追跡鶴   作:EMS-10

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 語彙力をください(挨拶)

※注意※
R17.9描写及び、下ネタ表現有り
とにかく頭の悪い内容
頭を空っぽにしてご覧下さい
お前らの嫁だろ、早くなんとかしろよ


特殊な表現(・ ・ ・ ・ ・)が含まれています。閲覧の際はご注意下さい。


※この小説はフィクションです。実在する人物、施設、団体等とは一切関係ありません。
 予め、ご了承下さい。

※この小説に登場する人物は全員、特殊な訓練を受けています。
 決して真似しないで下さい。

※この小説内の季節は、11月中旬頃になっています。



第136話・一途な後輩その2

 

side 提督

 

 

──某都某所──

()開始66日目。

12:50。

 

 

 突然だが、皆に質問だ。

 いきなり何を言い出すんだ?と思うかもしれないが、聞いてくれ。

 

 外見年齢が20代前半位。身長約180cm前後。体格は普通の男性が居たとする。

 その男性が、外見年齢10代後半位か20代に入るか入らないか。身長約160cm前後。体格はかなり細身の女性に──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な゙に゙を゙言゙っ゙でぐれ゙ぢゃ゙っ゙だん゙で゙ずがあ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜゙〜゙!゙!゙」

 

 

 

 藤○竜也さんばりの、濁音まみれの声……でいいのか?声で、「なんて事を言ってくれちゃったんですか!」と叫ばれながら、アームロックをされていたとする。

 尚、男性も藤○竜也さんばりの濁音混じりの断末魔を上げている。

 

 その光景を見た皆は、何を考える?

 少なくとも俺は「シュールな光景だな……」と思い、次に「あの男性、何かやらかして女性を怒らせたんだな……」と思う──

 

 

 

「何゙が゙ッ゙!゙俺゙の゙ッ゙!゙嫁゙で゙ずがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッ゙ッ゙ッ゙!゙!゙」

 

「痛゙い゙ッ゙!゙腕゙ッ゙!゙取゙れ゙ぢゃ゙ゔッ゙ッ゙!゙?゙」

 急に力入れないでッ!?さっきまでのは加減していたのか──待って!腕が折れちゃうッ!!らめえええええええ!!!

 

 

 

 

…………さて。何が起きているのか分からないと思うから、説明しようと思う。

 

 あれは今から数十分前。パンケーキ店を出て、何処かのんびり会話出来る場所──喫茶店を探していた時まで遡る。

 

 仁美(阿武隈)と手を繋ぎ、パンケーキ店の近くにあった喫茶店に入ろうと思ったんだが、店員さんに満席だと言われてしまった。

 なので、他の喫茶店を探そうとしたんだが、ここでトラブルが起きてしまった。

 まぁ、トラブルと言ってもそこまで深刻な物じゃないから、安心してくれ。

 

 話を戻そう。喫茶店を探し歩いていたら、某テレビ局の人達から街頭インタビューを受ける事になってしまった。

 テレビ局の人達によると、カップル特集みたいのをやるから、仲良さそうに手を繋いで歩いていた俺達を見かけ、声を掛けてきたそうだ。

 

……ここまでは良かった。問題はこの後だった。

 

 最初、仁美はテンパったが取材を快く受ける事にした。

 勿論、俺も快諾した。

 言わなくても分かっていると思うが、提督と艦娘である事は伏せておいた。バレたら何が起こるか分からないからな。

 

 んで、リポーターさんが仁美と俺に色々質問──二人の馴れ初めは?とか、交際期間は?とか聞かれた。

 

 そして、暫く質疑応答していると、リポーターさんが俺に「彼氏さんは、彼女さんをどう思っていますか?」と質問してきた。

 最初、俺は真面目に答えようと思ったが、隣でテンパっている仁美を見ていたら悪戯心が芽生え、こう答えてしまった。

 

 

 

『俺の嫁』

 

 

 

 実際にはもっと違う言い方をしたが、意訳すれば「俺の嫁」と聞こえるよう答えた。

 そしたら、リポーターさんが声を出して笑ってしまった。

 カメラマンさん達も「良いモノが撮れた!」ってテンション上がっていたっけ。

 

 閑話休題。

 

 俺が爆弾発言した事で、隣に居た仁美は顔を茹でダコのように真っ赤にし、硬直。

 その後はリポーターさんや俺が声を掛けても硬直していて、何も受け答えする事が出来なくなっていた。

 

 そして、インタビューが終わり、リポーターさんやカメラマンさん達が去って数分後。

 依然顔は真っ赤だが、仁美は再起動してくれたんだけど……突然、無言で俺の腕を掴むと路地裏に連れ込み、アームロックをぶちかましてきて、冒頭に至る──

 

 

 

 

「公゙開゙処゙刑゙じな゙い゙で゙ぐだ゙ざい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙ッ゙ッ゙ッ゙!゙!゙!゙」

 

 

「があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙〜゙〜゙!゙!゙」

 やめてえええぇぇぇ!?俺が悪かった!謝ります!!だから!これ以上いけないッッッ!!!

 

 

 

 

 この後、滅茶苦茶謝罪して許してもらった。

 ごめんよ、悪ふざけが過ぎた。……というか、最終的には俺の嫁になってくれるんだから、ああ答えて良かったんじゃね?

 まぁ、口には出さないが。出したら、確実にまたアームロックされる。

 

 そうそう。何故仁美は俺にアームロックをぶちかましてきたのか。

 その理由を聞くと、「俺の嫁発言された事は嬉しかった」「けど、恥ずかしさが上回って思わずアームロックしてしまった」そうだ。

 

……良かった。てっきり俺の嫁発言された事が不快で、アームロックしてきたのかと思ったよ。

 

「……せんぱい」

 

「なんだ?」

 

「埋め合わせを要求します!」

 

「勿論だ。何をすればいい?倫理や法、他の人達の迷惑にならない事なら、文字通り何でもしてやる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

「……後で(・ ・)要求します。拒否権はありませんからね!覚悟(・ ・)してください!」

 

「分かった。覚悟しておく」

 約束しちまった……少し後悔している。

 けどまぁ、仁美(阿武隈)の事だから、そこまでぶっ飛んだ事を要求して来ないだろう。

 

 

 この時の俺は知らなかった。

 数時間後。あんな要求をされるとは。

 

 

───────

 

 

16:30。

 

 

「うーん……この色はあたしに合わない……これは、サイズが──」

 

「これなんかどうだ?」

 

「色の組み合わせが悪いので、ダメです」

 

 ダメかぁ……良いと思ったんだけどなぁ。難しいな。

 

「せんぱいはもっと色合いを気にした方がいいです。今着ている服は全体的に色が暗いです。あたし的には、ギリギリ及第点です!」

 

「ぎ、ギリギリ及第点……」

 マジかよ。雑誌やネットとかで調べてチョイスしたんだけど。結構厳しいなぁ……。

 

 

 

 はい、再び説明タイムに突入するぞ。

 俺達は今、若者に大人気の某洋服専門店に居る。

 何故、某洋服専門店に居るのか。

 それはだな、喫茶店を探してそこでのんびり会話をしようと思っていたんだが、探し歩いている途中で仁美が某洋服専門店を見付けたんだ。

 

 見付けた仁美は目をキラキラさせながら、「少し(・ ・)見ていきましょう!」と提案してきた。なので、喜んで付き合う事にしたんだが……気が付けば服選びに夢中になり、数時間が経過している。

 

 今まで他の娘達とデートしたから知っているが、やっぱり女性の買い物って長いね。

 「少し見ていこう」と言ったのに、かれこれ何時間も経過しているが、中々決まらない。けどまぁ、仁美が楽しそうだから気にしない。

 喫茶店でのんびり会話するのは、また今度にしよう。

 

「これは──ん゙ん゙っ゙!゙?゙またサイズが合わない!?良いのが沢山あるのに、どれもサイズが大きくて着れない……」

 

(服を見る仁美は凄い真剣というか、なんというか……普段のおっとりとした雰囲気が全く無い)

 まるで、仕事中(深海棲艦と戦闘中)のような真剣さがある。

 

 まぁ、仁美はウチの職場(第603鎮守府)じゃ一番お洒落にうるさい奴だからなぁ。

 あの鈴谷──間違えた。(あかり)ですら一目置く程のお洒落娘だから、仕方ない。

 

「もうダメ……無い……」

 

「んじゃ、次行くか」

 暫く服を見ていたが、自分の体格に会う服が無かったのか、しょんぼりとした顔をしながら仁美がそう言ってきた。

 確か、あと数店舗見ていない店がある。そこに行けば仁美が求める服があるかもしれない。

 なので、そう提案すると、

 

「そうしましょう……。あ、そういえば時間は──うそっ!?もう16時を過ぎてる!?」

 

 腕時計を見た仁美が、目を見開いて驚いている。

 あれだけ真剣に服を見ていたから、時間を確認する事を忘れてしまったんだな。

 俺は時々、仁美に気付かれないようこっそり腕時計を確認していたから、そこまで驚いていない。

 

「うぅ……やらかしたぁ……ごめんなさい、せんぱい。あたしのせいで、何時間も付き合わせてしまって……」

 

「謝らなくていいぞ。楽しかったし」

 これは本当だ。服について色々知る事が出来たし、とても有意義な時間を過ごせた。

 それに、真剣に服を選ぶ仁美を見る事が出来て良かったと思っている。

 

「け、けど!あたしが服選びに夢中になっていたせいで、せんぱいを何時間も待たせてしまって──」

 

「仁美、次のお店に行くぞ」

 かなり強引だが、そう言ってやった。

 じゃないと、何時までも自分を責め続けてしまう。こいつはそういう奴だ。

 あの頃(学生時代)と違い、外見は大きく変わったが、精神面は殆ど変わっていないな……。

 

「……はい。お願いします」

 

 俺が次の店に行く事を提案すると、仁美は申し訳なさそうな顔をしながらそう言った。

 こいつも、俺の性格を良く知っている。だから、これ以上遠慮したり謝罪しても、無理矢理連行される事を知っているから素直に言う事を聞いてくれた。

 

 服を元の場所に戻し、店を出て他の店へ向かう。

 ふと、隣を歩く仁美の顔を見ると、未だ申し訳なさそうな顔をしたままだ。

 

「……なぁ、仁美」

 このままだと、こいつはずっと引き摺る恐れがある。ケアをしないと。

 

「な、なんでしょうか?」

 

「一つ、言っておきたい事がある」

 

「は、はい!」

 

「俺に遠慮しないでくれ。仁美がやりたい事を。思った事を口に出して、俺に伝えてくれ」

 

「せん……ぱい……?」

 

「俺は、仁美の事を沢山知りたい。どんな物が好きなのか、どんな事に興味を示すのか、もっと深く知りたい。

 学生時代に仁美と接した事があるから、どんな娘なのかは知っている。けど、詳しくは知らない」

 

「…………」

 

「だから、一切遠慮せず、仁美という存在(・ ・)を俺に教えてくれ。勿論、俺も仁美に俺がどんな存在(・ ・)か教える。いいや、知ってもらいたい」

 

「じゅん……せんぱい……」

 

「倫理や法に反したり、他の人に迷惑を掛けない事なら、喜んで幾らでも仁美のやりたい事に付き合う。いや、付き合わせてもらう。だから、そんな顔をしないでくれ」

 俺が心で思った事(本音)を、思考というフィルターに一切掛けず、言葉に出して伝えた。すると、

 

「……本当にせんぱいは優しいですね」

 

「優しいかぁ?」

 仁美は半べそをかき、微笑みながらそう言ってきた。

 

「優しいです。お人好し過ぎます」

 

「お人好しかぁ?」

 時々言われるけど、そうかぁ?

 

「お人好しです。……まぁ、そんな所に惹かれたんですけど」

 

「……ほら、行くぞ」

 嬉しい事言ってくれるじゃないか。素直に喜びたかったが、なんか恥ずかしい。だから、話題を変える。

 

「照れてます?」

 

「照れてない」

 悪戯っぽい笑みを浮かべながら、揶揄うな。そっぽ向こう。

……おうコラ、俺の顔を覗き込もうとするな。さっきまでのしおらしさは何処に行った?

 まぁ、元気になってくれたから気にしないけど。

 

「えへへっ♪せーんぱい♪」

 

「なんだ?」

……おーい、何で腕に抱き着くの?別にいいけど。

 

「あたしの事、沢山教えます。だから、せんぱいもあたしに、先輩の事を沢山教えてくださいね♪」

 

「……おう!教えてやる!」

 今回のデートじゃ、時間が足りないから難しいが、次に仁美とデートした時に沢山教えてやる。覚悟しとけよ?

 

「えへへっ♪」

 

……嬉しそうな顔してらぁ。どうやら上手くケア出来たようだ。

 お互い、どんな性格なのかある程度知っているから、こんなにアッサリと立ち直ってくれた。

 もし知らなかったら、ここまで上手くいかなかっただろう。

 

 

───────

 

 

21:00。

 

 

「……なぁ、仁美さんや」

 

「なんでしょうか?」

 

「その格好は何かな?俺に分かるよう説明してください」

 

「この格好、ですか?ブレザーですよ?」

 

「それは見れば分かる。俺は何故その格好をしているのか知りたい」

 

「何故って、決まってます!

 

 

 

 

 

 

 じゅんせんぱいと!先輩後輩プレイがしたいから制服を着ました!!」

 

 

「君の初体験(・ ・ ・)が制服プレイって、レベル高過ぎない?」

 初体験(・ ・ ・)普通(・ ・)()た方が良いんじゃない?大丈夫?

 

 

 

 

 

 

 

 

……渡良瀬です。服選びを終えて夕食を摂ったら、学生時代の後輩に「普通のホテルは嫌です!ラ○ホに行きましょう!」と言われ、強制連行され、互いにシャワーを浴び終えると「制服プレイをしましょう!」と誘われたとです。

 渡良瀬です……渡良瀬です……渡良瀬です……。

 

…………よし。現実逃避はお終いだ。現実と向き合おう。向き合いたくないけど。

 

「大丈夫です!あたし、じゅんせんぱいとデートする前から決めていたんです!セッ○スする時は、制服を着て()ると!だから、事前にコスプレ出来るラ○ホを調べました!そして、見つけました!それが此処です!なので、此処に連れ込みました!」

 

「あ、そうですか。俺も制服着た方がいい?」

 確か、さっき仁美がクローゼットを漁っていた時、チラッと男性用の制服が見えた気がする。

 

……仁美が平然と卑猥な単語を言った事や、俺とデートする前から制服プレイをする事を考えていたという発言に対して、ツッコミ入れないのかって?

 もうね、ツッコミ入れるだけ無駄だと理解しているから、入れない。大人しく受け入れるか、右から左に流した方が、精神衛生上良いからな。

 

「……せんぱい、冷静ですね。皆さんとデートする前だったら、そんな卑猥な事言うんじゃありません!って叱ってきたのに」

 

「うん……そうだね……」

 ごめんよ?なんか、皆を抱いて(・ ・ ・)から耐性が付いたのか、動じなくなっちゃったんだ。

 サキュバス(榛名)レベルの狂行(・ ・)をしなきゃ、俺は動じない。

……アレは酷かったなぁ。いや、酷いという言葉で済ませられないレベルの──やめよう。思い出すな。

 

「むぅ〜!慌てふためくせんぱいを見たかったのにぃ〜!」

 

「嫌いになったか?」

 

 

「大好きです」

 

 

「さいですか」

 迫真と付きそうな顔をしながら、大好きと言ってくれた。

 今日一日君とデートしていて思ったけど、顔芸豊富だねぇ。せんぱい、ビックリしちゃったよ。

 

「ううっ……せんぱい、さっきから淡白過ぎません?」

 

「気の所為だ」

……泣きそうな顔してる。これ以上淡白な対応をすると、ガチ泣きしかねない。そろそろ真面目に接してあげよう。

 

「なぁ、仁美」

 

「……なんですか?」

 

「俺も制服着るから、少し待ってくれ」

 

「えっ!?」

 

 おーおー、目を見開いて驚いた顔してらぁ。

 もっと見ていたいが、時間は有限だ。さっさと着て、仁美の望みを叶えてあげよう。

 クローゼットに向かい、お目当てのコスプレ──男性用の制服を探す。

 

(えっと、制服制服……あった──違う、これは女性用だ)

 今仁美が着ている物とは別の制服──ブレザーだった。とりあえず、コスプレ衣装が多くて探す際に間違えそうだから、一旦クローゼットの外に出そう。

 えっと、これは──セーラー服だ。ダメだ。これも外に出そう。

 

 それから暫く制服を探したが、中々見付からない

 おっかしいなぁ?さっき仁美が物色していた時、チラッと男性用の制服が見えた気がしたんだけどなぁ。見間違いだったのか?

 そんな事を考えていた時だった。

 

「……せんぱい、まだ見付からないんですか?」

 

「わりぃ、もうちょっとだけ待ってくれ」

 クローゼットの中には、男性用・女性用の様々なコスプレ衣装が沢山入れられているから、中々見つける事が出来ない。

 その為、痺れを切らしたのか仁美がまだかと聞いてきた。

 

「……ねぇ、せんぱい」

 

「なんだ〜?」

 くっそ、見付からない。見間違いだったのか?

 そう思っていると、仁美の奴がとんでもない事を言い出しやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「試しにこれ、着てください」

 

「…………はい?」

 これを着てくれ?どれだよ──オイオイオイ、冗談だよね?

 制服を探すのを一旦やめて振り返ると、

 

「ほら、せんぱい……これ、着てください」

 

「仁美さん、落ち着こう?」

 制服持って、幽鬼みたいにユラユラ揺れながら迫らないで?怖いよ?

 あと、君が手に持っているの、君が着ている制服と同じ奴じゃん。ただ、仁美が着ている物よりサイズが大きい──

 

「大丈夫です。落ち着いています」

 

「うん。落ち着いていないね。一度深呼吸して落ち着こう?OK?」

 

「オッケーです!」

 

「いやいやいや、全然オッケーじゃないよ?」

 全然落ち着いていないよ?迫り続けてるよ?止まって?

 

「……せんぱい」

 

「なんだい?」

 仁美さん、前髪が顔に掛かっているから、表情が見えなくて不気味です。あとこっちに迫って来ないで?

 

「……今から、あたしの秘密を暴露します」

 

「秘密?」

 いきなり何を言い出すの?まぁいいけど。聞いてあげるよ。後退りしながらになるけど。

 

「はい。あたし、せんぱいと初めて会った時、先輩の顔を見て、こんな事を考えたんです。

 

 

 

 とっても可愛い顔をしているなぁ、と」

 

「顔の話はやめよう?」

 おっかしいなぁ?俺が仁美に会った頃は、顔は男っぽくなっていたのに。自分ではそう思うだけで、可愛い顔をしていたのかな?

……昔を思い出していないで、今は仁美の話を後退りしながら聞く事に集中しよう。

 

「詳細を語ると長くなるので割愛しますが、せんぱいに好意を抱くようになった頃、妄想するようになりました。

 

 

 

 

 

 せんぱいにメイクをして、女装させたいと」

 

 

「俺のトラウマを蘇らせないで?」

 麻子さん(加賀さん)に女装させられて、市中引き回しの刑に処された悪夢が甦っちゃうからやめて?

 

「そして、数ヶ月前。お仕事がとても忙しくなる(大規模反攻作戦)前日。女装したせんぱいの姿を見て、決意を固めました。

 絶対にまた女装してもらって、時間の許す限り、間近でガッツリ鑑賞したいと。なので、これ着てください♪」

 

「人の話聞いてる?ねぇ?」

 

「大丈夫です。誰にも言いません。あたしとせんぱいだけの秘密にします。墓場まで持っていきます。だから、お願いします」

 

「いやだから、人の話を──」

 

 

「女装してください」

 

 

「NO。絶対に、NO」

 人の話を聞きなさい。会話のキャッチボールしよう?

 あと、頼まれてもやらん。泣いて土下座されたってやらんぞ。

 

「本当にお願いします!着てくれれば、あたし、何でもします!」

 

「ん?今、何でもするって、言ったよね?」

 

「はい、言いました!文字通り、何でもします!」

 

「それじゃ、そのセーラー服をクローゼットに仕舞ってくれ」

 何でもするなら、従ってくれるよな?

 

 

「だが断る」

 

 

「さっき何でもするって言ったじゃん!」

 嘘つき!仁美の嘘つき!もう信じねーからな!

 

「何で嫌がるんですか!?ちょっとだけ、ほんのちょっとだけでいいんです!お願いします!!」

 

「嫌だ!俺は決めたんだ。もう二度と女装しないと!つーか、絵面がヤバい!」

 

「絵面を気にしていたら、何も出来なくなるって一番言われてますから、それ!」

 

「お黙りッ!」

 

「女装したせんぱいの絵面がヤバい?大丈夫です。

 

 

あたし的には、オッケーです!」

 

 

「俺的には、NGです!」

 ハァハァ言いながら迫るな、このセーラー戦士。着ているのはブレザーだけど。

……あっ、ちょっ!?くっ、来るなっ!来るなァ!!

 

「……ねぇ、せんぱい。数時間前、埋め合わせを要求したのを覚えていますか?」

 

「……覚えている」

 確か、インタビューを受けた際。俺の嫁(意訳)発言をして、アームロックぶちかまされて、それで──

 

「あたし、言いましたよね?覚悟(・ ・)してください、って」

 

「い、言いました……」

 思い出した。そんな事を言われたな。

……ちょっと待って?今、埋め合わせを要求するの?

 

「なら、覚悟(・ ・)を決めてください……」

 

「いや、でも──」

……あの、仁美?ポケットに手を突っ込んでどうした?

……あ、iPho○eを取り出して、操作し始めた。一体何を──

 

 

『勿論だ。何をすればいい?倫理や法、他の人達の迷惑にならない事なら、文字通り何でもしてやる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

「」

 

 

『勿論だ。何をすればいい?倫理や法、他の人達の迷惑にならない事なら、文字通り何でもしてやる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

…………あの時の会話を録音していたのか、再生しやがった。なんで二回再生したの?大事なことだからか?

…………じゃない!アホな事考えてる場合じゃねぇよ!

 ヤベーよ、証拠残されていたんじゃ、言い逃れ出来ない。

 というか、何時の間に録音したの?全然気付かなかったよ。

 

「…………文字通り何でもしてやる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)、と言いましたよね?」

 

 二度俺の何でもする(・ ・ ・ ・ ・)発言を再生すると、仁美はニッコリと笑いながらそう言ってきた。

 数時間前の俺、なんて事を言ってくれちゃったの?バカじゃねーの?

 

「せんぱい、嘘つくんですか?」

 

……仁美さん、お願いします。ニコニコしながら制服持って迫らないでください。

 あの、あのあのっ、あのあのあのあのっ!待って?お願い、待って!?待っ──アッー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後、滅茶苦茶説得(幼児退行)した、と言っておく。

 俺が本気で嫌がった事で女装せずに済んだが……もうね、精神的に疲れた。

 

……あぁ、そうだ。説得した後どうなったか説明しておこう。

 

 説得後、仁美は女装させるのを諦め、普通(・ ・)になってくれた。

 

 そして、仁美のリクエスト──先輩後輩プレイを。仁美は制服で。俺は私服で()たんだが……なんつーか、仁美の奴、学生になりきっていた。

 

 ちなみに、プレイ内容は後輩の家に遊びに行った先輩、という設定だ。

 

……初体験(・ ・ ・)が先輩後輩プレイって、レベル高過ぎない?あと、恥ずかしくないの?改めてそう聞いたんだが、

 

 

『さっきも言った通り、ずっと前から先輩後輩プレイをすると決めていました!それに、恥ずかしいには恥ずかしいけど、全く嫌じゃないから気にしません!』

 

 

 超ドヤ顔でそう言われちまった。

……俺、知らなかった。言い方は悪いが、仁美が特殊性癖(・ ・ ・ ・)の持ち主だなんて。

 

 まぁ、本人が望んでいるのだから、これ以上は何も言わない。あと、仁美の特殊性癖(・ ・ ・ ・)については、絶対誰にも言わない。墓場まで持っていく──

 

 

「せーんぱい♡」

 

「……なんだ?」

 おっと、思考を中断しよう。

 未だ制服を着たまま、ベッドに横になって微笑む仁美を見ると──うん。なんつーか……犯罪臭が凄いする。

 何故、犯罪臭がするかって?

 

 

 髪や制服は乱れ、

 顔や髪、制服にケフィア(・ ・ ・ ・)が付いていているから。

 

 

……幾ら仁美に懇願されたからって、やり過ぎた。

 

「2回戦に突入しましょう♡」

 

「身体は大丈夫なのか?ブチ破った時、めっちゃ痛がってたじゃん」

 なるべく優しくブチ破ったんだけど、悲鳴あげていたじゃん。

 

「はい、大丈夫です!なんか、アドレナリンがドッパドパ(・ ・ ・ ・ ・)出てるお陰か、痛みを感じなくなりました!」

 

……さいですか。

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

Another side

 

 

──大本営、執務室──

 

 

「──新種の深海棲艦(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)が確認された?」

 

「はい。北方海域(・ ・ ・ ・)調査(・ ・)していたヴェールヌイ(・ ・ ・ ・ ・ ・)さん達から報告が入りました。新種(・ ・)の特徴は──」

 

……海流に乗って移動している、か。しかも、そこそこの数ときた。

 

(新種(・ ・)足が生えた(・ ・ ・ ・ ・)駆逐イ級に、球状の深海棲艦(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 それから、顔の右半分(・ ・ ・ ・ ・)甲殻のような物で(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)覆った(・ ・ ・)人型の深海棲艦(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)、か……)

 しかも、覚醒者以外(・ ・ ・ ・ ・)の艦娘達が攻撃を当ててもビクともしない(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)ときた。

 

「現在、ヴェールヌイ(・ ・ ・ ・ ・ ・)さん達が食い止めていますが、数が多い為、今の戦力では突破される恐れがある、との事です」

 

「分かった。此処(大本営)覚醒者達(・ ・ ・ ・)や、覚醒者(・ ・ ・)の居る鎮守府に連絡を入れて、手の空いている者を派遣させよう」

 確か、ほぼ全員手が空いていた筈だ。しかし、一度に全員を派遣させるわけにはいかない。

 

「元帥、私も派遣──」

 

「君の艤装は未だ修理が完了していない。却下だ」

 派遣云々の話を聞いた__(・ ・)が期待に充ちた目でそう言ってきたが、却下した。

 __(・ ・)が出れば、例え彼女(・ ・)一人でも侵攻を食い止める事が出来るかもしれない。

 

 だが、彼女(・ ・)の艤装はラバウル(・ ・ ・ ・)での戦闘で、オーバーホールしなければならない程消耗してしまった。

 その為、現在大急ぎで技術課の者達にオーバーホールをしてもらっているが、まだまだ時間が掛かる。

 

 何故、こんなにも時間が掛かるのか。

 普通の艤装(・ ・ ・ ・ ・)なら半日もあれば修理は完了するが、彼女(・ ・)が纏う艤装(・ ・)特殊過ぎる(・ ・ ・ ・ ・)存在(・ ・)だからだ。

 オマケに、予備パーツの製造も同時に行っているから、こんなにも時間が掛かっている。

 

「戦いたい気持ちは分かるが、我慢してくれ。

 技術課の話では、少なくともあと2週間以内(・・ ・ ・ ・)には終わるそうだ。

 修理が完了次第、北方海域(・ ・ ・ ・)に向かってもらう。それまでの間、準備を整えておいてくれ」

 

「了解!」

 

 

Another side out

 

 

───────

────

 





次回予告


 今頃、姉様と提督は予約した旅館に到着して、温泉にでも入っているのでしょうね。
……いいなぁ。私も、アイツと。提督とデートしたい。
……何よ、木曾。そんな意外そうな顔をして。この際だからハッキリ言うけど、私、アイツの事好きよ?上司としては勿論、一人の異性としても。
 ただ……告白したら、アイツやアイツの嫁さん達。そして、姉様に迷惑をかけるから出来ないの。
……そういや、アンタはアイツの事をどう思っているの?
……相棒?何よそれ。


第137話・お茶目な首狩り族長大和撫子


「貴方が。渡良瀬さんが嬉しそうにしているから、私も嬉しいのです」


※阿武隈編はギャグでお送りしました。
 阿武隈嫁提督の皆様、ごめんなさい。
 色々やり過ぎた。反省している。後悔は一切していない。

※次話から、扶桑とのデート編になります。


【補足的なナニか】

・藤原竜也…日本の俳優、「藤原竜也」さんを指す。

・渡良瀬です…日本のお笑いタレント、「ヒロシ」さんの自虐ネタが元ネタ。日本語おかしいけど、許して?
 哀愁漂うBGMと共に語る彼の自虐ネタは、腹筋に悪い。
 ちなみに、使用しているBGMはイタリア(・ ・ ・ ・)映画、「ガラスの部屋(邦題)」で使用された「Che Vuole Questa Musica Stasera」。

・セーラー戦士…「セーラームーン」を指す。
 阿武隈って、セーラー戦士っぽくね?

・ラバウル…この小説では最前線という設定。
 地獄という言葉が生温く思える程の激戦が繰り広げられている。
 現段階ではこれ以上語る事は出来ない。

以上、補足終了。




※勢いと頭の悪さしかない内容を書きたい……。

デート編、もっと細かく描写するべき?

  • するべき
  • 簡略化しろ
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