追跡鶴   作:EMS-10

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 リアルの都合で、暫く不定期更新になります。


※警告※
一部、原作とは異なる設定・描写が含まれています
今日も鎮守府は平和です
勢いしか無い
頭の悪い内容盛り沢山
お前らのママ(・ ・)だろ、早くなんとかしろよ

※この小説内の季節は、8月下旬頃となっています。予め、ご了承下さい。



第91話・I'm your Mother

 

I'm your Mother(ママだよ♡)

 

 

「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

 違う!お前はママじゃない!確かに、君からは母性を感じる。以前のお淑やかな君だったら、間違いなくバブみを感じてオギャっていた!けどね?今の君は何処か腹黒くて、微笑みを見せてくれても、裏がありそうで恐怖を感じちゃう!それに、

 

 

(<(((⚫)))><(((⚫)))>)

 

 

 ハイライトを消して、瞳孔かっ広げたお目々で見つめられたら、生命と貞操の危機を感じてバブみを感じない!本能で分かる!ヤバいって!だからオギャれない!つーか、めっちゃ流暢な英語だなぁ!オイ!

 

……どうでもいいけど、さっき娼鶴(・ ・)が言った「Mother」の部分を「Father」にすれば、ST○RWARS Episode5の再現になるね。俺がルー○で、娼鶴(・ ・)がダー○ベイダーか。

 あの〜、原作再現(右腕切断)するのだけは、やめてね?なんか、今の君なら、マジでやりそうで怖い。

 妖精さんの医療技術で作られた、超高性能な義肢があるけど、使いたくない……じゃない!現実逃避している暇があるなら、さっさと逃げろ!育児(・ ・)されちまう!

 

「大丈夫よ、ママが沢山愛情を注いであげるから♡」

 

 嬉しそうに嗤いながら。尚且つ、鎖やら手錠やらを、ジャラジャラ鳴らしながら迫られても、愛情を感じる前に恐怖を感じるんですけど。

 

……あっ、こら、やめなさい、近寄らないで?

 くそっ。さっきから身体が熱い。おまけに、頭がボーッとしっ放しだ。更に、その……下品なんですが……下半身の一部に血が流れ込みまくってて、色々アカン事になっています。何でこんなになっているんだ?今朝からずっと、こんなんだぞ?おかしいぞ?

 目の前の娼鶴(・ ・)は、翔鶴型航空母艦の装束姿──胸当てだけ付けていない──だから、劣情を催す姿じゃないというのに。

 

……って、今はそれどころじゃない。さっさと部屋から出──られないね。出入口付近に娼鶴(・ ・)が立っているから、窓をぶち破って逃げよう。

 

「恐れないで。童○が死ぬ(卒業する)時間が来ただけよ……」

 

 オメーは何処の死○部隊三番機だよ!?まだ○貞を失うわけにはいかない!ハジメテ(・ ・ ・ ・)は瑞鶴──瑞稀に捧げると決めているんだ!何が何でも逃げて、○操を死守してやる!

 

 

 

────────────

 

───────

 

───

 

 

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、会議室──

 

 

08:40。

 

 

「──というわけで、編成を変更する」

 会議室に集まるよう放送を入れて、全員が集まったので、先程小嶋提督からの報告──敵潜水艦が出現した事を伝えた。

 ブリーフィング中、ずっとハイライトの消えた目で。尚且つ瞳孔おっ広げたまま。薄ら笑いを浮かべ、ねっとりとした視線を俺に向けてくる淫乱鶴(娼鶴)が怖いけど、千歳さんが睨み続けて(監視してくれて)いるから、今の所襲われてはいない。

……今はブリーフィング中だ。真面目になれ。淫乱鶴の事なんか気にするな。

 

 しっかし、暑いな。クーラー──冷房26℃に設定してつけているのに、汗が止まらない。熱中症になったのかな?後で首筋に冷えピタ貼ろう。それから、水分補給もしておくか。

 

(次に編成だけど、旗艦は加賀さんに頼もう)

 本当は、空母(軽空母)でも潜水艦の対処が可能な千歳さんに頼みたかったけど、なんか(やつ)れているというか、死にそうな顔をしているというか……とにかく、娼鶴(・ ・)の対応をしてくれているから、肉体的・精神的に疲れている。休ませた方が良さそうだから、加賀さんにした。

 

(加賀さんも、空母なのに潜水艦の対処が可能だ)

 まるでソナーと爆雷を装備した艦娘並の殲滅力を持っている。おかしくね?瑞鶴達は「無理」だと断言しているのに。

……まぁ、「千歳さんと加賀さんだから仕方ない」と受け入れよう。深く考えるな。考えたら精神衛生上、よろしくない。

……おっと、さっさと出撃メンバーを発表しないと。

 

「出撃してもらうメンバーだが、旗艦は加賀さん。夕張、矢矧、阿武隈、満潮、早霜。以上6名だ。その他の娘達は緊急時に備えて、待機していてくれ」

 哨戒を兼ねての編成だ。このメンツなら、たとえ潜水艦が出現しても、一瞬で葬ってくれる。

 

(特に夕張と早霜。第603鎮守府の対潜番長の異名を持っている)

 なんと、あの千歳さん(魔王)ですら、一目置くほどの対潜能力を持っているのだ!

……あっ、加賀さんは未だ、夕張と早霜の対潜戦闘を見ていないから、二人の実力を知らない。恐らく今回の出撃で敵潜水艦と遭遇すれば、その実力を見て、夕張と早霜の対潜能力の高さを知ってくれるだろう。

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

「何か質問はあるか?……無いみたいだな。では、解散!」

 さて、執務室に戻ってお仕事の続きをしよう。

 今日の秘書艦は海風だから、思う存分癒されよう。あわよくば、海風でオギャりたい。けど、それはダメだ。

 海風は俺よりも歳下。しかも、未成年。そんな娘にオギャってみろ。絵面がヤバい。犯罪臭がする。

……大鳳?彼女は成人しているから問題無い。海風より背が低いけど、問題は無い。海風よりも童顔だけど、何も問題は無い。

 

(野原主任が、「各鎮守府には憲兵妖精さんが潜入している」と言っていたから、海風にそんな事したら(オギャったら)、捕まる恐れがある)

 だから、我慢だ。

……娼鶴(・ ・)からめっちゃ視線を感じるけど、気の所為だ。襲われたくないので、提督さんは執務室にスタコラサッサだぜ。

 

 

 

──────────────

 

 

 

──ねぇ。どうして私を見てくれないの?

 

 こんなにも貴方の事を見ているのに。

 

──ねぇ、どうして私を無視するの?

 

 沢山アピールしているのに。

 

──ねぇ、どうして私を抱いてくれないの?

 

 貴方になら、何をされてもいいのよ?

 

 

……何を考えているのよ。

 

 最近、自分でも気が付かないうちに、過激な行動や発言をしてしまうようになった。

 さっきも、招集がかかる前、彼と海風さんの会話を盗聴していたら、錯乱状態に陥ってしまった。

 彼を見るまでは、真面目に接しようと思っていても、彼を見た途端、理性の制御が出来なくなって襲ってしまう。過激な発言をしてしまう。

 

 さっきも、普通に彼を見つめようと思っていたのに、気が付けば瞳孔を広げ、凝視してしまった。

 そのせいで、彼は怯えたような顔をして目を逸らした。

 

 違うの。違うのよ、準。私、貴方を怖がらせたいわけじゃないの!お願い、信じて!

 何で!?何で理性を制御出来ないの!?

 もう嫌!嫌ァ!!

 

 

 お願い、準。私を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助ケて

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──第603鎮守府、執務室──

 

 

10:00。

 

 

(えーと、今月の光熱費は……ガスと水道代は、そこまでかかってはいない。電気代だけ、結構かかっているな)

 例年と比べて、電気代だけ跳ね上がっている。けど、仕方ない。

 今年は、例年とは比べ物にならない程の猛暑日が続いた。熱中症になって死なれるよりかは、遥かにマシだ。

 

(各部屋──私室にクーラーがあって、更に所属する艦娘の人数が増えたから、例年より電気代がかかった、と書こう)

 大本営の事務課に、「運営資金をちょろまかす為、電気代を多めに申告した」と思われないよう、理由をしっかり記載。

 もし監査が入っても、領収書がある。それに、びた一文たりとも運営資金に手を出していないから、調べてもらえばシロ(・ ・)だとすぐに分かる筈。

 

……くそっ、身体が熱い。冷房の効いた執務室に一時間以上居るのに、汗が出てくる。

 おかしいな。椅子に座り続けているのに。やっぱり、熱中症になったのか?おまけに、身体が熱いだけでなく、頭が少しだけボーッとするし。

 

(さっきも水分補給したんだけどな。それから、首筋だけでなく、両脇の下と鳩尾に冷えピタを貼るか──ん?)

 電話だ。誰からだろう?まさか、小嶋提督からか!?また深海棲艦が侵攻して来たのか!?

 内心焦りながら、ナンバーディスプレイを見ると──

 

(えっ、江ノ島鎮守府!?)

 第8492離島鎮守府からではなく、江ノ島鎮守府からの電話だった。

 と、とにかく電話に出よう。水分補給とかは後だ。

 

 海風が俺の焦った顔を見て、何事かと目を丸くしているが、事情を説明している暇は無い。既にコールが三回も(・ ・ ・)鳴っている。

 

「こっ、こちら、第603鎮守府、渡良瀬準少佐であります!」

 

『こちら、江ノ島鎮守府、藤原剛大将だ。電話に出るのが遅いぞ、渡良瀬少佐』

 

「もっ、申し訳ありません!」

 電話に出ると、内○賢二さんそっくりの低い声が聞こえてきた。やっべ、この声は怒っている。

 それもそうだ。養成所で藤原大将から、「鎮守府の固定電話が鳴った場合は、最低でもツーコール(コール二回)以内に取れ」と教えられたのだから。

 

『……次からは気を付けろ』

 

「はっ!」

 あっっっっっぶねぇ!お説教されずに済んだ。

……安堵している場合じゃない。しっかりしろ!

 

『……渡良瀬少佐。突然だが、幾つか(・ ・ ・)貴様に聞きたい事があって、電話した。正直に答えてくれ』

 

「はっ!なんでありましょうか?」

 な、なんだろう?俺、何かやらかしたっけ?いや、やらかしてはいない。……多分。もしかしたら、自分でも気が付かないうちに、やらかしていた可能性もある。

 

(とりあえず、真面目な話みたいだから、海風を一旦退室させよう)

 そう思い、アイコンタクトを送ろうとしたら、俺の様子を見て察してくれたのか、海風は執務室の扉を開け、退室する所だった。ありがとう。

 

『まず、一つ目だが。先日、__沖より、本土へ向けて侵攻してきた、レ級ノーマルクラス2隻と空母棲姫1隻を含む、深海棲艦を殲滅したそうだな?これに間違いはあるか?』

 

「間違いありません!」

 確かに殲滅しました。逃走なんてさせていません。1隻残らず沈むのを、出撃した艦娘達が確認しています。

 

『ふむ。その深海棲艦と戦闘を行った艦娘達は、

 扶桑型戦艦一番艦、扶桑。

 同じく二番艦、山城。

 高雄型重巡洋艦三番艦、摩耶。

 妙高型重巡洋艦三番艦、足柄。

 長良型軽巡洋艦四番艦、由良。

 同じく六番艦、阿武隈。

 球磨型軽巡洋艦五番艦、木曾。

 朝潮型駆逐艦三番艦、満潮。

 白露型駆逐艦二番艦、時雨。

 同じく四番艦、夕立。

 初春型駆逐艦四番艦、初霜。

……そして、ちっ、ちとっ、ちとしぇ──ゴホン!……ち、とせ型航空母艦一番艦、ち、ちと、ちと……せ……こ、この12名で、間違いはないな?』

 

「そうであります!」

 藤原大将、言えてない。千歳さんの名前、言えてませんよ。千歳さんの名前を言う時だけ、声がめっちゃ震えて、噛み噛みでしたよ?

 そう突っ込みたかった。突っ込まないけど。

 

『そう、か……』

 

「……」

 突然、藤原大将が無言になった。

 その為、時計の針の音と、俺の背後にある窓ガラスが揺れる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)音だけが、鼓膜に響く。

……あれ?今日風強かったっけ?確か、今日の天気は晴れで、風は弱いって天気予報で言っていたんだけど。

 

『まずは、良くやったと褒めておこう』

 

「ありがとうございます!」

 イカン、考え事をするな。今は藤原大将との会話に集中しろ!

 

『次に、二つ目だが……その……』

 

……ん?歯切れが悪いぞ?珍しいな。何時もなら言い淀まず、ハキハキと話す人なんだけど。

 

『……最近、貴様の鎮守府に所属する、一部の艦娘達から、その……性的な意味で襲われているという噂を耳にしたのだが……これは、本当なのか?』

 

「」

 

『……おい、渡良瀬少佐、どうした?答えろ』

 

「おそ……われていま……す……」

 あの、何故知っているんですか?というか、何故噂になっているんですか?誰だよ、ウチ(第603鎮守府)の日常をリークした奴は!

 

『……渡良瀬(・ ・ ・)お前(・ ・)、まさかとは思うが……以前私がアドバイスした事を、実践していないのか?』

 

「……はい」

 すいません、実践していません。実践しようと思ったけど、ガチの正妻戦争が起きたり、色々あって忘れていました。

 

 

『馬鹿者!貴様、死にたいのか!?』

 

 

「───ッッ!?」

 怒鳴られた!マジでキレているよ、これ。

 

『先日、加藤中佐が艦娘達に襲われ、精神を病み、あわや提督を辞めかけたというのに……』

 

 えっ?そうなんですか?襲われたのは知っているけど、辞めかけたんですか!?初耳なんですけど。

 先日電話した時は元気そうだったけど。……いや、元気じゃないな。瑞鳳さんに呼ばれた時の浦樹の声、死にかけていたし。

 

『最近、幾つかの鎮守府で、提督と艦娘の間で恋愛絡みのトラブルが頻出し、提督が精神を病み、辞職する提督が増えているというのに……』

 

 マジですか!?知らなかった。

 そういった話、あんまり聞かないんだよなぁ。というか、知りたくても噂が中々入ってこない。

 俺の居る鎮守府、辺境にあるし。あと、知り合いの提督が少ないし。良く話す同期は浦樹しか居ないし。

……なんか、悲しくなってきた。

……相変わらず、窓が揺れている(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)なぁ。風が強いのか?振り返って確認したいけど、今はそれどころじゃない。

 

『と、とにかく、渡良瀬(・ ・ ・)!このままだと、取り返しのつかない事になる!早いとこ、ケリをつけろ!ケッコンカッコカリの指輪と書類なら、既に用意してある!何時でも貴様の所に送れる!』

 

「やめてください死んでしまいます!」

 マジでやめてください!第603鎮守府が崩壊しちゃう!

 いや、本音を言えば、嬉しいですよ?嬉しいですけど、今送られてきたら、確実にエライ(・ ・ ・)事になります!

 

『いいや!送る!そしてケリをつけろ!』

 

「せめてジュウコンカッコカリの指輪や書類をください!お願いします!」

 最初は瑞鶴──瑞稀に渡す事は確定しているけど、今送られてきたら、確実に取り合いになる。戦争が起きる。大惨事ケッコンカッコカリ指輪争奪戦争が勃発しちゃう!

 

『よし分かった!用意してやる!』

 

「本当ですか!?」

……じゃなくて。いやいやいや、藤原大将。そんな簡単に用意出来るんですか?頼んでおいてアレですけど、俺に依怙贔屓していいんですか?というか、

 

「あ、あの、藤原大将……その……確か、ジュウコンカッコカリの条件は、結構厳しい物では?自分は未だ、条件を満たしていないのですが──」

……おい。今、窓ガラスが叩かれた音が聞こえたぞ。明らかに、自然に発生する音じゃない。例えるのなら、手で窓を叩く音が──また聞こえた。振り返って確認しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(<⚫>)(<⚫>)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「」

 

『……ここだけの話になるが、最近、提督と艦娘の間で頻発する恋愛トラブルを重く見た大本営が、ジュウコンカッコカリの条件を緩和する事を、検討しているそうだ』

 

「」

 

『……渡良瀬少佐?』

 

「」

 

『おい、渡良瀬少佐、聞いているのか?』

 

 申し訳ございません、藤原大将。それどころじゃないです。窓の外から、

 

 

 

 

(<(((⚫)))><(((⚫)))>)

 

 

 

 

 娼鶴(・ ・)さんが、瞳孔おっ広げて俺を見つめてきています。そんでもって目が合っちゃった。そして、ニッコリと笑ってきました。ヤバいです。もしかしたら、俺と藤原大将の会話を聞かれていたかもしれない──

 

 

「聞いちゃった♡」

 

 

 聞かれていたみたいです。あはははは。

 

『おい!渡良瀬少佐!返事をせんか!……まさか、何かトラブルでも起きたのか!?』

 

 はい、起きています。現在進行形で起きています。

 

「くふふふ……くふふふふふふっ!!」

 

 アッ……アッ……コワイ……トッテモコワイ。

 

『渡良瀬少佐!?』

 

「……藤原大将。自分は、ここまでのようであります。今までお世話になりました」

 

渡良瀬(・ ・ ・)!?お前、何を言っている!?渡良瀬!!?返事をしろ!!』

 

……さて、遺書──を書く暇は無さそうだな。

……あっ、窓開けて入ってきた。とりあえず、逃げよう。逃げられればいいんだけど。

 

 

「キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 

「おぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ゛ッ゛ッ゛!゛!゛!゛」

 

 

『渡良瀬エエエエエェェェェェェェェェェェッッッ!!?』

 

 

 

………………。

 

 

 

──第603鎮守府、医務室──

 

 

 

14:00。

 

 

「ま゙ま゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!゙!゙!゙」

 

「よしよし、いい子いい子」

 

 あぁ^~心がオギャオギャするんじゃぁ^~。今俺の脳からオキシトシンが、どっぱどぱ出てるゥ〜。癒されるゥ〜。

……意味不明な事を言ってる場合じゃねぇよ。何だよ、心がオギャオギャするって。新しい単語を作ってんじゃねぇよ。

 

「こ〜ら。難しい顔して、考え事しない」

 

「……あい」

 怒られちゃった。今は何も考えず、瑞鶴の胸に顔を埋めて赤ん坊になろう。

 

……何が起きたのか、知りたいだと?……分かったよ。話してやる。

 数時間前、藤原大将との通話中、淫乱鶴(娼鶴)の襲撃を受け、卒業(・ ・)しかけた。けど、俺の悲鳴を聞き付け、千歳さんと瑞鶴、海風が執務室にログイン。直ぐに助けてくれた。

 

……どうやって助けてくれたのか、って?

 まず、千歳さんがタンスみたいな艦載機格納庫で淫乱鶴をかち上げ、よろけている隙に、瑞鶴が装甲甲板を淫乱鶴の顔面に叩き付け、鎮圧。

 瑞鶴曰く、「室内だったから爆発させないよう、彗星一二型甲や流星改を搭載しなかった」そうだ。

 ありがとう。その気遣いがとても有難いよ。

 今日から。今、この瞬間から認識を改めよう。瑞鶴は良識人だと。

 

 話を戻す。淫乱鶴は気絶し、それを千歳さんが死にそうな顔をしながら、入渠室へ引き摺って運んでくれた。

 海風も淫乱鶴を止めようとしてくれたけど、千歳さんと瑞鶴が瞬殺したから何も出来なかった。

 

 その後、胃に限界が来て吐血し、俺は気絶。

 気絶した俺を瑞鶴が医務室に運び、看病してくれた。

 そして、ついさっき目が覚め、心が壊れかけている俺は精神崩壊を防ぐ為、瑞鶴に甘え、今に至る。

 

 以上。

 ちなみに、海風は俺の代わりに執務をしてくれている。さっさと復活して、執務室に戻らなきゃ。

 

……そうそう。藤原大将だけど、俺の悲鳴と千歳さんと瑞鶴の雄叫び(・ ・ ・)を聞いて察してくれたのか、さっき俺のスマホに電話してくれて、「今は休め」と言ってくれた。本当に、なんと言いますか……色々と申し訳ございません。

 

「何か食べる?」

 

「……いらない。それより、胃薬ちょうだい」

 少しだけ空腹を感じるけど、胃が痛いから、何も食べたくない。

 

「ダメだよ、何か胃に入れなきゃ。幾ら胃薬でも、何も入れていない状態で飲んだら、胃に負担が掛かるよ?」

 

 仰る通りです。

 

「待ってて。今、お粥作ってくるから」

 

「あっ……」

 待って、行かないで。寂しい。……行っちゃった。

 

 行かないでくれ、と言おうと思ったけど、胃が痛み、言う事が出来なかった。……甘えたい。早く戻ってきてくれ。

 

「……汗が止まらないな」

 本当に、どうしちまったんだ?医務室は冷房が効いている。マジでおかしいぞ?冗談抜きで熱中症になったのか?

 丁度、医務室にいるから、冷えピタを使おう。えっと、確か冷蔵庫に入れて──あった。

 

(Yシャツのボタンを外して──シャツを捲って──フィルムを剥がして──おうっ!?冷てぇ!)

 脇に貼ると同時に、身体が震えた。それもそうだ。さっきまで冷蔵庫に入れていたのだから。さて、もう片方の脇にも貼って──これで良し。

 はー、気持ちいい。火照った身体が、少しずつ冷えていく。お陰でかなり楽になった。おまけに、ボーッとしていた頭がスッキリした。

 

(いててて……胃が……痛い)

 急に痛みが走ってきた。こりゃマズい。ベッドで安静にしていよう。

 

 この後、ベッドに横になり、痛む胃と格闘していると、瑞鶴がお粥を持ってきてくれた。

 お粥は胃に負担を掛けないよう、薄味にしてくれたが、とても美味しかった。

 ちなみに、食べようとしたらスプーンを取られ、終始アーンされた、と言っておく。

 

 

side 提督

 

 

───────

────

 

 

Another side

 

 

……違う。違うの。違うのよ!

 

 私は、襲う気なんて全く無かった。

 

 それなのに、何で!?

 

 どうして!?

 

 何であんな事をしてしまったの!?

 

 怖い。

 

 自分が自分じゃないみたいで、怖い。

 

 気が付けば、自分の考えとは真逆の行動や、思考・発言をしている。

 

 そのせいでさっき、彼を怖がらせてしまった。

 

……謝らなきゃ。

 

……でも、拒絶されたらどうしよう。

 

……。

 

……。

 

……。

 

 

 ああもう!行動を起こす前から、弱気になるな!

 

……よし、行きましょう。

 

 千歳さんと瑞鶴から受けたダメージは、既に癒えている。

 

 予定よりもずっと(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)早く治った(・ ・ ・ ・ ・)

 

 そのお陰か、監視役の千歳さんが居ない。

 

 今しかない。

 

 

「誠心誠意、謝らなきゃ」

 

 待っていて、準。今、謝罪しに行くから。

 

 

Another side out

 

 

───────

────

 





次回予告


……もう、嫌。翔鶴さんの対応、疲れる。
……はぁ。精神状態が乱れているわね。そのせいで、皆の思考や感情を読み取れなくなっているし。
 ああもう、しっかりしなさい!早く精神を安定させて、読み取れるようにならないと、翔鶴さんがやらかす前に止められなくなるわよ?
……って、あら?足柄さん、どうしました?そんな焦った顔をして。
……は?翔鶴さんが、入渠室から脱走した?


第92話・暴走する姉鶴


「私は!ずっと我慢してきた!ずっと!ずっと!!
 あとどれだけ我慢すればいいの!!教えてよ!!!」


【補足的なナニか】

・死神部隊三番機…「アーマード・コア ヴァーディクト・デイ」に登場する部隊。
 死神部隊の一人が言い放った言葉、「恐れるな、死ぬ時間が来ただけだ」が元ネタ。

・江ノ島鎮守府…神奈川県にある、大規模鎮守府を指す。
 運営する提督は、提督歴36年のベテラン、藤原剛(ふじわらたける)大将。その声は、「内海賢二」さんに似ていて、更に体格や顔は「ラオウ」に激似らしい。

・藤原大将からのアドバイス…本編27話参照。


以上、補足終了。
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