……投稿から10ヶ月経過。時間の流れって早いなぁ(挨拶)
下ネタ、R17.9描写有り
頭を空っぽにしてご覧下さい
考えるな、感じろ
こまけェこたァいいんだよ!
※この小説に登場する人物達は全員、特殊な訓練を受けています。
決して真似しないで下さい。
※この小説はフィクションです。実在する人物、施設、団体等とは一切関係ありません。
予め、ご了承下さい。
※この小説内の季節は、10月中旬頃となっています。
後書きにて、お知らせがあります。
side 千歳
──第603鎮守府、工廠──
09:00。
「…………」
艦載機格納庫──異常なし。
艦載機妖精さん──異常なし。
艦載機──異常なし。
主機──異常なし。
チェック完了。これで何時でも
けど、今日は出番なし。待機だから、
……今朝、野原主任が新たに
(時間は──09:00か)
今頃、
……今日、とうとう
……先日
本当はそのまま
(幾ら
助ける為とはいえ、ボッコボコにしちゃった。今度、何かお詫びしなきゃ。
閑話休題。
……デート、か。
「羨ましい」
私も、
……いけない!声に出しちゃった!
慌てて周囲を見ると──良かった。誰も居ない。聞かれていないようね。
あの事件──ゾンビ騒動以降、独り言が増えてしまった。
幸い、誰にも聞かれていないから不審に思われたり、心配されたりしていないけど、このままだと誰かに聞かれる恐れがある。気を付けましょう。
(……はぁ。とうとう
先日、妖精さん達が作成・散布したゾンビウィルスのせいで、矢矧さんと海風ちゃん、秋雲さん、初霜ちゃん、満潮ちゃんが確実にヤベー奴らに含まれている事を、知ってしまった。
オマケに、摩耶さんと夕立ちゃんまでヤベー奴予備軍だと判明。
結果、その事実を知った彼は、泡を吹いて倒れてしまった。
幸い、と言って良いのか分からないけど、彼は覚悟を決めたみたいだから、壊れずに済んだ。
直ぐに復帰し、何時も通りの彼に戻ってくれたけど、一つ、問題が残ってしまった。
……いえ。一つどころか沢山あるけど、重大な問題がある。
それは──
(私が彼に
そのせいで、かなり警戒されている。
秘書艦になった日なんて、彼は終始「襲われたくない……」なんて考えていたし。
(……どう接すれば良いのよ)
誤解を解くにも、内心ビクビクされているから、私から無理に話しかけると逆効果になりかねない。
……はぁ。ほんの少し。ほんの少しだけ
そもそも何故、彼に
最初は、憎たらしい存在だと思っていた。殺したいと思っていた。
けど、彼に罪は無い。
だから、殺さなかった。
やがて、彼と過ごしていくうちに、気が付けば
……言わなくても分かっていると思うけど、異性としての愛情は一切無いわ。
この愛情は、例えるなら……自分の孫や息子、娘に抱くような物かしら?
何故、そんな感情を抱くようになったのか。理由は……良く分からない。
……とにかく、気が付くと私は
(私、本当にどうしちゃったのかしら?)
最近、おかしくなってきている。
「時代は
「ごめん、何言ってるか全然分からない」
「失礼しました。では、分りやすく言いますね。
ちょっくら夕張さんの胎内に還らせて下さい!!」
「うん、益々分からなくなった」
「……今日も
工廠の外から、
今、吹雪ちゃんは哨戒で不在だから、私が助けてあげなきゃ。
思考を一旦中止して、艦載機格納庫を片手で担ぎ、声が聞こえた方へ向かう。
「
うふふっ♪うふふふふっ♪
「
side 千歳 out
───────
────
─
side 提督
──某県某駅──
09:00。
目的地に到着。休日だからか、人が多い。
学生らしき私服姿の子達や、家族連れの人達。とにかく沢山居る。
それもそうだ。今、俺が居るのは日本最大級のショッピングモールのある、最寄り駅なのだから。
(久々の外出だから、変な気分だ)
何時もなら椅子に座って書類の山と
おまけに、今俺が着ているのは
(……アホな事考えていないで、
今日は丸一日、休みなんだ。仕事の事は忘れて、楽しまないと。
気持ちを社畜モードから、遊びモードに切り替える。
……何時も
(確か、瑞稀は駅前に設置されている、オブジェの前で待ってる、と言っていたな)
確か、こっちだったな。
改札を抜け、人の流れに沿って目的地へ向かう。しかし、人が多いから上手く進めない。まぁ、人が多いと言ったが、コ○ケ程じゃない。すぐに抜けられるだろ。
…………。
(や、やっと着いた)
数分後。ようやく人混みを抜け、目的地のオブジェがある所まで来る事が出来た。
現在時刻、09:07。約束の時間は09:00だから、確実に遅刻だ。
念の為ス○ホを確認すると、メールや電話は来ていない。怒っていないと良いんだが。
不安になりながら、瑞稀を探す。えっと、何処だ?何処に居る…………居た!
「お、お待たせ!」
深緑色の髪をツインテールにした女性──瑞稀を見付け、早歩きで近寄り、声を掛ける。
……あっ、なんか、懐かしい。学生時代にデートした時の事を思い出すなぁ。
……そういや今更だけど、瑞稀と再会してから二人きりでデートするの、今回が初めてだな。
「ううん、待ってないよ♪」
昔の事を思い出していると、瑞稀は花の咲いたような笑顔で待っていない、と言ってくれた。可愛い。
服装も、かなり気合いが入っている。
残念ながら服について詳しくないから、どんな恰好なのか説明出来ないが、とにかくお洒落だ。
……もっと服について勉強しないと。
ちなみに、俺もネットや雑誌等で調べ、かなり気合いを入れた私服を着てきた。それだから、失望させる事は無い……と思う──じゃなくて。
「けど、約束の時間を過ぎているし……」
きっと、瑞稀の事だ。俺よりも早く到着し、待っていてくれた筈。
「大丈夫。私もついさっき到着したから、全然待ってないよ?」
「……そう、か」
嘘だ。絶対待たせた。けど、これ以上は言わないでおこう。
代わりと言ってはなんだが、今日一日は瑞稀のやりたい事全てに付き合わせてもらおう。
さて。何故俺は瑞稀と二人きりで出掛けているのか、説明しようと思う。
あれは、今から二日前の事だ。
……決めたんだが、あるトラブルが起きた。そのトラブルとは、
『何時になれば私達を
という物だ。
俺の
しかし、
……何故邪魔するんですか。一度聞いてみたが、『職場で
そして、俺と瑞稀の二人に強制的に有給を与えられ、今日出かける事にし、今に至る。
……仕事は大丈夫なのかって?大丈夫だ、問題ない。
職場の
『お仕事なら私達で何とかします!だから!とっとと!瑞稀さんの処○膜をブチ破ってきてください!!』
と言ってきたから、大丈夫です。
余談になるが、瑞稀とデートした数日後に、
更にその数日後は、
閑話休題。
……何で職場から瑞稀と一緒に行かなかったのかって?それはだな、瑞稀が、
『せっかくなら、デートらしく待ち合わせしよ♪』
と提案してきたから。
なので、職場から別々に目的地へ向かい、こうして落ち合った、という訳だ。はい、説明終わり。
……説明が雑?仕方ないだろ、これからデートするんだから、長々と説明したくないんだよ。分かってくれ。
「ほら、ボーッとしてないで、行こ?」
「お、おう」
説明していたら、何時の間にか瑞稀が俺の手を取って歩き出した。
……指と指を絡める握り方をしてる。所謂、恋人繋ぎ。
(学生時代の頃も、こんな風に握って手を引いてくれたっけ)
ただ、あの頃と違い、今俺達が居る場所は地元ではなく、某ショッピングモールの駅前だ。
そして、今の瑞稀は非常に落ち着いた行動を取っている。具体的には、走らない。
……成長したな。あの頃はデートの時は必ずと言って良い程走っていたのに。
「……手なんか見て、どうしたの?」
「……ん?あぁ、昔の事を。学生時代にデートしていた時の事を思い出していたんだ」
どうやら手を凝視していたからか、不審に思った瑞稀が声を掛けてきた。
なので、手を見ていた理由を正直に話した。すると、瑞稀は苦笑しながらこう言ってきた。
「昔、かぁ……デートの度、こうして手を繋いで、私が走って準を引っ張ったっけ……」
「だな。そんで一度、俺が転んだんだよなぁ……」
今でもハッキリと覚えている。中学三年に上がって、1ヶ月位経った時にしたデートだったな。
あの時は雨が降っていて、足が滑って転んだ。
そんで、顔を上げたら瑞稀のスカートの中を見ちまって、それに気付いた瑞稀にアームロックぶちかまされたんだよなぁ。
ちなみに、これが瑞稀のスカートの中、初鑑賞です。
……色?白でした。
余談だが、瑞稀の下着姿を初めて見たのは、俺が小学生の……2年頃だったかな?確か、あの時は──
「……スカートの中を見た時の事を、思い出してるでしょ?」
「……オモイダシテイマセン」
やべっ、片言になっちまった。ぜってー嘘だとバレる。
「ダウト。片言だし、目が泳いでいるよ?」
「……スミマセン、思い出していました」
バレテーラ。なら、正直に白状しよう。
ジト目で見てくる瑞稀に謝罪。何やってんだよ、俺。不快な思いをさせてんじゃねーよ。
……って、あの、瑞稀?さっきまでジト目だったのに、何故そんなに嬉しそうな顔してるの?なんで顔を近付けてくるの?甘い吐息が掛かって、変な気分になりそうだから、離れて?あと、周囲の人達の視線が痛いから離れて?あっ、あのっ?耳元に顔を近付けて何を──
「準のスケベ♡」
「───ッッ!?」
ヤバい。今のは破壊力高い。
声がヤバい。ウィスパーボイス……でいいのか?囁くような小声だが、色気ムンムンの声で言われたから理性がガッツリ削られた。
こんな声、出せるんだ……。
「ふふっ♡ほら、行こ?」
「……はい」
くそぅ……やられた。めっちゃニヤニヤ笑ってやがる。
この後、俺と瑞稀はショッピングモールへ向かって会話しなから歩いて行った。
……周囲の人達の視線が痛い気がするが、無視しよう。
…………。
「えっと、映画は10:30からか。お店とか見て時間潰そ?」
「いいぞ」
えーと、今09:15だから、一時間近くある。
……初デートの時も、この位の時間だったな。
あの時は初デートだからと、瑞稀がめっちゃはしゃいで暴走気味になってて、抑えるのに苦労したっけ。
「んーと、このお店の位置は……」
「……」
インフォメーションを見て、店の位置を確認する瑞稀の横顔を盗み見ながら、ふと俺はある事を考えていた。
(めっちゃ可愛い)
……惚気乙?うっせぇ。仕方ないだろ?可愛いんだから。
ナチュラルメイク……でいいのか?自然な感じで化粧を施された肌。綺麗だ。
薄く口紅を塗った、瑞々しさとハリのある唇。美しい
まつ毛も、なんつーの?マスカラ?を付けていて、可愛い。
化粧もそうだけど、服装も良い。
とにかくいい。特に、太股に食い込んだ黒ニーソ。素晴らしい。
結論。尊い。
……ボキャ貧過ぎんだろ。もっとボキャブラリー増やさなきゃ。
(ボキャブラリーだけでなく、服装についても勉強しないと……)
以前もそう言って、結局勉強していない。マジでこのままだと、呆れられて捨てられる恐れがあるぞ。ガチで勉強しよ。
現に、瑞稀は相当気合を入れてお洒落をしている。なのに、服装についてどう?と聞いてこない。
恐らく、俺との付き合いが長い瑞稀の事だから、聞いても「似合っている」「可愛い」としか言えない事を知っているから、敢えて聞いてこないのかもしれない。
……ごめんよ?俺の為に気合い入れてお洒落してくれているのに、しっかり褒めてやる事が出来なくて。
「……どうしたの?そんな落ち込んだ顔して」
自己嫌悪していると、確認を終えた瑞稀が声を掛けてきた。
誤魔化そうと思ったけど、嘘をつきたくない。だから、正直に答えると、
「確かに、準は服装とかお洒落に関してアレだけど、私が教えてあげる。今はダメでも、少しずつ覚えていけばいいよ。だから、気にしないで♪」
満面の笑みでそう言ってくれた。
瑞稀ぃ……お前……いい娘だなぁ……。結婚しなきゃ。
「ほら、落ち込んでないで、行こっ♪」
「あ、あぁ……」
今は落ち込んでいる場合じゃない。今はデートを楽しまないと。……いや、楽しませてあげなきゃダメだ。
俺は再び瑞稀に手を引かれ、目的のお店──服屋へ向かった。
手を引かれた、と言ったが、決して走らず、俺のペースに合わせて歩いてくれた。
余談になるが、服を見るのに夢中になり過ぎて、気が付けば上映ギリギリになってしまい、二人で慌てて映画館へ向かった、と言っておく。
……初デートの時と、全く同じだなぁ。
更に余談になるが、俺達が観る映画は某仮面の戦士達が集結する特撮映画だ。
殆どが子連れの家族ばっかだったが、気にしない。
……いい歳した男女が特撮映画を観るのはどうなんだ、だと?うっせ。好きなんだから仕方ねーだろ。
…………。
13:00。
「え、えっと、何にしよう……」
「好きな物を頼みな。全部俺が出す」
お店の雰囲気と、メニュー表に書かれた値段を見て、少し戸惑っている。気にせず頼め。少し位、格好付けさせてくれ。
「そう?なら、お言葉に甘えるわ♪」
「おう、どんどん甘えな」
察してくれたのか、瑞稀は戸惑わなくなった。
さて、俺もメニュー表見て、何を頼むか決めよう。
……これにするか。
「決まった?」
「おう。そっちは?」
「決まったよ」
「分かった。すみませーん」
近くで待機していた店員さんに声を掛け、注文。さて、後はメニューが来るまで瑞稀と雑談でもして、時間を潰そう。
映画を観終えると、12:30になっていた。
丁度お腹が空いていたから、瑞稀の提案でフードコートに行って昼食を摂る事にしたんだが、今俺達が居るのはショッピングモール。しかも、休日でお昼時。
ここまで言えば予想出来ると思うが、めっちゃ混んでいた。
少し待てば空くかな?と思ったが、周囲を見ると席が空くのを待つ人が沢山居る事に気付いた。
なので、フードコートで食べるのを諦め、インフォメーションで見付けた、結構良い値段のするカフェへ行く事にした。
幸い、こっちはそこまで人が居なかったから、待たずに座る事が出来た。
ただ、お店の雰囲気が……なんつーの?高級というか、かなり大人な雰囲気を醸し出しているから、瑞稀は最初、戸惑っていた。言わなくても分かっていると思うが、如何わしい方の意味じゃねーぞ。
しかし、すぐに落ち着きを取り戻し、何時もの瑞稀に戻ってくれた。現に、さっき観た映画の感想を言っている。
「やっぱり、何度見てもWは良いわね」
「だな。W……良い」
言いたい事は沢山あるが、多く語る必要は無い。何故なら俺と瑞稀は「良い」の一言で伝わるから。
……にしても、なんつーか……変わらないなぁ。
「…………」
「……どうした?」
暫く会話をしていると、突然瑞稀が黙り込んでしまった。顔を見ると、慈愛に満ちた微笑みを浮かべている。
「なんていうか……変わらないなぁ、と思って」
「変わらない?」
「うん。昔から、変わってない。こうして会話していたら、学生時代の頃にデートした時と同じだなぁ、と思って……」
「……」
確かに。瑞稀が言った通り、変わっていない。
こうして会話していると、学生時代の頃みたいだなぁと既視感を覚える。
……いや、幾つか変わった。
中学までは小遣いを。高校に入ってからはバイト代をやりくりして、デートした。
そして、安いファミレスに行って他愛のない会話をしていたが、今は結構良い値段のするカフェで会話をしている。
……大人になったんだなぁと、妙に月日を感じた。
……会話の内容や言動は、相変わらず子供っぽいというツッコミは受け付けないぞ。
「お待たせしました」
「「──あっ」」
昔を思い出し、懐かしんでいると、店員さんが注文した料理を運んで来てくれた。
……一旦、昔の事を思い出すのは後にして、食べる事に集中しよう。
「それじゃ、食材に感謝して……いただきます」
「いただきます」
おしぼりで手を拭き、手を合わせて感謝の言葉を述べてから、料理──サンドウィッチに手を伸ばす。
ちなみに、瑞稀はナポリタンを頼んだ。本当に好きだねぇ、ナポリタン。
「……ねぇ、準」
「ん?どうした?」
サンドウィッチを1つ食べ終えると、瑞稀が声を掛けてきた。
……あの、何でナポリタンを巻いたフォークを、手皿しながら差し出しているのかな?いや、何故差し出しているのか予想は出来るけど、マジですか?
「はい、あーん♡」
「……あーん」
……うん。美味しい。けど、恥ずかしい。
現に、隣の席に座る俺達と同年代位のカップルさんが、めっちゃ見ています。
あの、こっち見ないで?ほら、あなた達もカップルなら、あーんしちゃいなよ。
こっそり、さり気なく隣を盗み見していると、
「美味しい?」
「美味しい」
瑞稀が感想を聞いてきた。
恥ずかしいけど、嬉しさの方が上回っているから、即答出来た。
……というか、そのフォーク。さっき瑞稀が口付けてたよね。間接キスじゃん。
……顔が熱い。きっと今の俺、耳まで真っ赤なんだろうなぁ。
……あ、隣のカップルさんも、俺達に触発されたのか、あーんしてる。なんか、ごめんなさい。
「ね、ね、そのサンドウィッチ、食べたいなぁ♡」
「……はい、あーん」
羞恥心を捨てろ。今、俺達はデートしている。そして、互いに想い合っている。なら、恥ずかしがる必要は無い。
開き直り、サンドウィッチを手に持って差し出す。
「ん〜♡」
目を細め、嬉しそうな顔しながら食べてる。可愛い。
「ありがと♡」
「どういたしまして」
うん。何度見ても可愛い。絶対逃がしたくない。絶対一緒の墓に入ってもらおう。今決めた。
……愛が重い?知るか。
この後、あーんしまくった。
途中、俺達の甘い空気に当てられたせいか、カフェに居た人達が次々にブラックコーヒーを頼んでいた。
本当にその……ごめんなさい。
………………。
16:30。
「あ〜、楽しかった」
「そいつは良かった」
とても満足そうな顔をしている。喜んでくれたみたいだ。
カフェで砂糖をぶちまけるような甘い空間を作った後。俺達は
主に洋服屋を見て周り、幾つか冬物を購入しただけだが。
以前、休養状態の時に瑞稀達と洋服を見て周った時も思ったけど、女性の買い物ってめっちゃ時間が掛かるんだね。
まぁ、全く気にならなかったけど。
閑話休題。
のんびりと服を見て周り、気に入った服を購入し、宅配便で
(心臓がバクバク言っている……破裂しないよな?)
もうね、今の俺の心音を擬音で例えるなら、┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……って感じになっている。
落ち着け……心を平静にして考えるんだ……こんな時どうするか……2……3……5……7…… 落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ……。
『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……俺に勇気を与えてくれる──
「……準、変な顔してどうしたの?」
「……心を落ち着けていた」
イカン。瑞稀が不審者を見るような目をしている。俺は不審者じゃないよ?何処にでも居る、普通の成人男性です。
「……何で心を落ち着けていたの?」
「…………」
言えねぇよ。これから、その……あの……うん……。
……お前、何度か瑞稀を襲って、
アホ!今の俺はあの時と違って、冷静なんだ。勢いに任せたりしていない。それだから、緊張してんだよ!言わせんな!!
「……大丈夫だよ。落ち着いて?」
「ぁ……」
瑞稀の手が、俺の頬に添えられた。そして、とても優しく微笑んできた。
「緊張しなくていいの。どんな事があっても、絶対に呆れたりしない。誓うわ」
「瑞……稀……」
「……ほら、行こう?」
「……あぁ」
……何やってんだよ。しっかりしろ、俺!
瑞稀に励まされると、少しだけ冷静になれた。
けど、鼓動は激しく鳴り続いている。
そして、気が付くと
……今、俺達は何処に居るか、って?
……ラ○ホです。
ついでに言うと、俺は現在進行形でシャワーを浴びています。
……ねぇ、展開早過ぎない?ショッピングモールからラ○ホまで結構距離ある筈なのに、何で到着しているの?誰か俺の時間をキング・クリ○ゾンしたのか?
……アホな事考えるな。しっかりしろ。
(今日
……逃げるなよ。今まで散々逃げてきたんだ。しっかり責任取らなきゃダメだ。
軽く壁に頭を叩き付けて、活を入れる。
……良し。冷静になれた。
……何時までもシャワー浴びてないで、さっさと洗って出ないと。
………………。
(……死にそう)
もうね、口から心臓吐き出しそうです。けど、吐き出すわけにはいかない。そんな事をしたら、死んじまう。
シャワーを浴び、バスタオルで水滴を拭き取り、腰に巻いてシャワールームから出ると、俯いたままベッドに腰掛ける瑞稀の姿が視界に入ってきた。
よく見ると、顔だけでなく耳まで林檎のように真っ赤だった。
何度か声を掛けたが、反応が無い。なので、恐る恐る肩に手を置くと、めっちゃ驚かれた。
けど、俺が出た事に気付き、慌ててシャワールームへ向かって走って行ってしまった。
そして、現在。俺はベッドに腰掛けて、瑞稀が出るのを待っているんだが……何となく。そう、何となくシャワールームの方を見ると半透明のガラスから、瑞稀の裸体が見えてしまった。
……ヤバいね。心拍数が更に上がってきた。
……何度か押し倒し、何度か裸体を拝んだと言うのに、ヤバい。
あの時は勢いで襲ったからそこまで緊張しなかったが、現在は冷静なせいでとにかくヤバい。語彙力が死んでいるが、許してくれ。正常に思考出来ないんだ。何を言えば良いか、分からない──
「…………お待たせ」
「…………あ、あぁ……」
気が付くと、バスタオルを巻いた瑞稀が立っていた。
普段ツインテールにしている髪は下ろしている。
……凄く色っぽい。
……。
……。
……
……アカン。何も言えねぇ。
「……あの……そんなにジロジロ……見ないで……」
「……すまん」
思わず瑞稀の
……。
……。
……。
……あーもう!何時までうだうだしてんだ!男だろ?覚悟決めたんだろ?時間はある。雰囲気もある。邪魔は無い。
だったら、
「えっ、ちょっ──キャアッ!?」
気が付けば、瑞稀をベッドに押し倒していた。
突然押し倒された事で、瑞稀は悲鳴をあげた。
俺はすかさず瑞稀の頬に手を添え、優しくキスをした。
「んッ!?───ッ♡」
最初は硬直していたが、次第に身体から力が抜けていった。
どれ程キスをしていたのだろう。
気が付けば、俺達は生まれたままの姿で抱き合い、キスをしていた。
そして、
「───はぁッ!はぁッ!おッ、お願ッ……お願いッ!もうッ、我慢……出来ないッ……♡」
「……分かった」
熱っぽい瞳で俺を見ながら、甘い声で瑞稀がそう言ってきた。
もう、これ以上待たせるわけにはいかない。
慣れない手つきで
「……逃げるなら。抵抗するなら、今のうちだぞ?」
最終確認をする。
勿論、返ってくる答えは知っている。が、念の為に聞いた。
「ふふっ♡逃げないよ♡抵抗しないよ♡だから──
「──ッッ!!瑞稀ッッッ!!!」
合意してくれた。なら、もう遠慮しない。
「キャッ!?──ふふっ♡────あっ♡」
こうして、俺と瑞稀は
お互い
最初は痛がっていたけど、段々痛みに慣れてきたのか、最終的にはお互い貪るように──おっと。これ以上は言わない。
……とまぁ、途中までは甘っ々な雰囲気で、互いに愛し合う感じで
「大丈夫!大丈夫だから!!」
「全っ然大丈夫じゃねーよ!?」
現在、そこそこ広い室内で瑞稀と
……何故、
簡単に説明するとだな、
瑞稀に
……と頼まれた為、逃げ回っています。
いや、まぁ、野原主任から「艤装を解体し、リンクを完全に外す」か、「ケッコンカッコカリしていない状態」なら
これについては、目の前の
「大丈夫よ!
「おまっ、1回の射○で精○が何個出るのか知ってるのか!?」
危ねっ!もう少し反応が遅かったら、捕まってた!!
……やべっ、追い詰められた!!
「個人差があるけど、約1億〜4億位と言われているわ。けどね、大丈夫。
《気合と根性で全部回避してみせるからッッッ!!!》」
「ルール違反ッ!!スーパーモード(仮名)になるの、ルール違反だぞッッ!!?」
ヒエッ……髪と肌の色が真っ白に。瞳の色が琥珀色から
この状態になると、ただでさえ高い瑞稀の身体能力が、更に高くなる!!ヤベェよ、ヤベェよ……。
「《ほォら……おいでェ……?なァに、怖がる事は無いさ……》」
「その口調……裏
オイオイ……勘弁して?君が瑞稀に味方したら、負けフラグ確定になっちゃうよ。
あと、両手を広げ、大股で歩いて迫らないで?君、何も着てないんだから、目に毒です。慎み持ちなさい。
「《正解♡うふッ♡逃ガさなイヨ……♡》」
……アカン。お目目にハートマークが浮かんでいるように見える。
……あっ、ちょ、待って!?落ち着いて!?落ち着きなさいって!!?
部屋に置いてあった、そういうプレイ用の手錠やらロープやらを使おうとすんな──ッぶねぇ!!?投げてきやがった!!!
何とか回避出来たが、このままだととっ捕まって、
「《まァだ抵抗するんだァ……仕方ないなァ……
全力で犯してあげるよッッッ!!!》」
「全力出さなくていい!!大人しくしなさい!!!」
髪ィ!逆立ってるッ!!
歯ァ!剥き出しにして笑わないでッ!?
瞳孔ォ!カッ広げないでッ!?怖いッ!!
「《ほら……
「お黙りッッッ!!!」
うっとりした顔で、腹部を撫でながら迫るなッッ!!?
……あっ、今の喋り方は瑞稀だな。俺には分かる。
……じゃなくて!逃げないと!!あと、さっきと言ってる事違うよ!?回避する気ゼロじゃん!!
覚悟は決めた。
もう迷わないと決めた。
もう逃げないと決めた。
……けどよ、流石に今、パパになるのは色々マズいです!!
最終的にはパパになるけど、今はダメ──あっ、こら、やめっ──やめなさい!ニタニタ笑いながら抱き着いて、
side 提督 out
───────
────
─
次回予告
童○卒業、おめっと〜!!
え〜?何さ、恥ずかしがる事無いっしょ?
……女の子が大声でそういう事言うんじゃありません?かったいなぁ〜。硬くするのは、提督のチン──分かった!言わない!言わないから、ノーザンライトボムしようとしないで!?
……そういや、今日は翔鶴さんとだっけ?にひひっ、頑張れ、男の子!勢い余ってパパにならないようにね?
……ごめんなさい!チョーシ乗り過ぎました!だから鈴谷にノーザンライトボムしないで──
第127話・お姉ちゃん特権です!
「ふふっ……何で……私……ばっか……り……」
※暫くデート回になりそう……。
※翔鶴→涼月→榛名→由良→葛城→阿武隈→扶桑→大鳳→加賀
の順にお送りする予定です。
※とある娘は普通。とある娘は純愛。そして、とある娘はギャグ展開になります。予想してみては如何?←
(ちなみに、瑞鶴のは普通です)
※甘い話を書いていたら、ふざけたくなる病が発症。結果、ああなりました。
反省している。後悔は一切していない。
【補足的なナニか】
・某ショッピングモール…S県K市にある、日本最大級のショッピングモールをモチーフにしています。
・┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…「ジョジョの奇妙な冒険」で、登場人物がジョジョ立ちをしながら現れた際に、何処ともなく発せられる、力が込められた擬音を指す。
類似の擬音に「ゴゴゴゴゴ……」がある。
第603鎮守府は
・素数を数えて(ry…「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する、「プッチ神父」こと「エンリコ・プッチ」が言い放った台詞が元ネタ。
・キング・クリムゾン…「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する「ディアボロ」のスタンドを指す。
能力を二つ持っていて、その内の1つは「時間を数十秒までの任意の秒数消し去る」という物。
・スーパーモード(仮名)…第603鎮守府所属、翔鶴型航空母艦二番艦、瑞鶴の適性者、
ぶっちゃけると、外見が深海鶴棲姫になる。
以上、補足終了。
その為、次話の投稿は未定です。予め、ご了承下さい。
執筆再開の目処が立ったら、活動報告でお伝えします。
デート編、もっと細かく描写するべき?
-
するべき
-
簡略化しろ