なんとなく思い出したものをぶちこんでいくスタイル。いつもの。
我々研究班は情報班以外の班と比べると忙しい。どのような眷属にするか思案し、実際に眷属を生み出してみて実験(
私は粛清や殺戮に関する眷属を担当しているが、実のところそういうのは既存の作品の生物を送るだけで十分だったりする。特に殺戮という点においては居るだけで周囲を殺すような毒を撒き散らす生物や、動けば星が危ないような化け物等探せば沢山いると思う……たぶん。
そういうわけで粛清用眷属の製作が主な仕事だ。今までも、その分体が復活できないように分体の魂を刈り取る死神タイプの
とは言え、魂喰らいは独特の雰囲気を持つらしく気配察知ができる相手には返り討ちにあい、魔眼蛇は射程が数メートル程度と貫通能力の代わりにそこが犠牲になっているため遠距離から潰されてしまう。
封印に特化した聖職者型の人形は封印が完了する前にがらくたにされた。
ドラゴンのような大きく能力もある生物でも、そもそも正面から戦うと暴走班の個体の方が上だったりする。その上目立つためその世界の住人には迷惑をかけた。
ドッペルゲンガーのような模倣能力を持った眷属をぶつけたりもしてみたが、現状では完敗である。何故だ。
「必要なのは何かしらの隠密能力と再生を妨害するか魂に干渉できる能力」
魂を抜けば始末できるのは間違いないが、再生能力が厄介なのが問題だ。
再生能力が低いものでも腕や足さえ残っていれば再生するし、本体に近いものは血溜まりや指1本、髪の毛の束から再生する。まあ本体が血の1滴、皮膚片1つ、髪の毛1本からフレーム単位で復活するのに対して、数十秒かかるだけましなのだろう。黒光りするG並にしぶといのは変わらないが。
とりあえず既存作品のとある生物は不死者を好んで襲い、長く味わうために数十年かけて消化するという。そういう部分は積極的に入れていくべき……なのだろうか。数十年あれば腕が消化されるより先に体を始末され、腕からまた再生されるなんて事もあり得る。
では魂に干渉できる方を作ろうとすると、今度は深刻な基礎ステータス不足が発生する。例が魂喰らいだ。
あれは鎌さえ当てれば分体を殺せるが、逆に言えば鎌以外が雑魚である。姿を消して近づくこそすれ、気配駄々漏れでやられる。なのでそういった干渉能力はオマケ程度、器である体を壊してから使えるようなレベルにしよう。
そして隠密能力は基礎ステータスや干渉能力に応じて変化する。強くしすぎると気配が強まるか、体が大きくなるかするのでバランスを考えなければならない。難しいものだ。
「とりあえず試作品がこちら」
肘から先が地面から生えた右腕さんである。地面ないし壁からしか生えられず、移動速度もせいぜい歩く速度、耐久値は低くその上悪霊タイプなので塩でやられる。……もろパクリである。でも実際この右腕さん、メリット部分はかなり強い。
まず悪霊、すなわち霊なのでそういう眼がないと見えない。魂喰らいは実を言うと霊系にしてなかったので姿隠しは後付けなのだ。
次にその力は掴んだものを離さず透過して引き込み、そして地面や壁の内で残さず食べるように作られてるので肉体の再生を封じられる。肉体を食べた後のとどめとして魂に干渉してそちらも貪る。
そして何と群れで作れる。構造が簡単だからこその生産性だ。弱点を多くしたから気配が強いということもない。
「そして試作改良型がこちら」
2mの塊から無数の腕が生え、さらにその腕からも無数の腕、さらにさらにと腕がひたすら固まってできた4mほどのゴーストボール、左腕さんである。
こいつはひたすら転がり、接触した分体を引き込み、ボール内部でそのまま食らうという移動速度を高めたものである。塊は右腕さんを圧縮してできたものなのでこれも霊系に入り、眼がないと見えないのは変わらない。
ただ、右腕さんの群れよりも多い数の左腕の塊なせいか、1本あたりの腕の食事量が少なくなり足りないらしい。空腹で我々研究班に食いついて来なければいいのだが…
「とりあえず実験しようか」
そういえば、だ。私は誰に向かって説明していたのだろうか。
その分体の実験は大まか上手くいったように思われたのだが腕達の空腹は予想よりも大きく、脱走した腕がちらほらと出ては暴走班以外の……それこそ現地民を襲い、見事に暴走班の仲間入りを果たすこととなるのはしばらく先の話。
・腕
『
花弁のような小さなものなら握るだけで消滅し、そこそこ大きなものが入ったレジ袋は地面に引き摺り込んでから「ぐちゅ…ごりっ…ぐちゃ…」という感じで喰われて(?)いた。
漫画では移動しなかったそれは、アニメ版では主人公を追い詰めるように動き、群れで囲み、腕が伸びてきたところで他者の介入で助けられるまでかなりアクティブな動きをしていた。
漫画版で主人公が見えなくなって良かったものが……とか言っていたが、見えずに接触し掴まれ、喰われる方がよほど怖いと思う。室内にも湧いて出る可能性もあり得るので。