追跡鶴   作:EMS-10

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 第132話の後書きの一部を修正しました。
 読者の皆様にご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ございません。


※注意※
勢いしか無い
頭を空っぽにしてご覧下さい
お前らの嫁だろ、早くなんとかしろよ



※この小説はフィクションです。実在する人物、施設、団体等とは一切関係ありません。
 予め、ご了承下さい。

※この小説に登場する人物は全員、特殊な訓練を受けています。
 決して真似しないで下さい。

※この小説内の季節は、11月中旬頃になっています。



第133話・幼馴染系女子

 

side 由良

 

 

──第603鎮守府、埠頭──

()開始61日目。

10:00。

 

 

「うーん……」

 

「どうかな?」

 端末に表示されたデータを見る夕張(・ ・)の顔を見ると、ふざけた雰囲気は一切無い。とても真剣な顔をしている。

 それもその筈。何度もお説教(・ ・ ・)をしたからか、夕張(・ ・)は真面目に仕事──由良(・ ・)の艤装の稼働データを確認してくれている。

 

……お説教(・ ・ ・)の内容を知りたい、ですか?

 背骨が折れるか折れないか位の勢いで、瑞雲ラリアットで背中を何度もマッサージ(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)してあげました♪

 

「……これじゃあ、何度調整してもダメね」

 

替え時(・ ・ ・)でしょうか?」

 暫く端末とにらめっこをすると、そう言ってきた。

 結構魔改造(・ ・ ・)を施してあるんだけどなぁ。

 

「えぇ、替え時(・ ・ ・)ね。確実に艤装が由良の動きに付いてこれなくなっているわ。このままだと主機に過負荷が掛かって、最悪、大爆発を起こしかねないわ」

 

「……分かりました」

 仕方ない。夕張の言う通り、替え(・ ・)ましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 らっせー(渡良瀬)君──じゃない、今は仕事中よ。提督さんに抱かれ(・ ・ ・)てから6日が経過したけど、まるで昨日抱かれた(・ ・ ・ ・)かのように感覚が残っている。

 

 今まで色恋沙汰に興味が無かったから、まさか本気で好きになる人が現れて、好きな人に。ううん、愛している人に抱かれる(・ ・ ・ ・)日が来るとは思わなかったなぁ。人生、何があるか分からない物ね。

 

……それにしても、()、ちゃんと避妊(・ ・)して、ズッコンバッコン()ると心に決めていたのに、途中から何であんな事を──提督さんを泥酔させて襲おうとしたんだろう?

 

 幾ら幸せを得られたからとはいえ、浮かれ過ぎよ。危う提督さんや、提督さんのお嫁さん達に迷惑を掛けてしまう所だった。

 しっかりしなくちゃ。

 

「……にしても、たった数日でここまで急激に由良の反応速度(・ ・ ・ ・)が上がるなんて。ハッキリ言って異常よ?身体とかに異常は無い?医療妖精さんに診てもらった?」

 

「えぇ、無いわ。それに、昨日診てもらったわ。結果は異常なし」

 夕張の言った通り、ここ数日由良(・ ・)()反応速度(・ ・ ・ ・)桁外れに上昇(・ ・ ・ ・ ・ ・)した。

 正直、自分でも驚いている。何故、ここまで反応速度(・ ・ ・ ・)が上昇したんだろう?

 念の為医療妖精さんに診てもらったけど、結果はさっき言った通り、異常なし。

 心当たりは無いか聞かれたけど、何も思い当たらなかった。

 

……訂正。一つだけある。

 

(提督さんに抱かれて(・ ・ ・ ・)から、急に身体が軽くなった)

 身体だけじゃない。()まで軽くなった気がする。

 上手く言葉に出来ないけど、ずっと望んでいた(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)幸せを得られた(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)から、気持ち(・ ・ ・)がとても楽になった。

 

 もしかしたら、そのお陰で以前よりも反応速度(・ ・ ・ ・)が上がったのかもしれない。

 勿論、この事を医療妖精さんに話した。医療妖精さんは口が非常に堅い。

 

(それを聞いた医療妖精さん、優しい顔をしていたなぁ……)

 すぐに真面目な顔になって、大本営で精密検査を受けた方が良い、と言われちゃったけど。

 

「とにかく、提督が帰って来たらこの事を報告するね」

 

「お願いします」

……また、提督さんに迷惑掛けちゃう。

 提督さんに抱かれて(・ ・ ・ ・)から、瑞鶴さん達のように幻聴が聞こえる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)ようになってしまった。

 その事を相談したら、とても心配されちゃった。

 ただ、幸いと言っていいのか分からないけれど、()は瑞鶴さん達程聞こえない(・ ・ ・ ・ ・)

 

(幻聴が聞こえる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)だけでなく、反応速度(・ ・ ・ ・)異常に上昇(・ ・ ・ ・ ・)しちゃった……)

 ただでさえ迷惑を掛けているというのに、また迷惑掛けちゃう……

 

 最近は落ち着いてきているけど、提督さんの仕事──捌かなければならない書類は未だ多い。

 そこに、()の艤装に関する書類を書いてもらう必要が出てしまった。

 つまり、負担を。迷惑を掛けてしまう。

 

 提督さんの事だから、「気にするな」と言うだろうけど、だからって甘え過ぎるのは良くない──

 

 

 

How do you like Firework?(お前が花火になるんだよッ!)

 

 

『な、なんでぇ〜!!?』

 

 

…………夕張(・ ・)反応速度(・ ・ ・ ・)について話していると、演習海域で演習をしている二人──初霜(・ ・)さんが、さ淫れ(・ ・ ・)を酸素魚雷の零距離発射(・ ・ ・ ・ ・)花火(・ ・)にする様子が、無線から聞こえてきた。

 

……初霜さん。何故、あんなロックな思考・言動をするようになってしまったのでしょう?

 少し前までは、とっても良い娘(・ ・ ・)だったのに……。

 

 

特殊改装(・ ・ ・ ・)を施されていなくても、私は!殺ってみせる!

 

 

How do you like me now ?(これがッ!駆逐艦魂だァァ!!)

 

 

『とってもスウィートですよ、初霜ォ!

 まるで練乳を一気飲みした位になぁッッ!!』

 

 

 メ○ルウルフカオス状態に陥っています。楽しそうですね……じゃなくて。さ淫れ(・ ・ ・)少しだけ(・ ・ ・ ・)本気(・ ・)になったようね。

 今の所、二人とも理性がある(・ ・ ・ ・ ・)から大事には至らないでしょうけど、いざとなったら止めましょう──

 

 

「初霜ちゃん、そのまま淫乱ブルー(五月雨)を海底へ直葬(・ ・)しちゃって」

 

「何を言ってるのよ、このお中元(・ ・ ・)

 嬉しそうになんて事を言い出すの。そんな事になったら、色々マズいわよ──

 

 

『能代姉ッ!そんな事しないでッ!?しっ、下着!思いっ切り見えているわよッ!?』

 

『恥じらいを捨てなさい、矢矧ッ!戦場では、恥じらいなんて不要ッ!』

 

『そ、そんな事言われても──ッ!?だから、足!飛行甲板に取り付けたブレード(・ ・ ・ ・)を振り回さないでッ!?見えているからッッ!!』

 

『殺し合いの場で、パンモロ(・ ・ ・ ・)しても気にしないッ!

羞恥心なんて、ゴミ箱に捨てなさいッ!!』

 

 

『出来るかッッッ!!!』

 

 

『堂々としていれば、何の問題もないわッッ!!』

 

 

『問題大アリよッッッ!!!』

 

 

…………初霜さん達と一緒に演習をしている、能代さんと矢矧さんのやり取りが無線から聞こえてきました。

 生真面目(・ ・ ・ ・)な矢矧さんの事だから、スカートを派手にめくれさせながら戦う事に抵抗があるのでしょう。

 ()みたいにスパッツでも穿けば、派手に動き回れますよ?

 

「……由良(・ ・)も参加したいなぁ」

 

「ダメよ。由良の艤装は負荷が掛かっていて、下手したら主機が大爆発する恐れがあるのよ?」

 

「分かっているわ。言ってみただけ」

 あーあ。ダメかぁ。

 

「とりあえず、由良は艤装のパーツが届いて修理が完了するまで、出撃や()、演習。とにかく、艤装を纏って海に出るのは禁止よ」

 

「了解しました」

……はぁ。暫く海に出られないのかぁ。早く、直らないかなぁ。

 

 

side 由良 out

 

 

───────

────

 

 

side 提督

 

 

──某県某所──

10:00。

 

 

「へぇ、結構賑わっているなぁ」

 見渡す限り、人、人、人。とにかく人が多い。

 

「殆どが観光客よ。観光客を除けば、そこまで人口は多くないわ。寧ろ少ない位よ。丁度観光シーズンだから、人でごった返しているの」

 

「やっぱり観光客か」

 俺の実家周辺も此処と似たような物だから、何となく「この人は観光客だ」「この人は地元の人だ」というのが分かる。

 観光地に住む地元人あるある、って奴だ。

 

 

……おっと。説明が遅くなったが、現在、俺は祀利(葛城)とデートをしている。

 今日は祀利の提案で、彼女の地元に来ている。

 

 余談になるが、浦樹の職場(第08鎮守府)が近くにある。タクシーに乗れば、30分以内に着く。

 冷やかしに行こうかな?とおもったが、今は祀利とデート中だ。やめよう。

 

 閑話休題。

 

 祀利の案内で駅からタクシーに乗り、十数分後。目的地──商店街に来たんだが、さっき説明した通り、人でごった返している。

 殆どが観光客だが、地元の人も多く、かなり活気がある。

 

 何故、こんなに観光客が多いのか。それはな、某戦車道(・ ・ ・)のアニメが舞台になった所だからだ。

 更に、奇しくも今日は陸軍(・ ・)モノホン(・ ・ ・ ・)の戦車を使ってイベントをする日らしく、それを見る為に全国から人が集まり、とんでもない人数が集まっているんだ。

 まぁ、今回は祀利と一緒に彼女の地元を見て周るだけで、イベントには参加しないが。

 

……そうそう。何故、陸軍(・ ・)がこんな事をするか。

 噂だと、ガ○パンを見た陸軍(・ ・)のお偉いさんが、「本物の戦車道(・ ・ ・)を見せてやろうじゃねぇか!(意訳)」という理由で協力しているそうだ。

 

 ちなみに、此処だけでなく日本各地で戦車を使って色々やっているらしい。

 詳細を話すと長くなるから、割愛させてもらう。

 

……あ、言い忘れたが、ツッコミ入れない方がいいぞ。

 言葉は物凄く悪いが、陸軍(・ ・)はノリと勢いしかない連中だから、ツッコミ入れてたら持たなくなる。

 

 余談になるが、陸軍(・ ・)と海軍は物凄く仲が良い。

 昔──深海棲艦出現前は仲が悪かったらしいが、今は違う。理由?詳細を語るとエラい長くなるから割愛。

 

……とりあえず、思考を中断しよう。今俺は祀利とデート中なんだ。彼女の事以外を考えるのは、やめよう。

 隣を歩く祀利を盗み見すると、

 

「〜〜♪」

 

(おーおー、ご機嫌だなぁ。鼻歌歌ってらぁ)

 それもそうだ。彼女曰く、俺とデートが出来て嬉しいと言っていたのだから。

 

(……にしても、祀利らしい格好だなぁ)

 灰色……いや、鼠色か?そんな色をした縦セーターに、前開きタイプの深緑色をした厚手のパーカー。そして、デニムのホットパンツと黒タイツを穿いている。

 靴は──スポーティな感じだけど、お洒落さもある……アカン、名前が分からない。お勉強(・ ・ ・)しなきゃ。

 

……と、とにかく、活発な祀利にピッタリの服装だ。にしてもホットパンツ。もうね、ヤベぇ。ドスケベ下半身の異名を持つ祀利の下半身がね、ハッキリと見えるから……じゃなくて。服の名前、合ってるよね?間違っていたらごめんなさい。

 

(お勉強(・ ・ ・)したから、多少名前を覚える事が出来たけど、まだまだ完璧じゃない)

 もし間違っていたら。いや、間違っていなくても、お勉強(・ ・ ・)しなきゃならない。あと、靴についてもお勉強(・ ・ ・)しないと。

 

 余談になるが、そんな格好で寒くないの?気温低いから、辛くない?

 デート開始時にそう聞くと、「加工(・ ・)されているから大丈夫(意訳)」と言われたから、問題は無いそうだ。

……加工(・ ・)の部分だが、なんか名前があったけど、忘れてしまった。だから加工(・ ・)と表現した。

 

 デートを終えて帰ったら、服装や靴の名称だけでなく、冬服等の寒さを感じさせない素材……でいいのか?それらについてもお勉強(・ ・ ・)しよう──

 

「……どうしたの?」

 

「──ん?」

 イカン、祀利の服装を見ながら考え事をしていたら、不審に思われてしまった。

 

「急に黙ったと思ったら、私の事をジロジロ見てきて。……私の服装、変?」

 

「いや、変じゃない。祀利に良く似合う服装だな、と思っていたんだ。ジロジロ見たりしてすまない」

 服や靴、素材?の名前についてお勉強(・ ・ ・)云々については、黙っておこう。絶対揶揄われる。

 

「ふぅん?服だけでなく、私のお尻も見ていたような気がするんだけど?」

 

 おぉう……バレテーラ……。いや、その……本当にすみません。

 雑誌やネットとかに書かれてあったけど、女性って視線に敏感なんだなぁ。身をもって実感した──

 

「まっ、仕方ないわ。あなた、下半身(・ ・ ・)が好きだし」

 

「祀利さん、言い方」

 誤解を招く言い方しないでください。下手したら周りの人達に聞かれ、通報されてお巡りさんとデートするハメになっちゃう。

 

「事実でしょ?私、知ってるわよ?前の職場(第08鎮守府)に居た時、加藤(浦樹)が教えてくれたわ。あなたは下半身好きだ!って」

 

「だから、言い方ァ!」

 やめーや!マジで誤解されちゃう!俺は下半身好きじゃなくて、尻フェチなの!

……それはそれとして、浦樹ィ。オメー、俺の性癖暴露しやがったな?次に会った時、ノーザンライトボムぶちかましてやる。

 ついでに、美穂さん(瑞鳳さん)にお前の性癖を。胸フェチで巨乳が好きなんだ!と研修所(養成所)で暴露していた事をリークしてやっかんな?覚悟しとけよ?

……じゃなくて。今は余計な事を考えている場合じゃない。

 

「その……不快な思いをさせて、本当に申し訳ない」

 と、とにかく、今は誠心誠意謝罪しよう。

 最近、俺に好意を寄せてくれる娘限定だが、性的な視線を向けるようになっている。最低だな。何やってんだよ大馬鹿野郎。

 

「んー……別に、その……あなたになら、見られてもいいかなぁ、って思っているから、気にしなくても……いいよ?」

 

 君、自分が何を言っているのか理解してる?とんでもない事言っているよ?

……じゃなくて。と、とにかく!俺は最低な事をした。

 俺はもう一度頭を深く下げ、謝罪した。すると、

 

「……恥ずかしいには恥ずかしいけど、不快には思っていないわ?本当に気にしないで?」

 

 顔を赤く染め、はにかみながらそう言ってきた。

 いや、けどなぁ……。

 

 それから俺は、祀利に謝罪し続けた。

 しかし、帰ってくる返事は全て「気にしなくていい」という物だった。

 

「もう。私が気にしない、って言っているんだから、気にしないの!ほら、行くわよ?」

 

「あっ、ちょっ!?」

 強引に手を引かれ、会話を打ち切られてしまった。

 

「あなたは、私に興味を示してくれた!だから、見てきた(・ ・ ・ ・)!私はそれが嬉しい!私は不快に思っていない!はい、この話はおしまい!

 せっかくのデートなんだから、楽しまなきゃ損よ!ほら、気持ちを切り替えましょう?まずは私がオススメする所に連れて行ってあげる!」

 

「わ、分かった!分かったから、引っ張らないでくれ!」

 あと、もう少しだけ力を弱めてくれないか?結構強く手を握られ、更に強く引っ張られているから、手と肩が痛い。

 

 しかし、祀利は暫く強い力で手を握り、引っ張り続けた。

……祀利のカラダ(・ ・ ・)を見た罰だと思え。

 とにかく、さっきみたいな事──祀利のカラダ(・ ・ ・)をジロジロ見たりしないよう、気を付けよう。

 

 

───

 

 

「まずは此処の名物、アンコウ饅頭を食べましょう?」 

「アンコウ饅頭?アンコウって、魚介類の?高級魚じゃなかったっけ?」

 何故それを饅頭にするんだ?それに、良い値段がするんじゃない?まぁ、喜んで買ってあげるけど。

 

 祀利に引っ張られ続けて数分後。俺は祀利の目当ての場所──アンコウ饅頭が売られているお店の前に来ていた。

 どうやら人気店らしく、結構人が並んでいる。

 

「えぇ。アンコウは高級魚って言われてるけど、この時期になると、此処周辺の海域だけ何故かアホみたいにアンコウが釣れるから、他所と比べてかなり安いのよ」

 

「へぇ、知らなかった」

 もっと他所の地域──俺の嫁さん達(・ ・ ・ ・)の出身地について勉強しよう。

 

「それだから、アンコウが釣れる時期になると、ほぼ毎日食卓に並ぶわ……」

 

「マジかよ……」

 学生の頃、一度だけ爺ちゃんが食わせてくれたけど、めっちゃ美味かったのを覚えている。

 あんなに美味いものを期間限定とはいえ、ほぼ毎日食えるって……羨ましいぞ?

 

 というか、祀利。目。ハイライトさんが消えかかっているよ?どうした?

 毎度思うけど、何でウチの娘達ってハイライトさんを消せるの?凄くね?

 

「羨ましいと思うかもしれないけど、毎日食べるとなると……うん。辛いわ。分かりやすく例えるなら、以前私達の職場で魚介類尽くしの日が続いたじゃない?あんな感じよ?」

 

「……その話はやめよう?」

 アレは嫌な事件だったね。そっかー。あんな感じかぁ……やめよう。思い出すな。

 

……話題を変えよう。じゃないと、祀利と俺のメンタルが持たない。

 えっと、話題……話題……そ、そうだ!アンコウ饅頭について聞いてみよう!何故饅頭にしたんだろう?

 恐る恐る祀利に聞くと、

 

「饅頭にした理由だけど、観光客向けに手軽にアンコウを食べてもらう方法を考えた結果、饅頭にしたそうよ?」

 

 話題に乗ってくれた。そのお陰か、ハイライトさんが復活してくれた。良かった良かった。

 

 閑話休題。

 

 確かに。アンコウはお高そうな料亭に行かなきゃ食べる事が出来ない、ってイメージがある。

 それだと、中々観光客に食べてもらえない。けど、饅頭にすれば食べてもらえるかもしれない──

 

「……ほら、並びましょう?」

 

「あ、あぁ」

 アンコウ饅頭について考えていると、再び祀利に手を引かれ、俺達は列に並んだ。

……なんか、この強引さ……でいいのか?学生時代の瑞稀(瑞鶴)とそっくりだ。いや、まんまだ。

 

……何を考えているんだよ。今、俺の隣に居るのは瑞稀じゃない。祀利だ。

 今は祀利とのデート中。瑞稀を──他の女性の事を考えるな。失礼だぞ?

 

「結構大きいから、食べ応えがあるわ。期待して♪」

 

「地元の人がそう言うなら、期待する」

 どれ位大きいのだろう?まぁ、見れば分かるか。

 

 それから俺は祀利と他愛ない会話をし、列に並び続けた。

 お店の人達の手際が良いのか、かなり並んでいたのに数分後に買う事が出来たんだが……うん……デカい。予想より、遥かにデカい。

 

 分かりやすく例えるなら、横浜中華街で売っている肉まん並にデカい。

 こんなにデカくて中身もギッシリ詰まっているから、結構良い値段がするのかな?と思ったが、税込で1つ500円という破格の値段だった、と言っておく。

 

 味の方は、とても美味い。語彙力が少な過ぎるから、それしか言えん。

 誰か、孤独のグルメのゴ○ーさん並の語彙力をくれ。

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

Another side

 

 

──大本営、執務室──

 

 

「……また(・ ・)進化の時(・ ・ ・ ・)が来たようだ」

 間違いない。再び(・ ・)この時が来た(・ ・ ・ ・ ・ ・)。いや、来てしまった(・ ・ ・ ・ ・ ・)

 報告書を見ながら、私は思わずそう零してしまった。

 

「……また(・ ・)、ですか」

 

「あぁ。再び(・ ・)混乱が起こる(・ ・ ・ ・ ・ ・)だろう」

 しかし、今回の進化(・ ・)は今までとは比べ物にならない程の混乱が起こる筈。

 

 何故なら、今までは艦娘の(・ ・ ・)身体能力(・ ・ ・ ・)治癒能力(・ ・ ・ ・)の向上、加護の強固化(・ ・ ・ ・ ・ ・)といった、深海棲艦に対抗(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)する為の力(・ ・ ・ ・ ・)が増した物だった。

 

 最初は混乱が起きたが、直ぐに受け入れられ、落ち着いた。

 しかし、今度の進化(・ ・ ・ ・ ・)で得られる力は、とてもじゃないが受け入れ難い力だ。

 その力とは──

 

「確かに。他人の思考や感情(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)読み取れる(・ ・ ・ ・ ・)などという馬鹿げた力ですから、余程の変人(・ ・ ・ ・ ・)でない限り、受け入れられないでしょう」

 

 __(・ ・)が言ってくれたが、今度は(・ ・ ・)他人の思考や感情(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)読み取れる(・ ・ ・ ・ ・)という()だ。

 

 何故、こんな力が得られたというのだ?

 疑問に思うが、その答えを得る事は出来ない。

 

 キャット(・ ・ ・ ・)が居れば──いや。彼女(・ ・)は非常に気まぐれで、決して答えを与えてくれない。

 ヒントだけを与え、我々人類が謎を解き明かす様子を見るのがとても好きな性格だったと言われている。

 彼女(・ ・)が居たとしても、教えてはくれないだろう。

 

元帥(・ ・)。今は何故、あのような力(・ ・ ・ ・ ・ ・)を得られるようになったのかを考えるより、覚醒者(・ ・ ・)達の対応を考えるのが先決だと思われます」

 

「……そう、だな」

 私の悪い癖──謎を謎のままにしたくない。全てを知りたいと思い、色々考えてしまう癖が出てしまった。気を付けねば。

 

……しかし、何と説明すればいいんだ?説明したとしても受け入れられず、発狂する艦娘も現れるだろう。

 

 現に、覚醒者(・ ・ ・)となった艦娘や、その艦娘と深い関係(・ ・ ・ ・)になった者達(・ ・)新たな力(・ ・ ・ ・)について説明を受けると、発狂(・ ・)してしまった。

 幸いにも、その者達はカウンセリング課のカウンセラー達のお陰で、少しずつ回復していっている。

 

……中にはアッサリと受け入れる変人(・ ・)も居るが、極小数だ。

 

 閑話休題。

 

「……__(・ ・)。今現在把握出来ている、覚醒傾向(・ ・ ・ ・)のある艦娘の数は何名だ?大体でいい」

 

「少々お待ち下さい。……現在、約100名程です」

 

「約100名……か」

 予想より少ない。だが、徐々に増えていくだろう。

 今のうちに、カウンセリング課の人員を増やさねば。

……それにしても、

 

(アメリカやドイツ、イギリス(・ ・ ・ ・)イタリア(・ ・ ・ ・)フランス(・ ・ ・ ・)ロシア(・ ・ ・)

 それから、スウェーデン(・ ・ ・ ・ ・)といった、艦娘が存在する国に連絡を取ったところ、日本所属の艦娘(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)以外(・ ・)覚醒者(・ ・ ・)はおろか、覚醒反応(・ ・ ・ ・)のある艦娘の存在が確認されていない(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)。一体、何故だ?)

 何故、日本所属の艦娘だけが──内線が入った。一旦思考を中断しよう。

 素早く受話器を取る。

 

「こちら、執務室だ──」

 

 

『こちらカウンセリング課、橿原(・ ・)だ!元帥!さっさとカウンセラーの人員を増やしてくれ!!患者が多過ぎて対応出来ねぇ!!!』

 

 

「……橿原先生、落ち着け。現在、日本各地のカウンセリング課と交渉している。もう少しだけ待ってくれ──」

 

 

『先日もそう言ってたよなぁ?さっさと増やさないと、一升瓶でドタマカチ割るぞオッラアアアン!!!』

 

 

「落ち着け。冷静になれ──」

 

 

『1週間以内に増員しなかったら、一昨日元帥が部下を連れてキャバクラに行った事、嫁さんにチクんぞォォォ!!!』

 

 

「1週間以内だな!?任せろッッッ!!!」

 何故知っているんだ!?……じゃない。妻にチクられたら、殺されてしまう!!

 タイムリミットは1週間以内。出来るのか?……いや、やるしかない。じゃないと、私は……私は──

 

 

Another side out

 

 

───────

────

 

 

 





次回予告


 葛城の奴、上手くやってるかなぁ?あの娘、結構ヘタレな所があるから、抱かれる(・ ・ ・ ・)時に暴れたりしそう──うぅ、また聞こえてきた(・ ・ ・ ・ ・ ・)
 なんなのよ、もう!せっかく準と【自主規制】出来て幸せになれた(・ ・ ・ ・ ・ ・)のに。一体、何が起こっているのよ!?


第134話・幼馴染系女子その2


「私、これからは下半身(・ ・ ・)で勝負するわ!!」


【補足的なナニか】

・How do you like me now ?…フロム渾身の問題作Xbox用ゲーム「メタルウルフカオス」の主人公、「マイケル・ウィルソン・Jr」が言い放つ決め台詞が元ネタ。
 「メタルウルフカオス」が気になった人は、今すぐ購入しろ!するんだ!遊べば、最高にハッピーな気分になるぞ!(ダイマ)
 この小説に登場する人物達は全員、特殊な訓練を受けています。決して真似しないで下さい。

・とってもスウィートですよ(ry…上記の「メタルウルフカオス」に登場する「リチャード・ホーク」の迷言台詞が元ネタ。

・某戦車のアニメ…「ガールズ&パンツァー」を指す。ガルパンはいいぞ。

・アンコウ饅頭…恐らくこの小説オリジナルの、架空の食べ物です。
 もし他の作者様とネタが被っていましたら、コメント等で指摘してやって下さい。

・葛城…第603鎮守府所属、雲龍型航空母艦三番艦、葛城の適性者、大貫祀利(おおぬきまつり)を指す。
 歳の離れた姉が二人居て、二人とも艦娘の適性者らしい。
 自分の身体。特に胸にコンプレックスを抱いており、学生時代に異性から揶揄われ続けた事で、ノイローゼになりかけた事がある。
 

・艦娘の進化…coming soon


以上、補足終了。

デート編、もっと細かく描写するべき?

  • するべき
  • 簡略化しろ
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