後にも関わるほどの重要なものだろう」

 

今回の辺境襲撃事件が、帝国の仕業に見せかけようとした法国の陰謀だったということ。

一刻も早くその情報を王に知らせるべく、戦士長は王都へと戻らなければならない。

当然、ダインも他の者たちも、それがどれだけ重要なことかはわかっているからこそ、何も言うことはなかった。

 

これで漸く休めるかと各々がそう思った直後、三度、またしても事件が起こった。

 

「せ、戦士長!」

 

副隊長だと紹介された男が、焦燥感を露わにして戦士長のもとまで走り寄る。

もたらされた情報は、村の周囲を取り囲む敵の存在。

その数自体は100人にも満たない少数だが、目測ではそのいずれもが魔法詠唱者らしき装備に身を包んでいたという。さらに、それ以外の身に纏う衣服の特徴などから、戦士長はその正体を法国の特殊工作部隊群「六色聖典」のうちの一つ、「陽光聖典」ではないかと推測した。

たかだか銀級の冒険者であった漆黒の剣の面々は、法国にそんな部隊が存在していたということを知って、またも驚愕させられる。

加えて、辺境の村々を帝国の兵を装って襲撃し、国家が誇る最高戦力の一つまでも持ち出してきたという事実。

 

「....ははっ、私は随分と法国に嫌われているようだな」

 

自嘲気味にそう呟いた戦士長の横顔を、漆黒の剣が、部隊の兵士達が、不安気に見守る。

 

戦士長はゆっくりと瞼を閉じ、暫しの間沈黙した。

 

「うむ」

 

瞼を開いた時、戦士長の眼には揺るぎない決意が漲っていた。

 

「....モーク殿、ニニャ殿、ボルブ殿、ウッドワンダー殿、モモン殿、ナーベ殿」

 

戦士長は一人一人に顔を向けながら、その名を呼ぶ。

 

「改めて、この村を救ってくれたことを感謝する」

 

「い、いえ....それよりも、戦士長様はこれからどうなされるおつもりなのですか?」

 

ペテルも内心では勘付いていたものの、それを確かめるように答えを求める。

 

「....これより、私と部隊の者達とで敵を引き付ける。捕虜の兵士らが言っていたことから考えれば、本当の狙いは私一人のはず。故に、貴殿らに頼みたい。

ここにいる村人たちを、村の外まで避難させてはもらえないだろうか?」

 

どうか頼む、と再び戦士長は頭を下げて申し入れる。

 

「勿論、不躾な頼みであるということは分かっている。貴殿らは既に村人達の為に危険を冒して戦ってくれた。

....だが、今一度だけ私の願いを聞き入れてもらえないだろうか?今の私に出来ることなどたかが知れているが、望みのものがあれば用意させてもらいたい。どうか――――――」

 

「せ、戦士長様!」

 

ペテルは、続く戦士長の言葉と、頭を下げようとするのを遮って声を上げる。

 

「どうか、そのようなことは言わないでください。こうなった責任の一端は我々にもあるかもしれないのです。ですから、最後までこの村の人たちを見捨てるようなことはしません!」

 

その言葉を聞いて、ほっと安心した様子を見せる戦士長を見つめながら、ペテルは続ける。

 

「...ただ、戦士長様。先程、敵を引き付けると仰っていたことは...」

 

それだけで、ペテルが何を言いたいのか理解した戦士長は、武骨な顔に僅かに微笑みを浮かべた。

 

「...貴殿は、優しい人だな。責任の一端と言っていたが、それを言うなら私こそが今回の一件で最も大きな責任がある。それに、これ以上貴殿らを国同士の争い事に巻き込むわけにもいかない。

全ての責は、この国の民を守り切れなかった私にあるのだから」

 

戦士長は、何の臆面もなく言い放つ。その瞳には、断固たる決意と覚悟があった。

彼の言葉が嘘偽りのない本心だと理解した面々は、それ以上の言葉を発することができなかった。

戦士長は言葉にこそ出さなかったが、それでもペテル、ダインたちにはわかっている。

 

これから戦士長らが赴くのが、死地であるということを。

 

それが分かっていたからこそ、戦士長はペテル達に「一緒に戦ってほしい」とは言えなかったのだろう。

 

「戦士長様...」

 

ペテルやダイン、漆黒の剣のメンバーは、力になることの出来ない自分達の無力に、内心で忸怩たる思いを抱えていた。

 

その場に、各々の気持ちを表すような重い沈黙の時間が流れる。

 

「―――――あの、一つ提案があるのですが」

 

その沈黙を破ったのは、一人の人物だった。

 

 

 

 

 

(...さて、どうしたものだろうか)

 

アインズは、自分の目の前で繰り広げられる戦士長とペテル達『漆黒の剣』のやり取りを俯瞰しつつ、冷静に思考を巡らせていた。

以前であれば、こういうシーンでテレビドラマを見ているときのように多少の感情移入が出来たかもしれないが、この身体になってからはそういった人間への愛着もほとんど無くなってしまったようだ。

 

ただ、少しだけ気に掛かったのは、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフのことである。

彼の言葉とその意思の強さに、アインズは人間としての「輝き」を見たような気がしたのだ。

もしもアインズが未だ人間であれば、漆黒の剣の面々と同じような感慨を覚えたことだろう。

 

それでも、最終的には自分にとって最も大切なものはナザリックであり、それ以外の価値は何段も下の位置にあるのだが。元々、ナザリックの為になるのであればそれで良いという考えしかない。

 

(ナザリックの利益に繋げるには、どれが一番良い方法だろう)

 

アインズは一人黙考する。カルネ村を襲った帝国の兵に偽装した者らの内、逃げた連中は既にナザリックのシモベ達の手で捕らえられているが、「陽光聖典」という特殊部隊であれば恐らくそれ以上に有益な情報を持っている筈だ。

出来れば其方の方の部隊の者達も捕らえておきたい。

だが一当たりする前に、やはり別の者達を使って実力の程度を確かめたいところでもある。

この、何もかもが未知の世界では慎重に慎重を期して物事を進めなければならない。

そういう考えがあったために、カルネ村が襲われた時も他の面々から少し離れたところで待機して、直ぐには出ていかずに暫く様子を見てから加勢していた。

あれで、この世界の一般的な兵士の実力がどの程度のものかを凡そ把握することができたが、次の相手は特殊部隊だ。

その実力は確実に並の兵士よりも高く、構成員全てが魔法詠唱者だというのであれば、なおのこと油断できない。

 

理想としては、まず戦士長らを最初にぶつけてみて、その結果次第で問題なさそうならナザリックのシモベを使うなどして捕らえる。

 

逆に、想定以上の力を持っていることが明らかになった場合は、すぐさまナザリックに帰還し、対策を講じる必要がある。

 

その筋道で以て具体的な計画を考えていたアインズは、あるマジックアイテムの存在を思い出した。

 

(...これなら、いけるか?)

 

ヘルムの中で目線だけ動かして、戦士長と漆黒の剣のメンバーの様子を窺うと、丁度話が終わったタイミングだった。

 

「あの、一つ提案があるのですが。よいでしょうか?」

 

 

 

 

 

「―――――成る程、了解した。そういうことであれば、我々も直ぐに馬を出せるように準備して来よう」

 

戦士長は力強く頷くと、踵を返して馬小屋に向かった。戦士長の部隊の者達もその後ろを付いて行く。

その背中を目で追いながら、ルクルットは感嘆の声を漏らした。

 

「...しっかし、まさかモモンさんがあんなマジックアイテムを持ってるなんてな」

 

「ええ、本当に。『指定した空間内にいる人間を転移させる』アイテムなんて....ですが、本当に良かったのですか?貴重なアイテムだったのでは?」

 

ペテルが心配そうに尋ねる。

 

「先程も言いましたが、気にしないでください。用途が限られたアイテムだったので、私も扱いに困っていたんです。それに、王国戦士長ほどの方に借りを作れると考えれば、安い出費ですよ」

 

冗談交じりにそう返したアインズに、漆黒の剣の面々は改めて尊敬の眼差しを向けているようだ。

アインズは「モモン」の冒険者として好感度が順調に上がっていることに満足しつつ、懐から小さな木製の人形を取り出す。

 

「このマジックアイテムには幾つかデメリットがあるんです。まず、指定できる空間の広さがそこまで大きくないということ。それから、転移先を指定することもできません。ただ、今いる場所から遠い何処かという条件のみで、一体どんな場所に飛ばされるかはわからないんです。本来は、緊急時に複数人を離脱させるためのアイテムなのだと聞いています」

 

皆その小さな人形をしげしげと見つめるが、少し変わった意匠が施されているという以外に特に変わったところはない。

このアイテムを持っていたのがモモンでなければ、アイテムの効果を説明されても直ぐには信用できそうにない程に何の変哲もないものだった。

とはいえ、デメリットについても説明していたが、それを含めてもこのアイテムの価値は高い。

特に、職業柄必然的に危険と隣り合わせの場面が多くなる冒険者であれば、かなりの値が張ったとしても欲しいと思う者が後を絶たないだろう。

ペテル達は、そんなマジックアイテムを何の躊躇いもなく供することができるところに、モモンの凄味を垣間見たような気がした。

 

「モモンさんの提案してくれた作戦、上手くいくといいのですが....」

 

「大丈夫です。必ず、成功させます」

 

不安気な素振りを見せるニニャを、アインズは力を込めた声で励ます。

 

アインズが提案した作戦は、自身が持つアイテムの効果を利用したものだった。

簡単に言えば、陽光聖典の隊員全てを転移させてしまう、というのが作戦の主目的である。

そこで、状況を整える為には戦士長らの協力が必要不可欠だ。

 

最初に、当初の予定通り戦士長らには正面から敵に相対してもらい、その間に村人たちを漆黒の剣の面々が避難させる。

マジックアイテムを持つアインズは、敵に狙われないように戦士長の部隊の後方で待機。ナーベラルはその補佐に回る。

次の段階として、戦士長らには陽光聖典の隊員を包囲する形で狭い範囲に追い込むように戦ってもらう。

そして、一定の範囲内に追い込んだことをアインズが確認して合図を出した後は、速やかに離脱する。

それとは反対にアインズが前に出てアイテムを起動し、隊員全てを転移させることができれば、作戦終了となる。

 

アインズが説明した作戦の内容は以上になるが……当然の如く、全て嘘だ。

 

まず戦士長らに戦ってもらうのは、陽光聖典の実力の程を測るためでしかない。

さらに言えば、そもそも指定した空間内の人間全てを別の場所に転移させるマジックアイテムなど存在しない。

ユグドラシル中のアイテムを全て漁ればもしかするとあるのかもしれないが、少なくともアインズは持っていないし、聞いたこともなかった。戦士長やペテル達に見せたのは微量な魔力が込められただけのハズレアイテムである。

 

今回の作戦の肝となってくるマジックアイテムは別にあった。

 

ギルド、アインズ・ウール・ゴウンが保有する11個の世界級(ワールド)アイテムの内の一つ。

 

『山河社稷図』

 

その見た目は、異様なほど巨大な巻物である。

効果は、使用者を含む指定した対象やそのエリア全体を、100種類からなる異空間から選んで隔離するものだ。異空間は対象にダメージを与えるもの等様々なエフェクトが存在しており、エフェクトが影響を与える対象は使用者が選別することができる。

まさしく、世界級(ワールド)の名に相応しい強力な効果を持つアイテムだが、デメリットもまた存在する。

山河社稷図にはランダムで40種類の中から一つ選択される脱出方法があり、その方法を発見・脱出されるとアイテムの所有権が相手に移ってしまうというものだ。

かつては、アインズ・ウール・ゴウンもその方法で敵対ギルドからこのアイテムを奪ったという背景があるため、使用する際の警戒は怠らない。また、世界級(ワールド)アイテム全てに共通する、同格の世界級(ワールド)アイテムの所有者には効果を発揮しないという特徴を活かして、所有者を炙り出すという裏技的な使い方もできる。

 

少し話が逸れたが、今回の作戦ではこのアイテムを使い、陽光聖典の者達を異空間に隔離しようという目論見である。

アインズが考えた本当の作戦(・・・・・)は、隠密能力に長けたアウラに山河社稷図を持たせて戦場の近くで控えてもらい、戦士長らを使って陽光聖典の実力を把握できてから動いてもらうというものだ。

アウラ自身は、つい先日まで自衛隊の監視を行う別の任務に就いていたが、今は報告の為にナザリックに一時帰還している筈である。

 

次に具体的な作戦行動としては、陽光聖典の実力の程度が低ければアインズが木製の人形を掲げる動作を合図にして山河社稷図を起動し、後は陽光聖典の一行をナザリックへ招待することになる。

 

万が一、守護者と比較しても危険な実力があると判断された場合は、アインズ、ナーベラル共々即座に撤退することとした。アインズ達が部隊の後方で待機するのも、そういった狙いがあってのことだ。

 

ナザリックに連絡を取るため、アインズとナーベラルは「マジックアイテムの調整を行う」ためという名目で自然な形で村から離れる。

追跡する者の気配に気を付けつつ、監視・盗聴対策を施したうえでアルベドに伝言(メッセージ)を繋ぐ。

そこで、現在の状況とこれから自分達が行う作戦の概要を伝え、アウラに山河社稷図を持たせて、転移門を使って速やかにカルネ村へ来るように命じた。

その際、マーレの方も確認して同行させることと、アウラの騎獣も何体か連れて来ることも追加で指示しておいた。

その他諸々の伝達事項も速やかに確認して伝言(メッセージ)を切ると、急ぎ足で村へと戻る。

 

アインズ達が戻ってきた頃には、既に戦士長らは出発できる準備を整えて待っていた。

 

「モモン殿、それではどうか宜しく頼む」

 

戦士長と目配せをして頷くと、アインズは漆黒の剣のメンバーにも目を向ける。

四人は皆、アインズを大きな期待と、ほんの僅かな不安が混ざり合った眼差しで見ていた。

 

「モモンさん、どうかご武運を」

 

ニニャが前に出てきて声を掛けてくる。その声は、少しだけ震えていた。

アインズはそれに言葉ではなく、ただ首肯することで応じた。

 

未だ心配そうに見守るニニャたちから離れ、アインズとナーベラルは回してもらった騎馬にそれぞれ跨り、戦士長らの後方へと移動する。

 

「それでは――――――往くぞ!」

 

全員の準備が終わったことを確認すると、戦士長の掛け声に合わせて部隊は奔り出す。

 

それを見たニニャ達も、村人たちを避難させるべく行動を開始する。

 

ニニャも同じく村の外へと移動を始めるが、後ろ髪を引かれる思いから、その目は自然と駆け行く漆黒の騎士の背中を追っていた。

 

「....どうか、ご無事で。モモンさん」

 

 

 

 

 

「―――――突進攻撃の後、左右に広がって連中を包囲せよ!奴らは今、此処で叩く!」

 

遠く離れていても風に乗って伝わってくる大声を聞いて、ニグン・グリッド・ルーインは口角を吊り上げた。

 

「総員、迎撃準備」

 

待機させていた、神の使徒たる天使達が一斉に武器を構える。

陽光聖典の隊員らも即座に攻撃魔法の準備を始めて、来たる敵を待つ。

 

愚かなことだ、とニグンは嗤う。

よもや、この状況で自分達が勝てると思い込んでいるとは。

 

王国上層部に潜ませた間諜の情報から、今回の出征に際してガゼフ・ストロノーフが万全の準備で臨めなかったことは把握している。

そのような状態で法国が誇る精鋭部隊を相手にするなど、はっきり言って自殺行為に近い。

それが分からぬ男だとは思わなかったのだが、まさか絶望的な状況に瀕して気が触れてしまったのだろうか。

ニグンは半ば呆れ気味にそんなことまで考えるが、過去このように油断して後悔させられたことがあったのを思い出す。

ニグンは頬に走る傷跡を忌々しげな表情で撫でた。

あの女のことを思い出すと、今でも腹立たしい気持ちになってくるが、今は任務の最中だ。

直ぐに思考を切り替えて目前に迫る敵の分析に集中する。

現実的に考えれば何か秘策を隠し持っているという可能性が高いが、少なくともカルネ村には助けと成り得る力がないことは確かめてある。

ならば、一体何を隠し持っているというのか。

それを見極める意味も込めてニグンは目を凝らすが、今のところ不自然な動きなどは見られない。

そうこうしている内に第一陣が交錯し、遂に戦闘が始まった。

その動向は当初の予想通り、ガゼフ・ストロノーフ以外の兵士のほとんどが天使や魔法に苦戦し、次々と倒れていく。

余りにも想定の範囲内の結果に、今しがたまで警戒していたニグンは拍子抜けの気分だった。

何か仕掛けてくるのかと思ったのだが、どうやら威勢が良いだけの突貫しか策はなかったようだ。

ニグンは、だがそれも当然だと納得する。

ガゼフ・ストロノーフの脅威はあくまでも個としての能力で、将としての力量はそこまでではない。

結局のところ、土壇場に追いやられればこういう判断を下すことは自然なことだったといえる。

 

(死を目前にしてもただ進むことしかできぬとは、馬鹿な男だ。お前のその愚行に付き合わされる部下に同情するぞ)

 

ニグンは勝敗が決まり切った戦いを余裕の態度で見下ろす。

 

「む....?」

 

しかし、戦場全体を見回している内に奇妙な違和感を覚え始めた。

 

(....最初の頃よりも陣が小さくなっている....?)

 

初めは気のせいかとも思ったが、暫く見ていると徐々に部隊全体が固まり始めているのがはっきりと見て取れた。

 

「おい、貴様。なぜ陣を縮小している?」

 

たまらず、ニグンは近くの隊員に怒気をはらんだ声で詰問する。

優勢なのは此方である筈なのに、なぜ後退しているのかと問うが、返ってきた答えはごくごく普通のものだった。

 

「い、いえ。あの、相手が犠牲を度外視して距離を詰めてこようとしていまして。個々の隊員らも魔法が使える距離を保つために後退しているのではないかと」

 

言われたニグンは、もう一度敵味方を含めて観察する。

目線の先では、ストロノーフの発動させた武技によって天使の1体が切り捨てられていた。

確かに全体を観察してみれば、ストロノーフを中心として、陣形の外周で魔法攻撃を行っている詠唱者と距離を詰め、剣が届く間合いに入ろうとする動きを続けている。

長距離から攻撃する手段として弓も持っているようだが、今のところそれを使おうとする気配はない。

明確な理由は不明だが、もしかすると矢除けの防御魔法などを考慮しているのだろうか。

だとすれば狙いとしては悪くないが、それなら剣の方も魔化されたものを使うべきだ。

ストロノーフが扱う得物を含めて幾つかそういった武器も散見されるが、全体としては数は少ない。

ならば、やはりこの攻撃についてもそこまで脅威とはなり得ない。

此方を混乱させる狙いがあったのかもしれないが、それもただの悪足掻きに過ぎない。

このような余りにも非効率的な作戦では全滅も時間の問題だろう。そう判断したニグンは、隊長として隊員らに正式な命令を下す。

 

「陣形を保ちつつ、徐々に後退せよ。相手の土俵で戦う必要はない、密集陣形で一定の距離を保ちつつ攻撃を続けろ!」

 

ストロノーフの目論見通り包囲される形に近くなったのは業腹だが、逆にこれで背後を狙われる可能性はなくなった。

あとは安全圏から魔法攻撃を継続しつつ、近づいてきた者らは天使の物理攻撃で薙ぎ払う。

それだけでこの戦いは終わるとニグンは確信したその時、戦場に異様な高音が鳴り響いた。

 

 

『モモンガおにいちゃーん。予定した時間が経過したよー』

 

それは笛の音にも聞こえたが、続いて聞こえてきた音は明らかに人の声だった。

女性の声のようだが、喋っている言語はニグンが知らないものである。

任務上、共通語、大陸語以外にも多くの言語を習得しているが、それらの中に当てはまるものはない。

しかし、それが一体何を意味するかは直ぐにわかることになった。

 

 

「―――――総員、撤退せよ!」

 

ニグンは驚愕の眼差しで声がした方へと目を向ける。

見れば、既にストロノーフを筆頭に兵士達は真逆の方向、つまりカルネ村がある方へと向けて撤退を始めていた。

 

「ば、馬鹿な!?気でも狂ったか!ガゼフ・ストロノーフ!」

 

有り得ない、なぜ今になって撤退し始めたのか。

まさか戦況が不利になったと見て逃げ出したわけでもあるまいし、一体何の意図があってのことだというのか。

もしかすると、村人達を逃がす為の時間稼ぎだったのかと、ニグンが思考している間にもどんどんと距離が離れていく。

 

「くっ、と、とにかく追え!奴等を逃がすな!」

 

急いで指示を飛ばすが、それも間に合わない。

ストロノーフらを追うよりも先に、その前に立ち塞がる者達が現れた。

撤退する他の者の動きと反対に進み出た二人は、出で立ちからして明らかに王国の兵士とは異なっている。

 

「な、何だお前たちは!」

 

漆黒の全身鎧を纏う剣士と、茶色のローブに身を包んだ黒髪の美女。

ニグンの混乱はより一層高まる。

今まで兵士らの後方に隠れていたというのはわかるが、なぜ今になって姿を現したのか。

まさか奴らには何らかの手立てがあるのか、そうでなければ撤退が終わるまでの時間稼ぎか。

どれが正解かはわからないが、いずれにせよ自分達がすべきことは一つしかない。

 

「....其処を退け、部外者共。さもなくば、貴様らは絶望と苦痛の中で死に絶えることになるぞ」

 

しかし、ニグンの恫喝に対して二人が気圧された様子はない。微動だにもしないことにニグンの苛立ちは募り、舌打ちが出た。

 

「そうか、そんなにも死にたいというのなら―――――」

 

ニグンが右手を上げ、攻撃の準備を命じる直前。

 

漆黒の剣士が不意に懐から何かを取り出し、ソレを頭上に掲げる。

 

ニグン達がソレが何なのかと視線を移して木製の人形だと気づくと同時に、ぐしゃりと握り潰される音が響いた。

 

「何をして―――――」

 

最後まで言い終わる前に、ニグンの視界は暗転した。

 

自分が今踏み締めている大地と、仰ぎ見る空が逆転する。

 

そして、大きな渦に吸い込まれるような感覚の後、再び地に足が着いた。

 

次いで徐々にニグンの視界が回復し始め、周囲の状況が見えてくる。

 

「....なっ」

 

ニグンの顔が驚愕に染まる。

 

其処は、鬱蒼と木々が生い茂る森の中だった。

 

木々は人の身長を遥かに超える高さで、頭上を見上げても空はほとんど見えず、周囲は薄暗い。ニグンの周りには、自分と同じくこの状況が掴めていない隊員たち。その内の一人が話しかけてくる。

 

「た、隊長。これは一体....?」

 

「私にも分からん。分からんが....考えられるのは、何らかのマジックアイテムを使われて『転移』させられたというところか」

 

ニグンは思わず顔を顰める。

自分達は、まんまと罠に嵌められたのだ。

思い出されるのは、状況が一変する直前に漆黒の剣士が握り潰した小さな木の人形。

恐らくは、あれがこの状況を引き起こした元凶で間違いないだろう。

集団を転移させるマジックアイテムなど、そんなものがあったとは俄かには信じ難いが、そう考えるのが最も自然だ。

なぜそんな強力なアイテムをあの剣士が持っていたのかは気に掛かるが、それよりも今考えるべき問題は別にある。

 

「転移させられたとして....此処が一体どの辺りなのかが問題か」

 

改めて周囲を見回してみるが、生い茂る木々に遮られて遠くまで視界が通らない。

ただ、これだけの量の木々が密集した森林などそう多くはない。

今いる場所の候補として考えられるのは二つ。

王国と帝国の国境に跨る、トブの大森林。

もう一つは、法国の南方に広がるエイヴァーシャー大森林。

そのどちらかによって、任務の続行か一時中止かが決まることになる。

とはいえ、目下差し迫った問題は、その両方共に危険なモンスターが数多く潜んでいるということだ。

法国の最精鋭である六色聖典を以てしても被害を免れない脅威があるとされている。

それを考えると早急に脱出する必要があるが、悪いことに此処は森林の中でも最も木々の密度が多い場所らしく、東西南北の方角を判断できそうなものが何もないのだ。

方角を把握することの出来る魔法もあるが、モンスターとの遭遇戦の可能性を考えると極力魔法の使用は抑えたいところだが、致し方ない。

 

「総員、傾聴。再度陣形を組み直す。次いで――――」

 

「―――――あ、いたいた」

 

ニグンはその声に反射的に振り向いていた。

 

ニグン達から近い位置にある一本の大樹。其処にいたのは、二人の闇妖精(ダークエルフ)だった。

 

少年と思しき格好の者は樹上の枝の一本に片膝を突いて座り、もう一人の少女の方はその傍に佇んでいる。

それらを視界に捉えて、ニグンは現在地についての確信を持った。

 

エイヴァ―シャー大森林にはエルフの王国と、闇妖精(ダークエルフ)の村落があるのだ。

身に着けている物は、遠目にも相当に上質な素材で作られているのが分かる代物だが、現在、闇妖精の住処は其処にしかない。

以前はトブの大森林を支配していたが、『破滅の竜王(カタストロフ・ドラゴンロード)』によって蹂躙された後に、今のエイヴァ―シャー大森林へと逃げてきたという歴史がある。

少なくとも昨今の法国の調査では、トブの森に帰還したという報告はされていない。

 

ニグンは一先ず場所の見当が付いたことに内心で安堵しつつ、同時に次の行動へと移ることにした。

人類の敵である森妖精、闇妖精らに対して法国の人間が取るべき行動は決まっている。

 

「....総員、攻撃準備。急げ」

 

隊員たちが一斉に詠唱の準備を行い、天使達を召喚する。

一切の躊躇もなく闇妖精二人へと狙いを定める動きは、法国に生きる者としては当然のものだった。

 

(....さぁ、忌々しい闇妖精共を始末したら法国に一時帰還だ)

 

ガゼフ・ストロノーフの殺害任務に関してはもう一度計画から練り直さなければならない。

一刻も早く帰還しなくては、との思いでニグンは闇妖精(ダークエルフ)を見上げ、睨みつける。

 

それを見下ろす闇妖精(ダークエルフ)の双子は、薄く笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

トブの森近くで戦況を窺いつつ村人を避難させていた漆黒の剣の面々は、カルネ村へと近付いてくる者達がいることに気づいた。

最初に目にしたのは、逃げる時間を稼ぐために防御魔法を展開させていたニニャであった。

次に、村人の避難誘導を行っていたペテル、ルクルットの二人。最後に、村人を先導していたダインが気づく。

視線の先にいたのは、無事帰還した戦士長とその部隊の兵士達。

そして、大役を果たしたであろう漆黒の剣士とそれに付き従う魔法詠唱者。

 

「モモンさん!」

 

その光景を見て、ニニャは迷うことなく走り出す。行きと同じで馬に乗って戻ってきた彼らを出迎える彼女の心境は、喜びに満ちていた。

後ろから村人たちを連れて引き返してきたペテル、ルクルット、ダインも皆嬉しそうな笑顔を浮かべている。

 

「皆さん、良くぞご無事で!」

 

ペテルがまた代表として前に進み出て、帰ってきた戦士長、部隊の兵士達、モモンとナーベを労う。

それに対して、戦士長もそれ以外の者も、モモンも感謝の言葉で応えるのであった。

 

結局のところ、あれ以降は陽光聖典を含めて接近する者共はおらず、カルネ村に久方ぶりの平穏が戻る。

その日の夜は負傷した兵士らの治療と、一日中様々なことに巻き込まれたことにより、心労で疲れ切った漆黒の剣の各々の休息に当てられた。

 

翌日、戦士長らは不幸にも亡くなった若干名の兵士の遺体を丁重に包み、早朝に村を出発することになった。

元々はエ・ランテルまでは漆黒の剣とアインズたちに同行することになっていたが、法国の陰謀を知った今となっては一刻も早く王都に帰還して王へと報告すべきだと判断してのことだろう。

今回の一件に関しては、アインズら冒険者もカルネ村も、何があったとしても必ず自分が協力するとの言伝を残し、戦士長らは去って行った。

 

それに遅れること数時間後、日が昇り切った頃合いでアインズ達もカルネ村を出発する。

背中から受ける大量の感謝の言葉を聞きながら、一行はエ・ランテルを目指すのであった。

 

 

 

 

村を出発した翌日、余裕を持ってエ・ランテルに戻った一行は、冒険者組合に行く前に今回のカルネ村での一件について相談をすることになった。

その結果、戦士長から預かった書状と合わせて自分達が謎の兵団に襲われて、これを撃退したという内容のみを報告することに決まる。

最も重要な部分である、兵団が属する国や、陽光聖典の存在とその任務内容に関しては、伏せておいた方が良いだろうということで全員が一致した。

そのうえで組合に今回の仕事の報告と報奨金を受け取りに行くと、やはり戦士長の書状が効果を発揮したのか、特に深く追及されることなく済ませることができた。

 

「それでは、我々はこの辺りで。モモンさん、ナーベさん、有難うございました」

 

「ペテルさん、此方こそ感謝しなければいけません。貴方達と共に仕事をできたのは幸運でした」

 

報奨金を受け取り冒険者組合を出た一行は、またの再会を約束して別れる。

本当はこのまま居酒屋にでも飲みに行きたいところだが、カルネ村で休んだとはいえペテルらの身体及び精神的疲労は限界に近い。

ペテル、ルクルット、ダインは暫く宿で休もうと決めていた。

 

ニニャは別れる時に名残惜しそうな態度を見せていたが、生憎なことに相手にはそれは伝わっていないようだった。

 

 

 

 

(....ふう)

 

宿に戻ってきたアインズは、声には出さずに内心で一安心の溜息をついた。

振り返ってみると、今回は本当に色々なことがあったものだ。

中でも最も大きかったのは勿論陽光聖典のことである。

連中の実力を見極めて山河社稷図に取り込んだ後、アウラとマーレによって無力化されナザリック送りにしたところ、法国についてかなり有力な情報を得ることができた。

それだけでも、今回の仕事は大変有意義なものであるといえる。

それに、王国戦士長というこの国でも高位の人物と接触し、少なからず繋がりを持つこともできた。戦闘時には、王国一の戦士がどの程度のものなのかを測れたし、時折発動させていた『武技』なるもの、ユグドラシルにはなかったこの世界特有の能力を目にする機会もあった。

冒険者チーム『漆黒の剣』からは、冒険者として必要な知識や心構えなど、これから先モモンとして活動していく上で有用な情報を得られた。

 

(冒険者としての初仕事でここまでの成果が得られるなんて、想像してなかったな。最初は余り期待できそうになかったけど、これはもしかするとかなり良い仕事かもしれないぞ)

 

『――――アインズ様』

 

「む、アルベドか。どうした?」

 

アインズが機嫌よくそんなことを考えていると、頭の中で線が通るような感覚によって、伝言(メッセージ)が繋がった。

 

『はい、現在お時間宜しいでしょうか。至急報告すべきことがあるのですが』

 

「ああ、構わん。続けよ」

 

『はい、それでは申し上げます。

―――――予定通り(・・・・)、ジエイタイの手の者らがコアンの森、エルフの集落に向かうことが判明しました』

 

 

漆黒のヘルムの奥で、妖しく赤い炎が揺らめいた。

 

 




ということで、第6話はこれにて終了です。

次回は自衛隊の方も出てくる予定です。それと、今度こそ早めに上げられるように努力します!


それでは、次回「門の向こう」でお会いしましょう!


ネタバレェ...

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