追跡鶴   作:EMS-10

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執務。
出撃。
遠征。
訓練。
どれも厳しく辛かった。
でもね。でもね!
アレと比べれば平和だよ。本当に。
まさか、あんなやっべぇ人だとは思わなかったよ…



鈴谷

 

─4年10ヶ月前─

 

 

「えっと、報告書出して、その後工廠に行って開発して、んで、え~と…」

どーも、鈴谷です。江ノ島鎮守府に着任して数ヶ月が過ぎたけど、想像以上に忙しくて目が回りそう。

 

「おーい、鈴谷、報告書早く出した方がいいぞ?おやっさん、キレかけてる。ここは俺がやっとくから、出してこい」

 

「マジ!?分かった、急いで出してくるね!」

いっけない、色々あって提出遅れてたんだよね。

提督─木曾は、藤原准将の事を「おやっさん」って呼んでいて、呼ばれている本人も気に入ってるから認めてるらしい─怒るとめっちゃ怖いんだよねぇ。

 

 

………………。

 

 

「うむ、確かに受け取った」

 

「……」

慌てて報告書を提督に提出。誤字脱字無し、字は綺麗に書けたからOK貰えた。

 

「鈴谷、今後はギリギリではなく、余裕を持って提出しろ。いいな?」

 

「は、はいっ!」

うっへぇ、めっちゃ睨まれてる。マジで気を付けよう。

 

「…さて、鈴谷。此処(江ノ島鎮守府)に来て数ヶ月が過ぎた。上手くやっていけそうか?」

 

「えっ、あっ、大丈夫…です」

あっぶな、学生だった頃のノリでタメ口利きそうになった。ホント気を付けないと。

 

「…ふっ。今は提督ではなく、一人の男として聞いている。いつもの口調、タメ口で構わん」

 

「……分かった」

藤原提督、見た目はめっちゃ怖いけど、優しい所あるんだよね。少し不器用だけど。

それから、提督と色々お話をした。そして、

 

「そういえば提督、鈴谷と初めて顔合わせた時、ポカンとしたあと吹き出したけど、何で吹き出したの?」

気になった事を聞いてみた。

 

「あぁ、あの時、最終確認をした時か。いや、何。私と初対面であそこまで啖呵を切った奴を初めて見たんでな」

 

「???」

どゆこと?疑問に思っていると、

 

「自分で言うのもなんだが、私の顔は怖い」

 

あー、確かに。どこぞの世紀末覇者みたいな顔付きと身体してるしね。

 

「今まで何度も艦娘候補生になる娘達と面談、最終確認をしてきたが、私の顔を真っ直ぐ見たまま、あそこまで啖呵を切った娘を見た事が無かったのでな。だから、思わず吹き出してしまったんだ」

 

「あ、あはははは…」

今なら辞められるぞ、って言われた時、やめるわけないじゃん!って怒鳴ったんだよねぇ。

 

「あー、そうだ、鈴谷、教えて欲しいことがあるんだが…」

 

「ん?なぁに?」

提督が困った顔してる。どうしたんだろ?

 

「此処に所属する娘達から要望が幾つか届いているのだが、その中に、酒保にもっと化粧品を増やして欲しい、という物があってな…」

 

「あぁ…」

確かに。酒保に化粧品売ってるけど、種類が少ないんだよねぇ。

 

「えーと、にゅうえき?とか、色々分からない言葉があってな…どのような物を用意すれば分からない。教えてくれないか?」

 

「いいよ?まず…」

それから、藤原提督に化粧品の種類について色々教えてあげた。

見た目はとても怖いけど、心はとても優しい。

 

(此処に着任出来て良かった)

 

 

 

──────────────

 

 

─4年数ヶ月前─

 

 

「いったたた…」

出撃して負傷しちゃった。服や肌がボロボロ。最悪ぅ。テンション下がるんですけど…。

 

「服はそのままで、入渠槽に入って」

 

「はい…」

一緒に出撃した千歳さんにそう言われ、服を着たまま入渠槽へ入った。

今まで何度か服を着たまま入渠したけど、肌に服が張り付いて気持ち悪いんだよねぇ。でも、服脱ぐと傷が開く恐れがあって、更に入渠時間が長くなるから我慢。

 

「ごめんなさい、負傷させちゃって…」

 

「い、いえ、大丈夫です」

千歳さんは凄く強い。江ノ島鎮守府で一番の実力者だと、先輩艦娘達が口を揃えて言う。事実、千歳さんと一緒に出撃すると全員が無傷で完全勝利出来るほど。

でも、今日は違った。いつもなら周囲を鋭い目付きで警戒しているのに、ボーッとしていた。そこを狙われ、軽巡ホ級eliteに砲撃された。咄嗟に庇ったから千歳さんに怪我は無かったけど、代わりに鈴谷が負傷しちゃった。しかも、クリティカルヒット。めっちゃ痛い…。

 

「…4時間コースね」

 

「マジっすか…」

大破寄りの中破って所かな?骨にヒビが入ってるかもしれない。現に左腕が燃えるように熱く、鈍い痛みを感じるし。けど、入渠すれば時間はかかるけど、跡が残らず完治する。妖精さんの謎技術って凄いねぇ。

 

「本当にごめんね…」

 

「気にしないでください」

言葉は悪いけど、千歳さんは軽空母。重巡洋艦の鈴谷より脆いから、下手したら沈んでたかもしれない。だから庇ったんだ。

 

「お詫びと言ってはなんだけど、今度、ご馳走するわ」

 

「ホントッ!?……いつつつ…」

いっけない、ご馳走するって言われてテンション上がって身体動かしたら痛みがががが…。

それから、大人しく4時間近く入渠しました。千歳さんは報告やら色々やる事があったらしく、入渠施設から出て行っちゃった。それは構わないんだけど、

 

「なぁんか退屈ぅ…」

入渠施設には鈴谷しか居ないから、誰かと会話して暇潰せなくてつまんないなぁ。

 

「提督に提案してみようかな?」

入渠中、1人でも暇潰せる物、例えばルービックキューブとか設置してくれないか頼んでみよう。

 

 

───────

 

 

「………………」

やってしまった。

考え事をしていたせいで、迷惑をかけてしまった。

 

(あと少しだったのに…)

先日、藤原提督が悟と電話していて、急いで逆探知をかけたけど気付かれてしまって電話を切られてしまった。あと少しで場所を特定出来たのに…。

 

「…うふふっ♪」

諦めない。絶対に。

必ず、見つけ出してみせる。

 

「鈴谷さんには感謝しないといけないわね」

下手したら。いえ、間違いなく轟沈していた。あの角度、砲弾の速度。確実に主機が破損して浮力を失ったでしょう。

 

「お礼、何にしようかしら?」

鈴谷さんは甘い物が好きだ、って言っていたから、今度、お休みの日に街に行って美味しいシュークリームをご馳走してあげましょう。

 

 

───────

 

 

─4年前─

 

 

「えっと、ここだね」

千歳さんとのお休みがようやく合って、2人で出かける約束をしたんだけど、時間になっても集合場所の正門に来なかったから、心配になって様子を見に来た。

メアド交換しとけば良かったなぁ。ま、いっか。今日出かけた時に言ってみよ。

 

「千歳さん、鈴谷です」

ドアをノック。返事は無い。もしかして、寝てるのかな?

 

「……」

入ってみよう。

今まで先輩艦娘達が「千歳さんはヤバい」って言ってたのを思い出す。確かに、戦い方が過激で敵に全く容赦が無いけど、ヤバいとは思わなかった。普通じゃない?

そう思ってた。

けれど。

 

「おっじゃましま~す♪」

ヤバいのは戦い方ではなく。

 

「…えっ!?」

心なのだと、知るハメになった。

 

「なに…これ…」

写真。写真。写真。写真。写真。写真。写真。写真。写真。写真。

人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。人形。

壁や天井に一分の隙間なく貼られている写真。

棚や床に一分の隙間なく置かれている人形。

写真は、どれも男性の物ばかり。

人形は、写真の男性に似た手作りの物。

そして。

 

(心臓のある胸の部分に、ハートマークが描かれてる…)

更に、写真と人形の左胸に描かれたハートマークに、赤く塗られた針が刺さっている。

 

(うえっ…)

気持ち悪くなってきた。何コレ、呪いの部屋ですか!?と、とにかく出よう!ゆっくりと後退りしてドアを閉めて。よし、鈴谷は何も見ませんでした。本日も鎮守府は平和、異常なしであります!

さてさて、正門前に行きましょ~!

 

「…………」

 

「」

振り返ったら、千歳さんが居ました。

 

「…見ちゃったんだァ…見ちゃったんだァ…」

 

「」

 

「うふっ♪」

 

「」

 

…。

……。

…………。

 

 

「……」

 

「お、気が付いたか」

 

「てい、とく?」

…あれ、ここ、どこ?

 

「鈴谷が廊下に倒れていると千歳から報告を受け、急いで医務室に連れて来たんだ」

 

医務室…どうりで、薬品臭いわけだ。…って、そうだ!

 

「ち、千歳さんは!?」

殺されちゃう!早く逃げなきゃ!

 

「落ち着け。千歳は自分の部屋に居る」

 

「…そう」

ここに居ないんだ。良かった。部屋…写真と人形…あ、気持ち悪くなってきた。

 

「…その様子を見るに、知ってしまったんだな」

 

提督が物凄く同情するような目で鈴谷を見つめてきた。え、もしかして、

 

「提督は、千歳さんの部屋を…」

 

「…知っている」

 

うわぁ…っていうか!

 

「知ってるなら教えてよ!」

教えてくれたなら、近付かなかったのに!

 

「…すまん」

 

「…いつから、あんななの?」

タメ口になっちゃったけど、気にしない。教えてよ!

 

「…かれこれ、ウン十年前からだ」

 

「」

 

「…鈴谷、警告しておくぞ。千歳の事を詮索するな。死ぬぞ。精神的な意味で」

 

「」

 

「先日、木曾も被害にあった。彼女も精神的ダメージを負ってしまった。もっと早く言っておくべきだった…」

 

「」

 

「…鈴谷?泡吹いている!?め、メディック!メディィィィィック!!!」

 

 

 

───────

 

 

「…………」

あーあ、知られちゃった。でも、いいわ。距離を取られようが構わない。

 

「邪魔するなら殺すけど」

私の邪魔をしなければ、どんな目で見てこようが、危険人物だと思われようが構わない。

 

「…あっ、ホコリが付いちゃってる」

綺麗にしないと。

 

 

───────

 

 

──────────────

 

 

─数ヶ月前─

 

 

「……」

 

「……」

 

「とぉ↓お↑おおおおおおおう↓!!!」

 

「…平和だなぁ」

 

「…平和だねぇ」

鈴谷です。訓練中、木曾と死んだ目で会話をしています。

千歳さんがやっべぇ人だと知ってから数年が過ぎた。あれ以降、千歳さんに近寄らなくなりました。怖いから。

 

『あらあら、そんなに怯えられると、悲しくなっちゃう♪』

 

本人はそう言っていたけど、絶対悲しんでないと思う。だって、嬉しそうな顔しているんだもん。

あれから、鈴谷と木曾は熊野に同じ恐怖を味合わせないよう、気を付けた。けれど、熊野も知ってしまった。

絶対PTSDになる。

そう思っていた。

けれど、熊野は、

 

『あら、一途なお方なんですね』

 

そう言って笑っていた。全くダメージを受けていない。

 

『1人の殿方をそこまで強く想う。素晴らしいことですわ』

 

それどころか、肯定しやがったよ、あの妹。逞し過ぎない?先輩艦娘達や提督がひっくり返ったのを今でも覚えてる。お願いだから、千歳さんみたいにならないで?

 

「熊野のメンタルが羨ましい…」

 

「鈴谷も。熊野の様な鋼のメンタルになりたい…」

 

 

──────────────

 

 

─数週間前─

 

 

「俺達が」

 

「異動?」

 

「そうだ」

 

ある日、提督に呼ばれ執務室に行くとそう言われた。

提督の顔は青アザだらけになってる。昨日、千歳さんが荒れたんだよねぇ。その対応のせいみたい。お疲れ様です。

 

「お前達は再来週、第603鎮守府へ異動してもらう。異論は認めない」

 

第603鎮守府って、らっせー(渡良瀬提督)の居る鎮守府じゃん!?

 

「マジで!?」

 

「お、おい、鈴谷」

 

「あっ…」

いっけない、今は真面目な話をしているのに、思わずタメ口利いちゃった。怒られる。

 

「あぁ、マジ、だ」

 

…あれ、怒られなかった。それどころか、悪戯っぽくニヤリと笑ってるよ。

 

「そういうわけで、荷物を纏めてくれ」

 

「「了解!」」

 

 

───────

 

 

「…さて、準備をするか」

昨日、小嶋准将から、深海棲艦の出現頻度が増え、強大になってきたと報告を受けた。その為、第603鎮守府の規模を拡大させ、対応出来るようにする、か。

 

(由良が居るが、彼女1人だけで何とかできるわけでは無い)

かつて、最前線(ラバウル)の泊地で戦っていた、今は無き遺灰部隊(キネリー隊)。そこに所属していた由良。凄まじい戦闘力を持っているが、物量には勝てない。少しでも多く艦娘を着任させてやりたいが、私の所からは鈴谷と木曾の2人しか送れない。

 

(…第二次改装を施しておくか)

大本営には上手く誤魔化しておこう。まずは、木曾に施そう。重雷装巡洋艦にする為のパーツや設計図、そして資材に余裕はある。残念ながら鈴谷の方は厳しい。

 

「…私だ。木曾の第二次改装を頼みたい」

工廠へ連絡を入れる。

…さて、書類を書かねばならないな。

 

「…痛いな」

昨日、小嶋准将と電話をしていたら、悟と電話していると勘違いした千歳に襲われ、殴られた身体が傷んだ。

 

「…湿布を貼るか」

 

 

 

───────

────

 

 

 

─第603鎮守府、現在─

 

 

「へぇ、いろんな種類があるんだな」

 

仕事を終えて、暇になったから提督にカタログを見せたんだけど、結構夢中になって見てる。お、もしかしたら、沼にご案内出来そう。

 

「…買ってみるか」

 

「おっ、マジ? 」

 

「初心者にオススメの装備を教えてくれないか?」

 

「いいよ~!」

っしゃぁ!案内成功!

 

「へぇ、地面に落としたBB弾は再利用出来ないんだ」

 

「うん。汚れや傷が付いて、銃内部を痛める恐れがあるから、使わないで捨てるんだよ」

にっしし、夢中になってる。このまま他の娘にも勧めよう。そんで、此処の皆でサバゲー大会開こう!

 

「涼月もサバゲーしたいです!」

 

「どっから湧いてきた貴様ァ!?」

 

うわ、涼月が天井から現れた。

 

「榛名もやりたいです!」

 

「ガトリング砲持ちながら現れるな!」

 

今度は榛名が床からから現れたよ。しかも、ガトリング砲持って。おいおいおい、それ、サバゲー界じゃ使用禁止されてる奴だよ?

 

「榛名の愛の弾丸を、提督に撃ち込みたいです!」

 

「俺を殺す気ですか!?」

 

「涼月は、貴方の心を狙い撃ちします!」

 

「俺、狙撃されるの!?」

 

涼月の奴、SV○K-14S持ってるし。それ、世界最長の狙撃力のある銃じゃん。いいなぁ。というか、

 

「2人とも、どっから入手したの?」

すんごく高いんだよ?そんな財力あるなんて羨ましいなぁ。

 

「「妖精さんを脅ゲフンゲフン頼んで作ってもらいました♪」」

 

「「妖精さん何やってんのォ!?」」

あ、らっせーとハモった。

そうか、妖精さんかぁ。鈴谷も頼んで作ってもらおうかな?

 

「何処へ逃げても、涼月が狙い撃ちします!」

 

「何処へ隠れても、榛名が粉砕します!」

 

「人に銃を向けるんじゃありません!」

 

「そ、そうだよ、安易に銃口向けちゃダメだよ!」

 

「そうですよ。銃は殺しの道具。脅しの道具じゃ無いですよ♪」

 

「「「「」」」」

…えっ、由良?いつの間に!?

 

「皆さん、銃に対する認識が甘々です。由良がみっちり、教えてあげますね?ねっ?」

 

「「「「」」」」

っべー!マジっべー!由良の奴、マジキ○スマイル浮かべてるよ!足柄から教えてもらったけど、アレだ、由良劇場が開幕されちゃう!

 

「あなた達に教えてあげます。殺す覚悟と、殺される覚悟を…うふっ。あははははっ♪」

 

「総員退避ィィィィ!!!」

 

らっせー、絶叫!鈴谷達、急いで退避!

 

「逃がしません♪」

 

…しようと思ったんだけど、由良に回り込まれちゃった。あっ、コレ、ダメな奴だ。

 

「さぁ…戦争のお時間です…クハハハハハッ!!!」

 

「「「「ぎゃあああああああああ!!!!」」」」

待って、待って!由良、お願いだからやめ…いやあああああああああ!!!!

 

 

【Page:SUZUYA_fin】

 





第603鎮守府は平和だなぁ。
そう思ってたのに。
何で千歳さんが着任してきたのさ!?意味わかんない!
…はぁ。マジ無理。
気分転換に誰か誘ってサバゲーしよう。
…お、しぐしぐ(時雨)!丁度いい所に。一緒にサバゲーしましょー?…って、ゆ、由良!?
ぎゃあああああああああ!!!!戦闘狂!戦闘狂が来たァ!?


※以上で鈴谷の過去編は終わりです。
鈴谷は普通でした。残念だったね(某白露型二番艦風)

※作者はサバゲーに関する知識が皆無です。
表現や用語等が間違っていましたら、コメントで指摘してやってください。

※現在、活動報告にてアンケートを実施しています。よろしければご協力お願いします。


Q:藤原提督が准将から大将になった描写がされていないぞ?
A:本編で明らかにします。ご了承ください。

Q:鈴谷の過去編なのに、他の艦娘の情報がチラチラ出てるのは何故?
A:本編だけでは説明し切れないのと、伏線を張る為に描写しました

Q:熊野のメンタル頑丈過ぎない?
A:一人前のレディだから、頑丈なんです(多分)

Q:千歳のヤバい描写少なくない?
A:本編や千歳の過去編でしっかり描写するから許してください。なんでも島風


【唐突な本編、第40話の嘘予告】


「もう俺は脱走しない!」

覚悟を決める提督。
どんな事が起ころうが、脱走なんかしねぇぞ!

「榛名、全力で参ります!」

「あ、脱走してもいいかな?」

僅か数秒で決意が揺らぐ提督。
どうした、提督!覚悟決めたんじゃないのかよ!?

「涼月が、お護りします!」

しかぁし!絶体絶命の提督の前に、第603鎮守府をパニックと絶望に陥れ続けてきたデンジャラス・ラブ・ゾンビが提督を護りに来たァ!

「重婚はいいですよ、榛名さん」

「重婚は、榛名が、認めません!」

サキュバスを説得するゾンビ。しかぁし、サキュバスは聞き入れなかった!

「くくっ…くくくくっ…クハハハハハッ!!!」

あ、あの、由良…さん?どうしたの急に?

「提督さんはぁ…んふっ…由良が護ってあげる♪」

おおっとぉ、我○由乃みたいな恍惚のヤンデレポーズ取りながら提督守護宣言!まさか、君も?

「…提督、姉様から電話よ」

こんな時に、扶桑さんから電話だとォ!?

『渡良瀬提督、今度、そちらに異動する事になりました。お世話になりますね?』

「なんだとォ!!!??」

まさかまさかの、扶桑さん第603鎮守府に異動!

「…げほっ」

あ、提督が口から胃袋吐き出した。

「翔鶴おねーちゃんが治してあげるわ♪」

わーい、お姉ちゃんだー。

「高速修復材ぶっかければ治るんじゃね?」

摩耶、バケツ持ってぶっかけようとしないで。

カオスに包まれる第603鎮守府。果たして、平和になるのか!?

「演習で決めましょう」

昔から、生物は戦いで決めてきた。

「諸君、私は提督が好きです
諸君、私は提督が好きです
諸君、私は提督が大好きです

執務室で 桟橋で
食堂で 工廠で
談話室で グランドで
御手洗で 浴室で
ありとあらゆる場所で見る提督が大好きです」

おい、最後の2つ、マズいと思います。

「よろしい、ならば戦争(クリーク)です」

こうして、正妻戦争が勃発した。

追跡鶴第40話・大惨事、正妻戦争。近日公開予定!


「…提督さん、今のうちに逃げちゃおっか?」

あの、瑞鶴さん、何を言い出すの?



※予告内容と本編は、異なる場合がございます。
ご了承ください。
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