side 提督
─第8492離島鎮守府中庭─
「えへへっ、準せんぱ~い♪」
どうして…
「やっぱりあたし達は、運命の赤い糸で結ばれているんだよぉ~♪」
どうして…
「んんっ、ちょっと、無視は酷くないかなぁ~?」
どうしてこうなった!俺は何故こんな目に遭っている!
確か、艤装が艦娘に与える影響について調べる為にここへ来たんだっけ。
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─1週間前─
第603鎮守府。昼。
「…ダメだ、分からん」
大本営から支給された端末を使い、艦娘と艤装について調べていたが、俺の権限ではアクセス出来ない項目が多過ぎて求める答えを得る事が出来なかった。何でこんな事をしているかって?先日医務室で瑞鶴が発狂しかけた際に瞳の色が変わり、気絶した原因を知る為だ。たったそれだけの為に調べるのか、だと?アホか!俺の大事な部下だぞ?何かあったらどうするんだ!
今日の秘書官は時雨だが、俺が重要な調べ物をするからと退席させた。今調べている情報を彼女達に見せる、もしくは教える事は大本営から固く禁じられている。もし見せたりしたら、最悪俺は処刑される。それ程の機密情報なんだ。
「少佐じゃ権限少な過ぎるからなぁ…」
階級を上げるにも、ここでは難しい。最も、階級なんかには全く興味無いが。
(最初はただ、アイツから逃げる為だけに提督になったんだっけ…)
当時学生だった俺と
(…どうすりゃいいんだよ)
本音を言えば、瑞稀とよりを戻したい。しかし、俺は1度とはいえ裏切った。そんな奴が再び恋人になりたいなんて。図々しいにも程がある。
(アイツは今も俺に好意を向けてくれているが、復縁なんて…そんな資格が俺にあるのか?)
………。
あーもう!今は調べ物の最中だろ!集中しろ!
(とはいっても、このままじゃ時間を浪費するだけだ)
どうする?…ん?第8492離島鎮守府からまた設計図届いてたな。なになに、「妖精さん印の安心安全なこじまらいふる」…おいぃ!?アカンやつだろ!何考えてんだよあの鎮守府の技術者は!!コ○マは…マズい!
(…第8492離島鎮守府…そうだ!)
確かあそこの提督の階級は中将だった。先日の事件で准将に降格させられてしまったらしいが。本当にすいませんでした…。さて、将官クラスなら俺と違って色々知っている筈だ。
「ダメ元で聞いてみるか」
そうと決まれば電話だ。固定電話の受話器を取って登録番号にかけて…ワンコール。ツーコール。出た。
『はい、こちら第8492離島鎮守府です』
女の子の声だ。という事は秘書官だな。それにしても元気が無い声だ。激務で疲れてるのかな?あと、どっかで聞いた事ある様な…。
「こちら、第603鎮守府の渡良瀬です」
『…えっ?』
ん?電話に出た娘が驚いてる。そらそうか。こんな所からそっちに連絡なんて、余程の事が無い限りしないからな。また緊急事態が起きたのかと驚いたのかもしれない。
『んんっ、失礼致しました。ご要件をお伺いします』
やっぱり、どっかで聞いた事ある声だな。どこで…あ、思い出した。翔鶴がカチコミに来た際、救援要請の連絡した時に電話に出てくれた娘だ。…いや、そうじゃない。その時以外にも聞いた事が…。
『あ、あのぉ…もしもし?』
イカンイカン、考え事をするのは後だ。要件を伝えなくては。
「突然のお電話、失礼します。小嶋提督にお話したい事が…」
『あっ、はい、提督ですね?少々お待ち下さい』
察しがいいのか俺が取次を頼む前にそう言ってくれた。暫く保留メロディーが流れると、電話を取る音が聴こえた。
『お待たせ致しました。こちら、第8492離島鎮守府の小嶋です』
…来た。落ち着け。いいか、冷静になれ。
「こちら、第603鎮守府の渡良瀬です。突然のお電話、失礼致します」
『いえ、大丈夫ですよ?』
おぉう、いつ聞いてもすっげぇイケメンボイス。まるで、エ○オンのパイロットみたいな声だ。トレエエェェェズ!!って言って欲しい。やべ、惚れそう…じゃない!真面目にやれ!
『どうか、されましたか?』
「実は…」
俺は要件を伝えた。すると、
『…渡良瀬提督、申し訳ありませんが、お話する事は出来ません』
「そう、ですか…」
ダメか。ちくしょう。
『…電話でお教えするには、あまりにも時間がかかる』
…ん?
『もし、どうしても知りたいと申されるのでしたら、お手数ですが私の鎮守府にお越しください』
おいおいおい、マジかよ…
『しかし、今こちらは色々立て込んでいまして、暫く時間を取れそうにありません。あと…1週間ほどお待ちいただければ、時間を作りお教えします』
「本当ですか!?」
『はい。ただし、深海棲艦が仕事を作らなければ、ですが』
おい深海棲艦、リアルじゃあゴールデンウィークだ!お休みしろよ!いいな?…リアルってなんだよ。最近よく謎の電波受信するな。医者に診てもらうか?
「お手数をお掛けして申し訳ありませんが、お願い出来ないでしょうか?」
『分かりました。では、1週間後に迎えの船と護衛の艦娘を数名、そちらに送ります』
「何から何まで…恐れ入ります」
『気になさらないでください。困った時はお互い様です』
惚れそう。俺、男好きになりそう。…ダメだダメだ!この小説はヤンデレな女の子達に迫られドッタンバッタン大騒ぎ♪する小説だろ!ほもぉ…な展開を望む読者なんか居ねぇよ!いや、一人居た気が…あのさぁ、俺、本当にどうしちまったんだ?謎の電波受信し過ぎだろ。精神鑑定受けるか?
「では、1週間後、そちらに…」
『えぇ、お待ちしております。所で…』
ん?何だ?
「はい、何でしょう?」
『彼女…川内くんについて、ですが…』
どうした?急に歯切れが悪くなったぞ?
『その…彼女は、ご迷惑をお掛けしていないでしょうか?』
「いいえ、そのような事は御座いません。むしろ、助けて頂いてます」
川内が来てからウチの娘達の練度や動きが洗練され大幅に戦闘力が向上した。感謝はしても、迷惑なんて…
『あー…その、夜に騒いだりとかは…』
あーはいはい、夜になると「夜戦だー!」ってよく騒ぐね。けど大丈夫。毎回由良が相手になって直ぐに黙らせてるから。瑞雲ラリアットで。それに、あの程度五月蝿いとは思わない。
「いえ、大丈夫ですよ?」
『そ、そうですか…あっ!』
「ん?」
『言い忘れましたが、くれぐれも川内くんにはこちらに来る事を内緒にしてください!お願いします!』
「えっ?あっ、はぁ…」
何だ?何故こんなに焦っているんだ?
『川内くん怖い…川内くん怖い…川内くん怖い…』
あっ…(察し)
「い、言いません!内緒にします!ですから、落ち着いてください!」
『あ、ありがとうございます。ありがとうございます!』
そんなに必死になるなんて。川内、お前何したんだよ…。
『オホンッ…では、そろそろ失礼しますね』
「アッハイ。では、よろしくお願いします」
side 提督 out
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─
Another side
…へぇ、提督、そんな事言っちゃうんだァ。
「そんなに言うなら、行かなきゃダメだよね♪」
それにしても、明石の発明品は凄いや。あそこに電話かけるとその通話内容を全て録音してくれるなんて。この機械、高かったけど買って良かった。あっ、そうだ、
「神通に連絡しなきゃ」
Another side out
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side 提督
「…来た」
あれから1週間。時間を作る事が出来たと小嶋提督から連絡を受け、彼に指定された港に来ていた。第603鎮守府に直接迎えが来たら俺が何処に行くか1発でバレる。あ、ウチの連中には大本営に出頭要請受けたから1人で出かけると伝えておいた。その際、第二次鎮守府ハザードが発生したが、由良と翔鶴が
『涼月が!提督を!お護り!します!』
『『ダメです』』
『うわらばっ!』
瑞雲ラリアットと彗星ラリアットを前後から喰らったゾンビは哀れ、爆発四散…
『まだです…まだ…終わりませんよ…うふっ…うふふっ♪』
しなかった。現在進行形で鎮守府内でゾンビ退治が行われている。
「誰も連れて行けない、って説明したじゃん」
人の話聞こうね、涼月。
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─第8492離島鎮守府、港─
「…着いた」
移動中、深海棲艦に襲われないかヒヤヒヤしたが、幸いにも遭遇せず辿り着くことが出来た。運が良かったのかな?
「案内するわ」
「頼む」
俺を案内してくれてるのは、朝潮型駆逐艦十番艦、霞と呼ばれる少女だ。
(覚悟の決まった顔をしている)
「…何?」
おっと、見ていたのがバレた。鋭いな、この娘。
「覚悟の決まった顔をしているな、と、思ってね」
「…へぇ?」
おぅおぅ、面白いものを見た、みたいな顔してらぁ。
「あんた、面白いわね」
「そうか?」
「えぇ。大抵、小馬鹿にする様に見られるけど、あんたは違った」
「何故小馬鹿にしなきゃならないんだ?」
「私は駆逐艦。しかもこんな
「…なんだそりゃ。アホか?命懸けで戦ってくれてるんだぞ?艦種や年齢関係ねぇだろ」
「…ふぅん?」
益々面白いもの見つけた、って顔してるぞ。
「あんた、益々気に入ったわ。噂通りの男ね」
「噂?」
「外見や他人の評価で決め付けない、変わった提督と言われてるわ」
変わってるかぁ?
「そんなんだから、艦娘になった娘達の評価は高いわ。ここの提督も、あんたの事評価してるわ」
「マジかよ」
将官様に評価されるとか、嬉しい以前に何か裏がありそうで怖いなぁ。
「…着いたわ。ここよ」
「うわー…」
物凄い立派な扉。装飾の無い扉だが、ウチの物と比べると明らかに格が違うと見ただけで分かる。幾らするんだろ?
「クズ!お客様をお連れしたわ!」
「くっ、クズゥ!?」
何言っちゃってくれてんのこの娘ォ!?上官相手、しかも将官に対してクズだと!?
「ちょ、クズって!?」
「あー、大丈夫よ、本当にクズだから」
嘘だろ?大丈夫か俺。まさか「情報を教えると言ったね?騙して悪いが、死んでもらう」とかされないよね?
「…何があっても、正気を保ってね」
マジで大丈夫か!?あ、おい、開けないで!まだ覚悟完了してない!らめぇ~!開けちゃらめぇ~!!
「あはぁ~!暁たん、可愛い!可愛いよぉ~!お持ち帰りしたいお!あっ、お持ち帰りしちゃダメだ憲兵さん案件になっちゃう!雪風たん癒し!マジ癒し!荒んだ心が癒されるぅ~!山風たん、マジ娘!娘だよ!ボクがパパになるんだよおおおあお~!ああああああ~!ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!」
ドアを閉める。
ぼくは、なにも、みていない。準、あなた、疲れてるのよ…。
「…」
「…」
……。
「ぼく、つかれてる、みたい、です、ゆめを、みてる、ようです」
「大丈夫よ、あなたは疲れてないわ。いつもの事だから…」
…あはは。ご冗談を~。
「…開けるわ」
「…頼む」
しっかりしろ、俺。白昼夢見る程ボッーとしてんじゃねぇ。
「失礼します!第603鎮守府所属、渡良瀬準少佐、只今参りました!」
「わざわざお越し頂き、ありがとうございます。こちら、第8492離島鎮守府、小嶋英雄准将です」
ほら、まとも。さっきの光景は俺のモルダー的疲れによる幻覚だったんだ。
「…」
ん?何だ?物凄い睨んでくるぞ?俺、何かしちゃったかな?
「あ、あの…」
「霞くん」
霞を睨んでる?もしかして、さっきクズって呼んだ事を叱るのか?
「霞くんは、いつになれば私の母になってくれるんだい?」
何言ってるの、この人。霞、どうにかしてくれ。
「ねぇ、司令官」
おぉ、霞も物凄い睨んでる。やめてよね、ドンパチしないで。
「なんだね、霞くん」
「I'm not your mother」
「NOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!」
ルウウウゥゥクゥゥゥ!!!暗黒面はいいぞォ?
…もう、おうちかえりたい。ん?窓に何か…
「(<⚫>)(<⚫>)」
「」
ああ、窓に…窓に!川内が!!死んだ魚みたいな目で小嶋提督を見つめてるよ!というか君、ウチでお留守番してたんじゃないの?付いて来ちゃったの?
「クズ、今すぐ窓を見なさい」
「窓?」
やめろー!振り向くんじゃない、小島提督ー!振り向いたら終わるぞー!
「いったい、窓に何が…」
「(<⚫>)(<⚫>)」
「アイエエエ~!!センダイくん!?センダイくんナンデ!?」
あ、腰抜かして座り込んじゃった。
「…提督ぅ…ダメじゃなぁい、提督ぅ…私と結婚してるのに、駆逐艦に発情しちゃぁ…ダメじゃないかぁ~…」
どこぞの貴族主義を唱えた男みたいにラリっちゃってる。首をカクカク動かさないで。ウチのゾンビを思い出しちゃうから。
「ぁ…ぁぁ…」
「川内参上!」
窓を一瞬で開けて入室して来た。あれ、鍵かかってなかった?どうやって開けた!?
「…提督」
「うぉわぁ!?」
隣から声が聞こえたと思ったら、額に鉢金を付けた侍みたいな女性が居たよ。いつの間にそこに居たんだよ!?
「神通」
「はい、姉さん」
「ねぇ、提督。少し、お話しようよ?」
「ふふっ。私たち、結婚したじゃないですか…それなのに…酷いです、提督…」
「あばばばばばば…」
「…渡良瀬提督」
「な、何でしょうか?」
霞が声をかけてきた。何、この状況。
「ここは危ないわ。暫く時間かかるから、少し散歩でもして時間を潰して」
「アッハイ」
「今、案内役の艦娘を呼ぶわ」
「わ、渡良瀬提督!助けてください!死にたくない!」
無理です。
「ふふふふ…」
「あはははっ!」
わーい、2人ともハイライトさんが職務放棄してらぁ。頑張ってね、小嶋提督。
「ねぇ、提督。私達に言う事、あるんじゃないかなぁ?」
「今日という今日は許しません」
「言う事ならある」
お、何を言うんだ?
「諸君、私は駆逐艦娘が好きだ
諸君、私は駆逐艦娘が好きだ
諸君、私は駆逐艦娘が大好きだ
暁型が好きだ
睦月型が好きだ
吹雪型が好きだ
朝潮型が好きだ
白露型が好きだ
陽炎型が好きだ
夕雲型が好きだ
初春型が好きだ
神風型が好きだ
(ry
この世に存在する、ありとあらゆる駆逐艦娘が大好きだ」
「修正してやる!!!」
「ビダンッ!!」
「チェストオオオ!!!」
「ひでおっ!?」
…日本大丈夫か?
「こ、この程度で、私の駆逐艦娘への愛は、沈まない!」
沈んでください。きゅうそくせんこーしてください。
───────
「そ、それではっ!ご案内しますね!」
「頼む」
執務室を後にし、案内役の艦娘と一緒に鎮守府内を散策している。案内してくれるのは、金髪の少女だ。
(この声…)
この特徴的な声は、先日電話に出た娘だな。にしても、どこかで見た様な顔だな。特に目元が。どこで見たんだっけ?
「あっあの、あたし、阿武隈って言います!」
「ん?あぁ、俺は第603鎮守府の提督、渡良瀬だ」
自己紹介をする。挨拶は大事。古事記にも書かれてる。
「えっと、それじゃあ、食堂に案内しますね!」
「あぁ」
腹もすいてきたし、丁度いいな。
………。
「デカかったな」
規模が規模だから、食堂が物凄く大きかった。学校の体育館よりも広いんじゃないか?
「間宮の料理を食べられるとは思わなかったよ…」
流石、国防の要とだけあって、士気向上の為に間宮と伊良湖が居た。美味しいっちゃ美味しいが、食べ慣れたアイツらの料理の方がいいな。
「つ、次は娯楽室に案内しますね!」
「おう」
………。
『私の敵は、性犯罪者であり、性犯罪者の代名詞であるロリコオオォォォオオオン!!!貴様なのだッッッ!!!』
『あんたもその内の1人だ!!』
『否!断じて、否!私はまだ、自分をロリコンと認めていない!!!』
『提督、いい加減お認めになってください。あなたは立派なロリコンです』
『オノオオォォォレエエエエェェェ~~!!!』
「…まだドンパチやってるのかよ」
阿武隈に案内してもらって数時間が過ぎたが、未だ執務室からは小嶋提督の叫び声が響いていた。いつまで続くんだ…。つーか、無駄にイケメンボイスだからカッコよく聞こえる。言ってる内容は酷いが。
「あ、あのっ、提督?」
「…ん?」
「つ、次、案内しますね!」
「あぁ」
ボーッとするな。案内してくれてるこの娘に失礼だ。
阿武隈は俺を中庭に案内してくれた。花壇があって、色とりどりの花が咲いていた。
「へぇ…」
こりゃいい。目の保養になる。俺の鎮守府でも花植えて育ててみるか。
「…ねぇ」
「…ん?」
阿武隈が一輪の花を指差している。その花は、
「おぉ、アプリコットか」
俺の好きな花だ。見た目もそうだが、食べ物の方も好きだ。でも、一番好きなのは花言葉だ。アプリコットの花言葉は…
「…不屈の精神」
「…えっ?」
阿武隈がポツリと言った。花言葉詳しいのかな?
「…あたしが落ち込んでいた時、ある人にアプリコットを貰って食べた事があるんです」
「へぇ…」
「…あたしは、何をやってもダメダメで。人見知りが激しいから、よくオドオドしてた」
…ん?
「だから、よく学校でいじめられてた。でも、あの人が救ってくれた」
…んん?
「気が付いたら、あたしはその人の事を目で追うようになってた。でも、その人には彼女さんが居た」
…んんん?
「悔しかった。勇気を出して告白しようとしたら、既に彼女さんが居て…ショックで暫く寝込んじゃった」
…んんんん!?
「そして、その人は高校を卒業する際、付き合っていた彼女さんを振って提督になったって噂を聞いた。あたしは…その人に逢いたくて、艦娘になりました」
…んんんんん!!?
「艦娘になってから、自分を変えようと沢山お洒落について勉強しました。メガネからコンタクトに変えました。髪を染めました。だらしない体型だと相手にされないからダイエットしました。おバカだと嫌われるから沢山お勉強しました」
…あっれぇ?既視感があるぞぉ?この娘、
「…そして、艦娘になってここに配属されました。沢山戦って強くなりました。第二次改装を受けました。艤装を手足の様に扱える様になりました。いつ、あの人と逢っても恥ずかしくない存在になりました」
おおおおんおんおんおんおおぉぉんっ!?(錯乱)
「…まだ、気付かないんですか?
準せんぱい?」
「…お前…なのか…仁美?」
「…はいっ!そうですっ!」
なんてこった。高校の時の後輩が艦娘になっていたなんて。というか、
「変わりすぎてて分からなかったよ」
「えへへっ、頑張ったんだよ?」
唯一、目元だけは昔見た時のままだった。
「えへへっ、準せんぱ~い♪」
「うおっ!?」
急に抱きついてきた。ちょっと待て落ち着け!ここはウチと違って人が多い。いつ誰かに見られるか分からんぞ!?
「やっぱりあたし達は運命の赤い糸で結ばれているんだよぉ~♪」
ひいぃっ!?目が!目がッ!ヤバいッ!瑞鶴や涼月なんかが可愛く思える程の目をしてやがる!明らかにイッちゃってる目だよコレ!
「んんっ、ちょっと、無視は酷くないかなぁ~?」
どうしてこうなったんだ?どうして?どうしてだよ!?一体俺が何をした!普通に接しただけなのに、何でこうも病む娘が出てくるんだ!俺は…俺は…
「俺はヤンデレ量産系主人公になった覚えは無いぞ!?」
「えへへっ、えへへへへへっ♪」
side 提督 out
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─
次回予告
もうっ!涼月さん、いい加減にしてください!…はぁ。私って運が悪いのかしら…あら、瑞稀?どうしたの?…ちょっと、瑞稀?艤装を纏って何を…ッ!瑞稀!待ちなさい!瑞稀ッ!!
第11話・元カノVS後輩
「駆逐艦はいいぞォ?さぁ、私と一緒に…駆逐艦について語ろうじゃないかッッッ!!!」