追跡鶴   作:EMS-10

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 ローソンコラボの由良と阿武隈が穿いているのは、黒タイツかな?もし黒タイツだったら破く。一切迷わず破く。もしサイハイソックスだったら、テンションぶち上がる。浮気する。
 レギンスだったらマジギレする自信がある(過激発言)


※注意※
こまけぇこたぁいいんだよ!
汚い描写有り
相変わらず頭の悪い内容
頭を空っぽにしてご覧下さい


※この小説に登場する艦娘達と提督は、全員特殊な訓練を受けています。
 決して真似しないで下さい

※この小説内の季節は、9月下旬頃となっています。



第116話・おさかな天国

 

Another side

 

 

──大本営、執務室──

 

 

「……さて。あれから一週間が経ったが、結果は?」

 

「診断の結果、血液、骨、筋肉、関節、内臓、神経。全てに異常が無い事が判明致しました。詳細は、こちらに……」

 

「……そう、か。ご苦労」

 やれやれ。これでもし異常があったら、発狂していたぞ。

 診断結果を受け取り、目を通すと──ほう?以前診断を受けた時よりも、私を含め(・ ・ ・ ・)被検体(・ ・ ・)になった全員のコレステロールやら色々なものが下がって、健康になったようだ。

 僅か一週間だが、身体の調子が良くなった、という報告も上がっている。

 

(磯風カレーの(・ ・ ・ ・ ・ ・)成分(・ ・)や、毒性(・ ・)一切検出されず(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)安全(・ ・)である事が証明された)

 これなら、食べても問題ない(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

「……今すぐ全鎮守府に通達しろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異常に巨大化(・ ・ ・ ・ ・ ・)した魚介類は、食べる事が可能(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)だと」

 

 

Another side out

 

 

───────

────

 

 

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、会議室──

漁開始(・ ・ ・)七日目。

08:40。

 

 

「……えー。では、準備が整い次第、出撃してもらう」

 いや、漁に出てくれ(・ ・ ・ ・ ・ ・)、と言うべきか?

……もしかしたら、深海棲艦と遭遇し、戦闘に突入する可能性がある。だから、出撃と言うべきだな。

 

 

 今朝──07:10頃。大本営から船を貸与(たいよ)され、運んできてくれた職員さん達に、船について色々説明してもらった後。

 全員を会議室に集め、船のスペックや、搭載されているギミック(・ ・ ・ ・)を説明し、()に向かってもらう事にした。

 

 大本営から、ある程度なら改造しても良い、と言われているが、昨日妖精さん達がA装備を造った事であまり余裕が無い上、妖精さん達のフラストレーションが溜まっているみたいで、魔改造を施されそうだから未改造のまま使う事にした。

……今の妖精さん達、マジで危険だから、しっかり目を光らせておかないと。

 

「何か質問はあるか?……無いみたいだな。それじゃ、漁に出る(・ ・ ・ ・)──じゃない。出撃する娘達は艤装を装備して、ぷかぷか丸(・ ・ ・ ・ ・)に乗ってくれ。それ以外の娘達は待機してくれ」

 いけね、漁に出てくれ、って言っちまった。

 あーあ。俺の発言を聞いて、全員が苦笑しているよ。

 

……おっと。説明が遅くなったが、貸与された船は「ぷかぷか丸(・ ・ ・ ・ ・)」という名前らしい。可愛らしい名前だな。

 職員さん達によると、元帥が名付けたそうだ。あまり言いたくないけど、ネーミングセンスが……その……アレ(・ ・)だな。うん。

 

 しかし、名前はアレ(・ ・)だが、スペックは凄まじい。

 

 まず、装甲。

 妖精さんが生成した特殊素材(・ ・ ・ ・)を使用している為か、普通の船と比べて、そこそこ頑丈(・ ・ ・ ・ ・ ・)らしい。

 職員さん達の話によると、酸素魚雷や20.3cm砲を数発喰らっても、沈まないそうだ。もう()じゃなくて()だろ。

 

 閑話休題。

 

 次に、航行速度。

 平均30ノット。ぷかぷか丸に内蔵された特殊ブースターを使えば、最大で60ノットまで出せる、との事。

 おまけに、小回りも利くし、バックも出来る。

 言い忘れたが、操作は妖精さん達がしてくれる為、艦娘達は漁に集中(・ ・ ・ ・)出来る。

 

 続いて、ぷかぷか丸に搭載されているギミックを紹介するぞ。

 まず、巨大化した魚介類を大量に格納する為に、妖精さん達が造った四次元ポケッ──間違えた。四次元倉庫(・ ・ ・ ・ ・)を載せている。

 これにより、大量に格納する事が可能になっている。

 

 ただ、容量を非常に大きくした(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)弊害か、艦娘達が装備する艤装に標準搭載(・ ・ ・ ・)されている四次元格納領域(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)──通称・スロットと違い、時間が経つと少しずつ腐敗してしまう。

 その為、仕舞いっ放しにする事が出来ない。

 まぁ、腐敗するとは言ったが、最低でも一週間は持つそうだ。

 

 その他のギミックだが、襲ってくる魚介類対策に、射程約5m程と短いが、非常に強力な電気ショック砲を船のあちこちに備え付けられている。

 最大出力(・ ・ ・ ・)なら、深海棲艦──鬼・姫級にも効果があるそうだ。すげぇや。

 

 あと、ぷかぷか丸の先端と後方に、魚介類捕獲用にサ○コ・キャプチャーが搭載されている、との事。

 

……ツッコミ入れさせてもらうよ。何で○イコ・キャプチャーなんだよ!!大本営にガ○ダム好きな人が居るのか!?バカなの?死ぬの?

 

……確かに、巨大化した魚介類の捕獲には最適だろうけど、網とかあるだろ!?

……いや。相手は巨大なんだ。網だと、一度に捕まえられる数が限られる。それに、強度とかの問題がある。

 あと、網に入った魚介類が暴れ、四次元倉庫に入れる間に船が転覆する恐れがある。

 

 それなら、特殊空間を発生(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)させ、安全かつ大量に捕まえられる○イコ・キャプチャーの方が良いのかもしれない……頭痛くなってきた。比喩じゃなくて、本当に痛い。

 

「提督、大丈夫?」

 

「……俺なら大丈夫です」

 いかん。頭痛がして顔を顰めていたせいか、本日の秘書艦、千歳さんが心配そうな顔をしている。しっかりしろ。

 

「……無理、しないでね?」

 

「あぁ……さて。執務室に戻って、仕事をしましょう」

 

「はい♪」

 

 まだまだ後処理が沢山ある。毎日山のような書類を捌いているのに、一向に減らない。

……嘆いている暇は無いぞ。さっさと終わらせて、余裕を作らないと。

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

side 千歳

 

 

──第603鎮守府、執務室──

16:00。

 

 

『……終わらねぇ。書いても書いても、書類が山のようにある。勘弁してくれ……』

 

 執務を開始して数時間後。準くん──提督の思考と感情が流れ込んできた。かなり疲れているみたい。

 

(無理もないか……)

 海蛇(・ ・)を殲滅して、後処理を行い、平和になると思っていたのに、ISKZ-C弾(・・・・・ ・)に含まれる磯風カレーの影響で、魚介類が異常に巨大化し、その対応をするハメになったのだから。

 

『……紙飛行機にして飛ばそうかな?』

 

(……やめなさい)

 そんな事をしたら、大変な事になるわよ?もしやろうとしたら、全力で止めるわ。

 正常な思考・判断が出来なくなっている。マズいわね。

……あら、無線が入った。そう思うのとほぼ同時に、準くんは無線に手を伸ばし、スイッチを入れた。

 

「こちら、提督だ」

 

『こちら、加賀です。四次元倉庫(・ ・ ・ ・ ・)の搭載量が限界になりました。これより、帰還します』

 

 どうやら漁組(・ ・)──じゃなかった。出撃組から帰還すると、報告が来たみたい。

 

「了解しました。周囲を警戒しながら帰還してください」

『大漁旗掲げるのかな?』

 

『了解』

 

 準くんがそう言うと、無線が切れ、執務室は再び静寂に包まれた。

……あら?頭を抱えてどうしたのかしら?

 

『……大漁旗掲げるのかな?ってなんだよ、アホか?』

 

 準くん、そんなに気にしなくても良いと思うわよ?実際、皆がやっているのは()なのだから。

 

『……アホな事考えてないで、仕事しよう。

 えっと、これは──町の人達からの嘆願書だな。えっと……早く漁を解禁してくれ、か……。こっちも。これも。あれも。全部嘆願書だ。

 大規模反攻作戦は終わったけど、異常に巨大化した魚介類が出現したから、厳しい。

……今の所、大本営が上手く説得してくれているけど、これ以上待たせる訳にはいかない』

 

 準くんが書類と向き合うと、思考が流れ込んで来た。

 あー、やっぱり来ちゃったか。

 

(例年なら、秋刀魚漁をしているみたいだけど、今年は深海棲艦が大量に出現し、それを掃討する為に大規模反攻作戦が行われたせいで、漁に出られない)

 そのせいで、稼ぎ時なのに漁を禁止されているせいで、かなりお怒りみたい。

 

『文章は丁寧だけど、物凄い怒りが込められている。早くなんとかしないと……ぐっ!?い、胃が!!?』

 

「白湯を用意するわ」

 嘆願書を読んでいた準くんが顔を顰め、苦しみ出したから、一旦執務をやめて白湯を用意してあげましょう。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「ふふっ。どういたしまして♪」

……日に日に弱々しくなっているわね。それに、顔を良く見ると、やつれているし、隈が濃い。

 

(私が此処(第603鎮守府)に来たばかりの頃は、もっと生気があったけど、今はあの時よりも弱々しい)

 仕事が忙しくなったのもあるけど、最大の原因は、間違いなく瑞鶴さん達のせいね……。

 最近は、準くんが抱く(・ ・)宣言をしたから、かなり大人しくなっているけど、宣言する前は……酷かったなぁ。

 

 特に娼鶴(・ ・)さん。彼女のせいで、準くんだけでなく私も、かなり振り回された。もう二度と、あんな目には遭いたくない。

 

……考え事をしていないで、白湯を用意しよう。

……あら?ノック?

 

「……だ、誰……だ……」

 

「無理に喋らないで?」

 ノックされた音を聞くと、彼は死にそうな顔で、これまた死にそうな声で入室を促した。

 

『摩耶だ。大本営から書類が届いたぞ』

 

「入……れ……」

 

「だから、無理に喋らないで……」

 急いで白湯を用意してあげなきゃ。執務室内にある給湯室に向かい、白湯の用意をしていると、摩耶さんが入室してきた。

 

 

<……提督、マジで大丈夫か?あ、喋らなくていい

 

<……封筒……

 

<あいよ

 

 

 湯呑、良し。白湯、良し。あとはトレイに載せて、運ぶだけ──

 

 

<……ゴフッ!?

 

<てっ、提督ッ!?

 

 

……今、嫌な音が聞こえたんだけど。例えるなら、吐血すような音。

……いいえ。今の音は間違いなく吐血音ね。数え切れない程(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)聞いてきたから、分かる。

 それに、準くんが吐血した、と摩耶さんの思考が流れ込んで来た。

 タオルの用意もしておきましょう。

 

 

『大本営ェ……オメー、これ、本当なんだろうな?』

 

 

……大本営の連中が何か通達してきたみたい。準くんの思考と感情によると、ふざけた内容みたい。今度は何?

 

(とにかく今は準くんをケアしないと)

 タオルと白湯を載せたトレイを持って、彼の元へ向かうと──

 

(……執務室の床が、事件現場になっている。どれだけ吐血したのよ)

 どうやら書類を汚さない為、執務机ではなく、床に向かって吐血したようね。

 

「しっかりして?今、医務室に運ぶわ」

 タオルで口を拭いてあげて、胃薬と白湯を飲ませ、準くんをお姫様抱っこしながら、そう言った。

 

「じ、自分で……行きます……」

『は、恥ずかしい……』

 

「無理しないの」

 恥ずかしがっている場合じゃないでしょ?気にしないで。

 

「摩耶さん、申し訳ないけど、準くん──提督を医務室に運ぶから、その間、執務室に待機してもらえないかしら?」

 

「わ、分かりました」

 

 さて。急いで運んで、医療妖精さんに診てもらいましょう。

 あと、装束が血で汚れちゃったから、着替えなきゃ。

 

 

……。

 

 

「ただいま」

 

「お、お帰りなさい」

 

「私が留守の間、何か連絡とかはあった?」

 

「いえ、ありません」

 

「そう。ありがとう♪」

 準くんを医務室に運び、医療妖精さんに任せて執務室に戻り、秘書艦の椅子に座って待機していた摩耶さんに声を掛ける。

 

 さて。急いで大本営から届いた書類を確認しちゃいましょう。

 勿論、準くんから許可は貰っている。

 

(どれどれ──)

 摩耶さんが椅子から離れてくれたから、腰掛けて書類を確認。

……は?

 

(……冗談でしょ?)

 これ、本当なの?信じられない。

 詳細なデータまで添えられていて、嘘ではないと証明されている。けれど、信じられなかった。何故なら──

 

(あんた達(大本営)ISKZ-C弾(・・・・・ ・)は環境に影響を与えないと、大嘘ついたのよ?信じられないわ)

 そう。連中(大本営)は大嘘をついた。まぁ、今に始まった事じゃないけど。

 

「な、何が書かれているんですか?」

 

「……はい」

 口で言っても信じてもらえないだろうから、書類を手渡す。

 暫くすると、

 

「……信じられねぇ」

 

 読み終えた摩耶さんがゲンナリした顔で、そう言った。思考や感情も、似たような物だ。

 

……書類に書かれていた内容が気になる?いいわ、教えてあげる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 異常に巨大化した魚介類からは、磯風カレーの成分や毒性が一切検出されず(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)食べる事が可能(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 それだけでなく、とても美味しい(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

 

 そう書かれていたわ。

……一応、本当なのか、私が毒味(・ ・)して確かめましょう。

 未来のある(・ ・ ・ ・ ・)若い子達(・ ・ ・ ・)を危険に晒す訳にはいかない。

 

(生け捕りにした魚介類を母港に持ち帰ったら、解体(・ ・)して廃棄する予定だったけど──)

 もし、これが本当なら、廃棄する手間が省ける。

……とりあえず、今は仕事をしましょう。少しでも準くんの負担を軽減してあげなきゃ。

 

 

 

 

 数時間後。漁に出た(・ ・ ・ ・)娘達全員が、無事に帰還してきた。

 急いで四次元倉庫(・ ・ ・ ・ ・)から魚介類を取り出し、処理を開始したわ。

 

……あまり気は進まなかったけど、大本営の報告が本当か確かめる為、妖精さん達に頼んで磯風カレーの成分や毒性が無いか解析してもらったけど、結果は異常なし。

 

 なので、意を決して食べてみたんだけど──美味しかった。

 秋刀魚も。タコも。サメのフカ(・ ・)も。全部。

……最初、皆は食べようとしなかったけど、最終的には全員食べた。

 

 そのせいで、暫く3食全て魚介類三昧の日々を送るハメになるのだけど──

 

 

「千歳さん!手が止まっていますわ!!」

 

「……分かったわ」

 いけない。熊野さんに注意されちゃった。

 さっさと魚介類を捌かなきゃ。

 

……生臭い。私、魚介類は好きだけど、この匂いは苦手なのよ。

……はぁ。何時になれば、巨大化した魚介類は居なくなるのかしら?

 

 

side 千歳 out

 

 

───────

────

 

 

 

side 加賀

 

 

──ぷかぷか丸、__海域──

11:00。

 

 

「目標地点到達。各自、配置に就いて」

 会議室でブリーフィングを受けた後。大本営から支給された船──ぷかぷか丸に乗って巨大化した魚介類が出現する海域に到達し、皆に指示を出す。

 

(目標地点に到達する間、彩雲を飛ばして周囲を索敵したけど、深海棲艦は一隻も確認されなかった)

……かなり不気味ね。引き続き彩雲を飛ばして、警戒しておきましょう。

 

「了解です!」

「乱獲するっぽい!」

「捌くのは私に任せてください」

 

 囮役の涼月さんと夕立さん、扶桑さんが艤装を纏って、海上に降りて配置に就く為、航行を開始している。

 顔色を見るに、元気そうね。思考や感情を読み取れれば、無理をしていないか分かるけど、残念ながら読み取る事が出来ない。

 

(早く、綾波さん達(・ ・ ・ ・ ・)のように、安定して読み取れるようになりたいわ……)

……いけない。ボーッとしていないで、私も海に降りて()をしないと。

 その前に──

 

「ほら、しっかりしなさい?」

 船酔い(・ ・ ・)した娘達をケアしないといけないわね。

 

「うぅ……ぎぼぢわ"る"い"……」

「はるな……だいじょう……ぶ……じゃない……です……」

「うふふ……うふふふふふ……うぷっ……」

 

……顔面蒼白で、今にも吐きそうな顔をしている。お願いだから、船の上にぶちまけないで(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 やるなら、海に向かってぶちまけなさい。

 

 翔鶴、今にも死にそうな顔をしているけど、大丈夫?ただでさえ白い肌が、深海棲艦並に白くなっているわよ?

 

 榛名さんは、必死に吐くのをこらえているけど、長くは持ちそうにない。ほら、恥ずかしがらずに吐きなさい。

 

 早霜さん、あなた、顔中に青筋浮かべて、瞳孔をカッ広げながら笑わないで?言葉は悪いけど、怖いわ。

 

 他にも、ぷかぷか丸に乗っている娘達の殆どが、船酔いしたのか顔色が悪い。

 全員、酔い止めを飲んでいたのに……。

 

 

…………。

 

 

「……船の上で轟沈(・ ・ ・ ・ ・ ・)する所でした」

 

「冗談を言える余裕が出てきたみたいね、翔鶴。さぁ、行きましょう?」

 

「……はい」

 

「それでは、各自、配置に就いて」

 危うく船酔いした娘達がマー○イオンになりかけたけど、酔い止めの効果が現れたお陰で、誰一人マーラ○オンにならずに済んだ。

 

 体調が回復した後。全員に指示を出し、魚介類を捜索する。さて、私も行きましょう。

 艤装を纏い、海上に降り立って、ぷかぷか丸から距離を取る。

 

 囮役は私を含め、涼月さん、夕立さん、扶桑さん、由良さん、翔鶴の6人。

 

 後の6人──榛名さん、夕張さん、阿武隈さん、時雨さん、早霜さん、文月ちゃんは、ぷかぷか丸に残り、捕獲を行う。

 

(……今の所、魚影は確認出来ない)

 彩雲を操る妖精さんと視界を共有し、海上を確認しているけど、何も居ない。

 けれど、ぷかぷか丸に搭載されている魚群探知機には、この周辺に居ると表示されている。

 

 そう思っていた時だった。

 

『こちら、早霜です。ソナーに感あり。無数の反応が、浮上して来ます』

 

「了解。総員、戦闘用意」

 ぷかぷか丸で待機している早霜さんから、報告が入った。

 来たわね。全員に指示を出しながら、素早く艦爆隊を発艦させ、準備を整える。

 さぁ、何時でも来なさい。

 

 

……10秒経過。

 海中を見るも、魚影は確認されない。

 

……20秒経過。

 早霜さんから、深度100mに反応があると、報告が入ってきた。

 

……30秒経過。

 海中で動く存在が見えた。かなり大きく、沢山居る。

 既に艦爆隊は、爆撃体勢に入っている。

 今飛ばしている艦爆隊に装備させた爆弾は、今回の作戦用に作られた特殊弾(・ ・ ・)だから、魚介類に直撃させても殺傷する事は無い。

 一応、効果が無かった時に具えて、艤装に搭載されたギミックを、何時でも作動させられるようにしておきましょう。

 

……40秒経過。

 沢山の魚介類が海上目がけて浮上して来るのが、確認出来た。

 その内の何匹かが、私目掛けて突撃して来た。一旦回避しましょう。

 

 素早く戦速一杯に入れて、その場から離脱。

 他の囮役の娘達も、私と同じように停止状態から加速して移動し始めた。

 

(どうやら、皆も襲われそうになっているようね)

 周りを見ながらそう思っていると、先程まで私が居た箇所に、数匹の異常に巨大化した秋刀魚(・ ・ ・)が飛び出してきた。

 

……何度見ても大きいわね。

……目が合ってしまった。少し怖い。けど、相手は魚。恐れるな。

 

「艦爆隊、攻撃開始!」

 素早く指示を出し、秋刀魚目がけて爆撃隊を突っ込ませる。

 

『うぅ〜……殺したい!けど、殺せない……イライラするっぽい!』

 

『夕立さん、殺さなければ何をしても良いのですから、死なない程度にボコしましょう』

 

……夕立さん、涼月さん。勢い余って殺さないで。

 涼月さんはともかく、夕立さんは加減が下手だから、殺してしまう恐れがある。監視しておきましょう。

 

『首を置いていけ……』

 

……扶桑さん、やめなさい。落ち着きなさい。あっ、コラ、日本刀で秋刀魚を捌こうとしない──峰打ちか。なら良いわ。

 

『うるるあああああッッッ!!!』

 

『飛行甲板で頭をぶっ叩いて、脳震盪を起こしてあげますね?ねっ?』

 

……翔鶴、由良さん。やる気があるのは結構だけど、勢い余って頭を砕かないで?

……ああもう。翔鶴、加減しなさい。秋刀魚の頭半分が砕けているわよ。あなたのは装甲甲板だから、気を付けなさい?

 

『き、来た!』

『おおおおっおおお、落ち着いて!』

 

 ぷかぷか丸に、無数の巨大化した魚介類──秋刀魚やタコが殺到しているわね。

 時雨さん、阿武隈さん、落ち着きなさい。接近してきたら、電気ショック砲を撃ち込んで対処しなさい。

 

『ね〜ね〜、こいつら、電気ショック砲でやっちゃってい〜い〜?』

『うふふっ……文月さん。まだ射程範囲外だから、もう少し……待ちましょう?』

『こちら、夕張。魚介類、射程範囲内に入りました!撃って!!』

『こちら、榛名。了解です!……直撃しました!動きが止まりました!!』

 

 派手な放電音が聞こえたと同時に、ぷかぷか丸を襲おうとした魚介類達が突如、動きを止めた。

 艦娘の力で強化された視力で良く見ると、痙攣している。

 

『○イコ・キャプチャー、起動!!』

 

(……凄い光景ね)

 夕張さんが、ぷかぷか丸に搭載されている、サ○コ・キャプチャーと呼ばれる二本の巨大アームを起動させると、痙攣している魚介類に向かって伸び、半透明のフィールドのような物を発生させて、その中に閉じこめ、捕獲。

 そのまま四次元倉庫(・ ・ ・ ・ ・)の中へ、放り込んでしまった。

 

 一体、どのような原理でフィールドのような物を、発生させているのかしら──

 

「……おっと」

 ぷかぷか丸の方を見ていると、背後から気配を感じた。素早く振り返ると、秋刀魚が私目掛けて飛びかかって来た。

 

「甘いわ」

 急いで回避し、艤装のギミックを作動。飛行甲板を構え、すれ違いざまに、秋刀魚の胴体にアッパーを叩き込む。

……手応え有り。ギミックのお陰で腹を破らず、確実に骨だけ折ってやったわ。

 

 アッパーを叩き込まれた秋刀魚は、先程までの元気は無くなり、大人しくなった。

 幸い、死んていない。コイツは後で回収しましょう。

 

 

 

………………。

 

 

 

『ぼいぃ〜……疲れたぁ〜!!』

『夕立さん、気を抜かないでください!!』

『首……狩リタイ……首……置イテ逝ケ……』

『装甲甲板、艤装、損傷無し……けど、腕が痺れてきました』

『由良も、少し腕が痺れてきちゃった……』

 

 

(全員、疲れてきているわね)

 集中力が欠けてきている。このまま続けると、負傷者が出そうね。

 

『こちら、夕張です。加賀さん、四次元倉庫(・ ・ ・ ・ ・)がそろそろ満杯になります!』

 

「……了解よ。全員、撤退するわ。私が殿を務めるから、ぷかぷか丸に向かいなさい」

 そろそろ撤退指示を出すか考えていると、夕張さんから報告が入ってきた。

 丁度良い。今日はこの位にしましょう。

 

 全員に撤退指示を出し、囮になって時間を稼ぐ。

 殺傷した方が楽だけど、それをしたら共食いをして、巨大化する魚介類が増えてしまう。

……面倒ね。

 

『加賀さん、全員乗りました!加賀さんも早く!!』

 

「了解よ」

 何匹目か分からない秋刀魚を殴り飛ばし、急いでぷかぷか丸へ向かって航行。

 

(邪魔よ)

 途中、タコが足を伸ばして来たけど、これも殴り飛ばし、進路を確保。

……背後から、魚介類達が追いかけて来る音が聞こえる。少しだけ怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本能的恐怖を感じ、軽くパニックになりかけたけど、無事、ぷかぷか丸に乗り込んで離脱する事に成功。

 時折、追い付かれそうになったけど、その度に電気ショック砲を撃ち込んで撤退させたから、船は損傷せずに済んだ。

 

 もし壊したら、修理費がかかってしまう。なるべく被弾……じゃなかった。損傷させないようにしないと。

 

 

 

 

 

 そのまま私達は周囲を警戒しながら、第603鎮守府へ向かった。

 何度も彩雲を飛ばしたけど、深海棲艦は一隻も確認されなかったわ。

 

……大規模反攻作戦終了直後にしても、変ね。提督に報告しましょう。

 

 

 

 

 

 

 余談になるけれど、母港に帰還した後。

 捕獲した魚介類を処分しようとしたら、千歳さんから「食べる事が出来る」と言われ、大騒ぎになった、と言っておくわ。

 

……詳細を語ると長くなるから割愛するけど、最終的には全員、巨大化した魚介類を食べるようになりました。

 

……私、魚介類は好きだけど、毎日3食魚介類尽くしだと、流石に飽きます。

 

……あと何日、食べ続ければ良いの?誰か、教えて。

 

 

 

 

side 加賀 out

 

 

───────

────

 

 

side 提督

 

 

 

──第603鎮守府、母港──

漁開始(・ ・ ・)十四日目。

17:00。

 

 

 

「すげぇ油。気を付けないと、火事になりそうだ……ゲホッ!?」

 

「ほら、そっちは風下だから、こっちに来い」

 巨大な魚焼き用の金網に乗せられ、豪快に焼かれていた秋刀魚から発せられる煙の直撃を受け、摩耶が咳き込んだ。

……あーあ。煙のせいで、目が真っ赤。涙流してる。

 

「何度見ても、油の多さにドン引きだよ……」

 

「魚介類の油は、肉と違って身体に良いらしいから、摂取しても問題は無いらしいぞ」

 何時だかテレビでそう言ってた。うろ覚えだから、間違っているかもしれないが……。

 

「て、提督!?」

 

「どうした?時雨」

 秋刀魚が焼かれる様子を見ていると、時雨が焦ったような顔をしながら、俺に声を掛けてきた。

 

「よ、妖精さん達が、とてつもなく巨大な揚げ鍋(・ ・ ・)を用意しているんだ!!」

 

「ふーん、そうなんだ……はぁ!?」

 一瞬、流しそうになったが、ハッキリと聞こえた。

 とてつもなく巨大な揚げ鍋(・ ・ ・)を用意していると。

 

……おい、妖精さん達。その揚げ鍋、何時の間に造った?先日、A装備造ってそこそこ資材が蒸発(・ ・)したんだぞ。

 揚げ鍋(・ ・ ・)を運んでいる妖精さん達を睨むと、

 

 

<廃品から造りました

<資材には一切、手を出していません

<なので、なんの問題もないね

 

 

……ならいいや。

……いや、良くねぇよ。資材には手を出していないようだけど、俺に断りなく勝手に物を作るな。

 大規模反攻作戦で忙しく、ストレス発散出来なくてイラついているのは分かるけど、何か作るなら一言言ってくれ。

 

 そう思っている間にも、妖精さん達は巨大な揚げ鍋(・ ・ ・)をセットし、油を注ぎ始めた。

……ねぇ、妖精さん達。その油、何時用意した?何でそんな大量にあるの?

 

 

<秋刀魚を焼いた時に出た油です

<我々妖精さん達が特殊な方法で食用油に変えました!

<妖精さんの技術は世界一イイイィィィ!!!

 

 

……そうですか。というか、何で俺の考えている事が分かるの?何も言ってないのに。

……そういや、俺、顔に出やすいんだったね。きっと、俺の顔を見て何を考えているか分かったのだろう。

 

 そんなことを考えている間に、準備が整ったようだ。

 揚げ鍋(・ ・ ・)に入れられた油から、湯気が立っている。温度上げ過ぎじゃない?もう少し下げたら?

 

「よぉし、みなぎってきたわ!!」

 

「足柄、みなぎるのは良い。良いが、何をする気だ?」

 何時の間にか、エプロンをした足柄が揚げ鍋(・ ・ ・)の前に居た。

 

「何って、タコを揚げるのよ」

 

「下処理は済んでいるか?」

 

「バッチリよ!!」

 

 おーおー、良い笑顔でサムズアップしてきやがった。

 鼻歌交じりに、足を切り落とされたタコ本体(・ ・ ・ ・)を、両手で抱え──まさかとは思うが、そのまま放り込む気か?やめなさい。本体をもう少し細かく切り分けなさい。

 そいつをそのまま入れたら、いきなり黄○伝説の無人島生活みたいに、大惨事になるぞ。ほら、良い娘だから、やめ──

 

 

「足を切り落とした巨大タコを……

 

油にドー──」

 

 

「させるかァ!!」

 油にドーン!させねぇぞ!?そんな事やられたら、大惨事になる!メガ着火ファイヤー!!なんてレベルで済まない!!!

 

「離して!私はやるの!!憧れだった、油にドーン!を!!濱○優さんの真似をしたいの!!!」

 

「駄々を捏ねるな!!やるなら普通サイズのタコにしろ!!」

 くそっ、力が強い!えぇい、仕方ない!!やるっきゃねぇ!!!

 

 

 足柄の拘束──羽交い締めをやめ、素早く足柄の身体を俺の方に向かせる。

 そして、左腕を足柄の首に回し、右腕を股間に伸ばし、持ち上げる。

 

「ちょっ、提督ッ!?何処触っているの!!?」

 

 戸惑ったような声でそう言ってきたが、無視。

 足柄の頭を地面に向けて──

 

「こっ、これはッ!?まさか!!?」

 

 少し前まで、ゾンビ(涼月)娼鶴(・ ・)サキュバス(榛名)とかに、ほぼ毎日ぶちかましていたのを見ていたからか、これから自分が何をされるのか気付いたようだ。

 

 

……さて。やりますか。

 足元はコンクリだから……この位の力でぶちかませばいいか。

 

 

「てっ、提督、ちゃんと切り分けてから油にドーン!するわ!!だから、許──」

 

 

「そォい!!!」

 許しをこうて来たが、俺は無視して足柄にノーザンライトボムをぶちかました。

 

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 





次回予告


 提督ぅ〜、今日もお魚を食べるんですか?もう飽きましたぁ〜!
……んんっ!分かりました。食べますよ……。
……あ、あのっ、提督。何処に行くんですか?
……えっ?提督免許を更新する為、大本営に向かう、ですか?
 了解しました!気を付けて行ってらっしゃい!!


第117話・日本語でおk


Ich denke nur an dich(貴方の事ばかり、考えています)



【補足的なナニか】

・揚げ鍋…天ぷら鍋とも言う。揚げ物をする為の鍋。

・サイコ・キャプチャー…前話後書き補足参照。

・ぷかぷか丸…大本営が複数所有する、妖精さんの特殊技術がふんだんに使われた特種船を指す。
 元々は深海棲艦を捕獲する為、サイコ・キャプチャーや様々な武装を搭載している船だった(という設定)。


以上、補足終了。










 ローソンコラボの鬼怒が穿いているGパン(?)脱がして太腿触りてぇ……
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