何というか、ネタが思い浮かびませんでした。
「ふふっ、それで?マスターはその腕で大丈夫なのかい?」
「・・・ああ、止血はしたから大丈夫だ。それでお前は《Hatter》でいい、のか?」
「うん、間違いなく僕は《Hatter》さ」
目の前の少女、彼女は自分自身のクラスを《Hatter》と名乗った。通常の正規の七騎は、《セイバー》《アーチャー》《ランサー》の三騎士に加えて、《ライダー》《アサシン》《キャスター》《バーサーカー》の四騎が全て。
それ以外のクラスは総じてエクストラクラスと呼ばれる。
復讐を求める《アヴェンジャー》、盾で味方を守護する《シールダー》、裁定者として公平な判断を下す《ルーラー》などのクラスが該当する。
確かにエクストラクラスには様々なクラスが存在するが、確実にそのようなクラスは有り得ない。
《hatter》、つまりは帽子屋だ。ステータスを確認して分かったが、彼女は反英霊だ。だとしても帽子屋の英霊は思い浮かばない。
「帽子屋、質問はいいか?」
「おお!その呼び方はいいねぇ!僕も気に入ったよ!」
「・・・質問、いいか?」
「ん?いいよ?」
俺の心の中を知ってか知らずしてか、ニコニコといや、ニヤニヤとした顔で俺を見てくる。正直に言うと、すごいウゼェ。
「・・・まぁいい。お前の宝具はなんだ?」
「えー、それ聞いちゃう?」
たしかに宝具は自身についての一番の手がかりのようなものだ。ただ、このぐらいのヒントはくれてもいいと思うのだ。
「ふふっ、後で一回使ってあげるから。それで考えてね♪」
「ウゼェ」
「あっ、ひっどいなぁ。女の子に対してそんな事言うなんて」
「チッ」
「あー!」
ガヤガヤと騒ぎながら、荒れ果てた冬木の街を探索する。薄れている前世の記憶がとっておけと騒ぐ虹色の石を回収しながら、よってくる骸骨、スケルトンを倒していく。
暫く散策を続けていると、急に回りが静かになった。
「っつ!」
衝撃波とともに、誰かの叫び声が聞こえる。雄々しく、猛々しく、どこか悲しさを感じさせる声。
声と衝撃波の元を、隠れながら覗く。
そこに居たのは・・・
かつてイリヤスフィールと共に戦った最強の英霊、ヘラクレスの汚染されて黒く染まった姿であった。
(ヤバイヤバイヤバイヤバイ!)
たとえ黒く染まったとしても、大英雄である。バーサーカーで理性が薄い上に、恐らく黒く染まったせいで周囲の把握が出来ていないのが幸運だった。
「マスター、僕にあれを相手しろっていうのはやめてね?」
さすがの帽子屋でも、あれは相手にしたくないらしい。何にせよ、バレないように引きさがろう。
俺たちは、静かに足を引きそこから去った。