追跡鶴   作:EMS-10

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※警告※
原作とは異なる設定・描写が含まれています
暴力的及び、グロテスクな描写が含まれています
本人達は大真面目にやっています
今日も第603鎮守府は平和です


※この小説に登場する人物達は全員、特殊な訓練を受けています。決して真似をしないでください。

※この小説内の季節は、8月下旬頃となっています。予め、ご了承ください。



第88話・血に染まる鬼

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、執務室──

 

 

22:20。

 

 

 皆が出撃して約二時間近くが経った。そろそろ第一艦隊が、敵艦隊と遭遇してもいい頃だ。

 しかし、未だ敵艦隊を発見した報告は入らない。

 昼間ならともかく、今は夜。幾ら千歳さんが「夜間でも、探照灯や照明弾が無くても、艦載機を発艦させられる」とは言っても、索敵機で見つけるのは非常に難しい筈。それだから、時間がかかっているのかもしれない。

 

(何処だ?何処に居る?)

 敵艦隊には姫級──空母棲姫が居ると、小嶋提督から報告を受けている。もしかしたら、空母棲姫が俺達の裏をかこうと、進行ルートを変更した可能性がある。

 

(鬼・姫級は非常に頭が良いと言われている。奴らなら、やりかねん──ッッッ!?)

 無線が入った!素早く手に取り、スイッチを入れると──

 

『こちら第一艦隊旗艦、千歳です。__海域にて、敵艦隊を発見。距離、約50,000m。数は12。編成はフラチ(チ級flagship)2、フラチ改(チ級flagship改)1、フラリ改(リ級flagship改)2、エリツ(ツ級elite)2、フラタ改(タ級flagship改)2。そして、戦艦レ級ノーマルが2。空母棲姫が1です。あちらは未だ、こちらの存在に気付いていないわ』

 

 千歳さんの冷静な声が聞こえてきた。

 見つけたか。小嶋提督から受けた報告と同じ数と編成だ。

 しかも、見つけただけでなく、気付かれていないときた。

 

(どうやれば敵艦隊に気付かれず、発見する事が出来るんだ?)

 気になるが、今はそれどころじゃない。考えるのは後だ。今は指示を出して、足止めをさせろ。

 

「了解した。千歳さんは艦攻・艦爆を発艦させて叩いてくれ。足柄と阿武隈は、千歳さんが航空攻撃を行った後、照明弾で敵を照らし、主砲と副砲で敵艦隊に牽制、注意を引き付けてくれ。由良と初霜、夕立は迂回して敵艦隊に接近し、撹乱しろ 。探照灯を使うタイミングはそちらに任せる。全員、決して無理はするな。いいな?すぐに第二艦隊を向かわせる。それまで持ち堪えてくれ」

 

『『『『『『了解!』』』』』』

 

 いよいよ始まる。落ち着け。冷静になるんだ。俺が慌てたり冷静さを失ったら、的確な指示や判断を下せなくなる。そうなったら、皆を危険に晒す恐れがある。

……考え事をしている暇はないぞ。急いで第二艦隊に連絡を入れよう。

 

「こちら、提督だ。第二艦隊、応答せよ」

 周波数を第二艦隊に合わせ、無線を入れる。程なくして応答してくれた。

 

『こちら、第二艦隊旗艦、扶桑です』

 

「扶桑さん、第一艦隊が敵艦隊を発見しました。場所は__海域です。敵の編成と数は──」

 必要な情報を、扶桑さんに伝える。

 

ぶりーふぃんぐ(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)通りですね。了解しました』

 

「扶桑さん達は現在、何処に居ますか?」

 扶桑さんのブリーフィングのイントネーションが少し可笑しかったけど、突っ込まないでおこう。

 

『私達は現在、__海域に居ます。第一艦隊の居る海域までは、30分──いいえ、20分以内に到達出来ます』

 

「了解。到達次第、報告してください」

 

『了解しました』

 

 これで良し。後は彼女達を信じよう。

 

(頼むから、全員無事に帰ってきてくれ)

 無線を置き、ゲ○ドウポーズを取りながら、何度目になるか分からないが、全員の無事を祈る。

 

「……」

 再び静寂に包まれる。やけに時計の針の音が大きく聞こえる。

 

「……」

 

 秘書艦用の椅子に座る葛城も、無言のまま不安そうな顔をして、俺と無線を交互に見ている。

 何か、気の利いた事でも言って安心させてやりたい。

 しかし、なんて声をかけてやれば良いか分からない。

 

(浦樹なら、こういう時、気の利いた事を言えるんだよな……)

 俺の同期で親友の、浦樹──加藤中佐の事を思い浮かべる。今度、大規模反攻作戦が終わったら、教わろうかな?

 

(……おい。今はそれどころじゃねぇぞ。余計な事を考えるな!)

 今は目の前の事──指揮を執る事に集中しろ!気を引き締めろ!!皆を死なせたいのか!!!

 

(落ち着け、冷静になれ)

 深呼吸して心を落ち着けよう──ッッッ!?無線が入った!

 

『こちら、第一艦隊旗艦、千歳です』

 

「こちら提督だ。何かあったのか!?」

 第一艦隊に指示を出して、10分少々経った頃。再び千歳さんから無線が入った。

 まさか、誰かが被弾したのか!?それか、敵の増援が現れたのか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の航空攻撃で、敵艦隊──フラチ(チ級flagship)2、フラチ改(チ級flagship改)1、フラリ改(リ級flagship改)1、エリツ(ツ級elite)1、フラタ改(タ級flagship改)1()を撃破。レ級は、1()を小破させました。残念ながら、もう1()のレ級と空母棲姫1()は、庇われて無傷です。

 被害報告ですが、レ級と空母棲姫の敵艦載機による攻撃で、足柄さんと初霜ちゃんが小破したけど、他の娘達に被害はありません』

 

「」

 

『もう1()のレ級と空母棲姫は、不利だと悟ったのか、__海域に向かって逃走しました』

 

「」

 

『……提督?』

 

「……あ、あぁ、すんません(・ ・ ・ ・ ・)。聞いています、はい」

 ごめん。一瞬、脳が千歳さんの言葉を理解し切れなくて、フリーズしちゃった。

 

……えーと、12隻居た敵艦隊の内、6隻を撃破したのか。

……あれ?10分ちょっとしか経っていないよ?敵艦隊とは約50,000mも離れていたと言っていたから、艦載機でも目標地点に到達するのにそこそこ時間が掛かる筈。移動時間を含めて、10分ちょいで6隻も撃破するの早くない?早過ぎでしょ?殲滅速度早過ぎィ!

 凄ぇや。流石千歳さんだ。何でこんなに凄い艦娘がウチに居るんだろう?

 

……わーお。無線から砲撃音に混じって、由良と夕立のとっても楽しそうな(・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・)笑い声が聞こえてきた。あれま、楽しそうな(・ ・ ・ ・ ・)笑い声を聞いた葛城が震えている。俺も一緒に震えていいかい?

 

『もう。しっかりしてください。……現在、逃げた腰抜け共(・ ・ ・ ・)を追いかけようと思ったんだけど、大破した──『クハハハハッ!!!』──フラリ改1()と、中破した──『ヒャッハハハハハ!!!』──エリツ1()、同じく中破のフラタ改1()、小破のレ級1()が殿を務めていて、追撃出来そうに──How do you like Firework?(お前が花火になるんだよッ!)──ありません』

 

「待って。ちょっと待って。とっても楽しそうな(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)笑い声のせいで、千歳さんの報告が全く頭に入って来なかったです」

 由良さんと夕立ちゃんが、とっても楽しそうで提督は安心しました。あと、最後にめっちゃ流暢な英語で叫んだの、初霜だね。うん。間違いない。彼女(初霜)の声、結構特徴あるし。

……信じていた。俺は信じていた。初霜は普段はともかく、戦闘時はまともだと信じていたんだけどなぁ……。そっち(第603鎮守府のヤベー奴)側だったかぁ〜。そろそろ提督さん、胃と精神が壊れちゃいそう。いっその事、俺もそっち側になろうかな?その方が楽しそうだし。

 

 俺、ヤベー側になったら、由良に瑞雲ラリアットのやり方を教わるんだ。

 それから、扶桑さんに剣術を教わって、妖怪首置いてけになるんだ。

……そうだ、涼月にゾンビの極意(・ ・ ・ ・ ・ ・)を教わって、デンジャラス・ゾンビになろう。そんでもって、檀○斗みたいに「宝○永夢ゥ!何故君が(ry」の台詞を叫ぼう。

 

……正気に戻れ。今は戦闘中だ。しっかりしろ。俺までヤベー奴らの仲間入りしたら、ツッコミ役が。ストッパー役が不在になって、確実に第603鎮守府が魔境と化す。

 もし俺までヤベー奴側になったら、良識人達──矢矧と海風、木曾。あと一応、山城と鈴谷。それから阿武隈と大鳳も良識人に含まれているな。この7人の胃と精神をブッ壊す事になるぞ。それだけは絶対にダメだ。あんなに良い娘達に負担を掛けるのは、やめよう。

 

……今頃気付いたけど、良く考えるとウチの鎮守府、まともな娘少なくね?俺を含めて26人中、8人しかまともな奴が居ない。ヤバくね?いや、ヤバい(確信)。

 誰か、まともな艦娘が異動。若しくは着任してくれないかな?

 

……なんか、フラグが立ちそうだから、これ以上考えるのはやめよう。これ以上ヤベー艦娘が来たら、俺の胃と精神が持たない。いいか、これ以上ヤベー艦娘が異動して来るなよ?フリじゃねーぞ?

……あっ、まともな艦娘なら大歓迎です。高待遇を確約します。三食昼寝付き。今ならなんと!おやつも付きます!勿論おやつは日替わりです!さぁ、まともな(・ ・ ・ ・)艦娘さん、笑顔(但し、マジ○チスマイル)と、笑い声(但し、色々アブナイ(・ ・ ・ ・))の絶えない、素敵な第603鎮守府にカモーン!!

 

……だから、ふざけている場合じゃねぇって言ってんだろ。大馬鹿野郎が。真面目モードになれ。

 

『もう。しっかりしなさい?もう一度言うわ。

 レ級1()と空母棲姫1()は無傷のまま逃走。ゴミ(・ ・)3()と、もう1()の小破したレ級が──あっ、皆がレ級以外のゴミ(・ ・)を片したみたい。

……レ級1()が殿を務めて追撃を阻止してくるわ。申し訳ないけど、かなり活きがいい(・ ・ ・ ・ ・)から、処理(・ ・)に時間が──『あたしの前髪を焦がしやがったなゴルルッルルアアアアアアッッッ!!!』──……時間が掛かりそうだから、第二艦隊の娘達に逃走した腰抜け共(・ ・ ・ ・)の対処をお願いして。いい?』

 

「……わか、った」

 声が掠れちゃった。けど、仕方ないよね?苦戦すると思ったら、殆ど被害を受けず、敵艦隊を壊滅寸前まで追い込んだのだから。もう突っ込まない。何も考えない。阿武隈の巻舌全開で、ドスの効いた声なんて聞いていない。

……阿武隈を良識人の枠から外そう。そうしよう。

 

「……ね、ねぇ。今、すんごい報告と笑い声とかが聞こえたんだけど……聞き間違いかしら?」

 

 葛城が顔を引き攣らせながら、声をかけてきた。うん。聞き間違えていないよ?安心して?

 

「……連絡しよう」

 呆然としている暇は無い。急いで第二艦隊に伝えなきゃ。

 

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

side 山城

 

 

「……」

 アイツ(提督)から指示が来た。どうやら第一艦隊が派手に(・ ・ ・)やってくれたから、レ級一隻と空母棲姫一隻が敗走。そして──

 

 

「私達の方に向かっている、か……」

 アイツ(提督)によると、二隻とも無傷らしい。その他の深海棲艦?レ級一隻を除いて、全部沈めたみたい。

 突っ込どころしか無いけど、突っ込むのはやめておくわ。じゃないと、私の精神が持たない。

 

「ははっ!流石第一艦隊。凄ぇや」

 

「摩耶。顔中、冷や汗だらけよ?大丈夫?ハンカチ貸すわよ?あと、出撃前に持ってきたお茶飲む?喉乾いていない?塩飴舐める?」

 

「いや、大丈夫だ。ありがとよ、山城」

 

「……そう」

 断られてしまった。お節介だったかしら?

 

「第一艦隊の皆が、敵でなくて良かったよ……」

 

 激しく同意するわ、木曾。もし第一艦隊の連中が敵だったら……想像したくないわね。

 

(というか、戦闘力高過ぎよ!どうやれば10分足らずで壊滅寸前まで追い込めるの!?)

 分からない。全く持って理解不能。

 

(自信無くすわ。ふふ……不幸だわ……)

 結構頑張っているんだけど、未だ扶桑姉様や、あそこ(第603鎮守府)ヤベー奴ら(・ ・ ・ ・ ・)のような戦闘力を得る事が出来ない。

 

(まだまだ鍛錬が足りないのかしら?)

 若しくは、やり方が悪いのか。

……しっかりしなさい、私。今は己の無力さを嘆く時じゃない。

 

(今、私が。いいえ、私達がやるべき事は、敗走した戦艦レ級一隻と、空母棲姫一隻の殲滅よ。気持ちを切り替えなさい!)

 

「──来た」

 

「!?」

 扶桑姉様の気配が変わった。さっきまで穏やかな頬笑みを浮かべていたけど、今は鋭い目付きで、第一艦隊が居ると思われる方向を睨んでいる。

 直後、電探が反応。数は2つ。艦娘識別信号は──無い。深海棲艦ね。速度は約35ノット前後で航行している。結構早いわね。

 距離は約10,000m。今日は深海棲艦の瘴気が濃いからか、普段よりも電探の索敵可能範囲が狭い。おまけにレーダーにノイズが走って、正確な位置を特定出来ない。

 

「総員、戦闘用意!山城は第一主砲に照明弾、第二・第三主砲に徹甲弾を装填。摩耶さんと時雨は対空戦闘の用意。木曾さんと満潮ちゃんは雷撃の用意をして?探照灯は、私が合図するまで使用しないで?いい?」

 

「「「「「りょ、了解!」」」」」

 

 鋭い声で、姉様が静かに言った。なんて冷たい声。それに、殺気が含まれている。そのせいで私を含め、皆の返事が──

 

「山城、考え事をしている暇は無いわよ?ほら、砲撃の用意をしなさい」

 

「はっ、はひっ!?」

 ひいぃ!姉様が怖い!あ、あわわ、慌てるな、落ち着くのよ。冷静に。そう、冷静になりなさい。

 

(だ、第一主砲に照明弾を。第二・第三主砲に徹甲弾を装填、発射用意急いで!)

 妖精さん達に指示を出し、準備を整える。

 慌てるな。焦るな。落ち着くのよ。

 

(距離、約9,000m。結構近い(・ ・ ・ ・)わね)

 戦艦娘にとって、10,000m以内は近距離と言って良い。この距離と敵の航行速度、そして風速と波なら──

 

(確実に当てられる!)

 今まで数え切れない程、主砲を撃ってきた。だから感覚で分かる。当てられる。……装填が完了したみたい。次は狙いを定める。

 

(距離、敵艦の速度、風速、湿度、波──良し)

 狙いは既に定まった。あとは撃つだけ。

 

「山城、いい?」

 

「はい。何時でも撃てます!」

 

「そう。私が合図したら、照明弾を撃ちなさい。その後、私が斉射して足止めをするわ。敵の足が止まったら、そこを徹甲弾で狙撃しなさい」

 

「了解!」

 第一主砲の射角を、やや上に向ける。この角度なら、丁度敵艦隊の上空で炸裂する。

 

「行くわよ?用意──撃てッッッ!!!」

 

「第一主砲──撃てッッッ!!!」

 姉様の合図を聞き、素早く照明弾を撃つ。

 轟音。それと同時に発砲炎が発生し、真っ暗な海を一瞬だけ照らした。

 

(狙いは完璧。あとは照明弾が炸裂するのを待つだけ)

 その間に、第一主砲に徹甲弾を装填、第二・第三主砲の角度を調整し、何時でも撃てるようにする。

……まだ?まだ炸裂しないの?

 

(──発砲炎!)

 艦娘の力で強化された視力で、遠くから一瞬だけ光が見えた。それから少し遅れて、発砲音が鼓膜に響いた。

 

(撃ってきた!)

 あの発砲炎の大きさから推測するに、レ級が撃ったわね。恐らく、私の発砲炎を見て、位置を特定したのでしょう。それにしても、私の発砲炎を確認してから撃ってくるまでの時間が早い。かなりの手練かもしれない。

 

(……のんきに考えている場合じゃないわよ!早く皆に回避行動をとるよう、言わなきゃ──)

 

「敵の発砲炎を確認!総員、回避行動!」

 

──と思ったら、姉様が言ってくれた。ああもう!何をやっているのよ、私!しっかりしなさい!

 

 急いで回避行動をとる。

 直後、まるで太陽のような眩い光が、上空に現れた。照明弾が炸裂した!

 

(敵は……敵は何処!?──居た!)

 距離、約7,000m。レ級と空母棲姫の姿を確認。更に、鈍色に輝く物体が複数、こちらに向かって飛んでくるのが見えた。あれは──砲弾ね。

 

(皆の位置は──良し、当たらない)

 レ級の砲弾を見て、弾着地点を予測。あの位置なら、当たらない。至近弾にもならない。

 

(安心している場合じゃないわ。第二・第三主砲、発射用意!)

 回避行動をとりながら、妖精さん達に指示を出し、狙いを定める。

 もうそろそろ、姉様が斉射を行い、敵の足止めを行う。

 

「主砲、斉射!──撃てッッッ!!!」

 

──撃った!

 斉射した事により、一瞬だけ周囲が明るくなり、ほぼ同時に凄まじい発砲音と衝撃波が、私の全身に襲いかかってきた。

 けど、艦娘の力と妖精さんの力で緩和され、鼓膜や眼球にダメージは受けない。

 

(弾着まで、10、9、8、7、6、5、4、……弾着──今ッ!)

 約6,500m先に、大量の水飛沫が上がるのが見えた。

 姉様が放った砲弾は、レ級と空母棲姫のすぐ近くに落ちた。至近弾だ!しかも、数発が空母棲姫の飛行甲板に直撃した。

 

(流石です、姉様)

 見た所、中破したみたいね。これで空母棲姫は艦載機を発艦する事が出来なくなった。けど、レ級はほぼ無傷。奴が艦載機を放ってくる恐れがある。警戒しておこう。

 

(さぁ、私の役割を果たすわよ!)

 姉様の斉射により、レ級と空母棲姫の動きが止まった。距離があるから、弾着まで少し時間がかかる。だから、奴らが今居る位置にではなく、奴らが動く先を予測し、そこに狙いを定めて偏差射撃を──

 

「山城!今よ!痛いのを、ぶっ喰らわせてやれ!!」

 

「だっ、第二・第三主砲、よーい──撃てッッッ!!!」

 姉様!やめてください!突然、バ○ルシップの迷台詞を言わないで!?

 吹き出しそうになるのをなんとか堪え、主砲を放つ。

 

(──7、6、5、4……弾着──今ッ!)

 放たれた砲弾は、予測通りの位置に向かっていたレ級と空母棲姫に直撃した。けれど──

 

(……チッ。浅いか)

 レ級は咄嗟に身を引き、砲弾の威力を減衰させた。

 空母棲姫は中破した飛行甲板を投げ付け、レ級と同じく砲弾の威力を減衰。致命傷を防いだ。

 

(第一主砲は……撃てる!)

 丁度今、装填が終わった。けど、照明弾の光が消えた。今撃つのは悪手ね。

 

「雷撃用意!木曾さんはレ級に、満潮ちゃんは空母棲姫に。時雨は未だ雷撃戦に参加せず、そのまま対空戦闘の用意。山城、照明弾を準備して!」

 

「「「「了解!」」」」

 

 姉様が指示を出した。木曾と満潮の二人は酸素魚雷を搭載しているから、当たれば甚大な被害を与えられる筈。

 

(時雨も酸素魚雷を搭載しているけど、時雨は摩耶と一緒に対空戦闘要員として働いてもらうから、雷撃戦に参加していない)

 第二主砲に照明弾を装填しながら、頭の中で艦隊の皆の役割を把握。

……今の所、レ級から艦載機は放たれていない。けど、何時飛ばしてくるか分からない。早く奴に損害を与え、発艦を阻止しないといけないわ。

 

「魚雷の特売セールだ。遠慮せず、受け取りな!!」

 

「深海に帰りなさい!」

 

 木曾と満潮が魚雷を撃った。その直後、電探に複数の反応が入った。これは──

 

(艦載機!?)

 方角は、レ級から。もしかしたら、千歳さんの艦載機かと思った。けれど、艦娘識別信号は無い。飛ばして来やがった!

 

「姉様!」

 

「分かっているわ」

 

 焦った声で姉様を呼ぶと、冷静な声が返ってきた。何故そんなに冷静なんですか!?

 照明弾の光は完全に消えてしまった。そのせいで、敵艦載機の位置が把握出来ない。こんな状態じゃ、対空戦闘なんて出来やしない。

 

(撃てば、発砲炎で位置を悟られる!照明弾は!?まだ装填は終わらないの!?)

 妖精さん達に確認すると、あと10秒はかかると言われた。マズいマズいマズい!どうする!?

 

「──山城」

 

「ね、姉様?」

 焦っていると、再び姉様に声をかけられた。相変わらず冷静な声だ。何故そんなに冷静なんですか!?

 

「いい?山城。皆。良く聞いて。これから、私は皆から離れて、探照灯を照射。敵の注意を引き付けるわ」

 

「そ、そんな!?そんな事をしたら、集中砲火されます!」

 

「私なら大丈夫よ。心配しないで?」

 

「ね、姉様?」

 

「山城。私を信じて?」

 

「……分かりました」

 真剣な顔で私を見てきた。……そこまで言うのなら、信じます。

 

「では、行ってくるわ」

 

……あの、姉様?飛行甲板を放り投げてどうしました?不法投棄は良くありませんよ?艤装に装着された探照灯を外して、頭に付けて何をする気ですか?装束のせいで、丑の刻参りする人みたいですよ?

 

「ふふっ……ふふふふふ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

首狩りの時間です♪」

 

 

……あっ、スイッチ入った。薩人スイッチ(・ ・ ・ ・ ・ ・)入っちゃった。

 

「」

「」

「」

「」

 

……皆、固まっているわ。

 

(……あっ、爆発音)

 酸素魚雷が当たったみたいね。結構派手な爆発が二箇所から起きた。けど、反応は消えていない。まだ沈まないの?しぶといわね。

 

「摩耶さん、時雨、対空戦闘の用意をお願い」

 

「「りょ、了解!」」

 

 姉様、皆の士気が下がっています。どうしてくれるんです?

 

(──ッ!?エンジン音!)

 微かにだけど、敵艦載機のエンジン音が聞こえた。だいぶ近付いて来ている。

 

『探照灯、照射!』

 

 姉様は何時の間にか私達から結構離れた所──目測、約200m先に居て、探照灯を照射し始めた。あの、姉様、一体どうやって僅かな時間でそこまで移動したのですか?アレですか?御爺様から教わっていた縮地を使ったのですか?

……敵艦載機が、姉様に向かって殺到し始めた。かなりの数ね。目測、100機以上。普段なら絶望していた。けど、なんだろう。姉様が被弾するビジョンが見えない。謎の安心感がある。

 

「……敵艦載機、発見。対空戦闘、用意」

 

 呆然としていると、摩耶が震えた声でそう言った。 

 色々言いたい事があるけど、今はやめておこう。

 

 

『私は此処だァ!!!』

 

 

 見ちゃった。見てしまった。

 新月のように口を吊り上げ、瞳孔をかっ広げて嗤う(・ ・)扶桑姉様を。

……あっ、斬撃で艦載機と爆弾を斬り割いた。

 

(怖いです、姉様)

 佐世保に居た時よりも怖いです。……ボーッとしている場合じゃないわよ。皆に指示を出さなきゃ

 

「……摩耶、時雨、固まっていないで、対空戦闘を開始して?」

 

「……お、おう」

 

「わ、分かった」

 

 良し、対空射撃を開始してくれた。

 照明弾は──装填完了。急いで撃とう。射角を調整して──

 

「第二主砲、照明弾、用意──撃て!」

 上空目がけて発砲。これで良し。あとは──

 

(──発砲炎?)

 私の視界の左端が光った。思わず光の見えた方を向くと──

 

「───???!」

 

「「山城さんッ!!?」」

 

 

……あ、私、吹っ飛んでる。宙に浮いている。

 同時に、顔の左半分に激痛が走った。何が起きたの?

 

「───ガッ!?ゴボッ!!?」

 頭が状況を把握する前に、顔面から海に突っ込んでしまった。痛い!苦しい!

 

「──ぶはっ!?」

 慌てて起き上がる。うぇっ、しょっぱい。痛い。

 

「山城さん、大丈夫ですか!?」

 

 木曾の焦った声が聞こえてきた。……あれ?左耳が聞こえない。それに、左目が見えない。おまけに、左手が動かない。動かそうとすると激痛が走り、とても熱い。これ、折れているわね。

 

「山城さん!しっかりして!」

 

「み……ち……しお……なに、が……?」

 起きたの?そう言いたかったけど、言えなかった。

 

(歯が、無い!?)

 左半分の歯が殆ど無くなっている。その事に驚き、言葉が出なくなってしまった。

……明るくなった。照明弾が炸裂したのね。

 

(血塗れだ……)

 照明弾のお陰で、自分の身体が見えるようになった。

 まず、装束を見ると、白い着物が真っ赤に染っていた。これ、血?

 

(い、痛い!!)

 再び激痛が襲ってきた。痛む箇所──顔の左側に手を当てると、ぬるりとした、感触が。……かなり出血している。

 

(もしかして──)

 

「レ級が砲撃して、それが山城さんの顔に直撃しました!」

 

(嗚呼、やっぱり)

 木曾が教えてくれた。うわぁ、顔面直撃かぁ。ふふふふ……不幸だわ……。

 

「こちら第二艦隊、木曾だ!提督!山城さんがレ級の砲撃で負傷した!」

 

『何ッ!?負傷状態(・ ・ ・ ・)は!?』

 

「大破だ!顔に直撃して、左目が潰れ、左腕が折れている!」

 

『──ッッッ!!?』

 

(うぅ、ふらつく……)

 木曾が無線でアイツ(提督)に私の事を報告している。嗚呼……知られたくなかったのに……。失望されたかしら?

 

(……今はそれどころじゃないでしょ!)

 何時までも立ち止まっていたら、狙い撃ちにされる。急いで動こうと思ったけど、ふらついて上手く動けない。

 

 自分の負傷状態(・ ・ ・ ・)を確認している間、木曾は提督と無線でやり取りをしていた。

 どうやら第一艦隊を私達の所に向かわせようとしたけど、向こうが相手しているレ級が生命の危機を感じたのか、ノーマルクラスからエリートクラス(レ級elite)に覚醒。それにより、激しく抵抗され、向かえそうに無いと言われてしまった。

 

(艤装は……大破している。けど、無線は辛うじて無事ね)

 妖精さん達に確認してもらったところ、全部の主砲──砲身がひしゃげていて、発砲出来ないと言われた。これじゃあ、戦えないわね。

 幸い、機関には深刻なダメージが入っていないから一応航行出来るけど、10ノットも出せない。

 

(くそっ。くそっ!くそぉ!!!)

 何故あの時。視界に光が見えた時、その方向を見た?あれは発砲炎だった。なのに、私は回避行動も、防御姿勢もとらなかった。その結果がコレよ!

 

(情けない──雷跡!?)

 辛うじて見える右目が、私達目がけて向かってくる魚雷を捉えた。しかも、量が多い。重雷装巡洋艦娘である木曾並──いいえ、それ以上の数の魚雷が、扇状に広がって接近。しかも、複数回に分けて放たれている。まるで、魚の群れのようね。

 

「ぎょら……よ!にげ……!」

 くそっ!声が出ない!!

 

「ッ!?木曾さん!」

 

「分かってる!」

 

 私の視線の先を見て、何が起きたのか理解し、満潮と木曾は魚雷目掛けて発砲し始めた。どうやら衝撃を与えて爆発させる気みたい。けど、数が多い上に、レ級が主砲と副砲を放ってくるから、狙いを定められない。

 

 満潮が姉様に無線を入れ、援護を求めたけど、距離があり、更にレ級の放った艦載機と空母棲姫を同時に相手しているから、間に合いそうに無い。

 

 木曾が摩耶と時雨に援護を要請しようとしたけど、二人は尋常ではない数の敵艦載機を相手にしていて、とてもじゃないけど要請出来そうにない。

 

(木曾と満潮の機動力なら逃げられる。今なら間に合うから、私を放って逃げなさい!)

 そう言おうとしたけど、声が出ない。

 私、足手纏いになっている。

 

(いっその事、楽になろうかしら?)

 血を流し過ぎたせいで、視界が暗い。それに、激痛が襲ってきて辛い。もう、楽になりたい。そうだ、あの魚雷に当たれば、楽になれる……。

 

「くそっ、数が多過ぎる!」

 

「ああもうっ!キリがないっ!」

 

 木曾、満潮、もういいわ。もう、いい。逃げて。

 けど、今から逃げても間に合いそうにない。……そうだ。私が盾になればいいんだ。そうだ、そうしよう。

 

(動け。動きなさい。動けって言ってんでしょうが!) 

 己の身体に鞭を打つも、ピクリとも動かない。そんな……。

 

 私、最期(・ ・)まで迷惑を掛けているわ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『山城!諦めるな!』

 

 

 

……あら、アイツ(提督)の声が聞こえる。

 最期(・ ・)にアンタの声が聞けて良かったわ。

 

(……何を考えているのよ)

 バカじゃないの?

 

『死ぬな、山城!頼む!死なないでくれ!!』

 

(あーあ。そんな泣きそうな声を出さないで。男でしょ?)

……ったく、だらしないわよ?キ○タマ付いてるでしょ?

 

 もし、私が死んだら、アイツ(提督)はどうなる?きっと、みっともなく泣くでしょうね。

 

(ははは。想像したら笑えてきたわ)

 顔をくしゃくしゃに歪めて泣いている姿を想像したら、笑えてきた。

 

……死にたく、ないなぁ。死にたく、ない。

 死んで、たまるか。

 死んだら、皆が悲しむ。

 死んだら、御父様達が悲しむ。

 死んだら、姉様が悲しむ。

 死んだら──

 

(──アイツ(提督)が悲しむ)

 それはダメ。絶対にダメ。

 

 生きろ。

 生きなさい。

 生きる為に──

 

(──抗え)

 その術を、私は持っている。

 けど、身体が痛い。とても痛い。

 

 歯が折れている。

 左目が潰れている。

 左腕が折れている。

 とても痛い。痛いけど──

 

(──私は未だ、生きている)

 何時だったか。私が幼い頃、御祖母様が教えてくれた言葉がある。 

 

 

痛みを感じる、という事は、生きている証

 

 

『──!──城!山城ッッッ!!!』

 

「……きこ……えてる、わ……」

 だから、そんな泣きそうな声を出さないで、()

 

 ()は、死なない。生きて、帰る。だから──

 

「──ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙ッ゙ッ゙ッ゙!゙!゙!゙」

 

 

全力で、抗え!(暴れろ!)

 

 

『やっ、山城!?』

 

 はいはい、山城よ。あー、叫んだせいで喉が痛い。

 気合を入れた(叫んだ)から、少しだけ身体が動くようになった。

 

「……ッ」

 痛い。けど、気にするな。この程度の痛みで、根を上げるな。

 歯を食いしばり、痛みに耐えながら立ち上がり、素早く飛行甲板を外し、迫ってくる魚雷目がけて投げる!

 

「──えっ?」

 

「──は?」

 

 木曾と満潮が驚き、振り返ってきた。それもそうだ。突然背後から高速で何かが飛んできたのだから。

 

(飛行甲板は──当たった)

 戦艦のパワーで投げた飛行甲板は、迫り来る魚雷の一つに直撃。爆発を起こした。その爆発が連鎖し、次々に魚雷が爆発。ふふっ、やったわ。

 

(まだ来るわね)

 複数回に分けて放たれたからか、まだまだ魚雷が迫って来ている。なら──

 

「こいつ、で──どうだッ!」

 右手で、ひしゃげた砲身を一本掴み、引っこ抜き、それを投げ付ける。

 直撃。爆発。

 再び魚雷が迫って来た。

 もう一度砲身を掴み、引っこ抜き、投げる。

 直撃。爆発。

 まだ、来る。

 

 それから、魚雷目がけてひしゃげた砲身を投げ付け、処理をした。被害は──無い。

……疲れるわね。それに、痛い。

 

(……まだよ。まだ、終わっていない)

 レ級が、まだ健在だ。倒れるのは今じゃない。あのムカつく笑みを浮かべる化け物が、まだ生きている。

 

(ムカついてきた)

 私の左目を潰しやがったお礼をしないといけないわね。まぁ、入渠すれば治るけど、痛みは完治するまで続く。

 

(ふっ……ふふっ……うふふふ……あははははは……)

 嗚呼。ムカついてきた。こんな目に遭わせておいて、ヘラヘラ笑っている。ふざけるな。

 

「くふふふふ……くふふふふふふふふふ……」

 そうだ。奴の目ん玉を、ほじくってやりましょう。そうすれば、私がどんなに痛い思いをしているか分からせる事が出来る。あははっ!!

 

……照明弾が消えた。あーあ。これじゃあ何処にいるか分からないわね。まぁいいわ。必ず見つけ出して、目ん玉をほじくってやる。

 

 艤装の機関、出力全開。……えっ?無理?全開にしたら、爆発する?知るか。いいからやりなさい、妖精さん達。……やれ。従え。命令。しばくぞ。

……よし。これで追いかけられる。

 

「ふふふふふふふふふふふふふふ……何処だ……何処に居る?出てこい……出てきなさい……出てこいよ……レ級ぅ……出てきなさい?出ろ。出ろっつってんだろ……

 

 

 

 

 

 

戦艦レ級出ておいで〜♪ないと目玉ほじくるぞォォォォオオォォ!!!」

 

 

 

side 山城 out

 

 

───────

────

 





次回予告


 第二艦隊の皆さん、大丈夫ですか?
……扶桑さんは、空母棲姫の首を撥ねた。何時も通りね。
 摩耶さん、木曾さん、時雨ちゃん、満潮ちゃん達は無事みたい。良かった。
……あら?山城さんがレ級を追い回している。
──あっ、レ級を押し倒した。あらあら、レ級の左目をほじくっているわ。とっても楽しそう。……じゃなくて、援護しなきゃ。
 ほら、艦載機の皆さん、殺っちゃってください♪うふふっ♪


第89話・SAN値直葬


「見て見て、提督!これ、レ級のお目目!とってもキモイわ♪うふふっ♪うふふふふふふっ♪」


【補足的なナニか】

・How do you like Firework?…直訳すると、「花火はお好きですか?」
 この小説の初霜は大変ロックな思考(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)をしている為、「お前が花火になるんだよ!」という意味で使用。酸素魚雷をフラタ改(タ級flagship改)にブチ込み、花火にした。
初霜「きたねぇ花火だ」

・瑞雲ラリアット…第603鎮守府所属、長良型軽巡洋艦四番艦、由良が使用する奥義の一つ。
 由良本人によると、横須賀鎮守府に所属する、瑞雲を愛してやまない、とある航空戦艦に無理矢理教えられたらしい。
 
・宝生永夢ゥ!何故君が(ry…元ネタは「仮面ライダーエグゼイド」で、「檀黎斗(だんくろと)」が叫んだ迷言。詳細は「宝生永夢ゥ!」で検索←

・痛いのを、ぶっ喰らわせてやれ!!…元ネタは、映画「バトルシップ」に登場する、熟練見張員戦艦ミズーリの元搭乗員のおじいちゃんが言い放った台詞。
 チキンブリトーはいいぞ。

以上、補足終了。
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