追跡鶴   作:EMS-10

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 かなり長め(約一万五千文字)の内容になっております(挨拶)
 艦○れアーケードの榛名(水着mode)、ヤバい。被弾時の脱衣が完全にCAST OFFじゃん……。

※警告※
提督達は今日も元気です
下ネタ、若干のシリアス有り
頭を空っぽにしてご覧下さい
お前らの嫁だろ、早くなんとかしろよ


※この小説に登場する人物は全員、特殊な訓練を受けています。
 決して真似しないで下さい。

※この小説内の季節は、1月上旬頃となっています。



第164話・隣の鎮守府は青い

 

side 提督

 

 

──某県、某所──

漁(・)開始126日目。

01:00。

 

 

「うぅ……瑞鳳といい、祥鳳といい、荒潮といい、村雨といい。そして、最近はゴ(・)ト(・)ラ(・)ン(・)ド(・)まで加わった……どうして僕の周りには、我が強い娘ばっかり集まるんだ……今日も此処に来るまでに……ぐすっ……」

 

「加藤、泣くな。女性の我儘を受け入れてやるのも、男の甲斐性だぞ」

 

「それでも、限度って物がありますよ、藤原さん。

 早く短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)の期間が終わらないかなぁ……そうすれば、一人減るから多(・)少(・)楽(・)に(・)な(・)る(・)のに……」

 

 浦樹がガチ泣きしながら、藤(・)原(・)さ(・)ん(・)に愚痴ってる。

 そして、それを藤原さんは真剣な顔で。しかし、穏やかな声で諭すように説得?慰めている?どっちだ?とにかくなんとかしている。アルコールが回ってて、上手く言えない。

 

(しっかしまぁ、今の藤原さんを見てると、まるで父(・)親(・)み(・)た(・)い(・)だ)

 まぁ、藤原さんって憲(・)兵(・)だ(・)っ(・)た(・)女(・)性(・)とご結婚されていて、俺(・)や(・)浦(・)樹(・)と(・)同(・)い(・)歳(・)の(・)娘(・)さ(・)ん(・)が(・)居(・)る(・)から、ガチで父(・)親(・)なんだけど。

 

 閑話休題。

 

(そういや、さっき藤原さんのス○ホに電話が掛かって来て、通話相手の女性から色々物騒な事を言われてたなぁ……)

 めっちゃデカい声だったから、ハッキリと聞こえてきた。“責任を取れ!”だの、“あんたを殺して私も死ぬ!”とか。大丈夫なんだろうか?不安だ。

 

(本当にヤバかったり、藤原さんが助けを求めてきたら助けよう。それまで静観だ)

 じゃないと色々な事に巻き込まれて、俺の胃袋と精神が死ぬ。

 

(というか、藤原さんが昔(・)は(・)や(・)ん(・)ち(・)ゃ(・)だ(・)っ(・)た(・)、という事実を未だ受け入れられそうにないんですが……)

 なんでも、藤原さんは昔──俺や浦樹位の年齢だった時、とにかく女性にだらしない性格だったとか。信じられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飲み会という名の愚痴り大会が始まってから、かれこれ数時間が経過し、日付が変わってしまった。

 

 開始直後は軽くお通夜状態だったけど、アルコールが回った事でテンションが天元突破したのか、すぐにお祭り騒ぎ状態に陥った。

 

 かくいう俺も、アルコールが回ったせいか、普段なら決して言わない下ネタだのなんだの。とにかく色々やっちまった。

 

 例えば、浦樹に「貧乳に人権は無い」的な事を言われたから、思わずノーザンライトボムをぶちかましちまったし。

 オメー、ひ(・)ん(・)ぬ(・)ー(・)なめんなよ?ひんぬーはな、アレだ……ひんぬーはいいぞ。

 語彙力が職務放棄してるから上手く言えない。許して?とにかく、ひんぬーは凄いんだぞ。素晴らしいんだぞ。

 

 閑話休題。

 

 俺達が居るの、超が幾つも付く高級バーで。しかもVIP専用の個室だから、こんな風にどんちゃん騒ぎしても大丈夫なの?と思ったが、榊原さんと藤原さん曰く、

 

 

“毎回利用する度に騒いでいるから、問題ない”

“妖精さん特製の防音仕様部屋だから、大丈夫”

“普段は立場だの色々あってはっちゃけられないから、ここに来たら必ず騒ぐ”

“物を壊したりしなければ、俺と浦樹も好きに騒いで構わない”

“男って生き物は、何歳になっても馬鹿な事をしたがる”

“年齢なんて関係無い。騒ぎたい時は騒ぐ!ふざける時はふざける!それが人生を楽しく。そして元気に生きるコツだ!”

 

 

 との事。将校って大変なんですね……。

 あと、藤原さんが言った“男って生き物は云々”ですけど、説得力あり過ぎて草生えた。

 言った本人が馬鹿な事をしまくっていたからなぁ。

 

 なお、馬鹿な事の内容については、藤原さんの名誉やら何やらあるから、詳しくは言わん。ご了承くださいやがれ。くださいやがれって何?さっきから日本語おかしいって。

 

 

 閑話休題。

 

 しかし、日付が変わる頃になると、流石にテンションが持たないのか落ち着き始め、現在は再び開始直後のようなお通夜状態に陥っている──

 

「毎日!いいか!毎日!襲(・)わ(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)ッ!!

……だがな、俺はな、それでもな、赤(・)城(・)の事を心(・)の(・)底(・)か(・)ら(・)愛(・)し(・)て(・)い(・)る(・)んだああああああアアアアアッッッ!!」

 

 

──おーおー、榊(・)原(・)さ(・)ん(・)が愛の告白?をしていらっしゃいますでござる。いらっしゃいますでござるって何?ホントさっきから日本語思っきしおかしいな。アルコール回り過ぎたからかな?まぁいっか。

 

……じゃなくて。

 こうなったのは、俺の鎮守府がの日常について愚痴り、それを聞いた他の三人が「お前の鎮守府は平(・)和(・)だ!俺の鎮守府の方がヤバい!」とキレて、各鎮守府の日常を話し始めたのが原因だ。

 

 まず、藤原さんの所(鎮守府)だが、艦娘達からは一切襲(・)わ(・)れ(・)て(・)い(・)な(・)い(・)。

……が、代わり?に、藤原さんが昔。ヤ(・)ン(・)チ(・)ャ(・)だ(・)っ(・)た(・)頃(・)に手(・)を(・)出(・)し(・)ま(・)く(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)女(・)性(・)達(・)から、ほぼ毎日電話やメール、LIN○等で色々言われたり、殺(・)ら(・)れ(・)そ(・)う(・)に(・)なっているそうだ。

 なお、手を出した女性は全員、憲兵さんとの事。

 

 閑話休題。

 

 殺(・)ら(・)れ(・)そ(・)う(・)に(・)なっている、と言ったけど、内容は以下の通り。

 

 

・憲兵さん(女性)がシ(・)ョ(・)ッ(・)ト(・)ガ(・)ン(・)(実(・)弾(・))を担いで、執務室に挨(・)拶(・)しに来たり

・憲兵さん(女性)がミ(・)ニ(・)ガ(・)ン(・)(実(・)弾(・))を担いで、執務室に挨(・)拶(・)しに来たり

・憲兵さん(女性)が滑(・)腔(・)砲(・)(実(・)弾(・))を担いで、執務室に挨(・)拶(・)しに来たり

・藤原さんがオフの日に出掛けると、憲兵さん(女性)が戦(・)車(・)(九(・)七(・)式(・)中(・)戦(・)車(・)チ(・)ハ(・))で、吶(・)喊(・)!されたり。

 

 

 他にも色々あるけど、全部を説明したら俺の精神が崩壊するから、割愛。

 おっと。言い忘れる所だったが、藤原さんの部下──艦娘や奥さんも含め、誰も助けてくれないそうだ。

 

…………うん。とりあえず三言。藤原さん、自業自得です。

 次に憲兵さん(女性)達。落ち着いてください。特に戦車を使って吶(・)喊(・)!している人。

 街中で戦車に乗って、人に向かって吶(・)喊(・)!をするな。ここはガ○パンの世界じゃないんだぞ。

 そして、チハとはいえ、何度も戦車に轢かれているのにかすり傷一つ負わないって、藤原さんは本当に人間なの?誰か教えて?

 

……イカン。ツッコミ入れたら頭が痛くなってきた。これ以上何も考えるな。

 

……はい、次。浦樹の所の話をする。

 藤原さんについて色々気になる事が多いだろうけど、説明したら俺が精神崩壊しちゃうから、許して?

 

……さて。浦樹の所についてだが、簡単に言うなら、俺の所が狂(・)悪(・)化(・)した感じだ。

 

 まず、襲(・)っ(・)て(・)く(・)る(・)のは、瑞鳳さんと祥鳳さん、荒潮、村雨の四人との事。

 なお、現在は短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)でやって来たゴ(・)ト(・)ラ(・)ン(・)ド(・)が新たに加わった為、五人になっている。

 

 閑話休題。

 

 瑞鳳さんと荒潮は、ウチ(第603鎮守府)の翔鶴や榛名、時雨のように、物(・)理(・)的(・)に襲って来て。

 祥鳳さんと村雨は、睡眠薬や媚薬といったお(・)薬(・)を仕込んでくるそうだ。お(・)薬(・)を仕込むって、怖いな。ウ(・)チ(・)じ(・)ゃ(・)そ(・)ん(・)な(・)事(・)す(・)る(・)娘(・)は(・)居(・)な(・)い(・)から、平(・)和(・)に思える。

 

 閑話休題。

 

 そして、ゴ(・)ト(・)ラ(・)ン(・)ド(・)だが……彼女だけは、他の四人とは次(・)元(・)が(・)違(・)う(・)。

 浦樹が言うには、妖精さん達が造った特(・)殊(・)な(・)音(・)波(・)を発生させる装置?を使い、洗(・)脳(・)しようとしてくるそうだ。

 

 なお、瑞鳳さんもゴ(・)ト(・)ラ(・)ン(・)ド(・)が来る前から洗(・)脳(・)してきているが、やり方が違うとか言ってた。

 

 瑞鳳さんの場合、浦樹を狭く暗い部屋に監禁し、壁という壁に鏡を設置。

 “あなたは瑞鳳以外、興味が無くなる”とか。色々録音した音声を垂れ流しにして……すまん。説明してたら想像しちまって怖くなってきたから、やめさせてもらう。

 

…………とまぁ、こんな事がほぼ毎日続いているとか。あと、正妻の座を巡ってガ(・)チ(・)の(・)殺(・)し(・)合(・)い(・)をしたりしている。

 とりあえず、一言。第(・)6(・)0(・)3(・)鎮(・)守(・)府(・)は(・)と(・)っ(・)て(・)も(・)平(・)和(・)で(・)す(・)。異論は認めない──

 

「けどな!あのな!欲を言うとな!昔(・)の(・)よ(・)う(・)な(・)赤(・)城(・)を見たいんじゃあああああいッ!!

 恥(・)ず(・)か(・)し(・)が(・)り(・)屋(・)でッ!天(・)然(・)でッ!!そして……下(・)ネ(・)タ(・)が(・)苦(・)手(・)で(・)、(・)お(・)淑(・)や(・)か(・)な(・)赤(・)城(・)を!もう一度見たいんじゃボケエエエエエエエエッッッ!!」

 

 

──榊原さんが叫んでる。なんか、トラウマ?が蘇ったのか、荒れてしまってる。

 説明というか、解説というか。とにかく、浦樹の鎮守府については途中だが、榊原さんの話を集中して聞きたいから、この辺で終了させてもらうぞ──

 

「俺はな、本当は部下達(艦娘達)と仲良くしたい!一緒にお喋りしたい!一緒に飯を食べたい!一緒にお出かけしたい!そして、那(・)珂(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)の素晴らしさや愛らしさや健気さやひたむきに努力する美しくも気高い精神について語り合いたい!!

 けどな……けどな!俺は怖いんだ!怖いから、わ(・)ざ(・)と(・)嫌(・)わ(・)れ(・)る(・)よ(・)う(・)振(・)る(・)舞(・)い(・)、(・)距(・)離(・)を(・)取(・)る(・)事(・)に(・)し(・)た(・)!!」

 

「──えっ?」

 ちょっと待ってください。今、なんて言いました?わ(・)ざ(・)と(・)嫌(・)わ(・)れ(・)る(・)よ(・)う(・)振(・)る(・)舞(・)う(・)事(・)に(・)し(・)た(・)?どうして?

 

 疑問に思っていると、俺の顔を見て何を考えているのか分かったのか、榊原さんはと(・)て(・)も(・)悲(・)し(・)そ(・)う(・)な(・)顔(・)をしながら理由を話してくれた。

 

「……あれは、俺が10歳の時。俺に提(・)督(・)適(・)性(・)がある事が判明し、鎮守府の運営方法等を学ぶ為、俺(・)の(・)親(・)父(・)の(・)部(・)下(・)だ(・)っ(・)た(・)提(・)督(・)が運(・)営(・)し(・)て(・)い(・)た(・)小(・)規(・)模(・)鎮(・)守(・)府(・)へ行った時の事だった。

……話すと長くなるから結末だけ言うと、ある日の夜。見てしまったんだ」

 

「な、何を見てしまったんですか?」

 何となく予想出来るけど、本人の口から言ってもらおう。

……にしても、10歳の時から提督の仕事について学んでいたのか。流石、軍人家系出身だ。

 きっと、幼少期から厳しく育てられたんだろうなぁ。

 

「…………その提督が、複数の艦娘達に性(・)的(・)な(・)意(・)味(・)で(・)襲(・)わ(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)の(・)を(・)な。ちなみに、当時の俺は純情だったから、ショックを受けて一週間寝込んだ」

 

 はい、予想通り。

 今も昔も。何処の鎮守府の提督も、艦娘達に性的な意味で襲われているんだね。

 

 これ、提督の職務内容……ん?募集要項か?いや、注意事項か?どれだ?とにかく、「稀(・)に(・)よ(・)く(・)、艦娘達から性的な意味で襲われる場合があります」って書いた方がいいんじゃないの?

 

「しかも、それだけじゃない。別の鎮守派に行き、色々学んでいたら、その鎮守府では艦(・)娘(・)同(・)士(・)の(・)殺(・)し(・)合(・)い(・)が発生し、間近で見てしまった。

…………幸い、俺は巻き込まれなかったが、色々ショッキングなモノを見たせいで、約三週間寝込んだ」

 

「…………その……心中お察しします」

 そら、ショック受けるわな。10歳の少年には刺激が強過ぎる。

 もし俺が10歳の時にそんなモン見たら、まず間違いなく精神崩壊していただろう。榊原さんは良く精神崩壊しなかったですね。英才教育を受けていたからかな?

 

「ありがとよ。……話を戻そう。とにかく、それらを見た事で俺は決意した。提督になったら、俺の部下──横須賀の艦娘達や、他所の艦娘達。あと、各鎮守府の提督達から距離を取ると。

 提督達と距離を取る理由だが、提督達と仲良くやっている姿を部下に見られたりして、その……自分で言うのもなんだが、嫌な奴のフリをしているだけで、本当は良い奴だと思われ、接触されない為だ。

……話が脱線したな。戻す。

 だから、俺は嫌(・)わ(・)れ(・)る(・)よ(・)う(・)振(・)る(・)舞(・)う(・)事にした。

 結果は大(・)失(・)敗(・)だったがな!!

 まず、当たり前だが嫌われるという事は味方が居ない。

 味方が居ないという事は、困った事があっても誰も助けてくれない。

 執務とか、赤(・)城(・)の(・)襲(・)撃(・)とか、飯の用意とか、赤(・)城(・)の(・)襲(・)撃(・)とか、洗濯とか、赤(・)城(・)の(・)襲(・)撃(・)とか、迷(・)子(・)に(・)な(・)っ(・)た(・)時(・)とか、赤(・)城(・)の(・)襲(・)撃(・)とか!!

 俺は手先が不器用だから、炊事・洗濯、部屋の掃除が苦手なんだ。おまけに、極(・)度(・)の(・)方(・)向(・)音(・)痴(・)と来た!!ダメダメ属性てんこ盛りだクソッタレ!!!」

 

「oh......」

 めっちゃ早口で、半べそかきながら叫んでらっしゃる。

 なんというか、本当にその……お疲れ様です。それしか言えない。語彙力ください──

 

「それだから、その……以前、お前の所(第603鎮守府)に白露型駆逐艦四番艦、夕立を異動させた際、色々嫌味を書いた。本当はそんな事書きたくなかった!!」

 

──今明かされる、衝撃の事実!そうだったんですか……アレ、わざとだったんですね。すみません、一時ムカつくとか考えたりしてしまって。

 

「それに!夕立は元々お前の所に行く筈だった!夕立に限らず、渡良瀬。お前と共に養成所で過ごした艦娘達も、だ!それなのに、当時のお偉いさん共はなんやかんや理由を付けて、別の鎮守府へ配属させやがった……」

 

…………マジっすか?知らなかった。

 

「……ん?もう空か。おーい、妖精さん。コレをもう一本追加してくれないか?料金は俺に付けてくれ」

 

……あの、榊原さん?まさか、ロマネコンティ追加する気ですか?嘘ですよね?少し前にも思ったけど、ソレ、一本数百万もするんですよ?

 

「ふっ。金の心配か?大丈夫だ。俺はかなり稼いでいるから、ロマネコンティの十本や二十本頼んでも、余裕で払える」

 

 俺の顔を見た榊原さんは、不敵に笑いながらそう言ってきた。

 流石、横須賀鎮守府を運営する提督。相当稼いでいるんだろうな。代わりに激務なのだろうけど。

 

「……さて。お喋りの続きと行こうか。ほら、グラスを出せ」

 

 あの、あのあのあの。妖精さんが新たに運んできたロマネコンティの瓶を持って差し出していますけど、まさか、飲めって言うのですか?冗談ですよね?

 とんでもねぇ高級品を一日に二杯も飲めるって、ヤバくね?いや、ヤバい。さっきから何度も言っているけど、アルコールが回っているせいで語彙力さんがログアウトしちゃっててなんと言えばいいのか分からないそもそも何で榊原さんは俺と会話をしたがっているんだ誰か教えて──

 

「グラスが嫌なのか?なら、ラッパ飲みを所望か?」

 

「」

 

「ハッハッハ!いいぞ!飲ませてやる!!」 

 

 待って!?待って!!?待って!!?何仰られているのでございましょうか!!!??頭がどうにかなりそう!!!

 

 

 

──

 

 

「ところで、榊原さん」

 

「ん?なんだ?」

 

「一つ、お聞きしたい事があるのですが……」

 

「いいぞ、言ってみろ」

 

 危うくロマネコンティをラッパ飲みさせられそうになってから十数分後。ふと俺は疑問に思った事を聞く事にした。

 

「何故赤(・)城(・)さ(・)ん(・)とは、その……仲良くというか、その……ド(・)ン(・)パ(・)チ(・)ヤ(・)る(・)仲になっているのですか?」

 部下達から嫌われるようにしている。そして、嫌われていると言っていた。

 それなのに、何故そのような仲になっているのだろう。

 

「あー……それはだな、俺と赤(・)城(・)は、幼(・)馴(・)染(・)なんだ」

 

「えっ!?」

 幼馴染!?マジで?今日何度目だろう、マジって思ったの。誰かカウントしてない?

 

「…………話すと長くなるから、詳細については割愛させてもらう。とにかく俺と赤城は幼馴染で、何の因果か知らんが、同じ鎮守府で提督と艦娘として一緒に過ごしている」

 

「…………」

 

「そして、俺が……その……トラウマを持っている事を知っている。

 最初、俺は赤城を。咲(・)の事も、他の部下同様、突き放して嫌われるよう振舞った。しかし、咲(さき)は何度突き放しても。嫌われるよう振舞っても。暴言を吐き続けても、俺の傍から離れようとしなかった」

 

「…………」

 

「…………まぁ、それで、あー……色(・)々(・)あ(・)っ(・)て(・)、付き合う事になった。色々については話さん」

 

「そう……だったんですね……」

 成程。そういった理由で。

 にしても、幼馴染が提督と艦娘になる確率、高くね?何(・)か(・)の(・)因(・)果(・)関(・)係(・)でもあるんじゃない?そうとしか思えないよ──

 

「…………今じゃ、殺(・)戮(・)マ(・)シ(・)ー(・)ン(・)だの色々言われているが、昔(・)は(・)争(・)い(・)事(・)な(・)ん(・)て(・)大(・)嫌(・)い(・)な(・)、(・)と(・)て(・)も(・)穏(・)や(・)か(・)な(・)性(・)格(・)を(・)し(・)て(・)い(・)た(・)。そう。し(・)て(・)い(・)た(・)んだ。

 赤城型航空母艦一番艦、赤城の適性がある事が判明し、艤(・)装(・)と(・)接(・)続(・)す(・)る(・)ま(・)で(・)……」

 

「──えっ?」

 今、なんて仰いました?考え事していたから、少しだけ聞き逃しちまった。

 えーと、昔(・)の(・)赤(・)城(・)さ(・)ん(・)は(・)、(・)今(・)の(・)赤(・)城(・)さ(・)ん(・)と(・)は(・)性(・)格(・)が(・)違(・)っ(・)た(・)、って言った?

 

(…………そういや、結構前に小嶋提督が教えてくれたっけ)

 艤(・)装(・)の(・)影(・)響(・)を(・)受(・)け(・)て(・)、(・)性(・)格(・)が(・)変(・)わ(・)っ(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)艦娘が、日(・)本(・)に(・)は(・)七(・)人(・)居(・)る(・)。その中の一人に赤城さんが含まれている、って。

 勿論、口にしない。これは機密で、絶対に口外するなと小嶋提督から釘を刺されている。

 もし榊原さんにこの事を話したら、権力だの色々使って消(・)さ(・)れ(・)る(・)可能性が非常に高い。

 

「普段は、昔(・)と(・)同(・)じ(・)天然で。おっとりとしていて。食う事が大好きな女だが、戦(・)闘(・)に(・)な(・)る(・)と(・)豹(・)変(・)す(・)る(・)ようになってしまった」

 

「…………」

 

「…………飲み過ぎたせいで、大分口が軽くなってしまった。少し、喋り過ぎたな。気になるだろうが、これ以上は機密に関わるから話せん。詮索もするな」

 

「…………了解しました」

 目付きと声が鋭い。それに、何だこの圧迫感。さっきまでベロベロに酔っ払って、はっちゃけていた人と同一人物とは思えない。

 とにかく、榊原さんが仰ったように、気になるけど詮索するのはやめておこう。

 

「…………なぁ、渡良瀬」

 

「なんでしょう?」

 少しだけ目付きと声が穏やかな物になっている。それでも充分圧迫感はあるが。

 とにかく、何を言う気だろう──

 

 

「うぅぅぅ……ずい……ほう……卵焼き……は……凶器じゃ……ない……」

「こんな……くるしい……なら……愛……など……いら……ぬ……」

 

 

──浦樹と藤原さんがなんか言い出したぞ?

……寝てるのか?あの、あなた達のせいでシリアスだった空気が一気にコミカルになったんですけど。

 

「…………加藤と藤原さんは眠っている、か。調度良い。これなら、暈(・)さ(・)ず(・)に(・)言(・)え(・)る(・)」

 

 おっと、意識を榊原さんの方に向けろ。集中して話を聞け。

 

「お前に伝えなければならない事がある。いいか、一度しか言わん。良く聞け。そして、他言は無用だ」

 

「は、はい!」

 マジで何を言う気ですか?顔や声を見聞きするに、とてつもなく重要な話みたいだ。

 

 

 

──────────────

 

 

───────

 

 

─

 

 

 

──第603鎮守府、埠頭──

10:00。

 

 

「………………」

 

「相変わらず、望月ちゃんの砲撃は凄いなぁ。何あの命中率。それに、浜波ちゃんの動きも凄い。加賀さんの猛攻を数十秒も無傷で回避し続けるなんて。

 他にも、春日丸さんの観察眼の鋭さや、神威さんの咄嗟の判断力の高さ、春雨さんと酒匂さんの近(・)接(・)戦(・)闘(・)能(・)力(・)とか。どれも凄いです!」

 

「………………」

 

「うんうん。とっても良いデータが沢山取れそう♪」

 

「………………」

 

「……提督?あの、提督?聞いてます?」

 

「………………ん?どうした?」

 

「どうした、じゃないですよ。しっかりしてください!」

 

「すまない。しっかりする」

 いかん。ボーッとしていたみたいだ。みたい、じゃなくて確実にボーッとしていたな。

 

「もしかして、まだお酒が残っているんですか?あと、眠いんですか?」

 

「大丈夫だ。酒なら抜けている。眠気も無い」

 これは本当だ。昨夜……というか、今日の03:00頃まで飲み会という名の愚痴り大会が続いたが、俺はあまり飲まなかったから、直ぐシラフに戻れた。

 眠気だが、榊原さん……間違えた。今は仕事中だから、榊原大将と言うべきだな。榊原大将から、と(・)あ(・)る(・)事(・)を(・)教(・)え(・)ら(・)れ(・)た(・)せいで、一睡もしていないが目が冴えている。

 

「そう。ならいいんですけど……おっ!神威さんが長門さんの攻撃を凌いだ!凄い判断力ですねぇ!!」

 

「………………」

 

 

 

──────────────

 

 

 

 結局、俺は榊原大将に言われた事が頭から離れず、仕事に集中する事が出来なかった。

 

 

…………冗談キツいぜ。

 しかし、残念ながら冗談ではなく、事実なんだ。受け入れろ。

 

 

…………榊原大将から何を言われたのか、勿体ぶらずに教えろ?あいよ、教えるよ。

 

 

 単刀直入に言う。大規模反攻作戦での実績がよ(・)う(・)や(・)く(・)認(・)め(・)ら(・)れ(・)、近日中に俺は中佐に昇格するらしい。

 

 

 何故今頃になって、と思い質問すると、榊原大将は「一部の頭の固いお偉いさん連中が云々」と教えてくれた。

 云々の部分は長くなるから、割愛させてもらう。

 

 

 閑話休題。

 

 

 更に、ジ(・)ュ(・)ウ(・)コ(・)ン(・)カ(・)ッ(・)コ(・)カ(・)リ(・)の(・)条(・)件(・)が(・)、(・)緩(・)和(・)さ(・)れ(・)る(・)そうだ。

 

 

 緩和された後の条件については、後日大本営から正式に通達されるから教えてもらえなかったが、頑張れば俺でも充分可能な内容になっているらしい。

 

 

 勿論、これだけなら驚かず……訂正。多少は驚いたけど、仕事に集中出来なくなる程ショックは受けなかった。

 

 

 じゃあ、何が理由でこんなにショックを受けているのか。一度しか言わない。良く聞けよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 約一ヶ月後。短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)が終わり。派遣されてきた娘達がそれぞれの鎮守府に戻った後辺りに、第603鎮守府に艦(・)娘(・)達(・)が(・)異(・)動(・)し(・)て(・)く(・)る(・)。

 いいか、派(・)遣(・)じゃないぞ。異(・)動(・)し(・)て(・)来(・)る(・)、だぞ。

 

 

………………驚いた?俺は驚いた。驚き過ぎて、榊原大将に言われた際、ソファーから文字通り転がり落ちた。

 

 

 なお、新(・)た(・)に(・)異(・)動(・)し(・)て(・)く(・)る(・)艦(・)娘(・)達(・)の詳細──適性艦名や、異動して来る理由、人数、その他諸々についてだが…………すまん。思い出すだけで発狂しそうになるから、割愛させてもらう。

 

 

 とりあえず、異(・)動(・)し(・)て(・)来(・)る(・)艦(・)娘(・)の(・)一(・)部(・)は、ヤ(・)ベ(・)ー(・)奴(・)な(・)の(・)が(・)確(・)定(・)していて。

 その一部の艦娘達は、足(・)柄(・)と(・)深(・)い(・)関(・)わ(・)り(・)が(・)あ(・)る(・)、とだけ言っておく。ホント、勘弁してくれ……。

 

 

………………あっ、そうだ(唐突)

 現実逃避代わりに話すけど、山(・)城(・)や足柄、満(・)潮(・)。そして、海(・)風(・)に第(・)二(・)次(・)特(・)殊(・)改(・)装(・)のパーツやら何やらがウチに支給される理由だけど、全部榊原大将が裏でアレコレ手を回してくれたかららしい。

 

 

 ついでに言うと、榛名や鈴谷の改装に必要な資材やパーツ等も手を回してくれたそうだ。本当にありがとうございます。

 

 

 けど、何で手を回してくれたのだろう?

 疑問に思ったから聞くと、“最適な状態で運営出来るよう、手助けをしたに過ぎん”“お前の所以外の鎮守府にも、似たような事をしている”と、不敵な笑みを浮かべながら言ってきた。

 緑○光さんに似た声も相まって、カッコ良く見えちゃったよ。惚れそう。

 

 

…………あ、胃が痛み出してきた。胃薬飲まなきゃ。

 胃だけじゃない。頭も痛い。頭痛薬……待て待て。薬を併用するな。やめろ。

 

 

 とりあえず、頭よりも胃の方が痛いから、胃薬を……胃薬が空だ。医療妖精さんに頼んで、処方してもらわなきゃ。

 最近、胃薬や頭痛薬の摂取量が増えてきたな。俺の身体、大丈夫か?

 

 

 

 

──追跡鶴 第5章・憔悴編 完──

 

 

 

 

【唐突に始まる、頭がどうにかなりそうな第6章の嘘(・)予(・)告(・)】

※やや長め

※情報過多

※考えるな、感じろ

 

 

 

「提督さん。二週間後、此処に短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)で来る艦娘だけど、日本の艦娘一人にド(・)イ(・)ツ(・)の(・)艦(・)娘(・)が(・)二(・)人(・)。合計三人で合っているよね?」

 

「あぁ。合っているぞ」

 

「そっか。しっかりおもてなししないと」

 

 第603鎮守府の執務室に、渡良瀬提督と秘書艦の瑞鶴が居る。そして、短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)について話をしている。

 

「ド(・)イ(・)ツ(・)の(・)人(・)ってソーセージが好きだから、用意してあげよう!」

 

 おーおー、やる気満々だねぇ。瑞鶴は料理が得意だから、市販の物ではなく、手作りのソーセージを作る気みたいだ。

 

「あ、大本営から短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)に関する封筒が届いた」

 

 おや?渡良瀬提督が書類を確認している。何が書かれているのだろう──

 

「……瑞鶴。訂正だ。短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)の人数だけど、ド(・)イ(・)ツ(・)の(・)艦(・)娘(・)が(・)一(・)人(・)増(・)え(・)て(・)、合計で四人になる」

 

──わーお、増えちゃったんだ。まぁ、一人位ならそこまで負担は掛からないだろうから、大丈夫だろう。多分。

 

「ギャハハハハハハハ!来いよ秋(・)津(・)洲(・)ァ(・)!!二(・)式(・)大(・)艇(・)なんか捨てて、素手で犯しに来い!!!」

 

 所変わって、工廠。あれま、野原主任が荒ぶっていらっしゃる。相変わらず元気だねぇ。つーか、君は何を言っているんだ?

 

「俺は覚悟を決めた。不退転の覚悟をな。だから……早く来い……ギャハハハハハハハ!!!」

 

……だから、足柄と満(・)潮(・)、海(・)風(・)の艤装を慣れた手つきで特(・)殊(・)改(・)装(・)しながら、何言ってんだ──

 

「イッヒヒヒヒヒヒ♪嗚呼、素晴らしい。この改(・)装(・)内(・)容(・)、いい。腕が鳴るわ!」

 

──おい、お中元(夕張)。ア(・)ブ(・)ナ(・)イ(・)笑みを浮かべながら、山(・)城(・)の(・)艤(・)装(・)を特(・)殊(・)改(・)装(・)するな。キモイぞ。

……別の場所に行こう。これ以上ここに居たら、頭がどうにかなりそうだ。

 

「射線は……まぁいっか、適当で」

 

 演習場なう。望月が演習を行っている。うむ、相変わらず凄まじい命中率と精度だ。君、本当に新人なの?

……あ、望月が撃った主砲が浜波に直撃した。

 すげぇ。浜波はズ(・)ザ(・)キ(・)ャ(・)ン(・)しまくっているのに、当てやがった。

 

「ぐっ……痛い……」

 

 うわぁ、右腕の骨が折れてる。まだまだ妖(・)精(・)の(・)加護と艦娘の力が不安定だから、被害が大きい──

 

「主砲は……ダメ。でも、魚雷発射管と魚雷は無事。ふふっ……この酸素魚雷なら、例え戦艦でも一(・)発(・)で(・)墜(・)と(・)せ(・)る(・)。ふふっ……ふふふっ……」

 

──浜波?浜波さん?何その獰猛な笑みは。普段の可愛らしい小動物のような愛らしいお顔が行方不明になっているよ?落ち着いて──

 

 

「一発あれば…………充分だ」

 

 

──浜波さん、だから顔。やめて?そんな顔しないで?ズ(・)ザ(・)キ(・)ャ(・)ン(・)しながら望月に接近して、魚雷をぶっ放さないで?

……あ、魚雷が望月じゃなくて春(・)雨(・)に当たっちゃった。盛大に水柱が立ったぞ。これ、マズいんじゃない?大丈夫──

 

「あ、危なかった……熊(・)野(・)さ(・)ん(・)か(・)ら(・)、ド(・)ラ(・)ム(・)缶(・)シ(・)ー(・)ル(・)ド(・)術(・)を教わっていなかったら、即死でした。はい」

 

──大丈夫そうだね。そして何も言わない。何もツッコミ入れない。

 

「筋肉は、全てを解決する!筋肉は、裏切らない!!筋肉は、不可能を可能にするわ!!」

 

「は、はいっ!」

 

…………大鳳、オメー春日丸に何言ってんの?やめなさい。染(・)め(・)よ(・)う(・)と(・)するな。春日丸も、その脳(・)筋(・)空(・)母(・)の言う事を素直に聞くんじゃない。

 

「スカートは飾り!パンチラ、パンモロなんて気にする必要なんて無いわ!派手にやりなさい!」

 

「うん!分かったよ、能代お姉ちゃん!!」

 

 能代、酒匂になんて事教えてんの?やめなさい。英(・)才(・)教(・)育(・)を施して、痴女に仕立てあげようとするな。そんな事をしたら、矢矧がキレるぞ──あ、矢矧が鬼のような……いや、鬼そのものだな。おっかねぇ顔して能代に向かって回し蹴りしてる。

 

……もう演習場に居たくない。他の所に行こう──

 

「いいか、神威。今お前が見ているのは、とても悪い例だ。アイツらみたいになるなよ?」

 

「なりたくありません!」

 

──摩耶が死んだ魚のような目をしながら、神威に注意というか、警告をしている。

 それを神威は真剣な顔で何度も頷きながら、なりたくない!と言っている。神威、私からも頼む。君は。君だけはまともなままで居てくれ。

 

 

「「完成したぞオッラァァン!!」」

 

 

 時は流れ、工廠。

 野原主任と夕張がなんか叫んでる。何が完成したんだい?

……足柄と満(・)潮(・)、海(・)風(・)。そして山(・)城(・)の艤装が、新たな物になっている。艤装だけじゃない、装束も変わっている。

 どうやら特(・)殊(・)改(・)装(・)が終わったようだね。各々装着・接続をしている。

 

「これは良いわね……みなぎってきたわ! ねえ! 試し撃ちしてもいい!?というかさせて!!今すぐさせなさい!!!」

 

 おいおい。足柄が以(・)前(・)の(・)よ(・)う(・)な(・)好戦的な性格になっているぞ?大丈夫か?

 

「あっは♪あっははははは♪何コレ、面白い事してくれたじゃない♪……あっ、な、なんでもない!ま、まあ、いいんじゃない?」

 

……見ていない。満潮が特(・)殊(・)改(・)装(・)を施された艤装を、ウ(・)ッ(・)ト(・)リ(・)と(・)し(・)た(・)顔(・)を(・)し(・)な(・)が(・)ら(・)撫でている様子なんて見ていない。

 まぁ、すぐ正気?に戻ってくれたけど──

 

「これが、私の艤装……AGP山城改二・癸(・)……」

 

──ねぇ、待って?癸(き)って何?癸(・)って。

 最近、乙(・)だの甲(・)だの丙(・)だの、戊(・)だの色々名前付いているけど──

 

 

「はぁぁぁぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙…゙…゙…゙…゙」(CV.関○一)

 

 

──山城、落ち着いて?艤(・)装(・)の(・)ギ(・)ミ(・)ッ(・)ク(・)を使い、お手々に妖(・)精(・)の(・)加護と艦娘の力を集めて爆(・)熱(・)させないで?やるなら海上でやりなさい。

 なんか、何処からともなく処(・)刑(・)用(・)B(・)G(・)M(・)が流れ出しているような気がするんだけど──

 

 

 

 

「………………くふふっ♪」

 

 

 

──ッ!?な、なに?今の笑い声。誰が笑ったの……う、海(・)風(・)!?にしては、身体が以(・)前(・)と(・)比(・)べ(・)て(・)か(・)な(・)り(・)成(・)長(・)している。 

 顔付きが少女のソレから、オ(・)ン(・)ナ(・)のモノになり。背は伸び、胸が更に大きくなり。

 それに、時雨や夕立みたいに髪の毛の一部が撥ねて──

 

「このカ(・)ラ(・)ダ(・)なら、渡(・)良(・)瀬(・)さ(・)ん(・)を…………くふふふふふふふっ♪」

 

──渡良瀬提督、逃げろ。マジで逃げろ。なんかヤ(・)ヴ(・)ァ(・)イ(・)。

 

 

「第603鎮守府にようこそ。歓迎しよう、盛大にな!!」

 

 

 再び時は流れ、執務室。

 とうとう来てしまいましたよ、この時が。

 短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)でやって来た艦娘達に、渡良瀬提督が挨拶をしている。

 とりあえず、一言。渡良瀬提督、お前は何処のリ○クスだ。自重しろ。

 

 

「オ・カエーリ(お帰り)はあちらよ、メ○ツェエエエエエエルッッッ!!!」

 

 

 おい、ド(・)イ(・)ツ(・)の(・)戦(・)艦(・)娘(・)。君も乗らなくていい。

 

「……ごほん。巫山戯るのはこの辺にしておいて。Guten Tag.私はビスマルク型戦艦のネームシップ、ビスマルクよ。三(・)年(・)ぶ(・)り(・)ね」

 

 あ、まともになってくれた。

……ふむ。全員の自己紹介が、無(・)事(・)に(・)終わったみたいだ。

 約一名。誰とは言わないけど、重(・)巡(・)洋(・)艦(・)娘(・)が終始、渡良瀬提督に野(・)獣(・)の(・)眼(・)光(・)を向け続けていたけど、気のせい──

 

「この匂い……弘(・)樹(・)く(・)ん(・)が居るかも。ゼッタイニガサナイ……」

 

──おーい、そこの艦娘。確か、秋(・)津(・)洲(・)だったね。室内で二(・)式(・)大(・)艇(・)を格納領域(空きスロット)から取り出すな。仕舞いなさい。

……二(・)式(・)大(・)艇(・)を担いだまま、工廠に行っちゃった。気になるから、後を追うとしよう。

 

 

「愛ぁぁぁぁぁぁああああああいしているんだあああああああああああアアアアアア!!秋(・)津(・)洲(・)ァァァ!!君をををををををををヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲッッッ!!!」

 

 

「でゅるわぁあああああぶるわっひゃあひゃひゃひゃひゃどぅるわっはあああああああああぎゃあああああうわああああああああ!!!!」

 

 

 荒ぶる野原主任。あと、秋(・)津(・)洲(・)。

 うん。私は何も見ていない。何も聞いていない。よーし、渡良瀬提督の様子を見に行くとしよう。

 

「オ(・)イ(・)ゲ(・)ン(・)さ(・)ん(・)、私(・)の(・)提督に何をしているのですか?」

 

「何って、ア(・)プ(・)ロ(・)ー(・)チ(・)だよ?」

 

……執務室では、本日の秘書艦・翔鶴とプリンツ・オイゲンが睨み合っている。わーい、修羅場だァ!まるで、浮気相手と妻が鉢合わせしたみたいな事になってらァ!

 

「……提督。いいえ、準(・)。オイゲンさんとはどのような関係なの?15文字以内に答えなさい?答えろ」

 

 うっは。翔鶴の顔、ニッコリ笑顔だけど、影が差しているから怖い。ついでに声も怖い。めっちゃドスが利いていらァ──

 

「えーと、オイゲンさんと俺は──」

 

「私の(カラダを凝視しない)、ハ(・)ジ(・)メ(・)テ(・)の(・)人(・)なんです!!」

 

──オイゲンァ!!オメーは何を言ってんじゃボケェ!!

 にしても、句読点とビックリマーク込みだけど、きっちり15文字で答えやがった。すげぇな。尚、括弧内の文字は除く物とする。

 

「……………………」

 

 うっわぁ……翔鶴がすっげぇニッコニコしてる。おまけに、身体中から真っ黒なオーラが噴き出してるように見えらァ。

 あははは。おかしいなぁ、笑顔なのにおっかねぇや。それに、暖房が効いているのに寒いや。こんな所に居られるか!私は逃げるぞ!!

 

「ズ(・)ィ(・)ー(・)カ(・)ク(・)、ジェリコのラッパはいいぞ。」

 

「帰れ、変(・)態(・)空(・)母(・)」

 

「つれないなぁ。毎年、第8492離島鎮守府でド(・)ン(・)パ(・)チ(・)殺(・)り(・)合(・)っ(・)た(・)仲じゃないか」

 

 所変わって、母港。瑞鶴がド(・)イ(・)ツ(・)の(・)空(・)母(・)艦(・)娘(・)に絡まれている。

 話を聞くに、二人は顔見知りのようだ。

 

「戦(・)艦(・)娘(・)の(・)基(・)本(・)は(・)格(・)闘(・)です!拳(・)で(・)黙(・)ら(・)せ(・)ま(・)し(・)ょ(・)う(・)!!」

 

「あなたはなにをいっているの?」

 

 ビスマルク、君は正しい。そして榛名。それは君を含めた一部の艦娘達だけだよ?さも当たり前みたいに言わないで?

 

「やっぱり、ヤーパン(日本)の艦娘達はおかしいわ……」

 

 ビスマルク、もっと言ってやれ。

 

「あっははははは♪この武器、面白い!る(・)ん(・)って来た♪」

 

 少し時が流れ、演習場。オイゲンが鉄(・)血(・)メ(・)イ(・)ス(・)を持って振り回している。

 誰だ!オイゲンに近(・)接(・)武(・)器(・)を持たせた奴は!!

 あとオイゲン。る(・)ん(・)っと来た♪じゃないよ。オメーは何処の天才ギタリストだよ。

 

「オイゲンの声、小○亜李に激似だから、氷○日菜が鉄血メイスを振り回しているようにしか見えない」

 

「あたしも思った。ターコイズブルーのウィッグを被せて、ギター持たせてみよう。あと、瞳の色が違うから、カラコンも付けさせなきゃ」

 

 望月、浜波、アホな事言ってないで止めなさい。

 

「ワ(・)タ(・)ラ(・)セ(・)。あなた、苦労しているのね……」

 

「もう慣れました……」

 

 ビスマルクと渡良瀬提督が、二人仲良く胃薬を飲みながら溜息を吐いている。なんというか、お疲れ様。

 

……なんやかんやあったけど、短(・)期(・)交(・)換(・)派(・)遣(・)は終わり、ビスマルク達は次の鎮守府へ向かってしまった。

 それに、大規模反攻作戦開始前から来ていた長門達も、それぞれ元の鎮守府に帰ってしまった。少し、鎮守府が広く感じる。

 

「ぬわあああん!疲れたよおおおおお!!」

 

 あーあー。渡良瀬提督が泣いている。十数日間、酷い目に遭っていたから仕方ない。

 だが、本当の地獄はここからだぞ?ほら、近日中に艦娘達が異動して来るんだ。しっかりしなさい。

 

 

「「「「霞(・)ち(・)ゃ(・)ん(・)を(・)讃(・)え(・)よ(・)!!」」」」

 

 

 再び時は流れる。そしてついに艦娘達が。所謂礼(・)号(・)組(・)が異動して来やがりました。他(・)に(・)も(・)居(・)る(・)みたいだけど、割愛させてもらうよ。

 あのさぁ、礼(・)号(・)組(・)の皆さん。君達は渡良瀬提督にトドメ刺したいの?ねぇ?

 

「……渡良瀬司令官、私にも胃薬頂戴」

 

「…………ほい」

 

……異動して来た艦娘の一人、霞(・)と渡良瀬提督の目が完全に死に、頬はげっそりとしている。葬儀屋予約しておいた方がいいんじゃない?それ位酷い顔をしているよ?

 

……時は加速し、数日後。

 

 

「ぉっ……ゃっ……おぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ っおぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ っっおぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

 

 

 渡良瀬エエエエェェェェ!!?幼(・)児(・)退(・)行(・)しやがったああああああああぁぁぁ!!? 

 ヤベーよ。ヤベーよ!このままじゃ、まともに鎮守府を運営する事が出来なくなるよ!!

 あと、一部のヤベー奴らが幼(・)児(・)退(・)行(・)した渡良瀬提督を見たら、育(・)児(・)しに来ちゃうよ?だから、早く正気に戻って?

 

 

「「「「I'm your Mother」」」」

 

 

 クソァ!!来やがった!!来やがったよ!!!哺乳瓶だのガラガラだの、オ(・)ム(・)ツ(・)だの持って、翔鶴と榛名、時雨、それから千(・)歳(・)が!!

 

……おい。ちょっと待て。いいから待て。

 千(・)歳(・)、なんで君まで加わっているの?ねぇ、なんで?なんでだよッ!!意味が分からんッッッ!!!

 

 

「ぶるあああああぁぁぁああああっあっああああ!!!」(CV:若○規夫)

 

 

 混沌と化した空間にッ!一匹の狂(・)犬(・)が現れたッ!

 

 CV.○本規夫の雄叫びをあげてッ!

 

 深(・)紅(・)の(・)瞳(・)を(・)輝(・)か(・)せ(・)な(・)が(・)ら(・)ッ!

 

 変(・)態(・)共(・)を葬り去るッ!

 

 その狂(・)犬(・)の名はッ!夕(・)立(・)ッッッ!!!

 

 

「提督さん、大丈夫だよ。もう何も怖がらなくていいんだよ。夕立が。ううん、私(・)が必ず護ってあげる」

 

「……まま?」

 

「…………うふふ♪マ(・)マ(・)だ(・)よ(・)?」

 

「マ"マ"ーーーーーーーーーッ!!!」

 

 うおおおおおおおいッッッ!!?渡良瀬提督、その娘はママじゃない!夕(・)立(・)だよ!?

 確かに謎の母性があっておっ○いも大きいけどその娘は未成年であってとてもママと呼べる年齢じゃ無い──

 

 

「どうして私には甘えてくれないの?」

 

 

──渡良瀬提督、夕立、天井。海(・)風(・)が天井から二人の様子を凝視しているよ?気付いて?

 

「もう、我慢出来ません。壊(・)し(・)て(・)あ(・)げ(・)ま(・)す(・)♪」

 

 

 海(・)風(・)が目(・)醒(・)め(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)ようです。

 もうダメだ、おしまいだ……。

 

「……大本営から出(・)頭(・)しろ、って通達が来た」

 

 時は流れ、執務室。渡良瀬提督が大本営から届いた書類を見て、顔を青ざめさせている。

 

「出(・)頭(・)!?何をしたのですか!?」

 

 秘書艦の加賀も、流石に驚いたのか目を見開いている。

……何か、嫌な予感がする。私も様子を見に行くとしよう。

 

 

 

 追跡鶴 第6章・混沌編

 近日公開予定

 

 

 

「…………準(・)よ。今までずっと黙っていて、本当に申し訳ない」

 

 所変わって、渡良瀬提督のご実家にお邪魔している……んだけど。

 あ、あの、茂さん。どうしたんだい?そんな重苦しい空気を醸し出して。

 

「………………お前の母(・)親(・)は、千(・)代(・)田(・)さ(・)ん(・)で(・)は(・)な(・)い(・)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千(・)歳(・)さ(・)ん(・)なんだ」

 

 

 

……………………………………は?

 

 

 

 

※予告内容と本編は、【一部を除いて】異なる場合がございます。

 予め、ご了承ください。

 





次回予告


……最近は準(・)を見ていても、襲(・)い(・)た(・)い(・)とは思わなくなった。今までは理(・)性(・)を(・)働(・)か(・)せ(・)て(・)い(・)て(・)も(・)、(・)気(・)が(・)付(・)け(・)ば(・)襲(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)。一体何故?
……そういえば、何時だか準(・)に盗聴器を仕込んでいた頃。野原主任との会話で、艤(・)装(・)の(・)影(・)響(・)が(・)云(・)々(・)と言っていたわね。
……準(・)に聞いてみましょう。


追跡鶴 第6章・混沌編
第165話・お姉ちゃんの本気


「何年後になるか分からなくても。どんな事があろうと、私は待ち続けます。何時までも、ずっと……」


【補足的なナニか】

・氷川日菜…「BanG Dream!」に登場する人物の一人を指す。声は「小澤亜李」さんが担当している。
 一度見た物はすぐ覚え、出来るようになってしまう天才少女。双子の姉が居る。
 プリンツ・オイゲンを登場させると決めた時から、バンドリ!ネタを絶対使うと決めたのは内緒

・赤城…横須賀鎮守府所属、赤城型航空母艦一番艦、赤城の適性者を指す。
 「殺(・)戮(・)マ(・)シ(・)ー(・)ン(・)」の二つ名を持つ艦娘だが、昔は争い事を極端に嫌う、穏やかでお淑やかな性格の女性だったらしい。
 しかし、赤城の適性者だと判明し、艤装と接続した際…………。


以上、補足終了。


Q:第5章の嘘予告にあったフラグが、幾つか回収されてねーぞ?

A:第5章で全部回収するとは一言も言っていない←


Q:第6章の嘘予告のラスト、どういうことなの?

A:第6章本(・)編(・)を見てからのお楽しみ(ゲス顔)



※プロット修正前の海風は、
↓
秋雲から、ロリママなる物があると教わる
↓
全力で母性を醸し出し、主人公を堕とそう!
↓
失敗
↓
主人公、何故か夕立にはオギャる
↓
胸か?胸が足りないせいか!?錯乱する
↓
ある日、主人公が尻フェチだと知る
↓
尻なら、私もある!
↓
攻める

……てな感じの展開になっていました。
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