追跡鶴   作:EMS-10

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 心理描写等を詳しく書く為、物語の進みが遅いですが許してください(土下座)

※警告※
勢いしか無い
こまけぇこたぁいいんだよ!
頭を空っぽにしてご覧下さい
お前らの嫁だろ、早くなんとかしろよ


※この小説に登場する人物達は全員、特殊な訓練を受けています。決して真似しないで下さい。

※この小説内の季節は、12月中旬頃となっています。



第148話・オカン、辞めます

 

side 加賀

 

 

──第603鎮守府、工廠──

()開始87日目。

13:10。

 

 

「──っと。良し!修理完了!」

 

「ありがとうございます」

 野原主任が額に浮かんだ汗を首に掛けたタオルで拭い、やり遂げたような顔をしながらそう言った。

 

 今朝の()で主機を酷使したせいで、大分痛めてしまった。

 けれど、今は野原主任の手で修理された事で、完全に元通りになっている。

 大本営に居た頃、何度もお世話になったから知っているけど、相変わらず良い腕ね。

 

「どういたしまして。しっかし、珍しいですねぇ。加賀さんがここまで主機を酷使するなんて」

 

「皆を護る為、少々無理をしたもので……申し訳ありません。主機に過負荷を掛けてしまって」

 普段ならここまで酷使しないけれど、()()()()()に囲まれた娘達を助ける為囮になり、オーバーヒート寸前まで主機の出力を上げ、海上を疾走し続けたから、エンジンやオイルが大変な事になってしまった。

 

 自分で言うのもなんですが、私がフォローに回り続けたからか、今朝の()では負傷者や、艤装を破損させた娘は、私を除いて一人も出ていない。

 結構。いいえ。かなり頑張りました。

 

「いえいえ、謝らないでください。()は技術者。直すのが仕事です」

『死なれるよりかは、艤装をぶっ壊される方が遥かにマシです』

 

「……ありがとうございます」

 野原主任の()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「それでは、最終確認をするので少々お待ち下さい」

『ケーブル繋いで、端末に接続して……良し!さぁて、集中してやるぞ!』

 

「……分かりました」

 再び、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 今までは時々()()()()()()()()けど、提督──()()()()()からは、()()()()()()()()()ようになった。

 

……お陰で、()()()()()()()()()を知る羽目になってしまったけど。

 どんな事か。それは、

 

(()()()だと思っていた娘が、()()()()だったとはね……)

 まさか、()()()()()()()()()()()()()()()()()()とは、思いもしなかったわ。

 

 ただ、矢矧さんは、海風さんと比べれば()()()()()

 彼女は()()()()()()()()()()みたいだけど、内容はとても()()()()()()()()()()だった。

 

……少し前までは()()()()()()()を立てていたけど、最近()の精神的疲労が半端ないのを見て、理性を働かせて考えを改め。

 更に、一昨日。提督を連れて逃走した際、()()()()()事で()()()()に切り替えたみたい。

 

 閑話休題。

 

 その内容は、()から()()()()()()()()()()()()になる為、()()()()()()()()()()()接する。

 そして、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という物。

 

 ただ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()内容を纏めると、()()()()()()()()()()()()()()()で、()()()()()()な性格をしているらしい。

 

 しかし、()()()()()()。学生時代にその性格が災いし、()()()()()せいで()()()()()()()になってしまった。

 

 そのせいで、()()()()()を出す事が出来ず、()()()()()()()()()()()()()いる。

 だから、時々()()()()()()に接してしまう。

 そして、その度に()()()()()()()()()()()()()()と後悔し、更にストレスが溜まり……と、悪循環を繰り返している。

 他にも色々あるけれど、割愛するわ。

 

 とにかく、矢矧さんの()()()()()()()に伝えられるよう、私がさり気なくフォローしてあげましょう。

 

 最近色々溜め込み過ぎて()()()()だから、早急に対処しないと。

 現に、()の時、色々思い詰めていた。そして帰還し、後片付けを終えたら、体調が優れないと言って休んでいる。

 

(駄犬(時雨さん)と早霜さんが、凄まじい顔をしていた、と言っていたから、()()()()()()なのかもしれない)

 野原主任の作業が終わって、稼働データを提督に提出したら、様子を見に行きましょう。

 

 次に、海風さんだけど……正直言って、どうすれば良いか分からない。

 

(普段の言動と違って、腹の中は驚く程真っ黒。このままだと()だけでなく、()()()()()()()()()()恐れがある)

 矢矧さんと違って海風さんは、私や瑞稀ちゃん達(瑞鶴達)()()()()事も辞さない、と()()()()()

 

 しかも、私達だけでなく、()が自分を選ばなかったら()()、なんて考えている。

 

(薬を使用してまで手にしたいなんて……危険だわ)

 現に、今日の秘書艦を務める際、薬──媚薬を一服盛って軽く仕掛ける、なんて()()()()()

 

 けれど、今朝。()に行く前に、海風さんの部屋に気配を消して侵入し、媚薬を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 そして、昼食時に再び()()()()()()()()容器を回収し、媚薬を持たせた。

 海風さんの()()()()()()()所、気付かれていない。

 

 何故、そんな面倒な事をしたのか。

 以前、()()()()()()()()()()()()()事があるらしく、それ以降警戒して肌身離さず持ち歩き、時々自分で服用して効果を確認しているみたいだから、警戒されない為にやりました。

 

……大本営に居た頃、()()()()()()()()()()事が、役立つ日が来るとは思わなかった。

 

 閑話休題。

 

 何故、海風さんは()に対してそこまで()()()()()()()()のか。

 ()()によると、どうやら彼女は昔。()()()()()()()()()()()()()()()()、その時に──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あっはははは♪』

 

 

『来るなッ!来るなァ!!』

 

 

──()()()()()()()笑い声と、()の悲鳴にも似た懇願が聞こえてきた。

 それと同時に、艦娘の力で強化された聴力が、走る足音を捉えた。

 

(笑い声の方は、今まで聞いた事が無い声ね)

 サキュバス(榛名)……の声ではない。()()の声でもない。瑞稀ちゃん達の声でもない。誰なの?

 ()()()()()()()()と思ったけれど、()()()に居るからか、()()()()事が出来ない。

 

「……加賀さん。今、渡良瀬少佐の悲鳴が聞こえたんですけど、気の所為──」

 

「じゃないわ。確実に()()が悲鳴をあげているわ」

 私がそう言うと、野原主任は苦笑いをした。

 ()の悲鳴は()()()()()()()から、聞き間違えようがない。

 ()()()()前まで、私は毎日のようにやらかして、その度に聞いたから分かる。

……今後二度と、やらかさないようにしましょう。

 

「あ、やっぱり?けど、笑い声の方は()()()()()()()()()()だから、誰なのか分からないなぁ。誰だろ?」

『瑞鶴さん達()()()()()の誰かが、今まで出さなかった声を出したのかな?それか、考えたくないけど、()()()()()()()()()()ようになったのかな?』

 

「誰でもいいわ。()()を助けに行きます」

 確かに、気になる。けど、今()は追い掛けられている。

 声の主が誰なのか考えるより、助ける事の方が大事よ。

 急いで()の元へ向かおうとした瞬間、

 

 

「加賀さん!助けてくださいっ!()()()()()がッッッ!!!」

 

 

 夕張さんが助けを求めてきた。顔を見ると、ガチ泣きしている。

 ()()()()()。つまり、()()()さんに襲われているみたい。

 ストッパー役の吹雪さんは()に。千歳さんは、哨戒に行ってしまった。

 

……仕方ない。()を助けに行きたいけれど、頼られた以上、見捨てる訳にはいきません。

 ()は追い込まれると凄まじい力を発揮するから、恐らく暫くは持つ。

 けれど、夕張さんはそうでもない。先に夕張さんを助けてから、()の所に行きましょう。

 

 

「ゆっうばっりさぁ〜ん!私の()()()()()()()()()くださ〜い!」

 

 

……来たわね。

 さっさと()()()()の所に行かないと。

 艤装──は調整中だから、使用出来ない。なら、己の肉体で対処しましょう。

 

 

side 加賀 out

 

 

───────

────

 

 

side 矢矧

 

 

──第603鎮守府、医務室──

12:30。

 

 

 頭痛が酷い。

 

 耳鳴りが酷い。

 

 鼓動が早い。

 

 身体が熱い。

 

 ()()()()()

 

(……気持ち悪い)

 安静にしているけど、一向に良くならない。それどころか、段々悪化している気がする。

 

 

 

 

 数時間前。執務室を()()()際に見た光景がショックだったのか、私は体調を崩してしまった。

 

 見た瞬間、身体中の血液が沸騰したかのように熱くなり、頭痛や耳鳴りがして、呼吸が荒くなったのを覚えている。

 それだけじゃない。()()()()()()()()()

 比喩ではなく、文字通り()()()()()()

 

 そして、気が付けば執務室の扉を()()()()()()()()()()()()()()!と考え、実行に移そうとしていた。

 

(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のに……)

 何故、そんな事をしようとしたのか、()()()()()()()()()

 

 幸い、()()()理性が働いていたから、未遂に終わった。

 そんな事をすれば、()()()()()()()()()()

 それに、何時までも扉の前に居たら、不審に思われる。

 

 だから、直ぐにその場から離れようとしたけれど、ふらついて倒れ、扉に身体をぶつけてしまった。

 

 そのせいで、執務室に居た()()()と海風に気付かれてしまった。

 急いでその場から逃げようとしたけど、身体が思うように動かず、結果、廊下に蹲る私を見られてしまった。

 

(()()()()()のお陰か、不審に思われなかったのが幸いだった……)

 ()()()()()()だったら、執務室に侵入しようとしていたのでは?と()()()や海風に思われていただろうけど、私だったから、不審に思われなかった。

 逆に、心配された。

 

(……温かかったなぁ)

 蹲っている私を見た()()()は、私が荒い息を吐いていたのを見聞きして、直ぐに医務室に運んでくれた。

 

 その時の私は全身ずぶ濡れの状態だったのに、()()()は一切躊躇せず、私を抱きかかえてくれた。

 そのせいで提督服が濡れ、汚れてしまったのに、全く気にしていなかった──ノックされた。誰かしら?

 

『矢矧、起きているか?』

 

……()()()だ。心做しか、心配そうな声をしている。

 一旦、先程の出来事を思い出すのをやめましょう。

 起きていると返事をし、入室しても良いか?と聞いてきたから、承諾して入室を促す。

 

「具合はどうだ?」

 

 医務室に入ると、心配そうな顔をしながら()()()を見て、そう聞いてきた。

……何故、海風に頭を撫でられていたのか聞きたかったけど、それをすれば覗き見をしていた事がバレてしまう。我慢よ。

 

「……大丈夫よ。心配を掛けて、ごめんなさい」

 本当はあんまり大丈夫じゃない。さっきから頭痛と耳鳴りがして、鼓動が早く、身体が熱い。

 それに、()()()()()()()だ。本当、どうしてしまったの?

 

(何故、()()()()()の?)

 最初は眼球に何か異常が起きているのでは?と思い、医療妖精さんに診てもらったけど、結果は異常なし。

 現に、眼球に痛みは無いし、視力も低下していない。

 

 次に、頭痛や耳鳴り、鼓動が早い理由だけど、こちらは医療妖精さん曰く、「精神的疲労やストレスが原因」との事。

 

……こっちは心当たりが沢山あるから、納得出来る。

 今までずっと()()()()()()()()()()()()()()をしてきた。

 

(以前居た舞鶴鎮守府では、時々発散する事が出来たけど、此処(第603鎮守府)に来てからは、全くと言って良い程、発散出来ていない)

 更に、()()()()()()()()()()()()せいで、相当ストレスが溜まっている。

 そのせいで、限界を迎えてしまったのかもしれない。

 

……訂正。何度か発散は出来た。

 ()()()達と一緒に、プールに行ったり。夏○ミに参加したり。

 こっそり妖精さんにナ○ティプを見せて、A()()()()()()()()

 

 でも、その程度では発散し切れなかった。

 だから、あの光景を見た事でトドメを刺され、こうして医務室に──

 

 

「…………矢矧。いや、()()

 

「──()()。今は()()()よ?()()ではなく、()()で呼びなさい?」

 思考していると、()()()が真剣な顔をしながら、私の()()を呼んできた。

 

 本音を言えば、とても嬉しい。もっと私の()()を呼んで欲しい。

 でも、今は仕事中。だから、名前(香苗)ではなく艦名(矢矧)で呼ぶよう注意をした。

 しかし、

 

「……今、俺は()()()()()ではなく、一人の男──()()()()として、()()。お前に聞きたい事がある」

 

「……何かしら?」

 注意しても、()()()は私を()()と呼んできた。

 普段なら「公私混同してはダメよ?」と注意していたけど、今は精神的に余裕が無い為、出来なかった。

 そして、

 

「単刀直入に聞く。()()()()()()()()()()?」

 

「──ッ!?」

 私の心を揺さぶる言葉を放ってきた。

 ()()()()()()()()()()()が言った通り、私は()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(もしかして、バレた?)

 ここ最近、色々あったせいで、自分でも気付かない間に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と気付かれてしまったの?

 

……落ち着きなさい、私。まだそうと決まったわけじゃない。

 恐らく、医務室で休む事が初めてだから、心配して「()()()()()()()()?」と聞いてきたのでしょう。

 

……能代姉さんが、()()()()をバラした可能性を考えたけど、昔、()()()()()()口外しないと()()()()から、それは無い。

 

「……その顔。やっぱり無理をしていたんだな」

 

 自分ではポーカーフェイスを保っていたつもりだったけど、顔に出てしまったみたい。

 ここで変に慌てたりすると、不審に思われてしまう。

 

「……そう、ね。最近、色々あったせいで、少し疲れてしまったみたい」

 だから、軽く溜息を吐き、軽く顔を顰めながら「疲れてしまった」と答える。

 ()()()の中で、私は苦労人ポジションに居ると認識されているから、こうすれば誤魔化せるかもしれない。

 

「……すまない、苦労をかけて。そして、気付いてやれなくて」

 

「気にしなくていいわ」

 良し!誤魔化せた!普段の行いのお陰で、疑われていない!

 

「いや、けど──」

 

「私が気にしなくていい、って言っているのだから、気にしなくていいわ」

 敢えてキツめの口調で返答。こうすれば、()()()()()()()()と思われて、これ以上追求されずに済む。

 本当は優しい口調で「心配しなくても大丈夫」と言いたかったけど、それをしたら不審に思われる。我慢よ。

 

「──そう、か。分かった。ただ、本当に無理はしないでくれ。無理だと思ったら、遠慮なく言ってくれ」

 

「了解よ」

 相変わらず優しいわね。

……その優しさを、()()()()()()()()()()なぁ。

 

 今までは瑞鶴達を()()して手にしよう、と考えていた。

 でも、今は違う。そんな事をすれば、()()()が悲しむ。

 だから、()()()で挑んで、()()()()()()()()()()()()()

 どんなに時間が掛かろうと、必ず手にしてみせる。

 

 本当は今すぐにでも仕掛けたいけど、今はダメ。

 色々あったせいで、()()()の精神が弱っている。

 今仕掛けると、()()()の精神に甚大な被害を与えて、逆に距離を取られる恐れがある。

 

 だから、今は我慢よ。

 

 

 

…………そう思っていたけど、

 

 

「──さて。俺はそろそろ仕事に戻る。()()はこの後も此処(医務室)で休め。いいな?」

 

 暫く()()()と会話をしていたら、()()()()()()()()()()()()()

 

……もっと、お話したい。

 

 二人きりで、過ごしたい。

 

「……()()?」

 

 気が付けば、医務室から去ろうとする()()()の手を掴んでいた。

 

……離さなきゃ。じゃないと、()()()は仕事に戻れない。

 

 しかし、手を離す事は出来なかった。

 

「どうした?」

 

 ()()()が、微笑みながら優しい声でそう言ってきた。

 

 顔や声を見聞きするに、鬱陶しがってはいない。

 

 無性に、()()()()()()()()()

 

……何バカな事を考えているの?そんな事をすれば、嫌われるわよ?

 

 内心で自分を叱責。

 

 しかし、抑えられず、()()()()()()が膨らんできてしまった。

 

「お、お〜い?()()?どうした〜?」

 

 ()()()の戸惑うような声が聞こえる。

 

 嗚呼。()()()()

 

「ちょっ!?おまっ!?」

 

 気が付けば、()()()の手を引き、抱き寄せていた。

 

 うふふっ。()()()()ね。

 

 さっきまでは()()()()と思ったけど、今は()()()()()()衝動に駆られている。

 

()()……さん?あの……何をしていらっしゃるのでございましょうか?」

 

 ()()()()()()()()()()

 

 でも、今は()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、矢矧?ねぇ、聞いてる?あの、何でそんな()()()()をしているの?提督さんに教えて──あっ、ちょっ!?マズい!この体勢マズいですよッ!?ねぇ、マジでどうしたの──待って!?何でベルトに手を掛けているのッ!?やめてッ?お願いしますやめてくださいッ!!」

 

 

 暴れないで?ほら、もっと顔を私の()()()()()()()()()()()()

 

 今なら()()()()してあげるわ?

 

……あっ、コラ!暴れないで!?逃げるなッ!!

 

……逃げられちゃった。

 

……ふふっ。恥ずかしがり屋なのね?

 

……笑っていないで、()()()()()()()

 

 ()()()()()、とっ捕まえて、()()()()()()()()()()ッッッッ!!!

 

 格納領域(空きスロット)に仕舞っておいた、20mmマシンガン型麻酔銃を取り出す。

 

 当たっても痛くないよう、威力を抑えて──良し。

 

「待っていなさい、()()()♪」

 すぐにとっ捕まえてあげる♪

 

 嗚呼……()()()()()()だ。

 

 嗚呼……()()()()()()()()()()()()

 

 嗚呼……()()()()()

 

 

 

 うふふっ。うふふふふっ。あはははははっ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっははははは!!あははははははははははははッッッ!!!」

 

 

 

side 矢矧 out

 

 

───────

────

 

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、母港──

13:05。

 

 

「何で……何でだ……!」

 あの、()()()と呼ばれている矢矧が。

 あの、真面目が服を着ている矢矧が。

 あの、一切やらかさない矢矧が。

 

「何であんな()()()()をしたんだあああああぁぁぁぁぁぁ!!?」

 あの笑顔、何度も見た事があるから分かる。

 瑞鶴達が、()()()()際に見せる笑顔だ。

 瑞鶴達なら、()()()()を見てきても、「何時もの事だな」と流せる。

 けど、さっきその()()()()をしたのは、矢矧だ。

 

 大事なことだから、もう一度言うぞ。

 

 ()()()と呼ばれ!

 真面目が服を着ている!

 今まで一度たりともやらかしていない矢矧が!

 

 

 ()()()()で俺を抱き寄せ、ズボンのベルトを外そうとしやがったッッッ!!!

 

 

 

 百歩譲って、抱き寄せるだけなら許せた。

 けど!ベルトッ!!何故外そうとしたッッ!!

 

「畜生ッ!畜生ッ!!信じていたのにッッッ!!!」

 矢矧は決して()()()()()()と心の底から信じていたのにッ!!

 

 くそっ。ただでさえ色々あってSAN値ピンチ状態なのに、さっきの出来事のせいでSAN値直葬されそうだよッ!!

 今すぐにでも発狂して、()()()()()モードをすっ飛ばして()()()()モードに突入しちまいそうだ!

 今なら、母性ランキング暫定一位の夕立を見た途端、()()()()モードになって泣き付いて一瞬で()()()()になれる自信があるッッッ!!!

 プライドなんか全部投げ捨てて、全力で()()()()()()ッッッ!!!今の俺は()()()()()()()だ!助けてママーーーーーーッッッ!!!

 

 

……嘆いている場合じゃない。アホな事考えている場合じゃない。

 今はとにかく逃げよう。そして、誰かに助けを求めよう。

 

(現在、鎮守府に残っている()()……じゃねーよ!なんだよ!残っている()()って!艦娘だろ!!)

 しっかりしろ!

……気を取り直して。

 

(現在、鎮守府に残っている艦娘は、加賀さん、足柄、鈴谷、熊野さん、夕張、五月雨、時雨、海風。そして、能代さん──ッッ!?)

 母港を全力疾走し、誰に助けを求めるか考えていると、背後からねっとりとした視線を感じた。

……ものすっっっごく嫌な予感しかしない。

 振り返りたくない。けど、振り返らないといけない気がする。

 

(……一瞬だけ振り返ろう)

 よーし、やるぞ。覚悟決めろ。せーの!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(<⚫>)(<⚫>)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(<(((⚫)))><(((⚫)))>)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 矢矧さんだァ!矢矧さんが()()()()()()()()、綺麗なフォームで走って追っ掛けて来てるゥ!

 うわぁい!すんごいお目目でこっち見てますよー!

 俺と目が合ったら、更に瞳孔をカッ広げやがりましたァ!

 あはははっ!()()が走ってきちゃったよ!()()()に追っ掛けられているからかなァ?

 

……ふざけてる場合じゃねーよ!アホッ!逃げろッッッ!!!

 

 あと、矢矧さん!右手に持っている物はなんですか?俺にはマシンガンにしか見えないんですけど──撃ってきやがったァァァッ!!危ねぇぇぇェェェッッ!?

 

 

 

「あっはははは♪」

 

 

「来るなッ!来るなァ!!」

 何でッ!?何で撃ってきたのッッッ!!?

 

 

「私は面倒が嫌いなのよ。だから──

 

 

大人しくしなさい」

 

 

「やだよッッッ!!!」

 大人しくしたら、襲うでしょッ!?なら、大人しくしないッッッ!!!

 あと、面倒なのが嫌い、って言ったから気付いたけど、君が持っているマシンガン、ヴィ○センが装備している奴とそっくりだね?何時造ってもらったの?提督さんに教えて──撃つなッッッ!!!

 

 あぁ、もう!

 

 

「何故だああああああああぁぁぁぁぁ!!?」

 何故、矢矧は俺を襲うんだああああああああああああああ!!?

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 





次回予告


……矢矧が、あんなはっちゃけた性格をしているとは思わなかったよ。摩耶様ビックリだ。
 能代さんと提督が上手く説得して落ち着かせたけど、矢矧はやらかした事で落ち込んでいる。提督やアタシ達は気にしていないんだけどなぁ。
……お!提督、お疲れさん──どうしたんだ?そんな顔して。何か、またトラブルでも起きたのか?
……近日中に、新人が此処に配属される?そっかー、新人が来るのかー。可愛がってやらーねーと……はぁ!?
 

第149話・一難去ったと思ったら、十難位来た


「全て()()にしてしまえば、片が付くわ!だから、提督。

 今日から皆、()()だッッ!!の精神で居れば、何とかなるわッッッ!!!」


※どんどん頭の悪い内容になっていますが、仕様です。
 予め、ご了承下さい。


【補足的なナニか】

・ヴィクセン…「アーマード・コア」シリーズに登場する機体を指す。
 搭乗者は「面倒な事が嫌いな人」こと「スティンガー(CV.速水奨)」。
 武装の一つに、20mmマシンガンがある。

・母性ランキング…第603鎮守府を運営する、渡良瀬準少佐が勝手に作ったランキング(らしい)。
 渡良瀬少佐曰く、一位は白露型駆逐艦四番艦、夕立との事。
 二位以降について聞こうとしたが、嫁さん達に襲われた()()()により聞く事が出来なかった為、不明。
 もしかしたら、今後明らかになるかもしれない。

以上、補足終了。
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