暴力的・グロテスクな描写が含まれています
過激発言あり
深海棲艦が喋ります
※特定の人物・団体等を誹謗・中傷する意図は一切ありません。
予め、ご了承下さい。
※この小説内の季節は、9月上旬頃となっています。
Another side1
──
『──ね───、────』
……あーあ。もう終わりかヨ。
せっかく
……もっと、遊びたかったナ。
『─────。──……』
……ダメだ。雨と風がうるさくて、
それに、
……イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪。
まぁいいサ。
もう、悔いはネェ。
『──────、
……前言撤回。悔いあるわ。
オイラには、____って
名前で呼んでくれヨ。
……ダメだ、沈む。
……意識が……急……朦…朧…して……き……タ……。
……アバ……ヨ……
───────
────
─
───暗い。
───何も、見えない。
………………。
───どれだけ時間が経ったか分からない。何せ、真っ暗だからナ!イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪
───真っ暗闇。おまけに、冷たい。
───
………………。
───腹減ったナァ。果物食いたいナァ。
───ふぁ〜あ……あれ?動く?あくび出来たゾ?
今までピクリとも動かなかった身体が、動く。いや、動かせた。
手は……ちゃんとある。動く。
足……ある。動く。
腹、胸、そして──顔。
手で触ると、確かにある。
これなら、
……その前に、何か食おう。
……適当に、その辺泳いでる魚でも捕まえて、食うカ。
………………。
──現在、__海域──
「……おーおー、眩しいネェ」
何時ぶりになるか分からんが、海底から浮上して、海上に出た。
久々に見た空は青く。海は、オイラが沈んだ時と違い、穏やかだった。
……にしても、
……あン?
「群れなきゃ、何も出来ねェのかヨ」
遠くから群れている奴らを、冷ややかな目で見ていたら、カンムスがクウボセイキ?とか呼んでいる
ケド、
「
オイラとお話したいなら、
…………。
……オイラが沈んだ時も、こんな天気だったナァ。
………………。
「……」
(落ち着けヨ。
そう思った直後だった。
───懐かしい気配を感じた。
この感じは……間違いない。
遠くから、カンムスの気配を感じた。それだけじゃない。
(
まさか、
気になるケド、勘違いかもしれない。だから、暫く様子を見よう。
………………。
どんだけ時間が経ったんだ?
(随分減ったナァ)
うじゃうじゃ居たのが、今は両手で数えられる数まで減った。
お陰で、
だから、容易にカンムス達の気配を感じ取れるようになった。その結果──
「やっぱり、ナ……イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪」
この気配。間違いない。
「ゥゥゥゥ↓ウウウウウウイイィィィィイイイイイ↑ヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪」
ヤッベェ!嬉しい!起きてすぐ、
「この
勘違いじゃない。正真正銘、
けど、万が一がある。今すぐ確認しに向かおう──オイ。何しに来た、
突然、
(これ以上、
疲れてる相手と
「ン〜?なァんか、フェアじゃないナァ?気に食わねェナァ?」
だから、ぶっ殺してやる。
風が強いケド、
(……おーい、邪魔すんなヨ。
途中、カンムスのヒコーキが飛んで来て、何機か墜とされたけど、無視。
本当は、ヒコーキを飛ばしてきたカンムスをぶっ殺したかったけど、ソレをしたら、
だから、我慢。無視。
…………。
(……マ、こんなものかナ?)
もう一度周囲を確認して、邪魔者が居ない事を確認。
「これでヨシ。これで
「さァて。そろそろ遊ぼうカ!」
オイラは、
だから、
(
今のオイラは風だ。誰にも止められない!
ホラホラ。オイラが通るんだから、道あけナ!
途中、オイラの前に飛び出してきたカンムスが何人か居たけど、跳ね飛ばした。コウツウジコ、発生!ってナ。
続いて、カンムスのヒコーキが
──あと少し。あと少しで、
(
イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪楽しくなってきたァ!
……おっと、速度を落とさなきゃ。じゃないと、
……うん。間違いない。
「イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪やっぱり
そっくりさんじゃない。本人だ!確定!
……アレ?どったの?そんな顔して。
鼻と鼻が触れ合うほど近くで
ホラホラ、オイラだヨ?____だヨ?忘れたのカ?
「その艤装。それに、その傷」
ウンウン。覚えてくれてタ!そうだヨ!オイラだヨ!
……そういや、オイラの顔、どうなってんだろ?
……まぁイイヤ。
「お前は……お前は、
とりあえず、落ち着こうゼ?
……今更だけド、
オイラと
……あーあ。これじゃ、
「何故……何故ッ!?
何故、生きているッ!
仕方ネェ。
その前に、
「ン〜?何故って言われてもナ……分からん!」
シツモンされたから、ちゃんと答えなきゃ。無視してフキゲンになられたら、
Another side1 out
───────
────
─
side 由良
終わった。もうダメだ。お終いだ。
(
今は違う。
──1度だけでいいから、提督さんに、
死の恐怖が襲いかかって来たせいで、そんな事を考えてしまった。
けど、いいよね?
抵抗する気は起きない。
自慢じゃないけど、
ちょっとやそっとじゃ、心は折れない。
逆に、
でも、
それ程の奴なの。
……提督さんの声、聞きたいなぁ。けど、
……あははは。つまんない人生だったなぁ。
(……あっ、千歳さんが接近してきてる。それに、
レーダーに、千歳さんと初霜さんが
初霜さんは比較的
けど、初霜さんでは、
千歳さんは数km以上離れた位置に居るから、到着するのにまだ
足止め位なら可能だろうけど、致命傷までは与えられないでしょう。
……ごめんなさい、皆。先に死ぬね?
「
……
覚悟は──出来ていない。死にたくない。生きたい。生きて、生きて、生き続けて。そして、
(幸せになりたかった……)
多くは望まない。
ただ、笑って過ごしたい。
やっと見つけた、幸せ──第603鎮守府という、私が落ち着いて過ごす事の出来る、居場所。そして、提督さん──渡良瀬君という、男性。
彼と
「その
時間をくれてやる。
「──────」
満面の笑顔。それと同時に、ただでさえ凄まじい威圧感が、更に増した。
……
やめて。もう、やめて。
「だから、
……出直、す……?見逃してくれる……の?
「あっ、逃げるナヨ?逃げたら、何処までも追っかけるからナ?イヒャヒャヒャヒャヒャヒャ♪」
……逃げられない。
「隠れても、隠れた場所を吹っ飛ばして、引き摺り出すからナ?」
……隠れられない。
「オイラはこの辺を彷徨いて待ってるから、
そうだナ……前は海が大荒れだったから、
カンムスやニンゲンは、お日様が出る日が分かるんダロ?」
……天気予報のお陰で、大体の天気は分かる。
次にお日様が出る日──晴れるのは、
……嫌だ。戦いたくない。
「もし、来なかったら──」
「由良さん!援護します!」
(初霜……さん……!)
ダメ!来ちゃダメ!逃げて!
けど、声が出せなかった。
必死に声を出そうとしたけど、喉から出るのは、空気が漏れる音だけ。
そうこうしている間に、
「
直後、初霜さんの
土砂降りの雨の中。視界は最悪なのに、何故か
それだけ、
私は、それを呆然と見る事しか出来なかった。
side 由良
───────
────
─
side 提督
──第603鎮守府、執務室──
大規模反攻作戦九日目。
09:00。
「……了解……しました……はい……はい……失礼します……」
………………ふざけるな。
受話器を叩き付けたい衝動に駆られたが、必死に抑える。物に当たっても、結果が変わる訳じゃない。抑えろ。
「……提督、大本営は何と──」
「……日本の主要都市を護る、各地の
大本営本部の艦娘達や、外国から派遣されてきた航達も、全員がそれぞれの大規模鎮守府で対応しているから、無理らしい。
「そ、そんな!?」
「大本営は言葉を濁したが、俺達が護っている此処は、ハッキリ言ってド田舎。重要施設等が無いから、侵攻されてもそこまで日本の経済とかに影響が出ないから、切り捨てる、だとよ」
実際にはそんな事言われていないが、俺にはそう聞こえた。だから、翔鶴にそう伝えた。
それを聞いた翔鶴は目を大きく開けて驚き、すぐに怒りの表情を浮かべた。
第三目標の__海域を攻略する為に出撃して、一日が経った。
結果は、失敗。
理由は、
まず、
中破の娘は、フラレ改以外の深海棲艦に攻撃され、離脱した娘が11名。
大破の娘は、13名。全員、フラレ改1隻に。たった1隻にやられた。その中には、川内と神通が含まれている。
(川内と神通が、アッサリやられるなんて……)
向こうの最高戦力だぞ?それが、アッサリやられるなんて……。
幸い、
次に、
中破した娘は、フラレ改以外の深海棲艦にやられて離脱した娘だ。
そして、大破した娘は、フラレ改に
その大怪我を負った娘の中には、千歳さんも含まれている。
……冗談だと思うだろ?あの、千歳さんが、だぞ?
現在、入渠を済ませて回復したが、身体に
言い忘れたが、
閑話休題。
「……どうすりゃいいんだよ」
報告によると、ありとあらゆる攻撃が効かない。
千歳さんの攻撃ですら、フラレ改にかすり傷を与えられなかった。
考えても、考えても、良い案は浮かばない。それは、小嶋提督も同じだった。
(かなり落ち込んでいたな、小嶋提督……)
電話で声を聞いたけど、何時もの覇気が全く無かった。
それもそうだ。嫁さん達が、酷く痛め付けられたのだから。
千歳さんから聞かされたが、川内と神通の二人は、フラレ改に手足を【自主規制】、
幸い、妖精さんの超技術、入渠液と高速修復材──通称・バケツのお陰で、一命を取り留め、
……それにしても、達磨にされた、か。
……やべっ、想像したら、気分が悪くなってきた。
「提督、顔色が悪いですよ?」
「大丈夫だ、気にしないでくれ」
いかん、翔鶴が心配そうな顔してる。しっかりしろ。
……内線が入った。取らなきゃ。
「こちら、執務室です」
……先に、翔鶴に取られた。だらしねぇぞ。
「……分かりました。伝えます」
「……なんだった?」
予想はつく。
「……初霜さんの事です」
「……そう、か」
初霜……どうして……どうして、あんな事に……。
話が前後するが、昨日何が起きたか、詳しく話そうと思う。
昨日、中破以上の負傷をした娘が複数出たと為、帰還すると報告を受け、すぐに入渠出来るよう準備を整えていると、急に無線が通じなくなった。
何度もかけたが繋がらず、心配と不安に押し潰されそうになっていると、中破した娘達が帰還して来た。
急いで入渠させ、再び無線を繋げようとしたが、全く繋がらない。夕張や妖精さん達に頼んで見てもらったが、ダメだった。
まさか、
最悪の事態を想像し、呆然としていると、千歳さん達全員が帰還したと、大雨の中、埠頭で待機していた翔鶴から報告が入った。
どうやら甚大な被害を受けた為、千歳さんの判断で帰還する事にしたそうだ。
良かった。そう思ったが、翔鶴の次の一言で、俺は錯乱した。
『初霜さんが、意識不明の重体です』
その言葉を聞いた俺は、気が付けば執務室を飛び出し、翔鶴達が居る埠頭へ向かって走っていた。
土砂降りの雨のせいで、全身が濡れたが、気にならなかった。
そして、埠頭に辿り着いた俺が見たのは、フラレ改の砲撃により、口と鼻を吹き飛ばされ、死んだ人のようにピクリとも動かない、千歳さんによって抱きかかえられた、初霜の姿だった。
「──提──」
最初は夢だと思った。
「──督───提──」
あまりの衝撃に、現実逃避してしまった。
「──督?───督!──」
現実逃避している間に、夕張に代わって千歳さんと由良が、初霜の艤装を手際良く解除し、ストレッチャーに乗せて入渠室へ運んで行ってしまった。
それを見た俺は、自室に引きこもってしまった。
……まぁ、すぐに翔鶴と瑞鶴がやって来て、
「提督!!」
「……なんだ?」
翔鶴が怒った声で俺を呼んでいる。思考を中断しよう。
「もう、しっかりしなさい!……初霜さんをどうするか、聞いているのよ?」
「……」
「……何時までも目を逸らさないで、事実を受け止めなさい」
「……分かった、受け止める」
翔鶴が言ったが、何時までも目を逸らすわけにはいかない。しっかりと事実を受け止めなきゃならない。
フラレ改に
「……初霜と少し、話をしてくる」
……初霜は死んだんじゃないのか、って?死んでないよ。生きているよ?
お顔が凄い事になったけど、入渠して既に元通り。後遺症も傷跡も無く、
初霜によると、フラレ改が砲撃する直前、波に足を取られ、バランスを崩し、イ○バウアーのような体勢になった事で、頭を吹き飛ばされずに済んだが、代わりに口と鼻を
……
……こんな時に、アホな事考えるな、だと?考えたくなるよ。
(正直言って、今の初霜と話をしたくない)
以前は、多少ロックな思考・言動をしていたけど、今の初霜は、以前とは全然違う。
……一応、天使だったんだけどなぁ。どうしてああなった。
「……胃薬と白湯、用意しとくわ」
「……ありがとよ」
常識人を捨てたつもりだったけど、シリアスな展開のせいで、常識人に戻ってしまい、胃袋と精神にダメージ受けるようになっちまった。
……ヤベー奴側になりたい。
……ダメだ。ヤベー奴側になってる暇は無い。初霜のケアと、由良のケアをしないと。
(由良は殆ど負傷していなかったが、心が
詳細を話すと長くなるから、簡単に話すが、どうやら
そして、フラレ改に後日、
これらの出来事が原因で、由良の心が壊れかけている。
今は千歳さんがケアしてくれたから、完全とは言えないが、元に戻ってくれた。
けど、かなり不安定な状態だ。
他にも色々説明したい事があるが、今はケアをする事が最優先だ。
優先順位を決めて解決していかないと、取り返しのつかない事になるからな。
(とりあえず、由良よりも初霜がヤベーから、初霜からケアしよう)
……大本営のカウンセリング課に頼れば良いだろ?
予約取ろうと電話したけど、患者でごった返してるから無理、って半ギレした声で言われた。
だから、俺がケアする事になった。
……上手く出来るかな。
side 提督 out
───────
────
─
Another side 2
──大本営・技術課、?????──
「ほ、本当に
「運ぶよ」
ビビらないで?時間が無いんだ。ほら、早く準備して?
「で、出来ませんよ!無理っス!」
「あのなぁ……
出来る、出来ないじゃない。
「──ッ!?りょ、了解っス!!」
……ごめんね?おっかない声出して。後でコーヒーとショートケーキご馳走するから、許して?
「……さて、
此処の外は気温30℃超えてるのに、此処の中だけ
流石、
「
Another side2 out
───────
────
─
次回予告
……誰か、初霜止めて。猛獣用麻酔撃ち込んで。秋雲さん、これ以上あんな初霜を見たくないよ。
……ん?提督、どったの?突然叫んで。
……えっ?
第106話・反撃の兆し
「ぁぁぁぁぁあああああああああああああっっっっっ!!!!」」
【補足的なナニか】
・海蛇…2年前、ラバウルで、とある
これ以上の情報は、現段階では公開不能。
・Code:N…大本営技術課の、とある場所に保管されている
これ以上の情報は、現段階では公開不能。
以上、補足終了。