安定の不定期更新です。しばらくゴッドイーター2になります。
「これが、ブラッドアーツだ」
数体のオウガテイルと呼ばれるアラガミを、ロングという中型サイズのブレードを溜めてから一振りの技で倒した目の前の男性、ジュリウス・ヴィスコンティ隊長がそう言った。
現在、新人ゴッドイーターの俺こと神威ヒロと同期の香月ナナは黎明の亡都と呼ばれるエリアに来ており、実地訓練(という名の実戦だったけど)を受けていた。俺達ブラッドは皆少し前に見せられた『血の力』、そして『ブラッドアーツ』を持っているとのこと。その説明のために後から沸いてきたアラガミを相手に使ってくれたのだ。最後にどう伸ばしどう生かすかは俺達の意志次第という一言を頂き、帰投準備に入ろうとしたその時だった。
『緊急!!現在そちらに中型種のアラガミと、それを追う偏食場パルスを確認しました!この反応はコンゴウと……』
「恐らく『彼女』だろう。……運が良かったな、新入り達の顔見せをしてから帰投する」
『了解しました。お気を付けて』
オペレーターのフラン=フランソワ=フラ……長いからフランさんと呼ぼう。その人からの通信を受け一瞬で臨戦態勢に入ったと思った隊長は、その『彼女』とやらと判断して気を抜いた。気を付けるように言われたのに大丈夫なんですかね?
「『彼女』ってどんなアラガミなんだろうね?」
「いや、そこはゴッドイーターじゃ…」
「どちらも正しく、そしてどちらも間違いだ」
ナナが小声で聞いてきたのでそう返し、そこへ隊長からそう告げられた。いや、どっちもって……それ敵の可能性もあるんじゃ…
そうこうしている間に高台から走ってきたのは猿のような外見的特徴とパイプと呼ばれる部位を持つ中型アラガミ、コンゴウ。飛び降りてからもこちらに見向きもしないで走り出す姿は、どう見ても天敵から逃げる獲物のようだ。
「来たぞ、あれが『彼女』だ」
コンゴウが来た場所からコンゴウの数倍速く向かってくるそれは、両肩から先がアラガミのようになっており両手で二振りの神機のような何かを持ち、ツインテールに纏めた髪を靡かせ疾走する少女の姿をして『何か』だった。……うん。確かにアラガミじゃないしゴッドイーターというか人間なのかという疑問も浮かぶよね。今も何もない空中で(恐らく)空気を蹴って加速、その勢いでコンゴウの正面に回り込み、慌てて方向転換したところに両手の神機モドキを叩き込んで三枚下ろしにした。
そして沈黙したところに両方の神機モドキをプレデターフォームに変え補喰している。コアだけじゃなくその躯も残さず喰うように。
そこに気にせず近づいていくのは我らが隊長、補喰に夢中になっていた少女もすぐ傍まで寄られると気づいたようだ。
「お前は相変わらずか、久しぶりだな」
「おー、ジュリウスさんかー。久しぶりー」
先ほどまでの様子とは随分違い語尾が伸びた口調と弛んだ表情で話し出す少女は、コンゴウを追っていた『彼女』とは別人に見えた。とはいえ、今も左手の神機は補喰を繰り返しているので違和感が半端ないが…。
近寄ってみてわかるが、神機モドキを持つ少女はあまりに小さく、元ゴッドイーターだったとかには見えなかった。見た目の年齢的に。
そして一言二言何かを話していた隊長は少女の意識をこちらに向けさせた。
「紹介しよう。第二期候補生の新入りが二人だ」
「えっと、神威ヒロです」
「私はナナ、よろしくねー。あ、おでんパン食べる?」
「ヒロさんとナナさんだねー。私はルナだよー、よろしくねー。それと貰えるならぜひー」
お互いに自己紹介をし、反応に困るナナのおでんパンを喜んで受け取った『彼女』改めルナは、それをバリバリゴリゴリと美味しそうに召し上がった。串とか刺さってるし、それ以外にそんな音出るもの入ってないはずなんだけど…。ていうか今右手で受け取ったけど神機モドキは何処?それに今手に持ってるのコンゴウの一部だよね?まさかそれを、ってやっぱり普通に食べたぁぁぁ!?何なのだろうこの子、人型のアラガミだって言われたら絶対納得するんだけど!?
「アラガミも美味しいけどー、このおでんパンはもっと美味しかったー。また会った時に頂戴ー?」
「いいよー」
おでんパンを通じて仲良くなる二人、それを冷静に眺める隊長に内心ツッコミだらけの俺。
しばらくして彼女が次の獲物を探しに行き、不思議な邂逅を終えたのであった。
その後、
「…空腹ではなくて良かったな」
「あの、それってやっぱり…」
「………限界を迎えると人間も食べるらしい。もっとも、彼女の移動速度と討伐速度からその事例は未だにないが」
そういったやり取りを隊長と交わした。
なお、今後も頻繁に遭遇する事になるとは思ってなかったが、それはまた別のお話。
・オウガテイル
二足歩行、尖った下顎の牙、鬼の顔のような巨大な尾という特徴を持つ。
初代無印から2に入るまでの雑魚を担当していたアラガミ。2からはドレッドパイクやナイトホロウといった極端に脆いアラガミが出たために雑魚はこちらとなった。
頭突きみたいな噛みつき、尻尾をバネのようにして飛びかかり、尻尾から棘飛ばし、尻尾を横薙ぎといった数種の攻撃しか持たず、またモーションがわかりやすいため眺めると以外とかわいい。
・コンゴウ
面を付けたゴリラ。非常に耳が良く消音スキルや隠密集団がないとすぐに探知してくる上、アラガミの鳴き声にすら反応して索敵モードに入る鬱陶しいアラガミ。
武器が揃えば簡単に狩れるとはいえ、同種が複数だと集団戦になりやすいため注意が必要。特に独自進化したとされるハガンコンゴウと呼ばれる金ゴリラは、無駄に範囲の広い『ころがる』を使用してくるためにフルボッコにして完膚なきまでに狩りつくしてやりたいという作者の個人的見解と恨み。主な攻撃は横殴り、腕振り下ろし、ころがる、溜めからの突撃殴り、同モーションからその場で回転殴り、パイプから空気弾発射、パイプから空気弾(座標攻撃)発射、パイプから空気発射(アラガミ周辺範囲攻撃)等。