陸奥って名前のゴトランドが累計4人もドロップしたので初投稿です(挨拶)
……教えてくれ、瑞鶴。俺はあと何回、深海棲艦達を沈め、陸奥をドロップすればいい。瑞雲は何も教えてくれない。
グロテスクな表現有り
ノリと勢いしか無い
相変わらず頭の悪い内容
お前らの嫁だろ、早くなんとかしろよ
※この小説に登場する人物達は全員、特殊な訓練を受けています。
真似をすると大怪我。最悪、死亡する恐れがあります。
決して真似をしないでください。
また、この小説はそれらの行為を推奨する物ではありません。
予め、ご了承下さい。
side 加賀
「痛い痛い痛い痛い!!!」
「関節を元に戻しているから、痛いに決まってるよ」
「う"ぅ"……」
何度味わっても、この痛みは慣れそうに無いわね。
綾波
「──ぐわ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!?」
痛い痛い!!もっと優しく戻して!?
「えー?のんびりやってたら、日が暮れちゃうよ?」
私の思考を読み、そう言って荒っぽく関節を戻していく。
助けてくれるのは有難いけれど、せめて、もう少し優しく──
「ヴ゙ェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!゙!゙!゙!゙」
痛い痛い!!死ぬっ!死んじゃう!!お願いします!優しくしてッ!!?
「お"ぅ"っ!?まるでコブラツイストされた重巡棲姫みたいな断末魔をあげた。すっごい似てる!」
そんな乱暴にやられたら、コブラツイストされた重巡棲姫みたいな断末魔の一つや二つ、あげますよ!
「ほらほら、まだまだあるから、巻で行くよ?」
「えっ、ちょっ、待っ────
イ゛ェ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」
………………。
──大本営、喫茶店──
「……混んでるわね」
島風
少し前までは発狂しそうになったけれど、今はもう慣れてしまったのか、何とも思わなくなってしまった。
(とりあえず、食べ物と飲み物を注文して、その後席を探しましょう)
一人で来たから、いつものように、誰かに相席を頼めばいい。
……。
(よし、買えました)
幸い、食べ物と飲み物はすぐに買えました。
さて、次は席ね。誰と相席しようかしら?
(……あら?あれは──)
店内を見渡すと、彼──準の顔が見えた。
あそこにしましょう。襲ってしまった事を、まだ謝罪していませんし。……あっ、目が合った、
『うえぇ〜い。加賀さんだぁ!』
はい。
視線が合った事により、彼の思考と感情が強く流れ込んできた。
『こんな所に居られるか!俺は逃げるぞ!』
どうやら逃げる気みたいね。逃がしません。
彼が視線を逸らす為に俯いた。その隙に、人混みを避けながら、素早く彼の座る席へ向かう。
……よし、目の前まで来ました。襲いましょう。
……違うでしょ?何を考えているのよ。というか、ここで襲ったら、また綾波
深呼吸をして、心を落ち着かせましょう。
いい?ふざけた事を抜かしたり、やらかしたら、綾波
……さぁ、行くわよ。
「相席しても良いかしら?」
よし、言えた。素早くトレイをテーブルに置いて、椅子に座って……これで良し。
今の所、桃色な思考には陥っていない。この調子よ、私。
……準、そんな絶望した顔をしないで。
side 加賀 out
───────
────
─
side 提督
──大本営、喫茶店──
11:45。
「相席しても良いかしら?」
「聞く前に座っているんですが……」
加賀さん、普通、相手に聞いて了承を得てから座る物だと思います。あと、トレイにどんだけ食べ物と飲み物を載せているんですか?大鳳──
……というか、瞳孔が開いたままですよ?怖いです。もしかして、瞳孔をかっ広げている事に気付いていないのかな?もしそうなら、注意しておこう。
「(<(((⚫)))><(((⚫)))>)」
「加賀さん、目を元に戻してください」
落ち着いてください。そんな目で見つめられちゃあ、ビビって話も出来やしねぇ。俺と会話がしたきゃ、目を元に戻して?OK?
「分かりました。
(<(((⚫)))><(((⚫)))>)」
「余計に瞳孔かっ広げないでください」
何故広げたし。ああもう、周りの人達、加賀さんのお目目を見てビビっていますよ?俺は普段から見慣れているから耐性あるけど、周りの人はそうじゃない。ほら、早く元に戻して?戻しなさい。
「ごめんなさい、今戻すわ」
お目目ゴシゴシしない。眼球痛めますよ?
「……どうかしら?」
「大丈夫です。元に戻りました」
良かった。元の目に戻ってくれた。
「ごめんなさい、興奮し過ぎて瞳孔を開いてしまったわ」
「何故興奮するんですか……」
「貴方が居るからよ」
「んじゃ、加賀さんを興奮させると悪いので、俺は帰ります」
俺のせいで瞳孔をかっ広げてしまうのなら、俺は今すぐ加賀さんの視界から消えるべきだな。そうだ、消えよう。というわけで、サラダバー。間違えた、サラバだ。
「帰ったら私、
「脅しているんですか?」
しかし、椅子から腰を浮かせようとしたら、加賀さんに脅されてしまった。
「はい」
即答すんな。仕方ない、
幸い、此処は人が多いから、そんな変な事をしない……と思う。もし
「何か、買わないの?」
「……ん?あぁ、そう思っていたんですが──」
加賀さんが居たから、買わずに逃げようとしました。なんて言えない。ここは加賀さんには悪いが、適当に嘘を言って誤魔化そう。
「──混んできたので、少し待ってから買おうと思い、椅子に座っていました」
嘘をつく事に対し、罪悪感がががが……。けど、許して。
「……そう」
良かった、納得してくれた。けれど、少しだけ悲しそうな顔をしている。もしかしたら、俺の顔を見て、嘘を言っていると思ったのかな?よく
「もし良ければ、私のを分けてあげるわ」
「……え?」
悲しそうな顔をしたと思ったら、顔を元に戻し──とはいっても、眉がハの字から元に戻っただけだが──淡々とした声でそう言ってきた。
「いや、でも、それ、加賀さんの分ですよね?流石に悪いから、何か買ってきます」
「気にしなくていいわ。それに、今、とっても混んでいるから、並んだら時間がかかるわ。そうしたら、貴方と会話する時間が無くなってしまう……」
確かに。加賀さんに言われて周りを見ると、さっきよりも人が増えている。こりゃ、並んだら、かなり時間がかかるな。
余談になるが、大本営には
「はい、あーん」
「あー……何してんですか」
考え事をしていると、加賀さんはウェットティッシュで手を拭き、右手にサンドウィッチを持ち、左手を皿代わりにして差し出してきた。
あっぶねぇ。つい瑞鶴──瑞稀にやってもらっていると勘違いして、食べる所だった。
「……」
「?」
あれ?どうしました?
殆ど表情が変わらないから判り辛いけど、さっきまでドヤ顔っぽい表情をしていた。それが、今はハッキリ分かるほど、驚愕したような顔──目を見開き、口をポカーンと開けている。
(どうしたんだろう?)
疑問に思っていると、加賀さんは手に持っていたサンドウィッチを皿に置き、目を閉じて深く息を吐いた。どうかしました?そう声をかけようとしたら、
「どうすれば……出来れば……して……しかない」
何やら小声で呟いた。
聞き取ろうとしたけど、周囲の人達の雑談のせいで、聞き取ることは出来なかった。何を言ったんだろう?まぁいいや。
「……貴方、トマトが苦手って言っていたわね?」
「え?ああ……昔は苦手でしたが、今は食べられますよ?」
さっき差し出してきたサンドウィッチを見ると、トマトが入っているのが見えた。どうやら俺の苦手な物を覚えてくれていたらしい。それだから、差し出すのをやめて、お皿に戻したのかな?
「……そう。食べられるようになったのね。偉いわ」
とても優しい顔で微笑んできた。
この微笑み。昔、よく俺に見せてくれた顔だ。
……あの、加賀さん?なぜ頭を撫でるんですか?
「昔の貴方は、トマトを見ただけで大泣きしていたのに。立派になったわね」
「大泣きしていません」
嘘を言わないでください。確かに、昔はトマトが大嫌いだったけど、大泣きはしなかった。
「貴方のお爺さんがトマト尽くしの夕飯を用意した日は、私の家に逃げ込んで来たわね」
「思い出させないで下さい」
やめて?俺の黒歴史を掘り返さないで?
小学生の頃、マジで加賀さん──麻子さんの家に逃げ込んだ事がある。事実だから何も言えねぇ。
ちなみに、瑞鶴──瑞稀の家にも逃げ込んだ事もある。
「ふふっ。その困った顔、歳は取っても、変わらないのね。可愛いわ」
「可愛い言わないでください」
くそっ、からかわれている。
「ほら、もっと可愛い顔を見せて頂戴?」
「お断りします」
頬を指で突っつかないでください。
「
「反抗期なので聞きません」
懐かしいな。昔は加賀さん──麻子さんの事を姉ちゃん、って呼んでいたっけ。
「あの頃の貴方は素直で、言う事を良く聞いてくれたのに。
「やめてください、死んでしまいます」
加賀さん、貴方、艦娘ですよ?
たとえ加減されたとしても、激痛が走る事は、
「大丈夫よ、優しく包んであげるから」
「なんか、言い方が
普通の言葉だけど、秋雲とか、足柄から色々影響を受け過ぎたせいで、卑猥に聞こえてしまう。心が穢れている証拠だ。綺麗にしなきゃ。純真無垢な心を取り戻さなきゃ。いつかカウンセリング課の先生に相談して、治してもらおう。先生なら治してくれる気がする。
「優しくニギニギしてあげるわ」
「言い方変えてもダメです」
なんか、卑猥さが増した気がするんですけど。
「でも本当は、頭じゃなくて貴方の○頭をニギニギ──」
「加賀さん、黙りましょう?」
ここ、喫茶店。食事を摂る所であって、
「今のは格闘技で例えるなら、軽いボディブローよ?」
「全然軽くないです」
ジャブじゃなく、ボディブローって、強烈過ぎると思うんですが。
「私の中では、ボディブローは軽い物よ?しょっちゅう綾波
「断言しないでください」
というか、しょっちゅうやられていて、しかも軽いって……あなた、普段綾波
「大本営に所属する艦娘達の基準では、ボディブローは軽い挨拶よ。ちなみに、牽制はツームストンパイルドライバーよ」
「牽制はツームストンパイルドライバー」
説明しよう!ツームストンパイルドライバーとは、相手を逆さまに抱え上げ、頭部を膝の間に挟み、両膝を曲げた状態で落下し、相手の頭を地面orマットに叩き付ける、大変危険な技だ。
いいか、決して真似するなよ?フリじゃないぞ?大真面目に言っているぞ?下手したら死ぬぞ?
……技の解説をしている場合じゃないよ。何だよ、牽制がツームストンパイルドライバーって。バカなの?死ぬの?大本営怖過ぎでしょ。武闘派過ぎるよ。
「そうそう。以前、ツームストンパイルドライバーを綾波
「首が180°反転した」
ホラー映画のエク○シストみたいな事になったのかな?あの映画、マジで怖かったなぁ。ガキの頃、一度だけ
……じゃなくて。あのさぁ、よく
「死にかけたけど、
「死にかけたけど、辛うじて致命傷で済んだ」
死にかけたんかい!……もうツッコミ入れんぞ。大本営の本部に所属する艦娘は化け物、って認識しておこう。何が起きても、「大本営だから仕方ない」で流してやる。
「ともかく、私の中でボディブローは軽い物よ。分かったかしら?」
「分かりたくないです」
大本営って、想像以上にバイオレンスなんだね。怖いから、二度と近寄らないでおこう。
「ほら、あーん」
「いや、ですから──」
「(<(((⚫)))><(((⚫)))>)」
「──分かりました、食べます」
そんな目されたら食べるしかない。
断ったら、
……うん、美味しい。ボキャ貧だから美味しいしか言えないが、許してくれ。
「はい、次はカツサンドよ」
「あ、あーん……」
これも美味しい。普通のソースだと思っていたけど、味噌ソースだ。少しピリ辛なのが、食欲をそそる。
音を立てないように咀嚼していると、
<いいねぇ、青春だねぇ
<若いって、いいねぇ
<けど、加賀さんって今年で2×歳──
<おい、こいつを酸素魚雷に括り付けろ
<な、なにするだァ〜!?
<加賀さんは永遠の17歳。いいね?
<アッ、ハイ
近くのテーブルに座る、大本営に勤務する職員達──40代位の男性達──の会話が聞こえてきた。
……なんか、イチャついてごめんなさい。
(今頃気付いたけど、周りの人達からの視線が、生暖かい)
めっちゃ恥ずかしい。逃げたい。けど、逃げたら加賀さんに襲われる恐れがある。ここは無心になって、あーんされよう。
この後、俺は加賀さんにめちゃくちゃあーんされた。
途中、加賀さんにねだられ、あーんしてあげた。目を閉じ、口を開ける姿を見た時、まるで餌をねだる雛鳥みたいだなと思ったのは内緒だ。
side 提督 out
───────
────
─
side 加賀
(やりました)
今の私は、とても満たされている。
昼食を終え、名残惜しいけど彼と別れ、午後の仕事に備えて準備をする為、自室に向かいながら先程の出来事を思い出す。
20分にも満たなかったけれど、とても濃厚な時間を過ごせた気がするわ。
(ただ、誤算があったわ)
彼と相席した際。サンドウィッチを食べさせようとした時に流れ込んできた思考と感情。これが流れ込んできた時、私は思わず硬直してしまった。その内容は──
彼と瑞稀ちゃんは、付き合っている。
(仲が良かったけど、まさか、付き合っているとは思わなかったわ)
友達の関係のままだと思っていたけど、違った。
(どうすればいいの?)
彼と瑞稀ちゃんは同じ鎮守府で過ごしている。
一方、私は大本営本部所属。過ごせる時間と場所が限られている。もっと、彼と一緒に過ごしたい。
異動するにも、余程の理由が無い限り、不可能。
しかし、先日。私が秘書艦として仕事をした際、偶然彼が運営する鎮守府の資料を見る事が出来た。資料によると、彼の担当する海域は空母型の深海棲艦が、他の海域と比べて多く出現する、と書かれてあった。
しかも、彼の鎮守府には24名の艦娘が所属しているけれど、内二人は精神が不調の為、実質22名しか出撃出来ないらしい。
(最近、出撃頻度が増えていて、人手不足気味だから異動させて、と元帥に頼んでみようかしら?)
あの人──元帥は軍に所属する人達や、妖精さん達全員を大切な部下だと思ってくれる、優しい御方。人手不足気味だから、という理由で頼めば、異動出来るかもしれない。
(恥ずかしい話だけど、私が
「──あっ、加賀さん!見つけました」
「……ん?綾波
背後から、間延びした声が聞こえたから振り返ると、いつものように朗らかな笑みを浮かべる綾波さんが居た。
何でしょうか?業務開始まで、まだ余裕はあります。それに、私は今の所、
もしかして、緊急招集かしら?いえ、それなら端末に連絡が入る筈。では、何かしら?
「お話したいことがあるので、執務室に来て頂けませんか?」
「執務室に?了解しました」
本当に何かしら?まぁ、執務室に行けば分かるでしょう。
side 加賀 out
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─
side 提督
──大本営、カウンセリング課──
14:00。
「失礼します」
加賀さんと昼食を摂った後、大本営内にある図書館へ行き、様々な戦術書や歴史書を読み漁り、時間を潰していると、端末に診察が終わったとメールが入り、急いでカウンセリング課へ向かった。
「おう、いらっしゃい」
診察室に入ると、先生がニッコリと笑いながらそう言ってきた。榛名と大鳳の診察は上手くいったのかな?不安に思っていると、
「そこに腰掛けてくれ。あぁ、先に言っとくが、二人とも上手くいったよ。安心しな?後遺症も残らないよう、しっかり治しておいた」
「本当ですか!?」
良かった。上手くいったみたいだ。
安堵しながら、椅子に腰掛ける。
「あぁ。……さて、少佐。二人がああなった原因を話す。
まず、大鳳だけど、彼女は自信家な所があるから、自分の理解の範疇を超えた出来事に遭遇すると、パニックに陥りやすい。今回、幼児退行した原因は、極度のパニック状態に陥った為だ。本人に、謙虚になるよう言っておいたけど、少佐からも言っておいてくれ」
「分かりました」
確かに。先生が言ったように、大鳳──鳳は自信家な所がある。学生時代も、それが原因で色々トラブルを起こしていたしな。鎮守府に帰ったら、執務室に呼び出して注意しておこう。
「次に榛名。榛名の精神が不安定になった原因は、感受性が豊かなのが原因だ。榛名は根が真面目みたいだから、何でも受け入れようとする
物事を全部深刻に受け止めず、流す事を覚えるよう、言っておいてくれ」
「分かりました」
確かに、榛名は根が真面目過ぎて、何でも深刻に受け止めようとする。もう少し、ふざける事を覚えさせよう。……榛名は常日頃から、ふざけ過ぎた事をしているだろ、って?気のせいだ。
その後、俺は先生から今後の事について色々説明を受けた。
先生曰く、艤装を纏う事は可能でも、暫くは出撃はさせず、訓練や演習だけにしておくよう、言われた。他にも色々言われたが、割愛させてもらう。
──────────────
──第603鎮守府、執務室──
四日後、07:50。
「……海外に逃亡してぇなぁ」
大規模反攻作戦が近いから逃げないけど、逃げたい衝動に駆られる。決して、指揮を執るのが怖いから、とかじゃない。
じゃあ、何故逃亡したいのかって?それはな。
「予定だと、今日届くんだよなぁ……」
野原主任が「納品は四日後を予定しています」と言っていた。つまり、予定通りなら今日。AGP仕様の涼月改の艤装設計図とパーツが届くからだ。
頼むから、届かないでくれ。何か技術的な問題が見つかって、納品が遅れてください。納品されたら、
……おっと、そうだ。カウンセリング課で、榛名と大鳳の二人を診察してもらった後の話をしよう。
診察を受け、鎮守府に戻った後、俺は先生に言われた事を、二人に話した。二人とも、心当たりがあったのか、素直に聞き入れてくれた。
そして翌日。早速二人に艤装を纏ってもらい、何度か航行してもらった。
最初は不安だったが、先生が言った通り、二人の精神をしっかり治してくれたからか、トラブルは起きなかった。それどころか、以前よりも動きが良くなっていた。
その後、様子を見ながら演習をしてもらったが、これといったトラブルは起きなかった。
(榛名と大鳳は元に戻ってくれたけど、今度は翔鶴が壊れた)
壊れた、と言ったが、決して翔鶴の精神が崩壊したわけじゃない。
なんつーか……日に日に言動が怖くなっているんだ。
(あの日、気絶させてから、ハイライトが消えたまま。そして無言・無表情で俺を見つめてくる)
昨日も、執務室で仕事をしていたら、ドアの隙間から俺の事を覗き見してきた。目が合うと、ニタァ、って笑いやがった。正直に言おう。とても怖いです。
(俺を見る時以外は、普通なんだけど……)
瑞鶴から聞いたが、俺以外の人と居る時は、ハイライトが戻り、普通に会話したり。俺に見せる不気味な笑みではなく、自然な笑顔を見せたりするそうだ。
(大真面目に、一度、翔鶴と話し合った方が良さそうだな)
下手したら襲われるかもしれないが、それでも話し合いの場を設けよう。貞操帯を付ければ、襲われてもパパになる心配は無い。近日中に買っておこう。
話し合って元に戻らなかったら、カウンセリング課の先生に頼んで治してもらおう。
……ノックされた。考え事はここまでにして、仕事モードに切り替えよう。
『提督、郵便物の確認が終わりました』
「ご苦労。入ってきてくれ」
入室を促すと、本日の秘書艦、阿武隈が封筒を持って入室してきた。……あっ、見えた。見えちゃった。阿武隈が持つ封筒に、大本営のロゴが書かれているのが見えた。
「えっと、大本営からの封筒が、
「ゴミ箱に捨てといて」
それか、シュレッダーにかけて?もしくは火炎放射器で
「ん"ん"っ!?いきなり何を言い出すんですか!?」
「……すまん、本音が漏れた」
落ち着け、俺。もしかしたら、大規模反攻作戦についての書類かもしれないぞ。希望を捨てるな。
「しかも本音!?」
「少し錯乱していた。ちゃんと見るよ」
心を落ち着かせよう。まずは深呼吸を──いい香りがするな。阿武隈から仄かに香ってくる。
これは、ラベンダーかな?流石、阿武隈。第603鎮守府一のオシャレ娘。良い香水を使っているな。
……何やってんだよ。堪能してる場合じゃないだろ。なんか変態っぽいぞ?
気を取り直して、ペーパーナイフで封筒を開ける。
二つあるが、片方は薄く、もう片方はやたら分厚い。どちらも大規模反攻作戦についての書類だろ。いや、きっとそうだ。そうに違いない(錯乱)。
まずは薄い方から開封しよう。……よし、開いた。どれどれ?
「───ゴボッッッ!!?」
「きゃああああ!!?提督が!ラクダさんみたいに胃袋を吐き出したああああああああああああぁぁぁ!!!?」
知ってるか?阿武隈。ラクダは胃袋ではなく、口蓋という喉の奥の柔らかい部分を膨らませているだけなんだ。だから、本当は胃袋を吐き出していないんだ。世界の果てまでイッ○Qで、イ○トさんが解説していた。
……って、爺ちゃんが言ってた。
トリビア披露している場合じゃないよ。
なんだよ、これ。この書類、悪戯か?そうだ、悪戯に決まってる。こんなの、有り得ねぇもん。
「提督!しっかりしてください!」
「
いかん、胃袋を出したままだから、喋り辛い。一旦飲み込もう。……よし、飲み込んだ。
「俺はしっかりしている。大丈夫だぞ」
「あたし的には、明らかに大丈夫じゃないと思います」
「大丈夫だ、問題ない」
今の所は、な。
「全身ガタガタ震えながら言われても、全然説得力無いですよ?」
「これは貧乏ゆすりだ」
さっき見た書類の内容を受け入れられなくて、身体が震えています。
「提督……」
阿武隈、呆れたような目で見ないで?
「……はぁ」
ふざけ過ぎた。けど、お陰で少しだけ冷静になれた。
さて──
「阿武隈、艦娘って、クーリングオフ可能だったっけ?」
「無理だと思いますよ?」
「ですよねぇ〜」
艦娘=人間。
人間=ナマモノ。
つまり、艦娘はナマモノだから、クーリングオフが可能だと思ったんだけど、ダメかぁ。
「何が書かれていたんですか?」
「……ほい」
口で説明したくない。だから、自分で読んで?
阿武隈に書類を手渡す。
「えっと……えっ?はぁっ!?嘘ォ!?」
あっ、やっぱり驚いた。それもそうか。
「な、ななな、なんで、大本営から!?」
「俺が知りたい」
どうしてこうなった。誰か、教えてくれ。
「提督!大本営にどんな脅しをかけたんですか!?」
「俺って、そんな事やるような奴に見える?」
君、何気に酷い事言ってるよ?俺のガラスのハートが砕けちゃいそうだよ?……あ、書類返してくれた。
「いえ、見えません」
良かった。これでもし「見えます」なんて言われたら、阿武隈にノーザンライトボムをぶちかましていたよ。
「夢なら醒めてくれ……」
まさか、艦娘の異動のお知らせが届くとは思ってもいなかった。それも、
(大本営本部に所属する艦娘って……何故だよ)
有り得ねぇよ。しかも、
もう一度、書類に書かれている内容を見る。そこには、こう書かれていた。
【_月_日を以て、大本営本部より第603鎮守府に、加賀型航空母艦一番艦、加賀を異動させる】
なぁ、神様。俺、何かやったのか?
side 提督 out
───────
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次回予告
第83話・魂の咆哮
「秋月型防空駆逐艦三番艦、涼月ィ!
何故君が第二次改装を受けずに、ゾンビに変身出来たのか。
何故艤装との同調率が高いのか。
何故ゾンビ化した後に提督を襲いたくなるのくわァ!
その答えは、ただ一つ……。
秋月型防空駆逐艦三番艦、涼月ィ!
君が艤装の影響を受け過ぎて……性欲が高まり過ぎた艦娘だからだぁぁぁぁ!!
アーハハハハハハハハハ!アーハハハハハハハハハ!!! 」
「捕゙マ゙エ゙マ゙ジダァ゙♪゙」
【補足的なナニか】
・コメダ珈琲店…愛知県名古屋市に本社を置く、喫茶店チェーン。愛知県を中心に、全国に790店舗、展開している。
コメダ珈琲店のカツサンドは、とにかくデカい。興味のある方は、行ってみてください(ステマ)
・エクソシスト…1973年にアメリカで公開されたホラー映画。
少女に憑依した悪霊と、神父の戦いを描いた物。
以上、補足終了。
※暫く不定期更新になります。
予め、ご了承ください。