磯風。君をネタにした事は謝る。だから、4人もドロップしないで……許して……。
グロテスクな描写有り
※この小説内の季節は、9月中旬頃となっています。
side 提督
──第603鎮守府、執務室──
大規模反攻作戦十二日目。
03:30。
「……野原主任、大丈夫ですか?」
内線で報告してきた野原主任にそう声をかけた。すると、
『……
「……本当にお疲れ様です」
うわぁ。めっちゃ声が掠れてて今にも死にそうだ。
内線で夕張から
野原主任の報告によると、工廠へ向かうと、妖精さん達によって夕張は気絶させられていた。
何故気絶させられたのかって?俺に救助要請をしたかららしい。
なんでも妖精さん達は、「俺に内緒で限界に挑戦し、驚かせたかったから」秘密にする為、救助要請した夕張を工具で殴って気絶させたそうだ。
……ツッコミ入れないぞ。
閑話休題。
気絶した夕張を救助した後、野原主任は
その際、妖精さん達にタコ殴りにされたが、常に持ち歩いている折り畳み式
そして現在。野原主任は
……あなた、本当に
とりあえず、妖精さん達には、暫く甘味抜きの罰を与えよう。慈悲は無い。
『それにしても、
何人かスカウトして、技術課にお招きしたい位です』
「やりませんよ?」
トラブル起こしまくるけど、
『冗談ですよ、冗談──おいコラ!そこ!何しようとしてんだ!?やめろ!!』
冗談に聞こえなかったぞ。そう思っていたら、突然野原主任が叫んだ。何か起きたんだな。
『くそっ!少し目を離した隙に、また
「野原主任!?」
大丈夫ですか!?
<チッ、気付かれた!
<囲め囲め!
<数で攻めろ!
<もらったァ!!
『
……妖精さん達の物騒な言葉と、野原主任が何処ぞの戦争屋みたいな
<貴様のその歪み、俺が断ち切る!
『ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!ま、やるんなら本気でやろうか!その方が楽しいだろ!
……見せてみな、お前達の力をさ』
……あ、内線が切れた。
気になるが、今執務室から離れる事は出来ない。ここは野原主任を信じて、任せよう──無線が入った!
「こちら、提督だ」
慌てて無線を取り、時計を見ると、
しかし、もしかしたら、深海棲艦と遭遇した報告かもしれない。
『こちら、長門だ。道中、深海棲艦とは遭遇せず、__海域にて第8492離島鎮守府の艦娘達と合流した』
「了解しました。予定通り、__海域へ向かって下さい」
どうやら、道中で深海棲艦とは遭遇せず、無事合流地点に到達したようだ。
長門さんからの報告を聞き、指示を出すと無線は切られ、執務室は静寂に包まれた。
(……次に無線が入るのは、深海棲艦と遭遇した時か、目標地点に到達した時だ)
緊張してきた。
幾ら、以前
……信じろ。
約2時間後。再び無線が入り、長門さんから目標地点である__海域に到達したと、報告を受けた。
いよいよ始まる。
ふと、窓から外を見ると、何時の間にか雨は止んでいた。
side 提督 out
───────
────
─
side ?????
──__海域──
05:30。
『……こちら、千歳。敵を発見。座標、__。距離、約70,000m。
艦種は、戦艦レ級flagship改。敵の数は1。
……
総員、戦闘用意!空母艦娘は、ありったけの艦戦を出して!』
それを聞いた
他の艦娘達も、ブリーフィングで決めた通り、行動を開始した。
……いよいよ始まる。
ブリーフィングで何度も
最初聞いた時、信じられなかった。
けど、皆から話を聞き、記録映像を見て、事実と認めざるを得なかった。
何故そんな深海棲艦が存在するのか。
色々知りたい事が山ほどあるけど、機密らしく、詳しく教えてもらえなかった。
……釈然としないけど、機密なら仕方ない。好奇心は猫を殺す。必要以上に首を突っ込むのは、やめておこう。
閑話休題。
そんな相手と戦う。間違いなく激戦になる。
正直言って、戦いたくない。逃げたい。けど、逃げるわけにはいかない。
だって、逃げたら
だから、戦う。私達の居場所を護る為に!
………………。
「本当に、攻撃が効いていない!?」
《
とにかく今は
(了解よ!)
心の中で
……それにしても、ブリーフィングで聞かされたけど、こうして実際に目にすると、結構ショック受けるわね。
今までの深海棲艦なら、あっさり沈んでいるのに、目の前のレ級は、何十発も航空攻撃による爆撃・雷撃を受けているにも関わらず、傷一つ付いていない。どんだけ頑丈なのよ!
『艦載機を出してきたわ!迎撃用意!』
無線から
《どんだけ搭載しているのよ!?》
もう200機以上墜としているのに、まだ出すの!?
……愚痴っている暇は無い。
こちらには空母艦娘が8人も居るのに、制空権は未だ確保出来ていない。
そのせいで、戦闘開始から十数分で、半分以上も撃墜されてしまった。このままじゃ、こちらの艦載機が全滅してしまう!
《第一艦隊は──良し!射程圏内に入った!》
レーダーで位置を確認すると、第一艦隊の皆が
『
「了解!」
長門から指示が来た。いよいよ
『ン~?どうした、どうしたァ?
私達がガスマスクを装着すると、
余裕をかませるのは、今のうちよ。
……もし、効かなかったら、どうしよう?
……いいえ、信じましょう。磯風カレーの力を。
『距離、速度、風速、湿度、良し。主砲、斉射!!』
無線から長門の勇ましい声が聞こえてきた。それと同時に、轟音。更に、発砲炎と爆煙が主砲から吐き出されたのが見えた。
長門だけじゃない。扶桑と金剛も発砲した。
《
『イヒャヒャヒャヒャ!無駄無駄ァ!オイラにゃ効かない──フゴッ!!?』
長門が撃った主砲の弾を見た
どうやら自分の装甲に、かなりの自信があるみたい。 けど、今長門が撃ったのは、
「な、なンじゃこりゃアアアアアアアア!!?」
直撃を受けた
予想外の出来事に、
そうしている間に、扶桑が撃った弾が
こちらも、長門が当てた弾同様、少しだけ溶かした。
……効いている!
『こちら、長門!
『了解!全員、隙を見て
長門が無線で
『ぐぅゥ……なんダ、これハ!?オイラの身体が、溶けてイル──ブフォ!?くっせェ!目が!目ガァ!!?』
あらあら。磯風カレーの放つガスにやられて、苦しんでいるわ。
『目標地点到達!総員、砲撃開始!!』
それと同時に、神通が指示を出し、一斉に砲撃を開始。……艦娘の力で鼓膜を護っているけど、発砲音が凄くうるさい。
『ちょっ、ま、まさカ、アレ全部くっせぇ弾ナノカ!?冗談じゃネェ!こんな所に居られるカ!オイラ、帰る──』
『何処へ行くっぽい?
『なっ!いつの間ニ!?』
ただ、夕立が投げ付けたのは通常の魚雷だから、効果は無い。けれど、爆発でノックバックさせる事は出来る。
『グオッ!?』
『お前の為に、
夕立、ナイス。
上手く足止めをしてくれたお陰で、直撃させられる。ただ、そこに居ると夕立まで被害を受けるぞ。早く逃げなさい!!
『夕立!早く離脱しなさい!!』
『了解っぽい!』
扶桑が叫ぶと、夕立は
《弾着するギリギリまで足止めをして、冷静に離脱。凄い判断力と胆力ね》
流石、元横須賀鎮守府所属の艦娘。
『ギャアアアアアアアアアアアアア!!!?』
『全弾直撃!艤装が溶け始めています!!』
『この
『マーマイト混ぜたら、もっと強烈になるんじゃないノ?』
『姉さん、金剛さん、ふざけないでください』
神通、良く言った。今は戦闘中。しかも、相手はとんでもない化け物なんだ。油断するな。
………………。
『オマエら、
戦闘開始から、どれ程時間が経ったのだろう?
あれだけ余裕だった
ただ、こちら側も
『とっとと……くたばれ!!!』
『──ッッッ!!?』
由良が発砲した。
彼女が装備している
《由良……》
数日前の弱々しい彼女ではない。何時もの彼女になっている。
数日前、
けど、私と
……どんな風に発破をかけたか説明したいけど、今はそれどころじゃないから、機会があれば話すわ。
『ちっくしょオオオオオオ!!!』
「逃がさないわ!」
《逃がすかよ!》
『グオォォォッッッ!!?』
当たった!それと同時に、今までとは比べ物にならない程濃いガスと、粘性の高い虹色の液体が
『ウ゛ワ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!゛?゛身゛体゛ガ゛!゛溶゛け゛ル゛!゛!゛?゛』
《……グロテスクな光景ね》
(確か、
《……えぇ。
アレを食べて平然としている熊野って、本当に人間なのかしら?
(……今は戦闘に集中しましょう?)
《……そうね》
色々言いたい事があるけど、今はその時じゃない。気持ちを切り替えなきゃ。
『瑞鶴さん、準備はいい?』
「はい!何時でも行けます!!」
おっと、千歳から指示が来た。
《私達が撃ち込んだら、
一応、第8492離島鎮守府の艦娘達が
「全機、爆装!目標、
内、
『ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛…゛…゛』
……かなり弱っているわね。けど、
『ありったけの弾を撃ち込め!』
『主砲、斉射!!』
『とぉ↓おおお↑う!!』
皆が、通常弾で牽制して動きを止めてくれている。これなら、行ける!!!
けれど、長門達の牽制射撃で正確に狙いを付けられないのか、私達の艦載機には掠りもしない。
あちこち溶けて、骨の露出しているボロボロの身体を無理矢理動かし、回避しようとしている。
けれど、長門達の牽制射撃でまともに動けない。
『
そこへ、由良が砲撃。
弾は
……脚部に弾着。
撃ち込まれた箇所は、みるみる溶けて、骨が丸見えになった。あれじゃ、もうまともに動けない。
『──ヒャヒャヒャ♪』
突然、奴が笑った。死を悟って笑ったのかしら?
……油断するな。トドメを刺すまで。いいえ、トドメを刺しても、警戒を解いてはダメ。
艦載機達に指示を出し、散開させる。
諦めたのか、
……油断するな。警戒しなさい。
もう間もなく爆撃を開始する。
確実に、当てる。そして、トドメを──
『──やっぱり、ナ。この気配……懐かしい……ナァ……』
……気配?懐かしい?何を言っている?
艦娘の力で強化された視力が、私達の方を見て笑う
こちらを、真っ直ぐ見つめている。
『
艦載機は既に爆弾を投下した。
爆弾の落下する風切り音や、長門達が発砲する音が、私達の鼓膜に響く。かなりうるさい。
それなのに、
『昔……オイ……ラ……
……いヤ。
そして、ほぼ同時に爆弾が直撃し、
──────────────
───────
─
──第603鎮守府、工廠──
15:00。
「──これで良し、と。瑞鶴さん、艤装の修理、完了しました」
「ありがとね、夕張」
あまり被弾しなかったからか、私達の艤装はすぐに直った。
けど、艦載機を殆ど撃墜されたから、その補充にはまだまだ時間が掛かるらしい。
数時間前。
どうやら私達の爆撃が決め手だったらしく、爆撃された
もっと苦戦すると思ったのだけど、磯風カレーのお陰か、結構すんなりと倒せた。正直、未だに信じられない。
一応、野原主任からの指示で、遺体を持ち帰ってきたけど、今にも動き出しそうで怖い。
閑話休題。
そうそう。1つ、気になる事がある。
私達の爆撃が直撃する際、
途切れ途切れだったけど、ハッキリ聞こえた。
「懐かしい気配」
「久しぶり」
「昔、
そして、「
《
疑問に思うが、
……
《……ウッ!?》
あ、頭が……痛い!!?
(だ、大丈夫?)
《……大丈夫よ》
いけない。私の思考が
……今は、何も考えないでおこう。
私はともかく、
『こちら、提督だ。まずは皆、良くやってくれた。礼を言う。
全員、疲れているだろうから、休んでくれ、と言いたいが、本日19:00までに報告書を纏め、提出してくれ。
繰り返す──』
「……仕方ない。部屋に戻って、報告書纏めよう」
……
けど、喚いた所で結果は変わらない。
「それじゃ、夕張。また後で」
「はい!」
その途中、
……
《お前が……
記憶の殆どを失っているから、自分が何故沈んだのか。どんな深海棲艦に沈められたのか、覚えていない。思い出せない。
……私は、どんな存在だったのだろう?
唯一覚えているのは、私は艦娘──瑞鶴の適性者だった事のみ。
……気になる。
……そうだ。後処理が終わって落ち着いたら、
確か、データベースに、艦娘が誕生した約70年前から、今現在までの間に
以前、何度か調べてもらったけど、瑞鶴の適性者って、
けど、
side ????? out
───────
────
─
次回予告
……あの
磯風カレーか?磯風カレーがあったからか?怖過ぎだろ。もう封印した方が良いんじゃね?
……ボヤいてないで、報告書確認しよう。
……あれ?
……すみません、野原主任。撤回します。撤回させて頂きますから、無言で銃を突き付けないで下さい。
……ん?大本営から書類が届いた。なんだろう?
……えっ?各海域で、
第112話・後処理
「……環境には問題は無い、って大本営は言ってなかった?」
※何時もの、頭の悪い日常回に戻る予定。
【補足的なナニか】
・秋津州…大本営技術課所属、秋津洲型水上機母艦一番艦、秋津州の適性者を指す。
とある事情により、鎮守府ではなく、大本営技術課に所属している。
適性者の名前は、
野原主任曰く、「面倒を見ていたら懐かれた」らしく、彼に熱烈なアプローチをかけている。
しかし、
・ところがぎっちょん!…「機動戦士ガンダムOO」に登場する、「焼け野原ひろしアリー・アル・サーシェス」が言い放った奇声(?)が元ネタ。
「アリー・アル・サーシェス」の中の人は、「藤原啓治」さんが演じている。
以上、補足終了。
※Code:Nの出番は、まだまだあります。