涼月の水着modeフィギュア取りに、ゲーセンへ行かなきゃ(挨拶)
下ネタ発言だらけ
※この小説はフィクションです。実在する人物、施設、団体等とは一切関係ありません。
予め、ご了承下さい。
※この小説に登場する人物は全員、特殊な訓練を受けています。
決して真似しないで下さい。
※この小説内の季節は、12月上旬頃になっています。
side 大鳳
──第603鎮守府、執務室──
08:20。
「_月_日、15:00より診察を開始する、か……」
書類に書かれた内容を読み、思わず口に出してしまった。
「大鳳は今の所、
「えぇ。
秘書官補佐の
今の所は大丈夫だけど、もしかしたら
「うん、
「そう……もし具合が悪くなったら、遠慮なく言って?直ぐに医務室へ運んであげるわ」
「……ありがとう、大鳳」
「どういたしまして、
……私を
【自主規制】をしていた時の顔なんて、特に
閑話休題。
この5日間は、特に何も無かった。
何時ものように起きて、日課のトレーニング──ジョギングをしたり、筋トレをしたり。
何時ものように艤装を纏って、
何時ものように、やらかそうとする人達──夕張さんや野原主任、五月雨さん、長門さん、初霜さん、etc...を
(何かが劇的に変わると思っていたけど、驚く程何も変わらなくて拍子抜けしちゃったなぁ……)
まぁ、劇的じゃないけど、変わった事なら幾つかある。
まず、私は自分の身体──体格にコンプレックスを抱かなくなった。
これは、提督が。いいえ、
言葉だけでなく、
そのお陰で、もう自分の体格にコンプレックスを抱かなくなった。
今までは「気にするな」と自分に言い聞かせ、気にしないフリをしてきた。けれど、無理だった。
でも、今はもう、本当に気にならなくなった。
例え誰かに揶揄われても、鼻で笑ってやれる自信がある。
何故なら、こんな私を強く
心の底から安心して、落ち着ける
閑話休題。
次に、私のコンプレックスが完全に解消された事で心に余裕が生まれて、以前よりも冷静に物事を判断出来るようになったり。
一部の
それだけじゃない。
ここ数日、どんどん鋭くなってきて、演習をした時の被弾率が
最初、演習時のデータを見た時、あまりにも被弾率が下がっていて、誰かのデータと間違えたんじゃない?と思ったなぁ……。
閑話休題。
この他に変わった事は、あと一つだけある。それは──
「大鳳、手が止まってるよ?」
「ごめんなさい、ボッーとしていたわ」
いけない、
これ以上思考していると、また注意される恐れがあるから簡単に説明するわ。
私と
準とデートをした翌日。仕事が終わった後に、
どんな風にお話をして、どんな風に和解したのか。詳しく説明したいけど、注意される恐れがあるから、今回はここまでに──無線が入った。
「こちら執務室、大鳳です」
素早く無線を手に取り、スイッチを入れる。
『……こちら、摩耶だ』
「どうかされました?」
演習をしている摩耶さんから、無線が入った。
なんというか……肉体的ではなく、精神的に疲れ切った感じの声ね。確実に何かあったわね。
『……初霜と吹雪が
「
『あぁ……。初霜の奴が試作武器を。
「吹雪さんの下半身が
食べたら50%の確率でスタミナが減少しそうね。食べないけど。カニバリズムする趣味は無いわ。
『んで、キレた吹雪が銛で初霜を
「銛で
初霜さん、良く生きているわね。生命力あるわね。
『それでも初霜と吹雪は戦おうとしたから、名取さんと能代さんが艤装のギミックを使ってボコして気絶させた』
「ボコして気絶させた」
うわぁ……
『現在、曳航して鎮守府に向かっている。至急、入渠の準備と高速修復材の用意を頼む』
「了解しました」
無線が切れた。素早く元の場所に戻す。
……良し。入渠と高速修復材の用意を整えましょう。
ツッコミは入れない。入れた所で時間の無駄だから。
「入渠の準備とかは私がやるわ。大鳳は執務を続けて?」
「了解よ」
無線のやり取りを聞いた
慣れているのか、全く動揺していなかったわね。
私も以前と比べ、動揺しなくなったけど、
……執務をしましょう。思考するのは後でも出来る──
『来いよ
『ヤルルルルルオォォォオオオッ!ブッオカシタルルルルアアアアアアッッッ!!!』
「……………………」
執務を再開しようとしたら、外から
(装甲甲板……良し。彗星一二型甲……良し)
艤装を展開して、確認作業を行う。……うん、大丈夫そうね。
確認作業を終えると、素早く執務室の窓を開け、そこから外に出る。
問題児二人は、約50m先でドンパチやろうとしている。
……さて、
……空母はインファイトをする艦種じゃない?お前は今まで、近接戦闘をしたがらなかっただろ?
えぇ、
でもね、
空母は!インファイトをする艦種よ!
あと、
インファイト、超楽しい!!!
この事を提督に伝えたら、何故か提督は遠い目をして、静かに涙を流していたわ。何故かしら?
……まぁいいわ。
私はもう、昔の私じゃない。
「さぁ、
side 大鳳 out
───────
────
─
side 提督
──某県某所──
09:40。
『現在、確認作業を行っております。ご乗車の皆様には──』
「……まだ時間が掛かりそうね」
「大丈夫ですか?」
さっきより顔色は良くなったが、まだ気分が悪そうな顔をしている。
背中をさすってあげたいが、人が多いから無理そうだ。
「えぇ、大丈夫よ……と言いたい所だけど、少し辛い──」
「無理に喋らなくていいです。その体勢だと辛いと思うから、俺に寄り掛かってください」
「……ありがとう」
(微笑んでいるけど、明らかに無理をしているな。……まだ開かないのか?)
早く開いてくれ。心の中で祈りながら、俺は待ち続けた。
そして数分後、ドアが開いた。
ドアが開くと、電車に乗っていた人達が次々に降りて行くのが視界に入ってきた。
「ようやく開きましたか……」
「もう少しの辛抱です。頑張ってください」
励ましながら、俺達もゆっくりと人の流れに沿ってドアに向かう。そして──
「
駅のホームに降り立ち、ゆっくりと歩きながら声を掛けた。
顔色は──外の空気を吸った事で回復したのか、さっきと比べるとマシになっている。
しかし、油断は出来ない。とりあえず、近くの御手洗に連れて行こう。
毎度恒例だけど、何が起きているのか説明タイムに突入するぞ。
あれは今から十数分前の事だった。
麻子さんのリクエストでY浜に向かう為、電車に乗っていたんだけど、もう少しで到着する所で麻子さんの気分が悪くなってしまった。
一応補足しておくが、気分が悪くなったと言ったが、不機嫌になったとかの方の意味ではなく、体調不良の方の意味だぞ。
話を戻す。
麻子さんの気分が悪くなり、途中の駅で降りて休ませてあげようと思った。
しかし、俺達が乗っていた電車は快速電車だった。
その為、次の駅──偶然なのか分からないが、俺達が降りる駅に停車するまで、約十数分間駅に止まらない。
なので、我慢してもらうしか無かった。
補足になるが、俺達が乗っていた電車には個室がある。
けど、人が沢山乗っていて、とてもじゃないが身動きが取れない状態だった為、利用することは不可能だった、と言っておく。
閑話休題。
その間、麻子さんは青い顔をして必死に耐え続けた。
約十数分後。電車が駅に到着し、急いで降りて御手洗に連れて行こうとしたが、何かトラブルが起きたのか、直ぐには開かなかった。
数分後。ようやくドアが開き、駅のホームに降り立ち、そして現在。俺は麻子さんの手を引いて御手洗に──
「えぇ。外の空気を吸ったお陰か、だいぶ楽になったわ。大丈夫よ」
「……青白い顔で、弱々しい笑みを浮かべながら言われても説得力無いですよ」
また無理してる。麻子さんの事だから、恐らく俺に心配を掛けないよう強がっているのだろう。
……説明の途中だったが、ここで終わりにさせてもらうぞ。
今は麻子さんを介抱しなきゃならないからな。
──
10:15。
「………………麻子さん」
さっき、駅構内にあった薬局で酔い止め薬を購入して服用させたけど、未だ未だ本調子じゃないのか、調子が悪そうだ。
そう思っていたんだけどなぁ……。
「何かしら?」
「何故ラ○ホに向かおうとしているんですか?俺達の目的他は向こうですよ?確かに、最終的にはホテル。もしくはラ○ホに行きますけど、何故この時間に行くんですか?」
もう一度麻子さんの顔を見ると……うん、顔色が普段と比べて青白い。本調子じゃないね。
(なのに、何故こんな事を……)
逃げたい。けど、俺の左腕は麻子さんの右腕に絡められているから、逃げられない。
抵抗しているけど、今にも引き摺られちまいそうだ。力強いなぁ。けど、
もし麻子さんが
頼むから、
「何故って、決まってるわ。
「今何時か分かっていますか?」
まだ午前中だよ?腕時計で時間を確認すると、10:15だ。
早過ぎない?いや、早過ぎる(確信)
「10:15よ。たった今、10:16になったわ」
「うん。そうですね。早過ぎません?」
何時間
「大丈夫よ。
「確かにそうですね。でも今は行きたくないです」
真顔で淡々と言わないでください。
なんか、あっという間の言い方がおかしかった気がするけど、ツッコミ入れない。入れたら負けだ。
「考えるな、感じろ。
「ならねーよ」
超ドヤ顔で何言ってんだよ、この
「
「俺の
「……分かったわ。なら、
あ、引っ張るのをやめてくれた。良かった、俺の言う事を聞いてくれたみたいだ──
「それじゃ、
「何故
おーい、何をする気?
「
「聞きたくないけど、聞くね。
絶対
「何って、
「
百万回。いや、無量大数回調べてこい。
「
「相変わらず記憶力良いですね」
昔から。俺が幼少期の頃から、麻子さんは記憶力が良かったっけ。
……昔を思い出している場合じゃない。何とかしないと。
「……さて。調子が戻ってきたから、そろそろ
「……はい?」
調子が戻った?どゆこと?……あ、麻子さんの顔、さっきまで少し青白かったけど、普段の顔色になってる。
「準を揶揄った事で、元気になりました」
オイオイ、揶揄われていたのかよ。……いや、麻子さんの事だ。恐らく半分位は本気だったかもしれない。
「ごめんなさい、揶揄ったりして」
「もっと別の方法は無かったんですか?」
揶揄う方法が、心臓に悪過ぎるんですけど。
「アレしか思い付かなかったの。反省しているわ」
「……ならいいです」
反省しているなら、許そう──
「後悔は一切していません」
「後悔しろ」
ドヤ顔で言うな。……ったく。
「……幻滅したかしら?」
「幻滅
本当です。ただ、警戒心が過去最大級まで上がりました。
……はぁ。デートは未だ始まったばかりなのに、こんなにも振り回されている。俺の精神、最後まで持つかな?
──
11:40
「質だけでなく、量もある素晴らしいお店よ。何度もテレビの取材を受ける程、人気なの」
「へぇ?」
メニュー表を見ると、料理の写真だけでなく、量も書かれてある。
……ご飯は約600gまで、普通盛りと同じ値段って。凄いな。
あと、おかずの量も凄い。これ、少食の人だと食べ切れないんじゃない?
それなのに、このお値段。安過ぎでしょ。
それと、麻子さんが言った通り、店の壁には芸能人のサインや写真が所狭しと飾られている。
「でも、一番気に入っているのは──」
「気に入っているのは?」
サインや写真を見ていると、麻子さんが真剣な顔で俺を見つめて、何かを言おうとしている。何を言う気だ?
「値段よ」
「キャディラックに轢かれてろ」
真剣な顔をして、これまた真剣な声でコ○ンドーの迷言を言うな。
「酷い。酷いわ。
「俺、肉野菜炒め定食にします。麻子さんは何にします?」
なんか言ってるけど、無視だ、無視。ツッコミ入れたりすると、益々調子に乗って揶揄ってくる恐れがある。
「
「ご自由にどうぞ」
顔は悲しそうにしているけど、目が笑ってるから説得力無いよ。
敢えて突き放そう。じゃないと、また揶揄われる恐れがある。
「……流石に此処で泣くと、お店の人達や利用されている人達の迷惑になるから、代わりに、ホテルに行ったら全力で
「すみませーん!注文お願いします」
言わせねぇよ。とりあえず、店員さんを呼んで注文しよう。
麻子さん。顔。おめかしした美人がしちゃいけない顔をしているよ?瞳孔カッ広げないで?ハイライトさんを職務放棄させないで?落ち着いて?
「お待たせしまし──ッッ!!?」
声を掛けて数秒後。店員さんがやってきた。しかし、麻子さんの顔を見て硬直。
おーい、その顔をやめなさい。店員さんがビビっているよ?
「──いっ、以上で宜しいでしょうか?」
「はい、お願いします」
注文をすると、店員さんは掠れた声で注文した内容を再度確認し、そそくさと俺達から離れて行ってしまった。
おーい、さっきよりも瞳孔が開いているよ?顔がヤバいから、落ち着きなさい。
おめかししているのに、顔芸しているから色々台無しだよ。
……おめかしで思い出したが、麻子さんの服装について言及していなかったな。丁度良い、現実逃避ついでに解説しておこう。
まず、黒のカットソーを着て、ダークブルーのフレアスカートを穿き、その上に真っ白のステンカラーコートを着て、同じく真っ白の耳当てを付け、グレーのマフラーを巻いていた。
ちなみに現在、室内に居るから耳当ては外し、ステンカラーコートとマフラーは脱いでいる。
まだまだ完全に服の名前を覚えきれていないから、間違っている恐れがあるが、その時は指摘してやってくれ。
閑話休題。
……にしても、デカい。
コートを脱いだから、それに隠されていた、たわわに実った二つの果実が良く見える。
麻子さんは身体にフィットするカットソーを着ているから、身体のラインとかがくっきりと見える。
(……昔、一度だけあの胸に触れた事があるんだよなぁ)
俺が幼い頃。一緒に風呂に入った際に、当時母性に飢えていた俺は、つい何の気無しに
此処は定食屋。情欲を抱いて良い場所じゃない。
あと、麻子さんに気付かれたら、絶対面倒な事になる。頭を切り替えろ。
閑話休題。
……そうだ、言い忘れる所だった。麻子さんは黒のヒールを穿いている。
あと、黒タイツを穿いている。
……全然透けていない。真っ黒だ。目測、160デニールだな、ありゃ。
……何故分かるのかって?黒タイツフェチだから分かるんだよ(迫真)
……尻フェチじゃないのかって?尻フェチでもあり、黒タイツフェチでもあります。何か文句あるか?
余談になるけど、俺がこれらのフェチに目醒めた切っ掛けは、目の前の人──麻子さんのせいです。いや、お陰と言うべきかな?
あれは、俺が13歳の時だった。
詳しい経緯は省くが、麻子さんの着替えている所に遭遇してしまい、その時に見た
「
「……していません。壁に掛けられたポスターや、芸能人達のサインを見ていただけです」
っべぇ!気付かれた!?咄嗟に言い訳したけど、誤魔化せたかな?俺、顔に出やすいらしいから、気付かれたんじゃ──
「……確かに、私の後ろには沢山サインが飾られているわね。それを見ていたのね。──レよ。ガッツリ──じゃない」
……良かった、誤魔化せた。もし気付かれたら、追求されて弄り倒されていたな。
小声で何か言っていたような気がするけど、気の所為だ。
デート開始から約1時間後。俺達は今、早めの昼食を摂る為、麻子さんオススメの定食屋に来ている。
どうやら此処は、麻子さんが
閑話休題。
初っ端からトラブルが発生したが、その後は……まぁ、予想していたよりも平和なデートが続いた。
最初は警戒していたけど、麻子さんは本当に何もやらかさず、
……おっと、今まで何をしていたのか、まだ説明していなかったな。
デートを開始した俺達は、まずゲーセンに向かった。
何故ゲーセン?疑問に思い、麻子さんに質問すると、プリクラを撮りたかったから、と言われた。
なんでも、「思い出を形にして残したいから」だそうだ。
あと、「最初に行っておかないと、デートに夢中になって行くのを忘れてしまいそうだから、最初に向かった」との事。
理由を聞き、納得した俺は麻子さんと一緒にゲーセンへ向かい、プリクラを撮った。
俺の予想では、何かやらかしてくる──例えば、何処ぞの
もしくは、プリクラを撮影する際、襲い掛かって来たりとかするのでは?と思っていた。
しかし、予想に反して麻子さんは、時折俺のベルトに手を掛けようとした程度で、普通に終わった。
その後はクレーンゲームをしたりして、楽しい時間を過ごした。
……そういや、昔。麻子さんと一度だけ。たった一度だけ一緒にゲーセンへ行ったっけ。
確か、ゲーセンに行く事になった切っ掛けは、麻子さんに引っ越すと言われたから、思い出作りにプリクラを撮ろう!と
それで、俺と麻子さん、
「……どうしたの?」
懐かしい記憶を呼び起こし、感傷に浸っていると、麻子さんに声を掛けられてしまった。
顔を見ると、普段の顔に戻っている。
(……この話題なら、話しても大丈夫だろう)
俺は正直に昔の事を思い出していた事を話した。すると、
「…………私も、準とゲーセンに行った際に、同じ事を考えていたわ。残念ながら、瑞稀ちゃんと静流ちゃんが居ないから、あの日の完全再現にはならないけど」
とても優しい顔をしながら、穏やかな声でそう言ってきた。
「……何時になるか分かりませんが、今度は4人で。俺と麻子さん、瑞稀と静流でプリクラを撮りましょう」
仕事を頑張って終わらせて、余裕を作ろう。
「えぇ、勿論よ」
「……しっかし、あれからもう10年近く経つのかぁ……時間の流れは早いですね」
昔は一年経つのがやたら長く感じたけど、今じゃ一年なんてあっという間に過ぎてしまうように感じる。
……ん?あれ?麻子さんの顔が、真顔になってる。
さっきまでは昔を懐かしむような顔をして、微笑んでいたのに。どうしたんだろう──
「……10年。あれから、もう10年。ふふっ……ふふふふっ……」
「あ、麻子……さん?」
乾いた笑い声を出して、どうしたんですか──あの、お目目からハイライトさんが再び職務放棄しちゃっていますよ?仕事してください。
「あの頃の私は、1×歳。現在、2×歳……四捨五入すると、三十路になる……ふふふっ……うふふふふっ…………」
「」
「あの頃の私は、肌は艶々していた……皺なんて無かった……でも今は、皺が目立つようになった…………ふふふっ…………ふふふふふふっ…………」
アカン。麻子さんがダークサイドに墜ちかけてる。
身体中から黒いオーラが、擬音で例えるならズモモモモモ……って感じで溢れ出し始めている。
(これ、マジでアカン奴だ)
何とかしないと。けど、どうすりゃいい?女性にとって年齢の話題は非常にデリケートな物だ。あと、肌とかも。
パッと見、とてもハリがあって、皺なんて見当たらない。けど、麻子さんは目立つようになった、と言っている。
下手に慰めたりしたら、逆に悪化する恐れがある。
(流したら、なんつーか……マズい気がする)
あと、放置したりしたら、逆に悪化してデート所ではなくなる恐れがある。
それに、まだ
俺、嫌だよ?デートが此処で強制終了になるの。
どうする?どうすればいい?
結局、俺は麻子さんを慰めてあげる事が出来なかった。
その後、注文した料理が届くと麻子さんは多少落ち着きを取り戻してくれたが、完全に立ち直ってはいなかった。
そして、料理を完食し、店を後にした俺達は次の目的地、事前に予約したカラオケ屋へ向かったんだけど──
「さぁ、次はコレよ」
「……はい」
死にたい。幾ら麻子さんをダークサイドから救い出す為とはいえ、何であんな事を言っちゃったんだろ。
後悔しても遅い。……まぁ、救い出す事に成功しているみたいだから、いいか。
「ほら、まだまだ
「…………はい」
…………覚悟を決めろ。やれ。やるんだ、俺。
………………良し。大丈夫だ。着るぞ。
………………お前は何をしているんだ、だと?
カラオケ屋にあった、コスプレ衣装(無料レンタル)を、着ようとしているんだ。
女性用の制服(ブレザー)を。
………………はい、説明タイムに突入すんぞ。
カラオケ屋に到着した俺達は、受付を済ませて部屋に入り、歌おうと思っていたんだけど、麻子さんがアレな事になっているせいで、歌うどころじゃなかった。
このままだとダメだ。そう思った俺は、麻子さんに「何でもします(意訳)」と言ってしまった。
すると、麻子さんは急に元気になり、「コスプレして歌って!」とリクエストしてきた。
俺も快諾し、男性用のコスプレ衣装を選んで着ようとしたんだけど、女装しろと言われ──
「手が止まっているわ。早く着なさい」
「………………はい」
──すまん、急かされたから簡単に説明する。
・女装しろと言われる
・俺、渋々承諾
・麻子さん、部屋を出て受付へ行き、コスプレ衣装(無料レンタル)をカゴに沢山入れて、借りてくる
・部屋に戻ってきて、俺、女装する←イマココ
以上。これ以上説明していたら、また急かされそうだからこれで終わりにするね。
……野郎のストリップ描写なんて需要無いだろうから、割愛するぞ。
──はい、コスプレ完了。足が寒い。暖房が効いているけど、それでも寒い。
「………………」
麻子さんが険しい顔をしてる。何でそんな顔しているの?お望み通り女装しましたよ?だから、笑って?
「…………はい、ウィッグ」
「…………分かりました」
くそっ、やっぱ被らなきゃダメか……。
差し出された黒髪ロングヘアーのウィッグを受け取り、被る。
そして、部屋の壁に設置されてあった鏡で、自分の姿を確認。
…………うん、男だ。女装した男が鏡に映っている。
顔は、ちゃんと男の顔をしている。なんか日本語がおかしいけど、気にしない──
「準」
「なんですか?」
自分の姿を確認していると、麻子さんが不機嫌そうな声で俺の名前を呼んできた。
「がに股をやめなさい。女の娘になりきれていないわ。ダメじゃない」
「女装すると言ったけど、女性になりきる、なんて一言も言ってないよ」
「女装をするという事は、女の娘になりきらないとダメよ。言う事を聞きなさい」
「やだ」
絶対にやだ。
「言う事を聞かないのなら、
「
メイクでもしてくるのか?
例えメイクされて見た目が女の娘っぽくなっても、俺は女の娘らしい立ち振る舞いなんてしないぞ。
固く決意すると、麻子さんは過去最大級に頭がぶっ飛んだ発言をしやがった。
「男はケツ穴に指突っ込まれて前○腺を刺激されれば、皆
今から準を
「
そのワードは俺に効く。効き過ぎる。
流しそうになったけど、
つーか、何で
……麻子さんがバッグから、ゴム手袋と粘性の高い液体が入った容器を取り出している。何でそんな物を入れているんですか?
……あ、ゴム手袋嵌めてる。ガチでやる気なの?ねぇ?こっちに迫って来ないで?
此処はカラオケルームだよ?歌う場所だよ?やるならホテルとかにしよう?やらせないけど。
この後、滅茶苦茶肉体言語で説得した。
あのさぁ……何でそんなに俺の事を女の娘にしたいの?意味分かんないんですけど。
……はぁ。昔はこんな人じゃなかったのに。なんで
アレか?
何時だか
「貴方は女の娘よ。
「問題大アリだ!!」
くそっ!もう復活しやがった!!なんつー生命力だ!!!
本当はノーザンライトボムをぶちかましたいが、あまり騒ぎ過ぎると色々マズいから、静かな技、ネックツイストをぶちかましたんだけど──
「あまり首を変な方向に曲げないで頂戴。痛いわ」
──首を180°反転させたのに、救いようのない変態は既に首を元の位置に戻し、復活している。
言わなくても分かっていると思うが、麻子さんは
普通、ネックツイストされたら死ぬのに──
「準の一人称が“俺”から“私”に変わるまで、前○腺を
「お黙りッッッ!!!」
ちきしょう!目がマジだ!!このままだと、
……あっ、まっ、待って、やめて?ゴム手袋に粘性の高い液体まぶさないで?やめなさい?ゴム手袋をした手をワキワキさせながら迫らないで?やめて?真顔のまま鼻息を荒くしながら迫らないで──
side 提督 out
───────
────
─
次回予告
大鳳さんも近接戦闘デビューしましたね!おめでとうございます!
さぁ、空母組でデビューしていないのは、葛城さん。あなただけです!
……私は絶対にやらない?私だけは常識人で在り続ける?
葛城さん。一つ、言っておきます。
第603鎮守府では、近接戦闘をするのが常識です!ですので!今すぐデビューしましょう!さぁ!早く!!やり方なら、榛名がお教えします!!!
……逃げられてしまいました。
第141話・
「甘えたいのなら、遠慮せず甘えなさい。私が。いいえ、
だから、何も考えないで。ほら、おいで?」
【補足的なナニか】
・デニール…繊度。糸や繊維の太さの単位を指す。
デニール数が高ければ高い程、分厚くなる。
・加賀…第603鎮守府所属、加賀型航空母艦一番艦、加賀の適性者、
元々は明るく溌剌とした、感情表現豊かな女性だったが、艤装の影響を受けて寡黙になり、更に感情を殆ど表に出せなくなってしまった。
第603鎮守府を運営する渡良瀬準少佐とは、幼少期から10年以上の付き合いがあり、
しかし、高校2年の時、親の都合で引っ越す事になり、離れ離れになる。
紆余曲折を経て艦娘になり、渡良瀬準少佐と再会。
現在は第603鎮守府に所属し、そこでトラブルを起こしまくっている。
渡良瀬準少佐曰く、「
・元上司…大本営本部所属、綾波型駆逐艦一番艦、綾波の適性者を指す。適性者の名前は、現段階では公開不可。
上記の加賀曰く、「決して逆らってはならない人」「逆らったら○される」「私よりも下ネタが大好き」らしい。
【特殊補足】
・麻の花言葉…「
そして、「
以上、補足終了。
※そろそろ書き溜めが無くなるから、更新速度が遅くなりそう……。
デート編、もっと細かく描写するべき?
-
するべき
-
簡略化しろ