追跡鶴   作:EMS-10

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深海鶴棲姫の目覚ましボイスで腹筋崩壊した。
深海鶴棲姫はいいぞ(挨拶)


第22話・本音

 

side 提督

 

─執務室─

 

数日後、朝。

 

「……」

あ、胃潰瘍再発したっぽい。

 

「ゾンビみたいな顔しているわよ?」

 

「……」

 

「…はい、胃薬と白湯」

 

「…ありがとう」

山城の気遣いが有難い。

何でこうなっているかって?戦闘狂(由良)狂犬(夕立)のせいです。あの2人、事あるごとに演習をするんだもん。

演習するだけならいい。腕が曲がっちゃいけない方に曲がり、全身血塗れになってもマジキ○スマイル浮かべて楽しそうにドンパチ続ける姿を見て、SAN値直葬。グロ耐性のない俺は精神と胃袋に大ダメージを負っている。

そんな重症を負っても艦娘達は平気なのかって?そこは妖精さんの謎技術。入渠施設の特殊なお湯に浸かれば、例え手足を吹っ飛ばされても時間はかかるが元通りになる。もしくは、高速修復材、通称バケツと言われる特殊な液体を浴びれば、あら不思議。一瞬で戻通り。流石に頭を吹っ飛ばされると治せないそうだ。そらそうだろ。…いや、約1名。ゾンビ(涼月)なら復活しそうで怖い。

 

「相変わらずモテモテね」

 

「どこが」

 

「気付いていないの?」

 

「モテているとは思っていない」

俺の何処にモテる要素があるんだ?誰か教えてくれ。

 

「…ハァ。この朴念仁」

 

「ひでぇな…」

俺って朴念仁か?ちゃんと好意には気付いているぞ?男女の恋仲的な意味の好きだろ?分かってるぞ?時雨や早霜、涼月が該当している。ほら、ちゃんと把握出来ている。翔鶴?アイツは友達として好き、って奴だろ。瑞鶴?俺の彼女。嫁。榛名?ありゃ勘違いで俺の事が好きと思っているんだろう。山城は…。

 

「あれ?」

 

「どうしたのよ?」

 

「そういや、山城は俺の事、どう思っているんだ?」

少なくとも、友達的な意味の好き、という感情を持ってくれている筈だ。でなきゃ、こんな風に接してくれない。

 

「好きよ。勿論、1人の異性として」

 

「そ、そうか」

真剣な顔でそう言われると、なんか、照れるな。

 

「けど、榛名みたいにガツガツ来ないな。どうしてだ?」

自慢じゃないけど、山城からは結構好かれている筈。だから、疑問に思った。

 

「…私よりも、姉様に幸せになってもらいたいからよ」

 

「…どういう意味だ?」

確かに、コイツは扶桑さんの事が大好きだ。勿論、親愛的な意味で、だ。

 

「言葉通りの意味よ。私が辛い時や悲しい時、いつも姉様が助けてくれた。支えてくれた。沢山我儘を言っても、笑顔で私の希望を叶えてくれた。私は、その恩を返したいのよ。だから、アンタを姉様と結婚させてあげたいの」

 

「…俺じゃなくても、いいんじゃないの?」

俺よりもいい男は沢山いる。何でそこまで俺に固執するんだ?

 

「ダメよ。アンタじゃなきゃ、ダメ。姉様の外見ばかりで中身を見ようともしない男なんか、絶対ダメ」

 

「…」

爺ちゃんの教育の賜物のせいで、俺はこんな目に遭っています。恨むぞ、爺ちゃん。

 

「人間の第一印象は、見た目でほぼ決まると言われているけど、アンタは見た目で判断しなかった。そこに私は、惹かれたわ」

 

「そうなのか?」

すまん、山城。実は君と初めて顔を合わせた時、少しだけ引いてしまいました。謎のオーラ見てビビりました。ごめんなさい。

 

「アンタと初めて会った時、引かれたのを覚えているわ」

 

バレてた。

 

「でも、すぐに普段通りに戻って私に接してきた。最初は、不気味な奴だなと見下しながら私に接していると思ったけど、段々違う事に気付いたわ」

 

「続けてくれ」

 

「アンタは私のネガティブな性格とキチンと向き合ってくれた。何度も乱暴な事しても、軽く叱る程度だった」

 

「空の木箱を投げ付けられた時は、ガチで死を覚悟したぞ」

今となっては笑い話にできるが、当時は冗談抜きで死ぬかと思った。

 

「本当にごめんなさい…」

 

「もうしないなら、何も言わねぇよ」

昔、俺が学生の頃に瑞稀や静流にも言ったが、相手がしっかり反省しているのなら、それ以上糾弾しない。それ以上責めても相手の心を傷付けるだけで、何の意味も無い。爺ちゃんから、しっかり教わりました(物理的に)。

 

「…そこよ」

 

「そこ?」

 

「普通なら、もっと責任を追求したりして、責める物でしょ?」

 

「俺の場合は、さっきも言ったが、反省している相手をそれ以上糾弾しない。それ以上責めても相手の心を傷付けるだけだ」

 

「…そんな考えしてる奴、アンタ以外居ないわよ」

 

「そうか?」

世界中探せば、沢山居ると思うぞ?普通の事じゃない?

 

「ともかく、アンタのその性格に惹かれて好きになったの。気付くのに時間がかかったけど」

 

「そ、そうか…」

 

「扶桑姉様も、アンタの事、気にしているわ」

 

「マジかよ」

大和撫子という言葉が似合う、言葉は悪いが、どこか恐ろしさを感じる程に美しい、あの扶桑さんに?

 

「手作りの日本人形に、準って名前付けて毎晩抱き締めて眠っているわ」

 

「何それ可愛い」

想像してみる。…うん、可愛い。

 

「姉様はしっかり者に見えて、結構抜けている所があるわ」

 

「初めて知った」

養成所じゃ、ミスなんて一つもしていなかったぞ。意外だ。

 

「ちなみに、姉様はその人形に自分の髪の毛を数百グラム単位で巻き付けているわ」

 

「怖いよ!」

 

「時々、逃がさない。とか、一生一緒ですよ。とか言っているわ」

 

「何それ怖い」

想像してみる。…うん、怖い。胃が痛み出した。

 

「そう言ってる時の姉様、目のハイライトが消えていたわ…」

 

「」

 

「…本音を言えば、アンタと結婚したい。けど、姉様からアンタを奪ったら、私、殺されそうで怖いの。だから、姉様と結婚して、私のお義兄様になってもらって、第2夫人にして欲しいの。さっき、姉様に幸せになってもらいたい、って言ったけど、私の保身的な意味の方が強いわ」

 

「」

 

「幸い、姉様は第2夫人なら構わない、と言ってくれた。だから…」

 

「やだよ!」

衝撃の事実。無理です。

 

「そんな事言わないで!お願いよ!でないと、私、姉様に殺されちゃう!」

 

「俺がどうにか出来る範囲超えてるよ!」

専門家呼んで対処してもらってください。…あるよね?そういった事に対する専門家。

 

「アンタが姉様と結婚すれば全て解決するわ!」

 

「無理だよ!俺、瑞鶴と結婚する気だもん!」

もう絶対離さないと決めたんだ!だから、無理!

 

「アンタは私のお義兄様になってもらわないと、困るのよ!」

 

「肩掴むな!揺するな!」

戦艦のパワーで揺さぶらないでください死んでしまいます。

 

「というか、何で扶桑さんじゃなくて、山城が来たんだ?」

そんなに俺の事が好きなら、扶桑さんが来ている筈だ。

 

「…姉様は、第二次改装を受けていて、佐世保の主力になっているの。だから、異動できないと言われた時は凄かったわ…」

 

「…ちなみに、どの様な事が起きたのでしょうか?」

思わず敬語になる。怖い。けど、知りたい。

 

「…佐世保鎮守府近海から、深海棲艦が絶滅したわ」

 

「」

 

「全部、姉様が1人で殺ったわ」

 

佐世保鎮守府近海の深海棲艦さん達、ごめんなさい。俺のせいで絶滅させられて。

 

「それでも、佐世保の提督は首を縦に振らなかった。それからは…」

 

「そ、それから…」

 

「…ごめんなさい、話したくない」

 

「」

 

「と、とにかく!私は、姉様に頼まれて、アンタを佐世保まで連れて行かなきゃならないの!その為に沢山異動届を出した!姉様の指示で呪いの手紙みたいな筆記にした!縦読みすると「お前を呪う」になるよう書いた!そして、やっと着任出来た!それに、早くアンタを佐世保に連れて行かないと、ここに姉様がカチコミしてくるわ!」

 

「ちょっと待て!カチコミって何だよ!?」

 

「カチコミとは、殴り込みという意味で」

 

「カチコミの意味を聞いているんじゃないよ!」

真面目な顔で説明始めるなよ。ちょっと可愛く見えた。

 

「言葉通りの意味よ」

 

「ち、ちなみに、いつ頃来る予定でしょうか? 」

 

「あと、1ヶ月以内にアンタを佐世保に連れて行かなかったら、カチコミする!って言っていたわ」

 

「…ゴフッ」

 

「ちょ、吐血!?ああっ、どうすれば!誰か、誰か!提督が!!提督がああああああ!!!」

 

 

…………。

 

 

─医務室─

 

 

吐血し気絶したと思ったら、医務室のベッドに居たでござる。

…誰も、居ない。

山城から衝撃的な事言われて吐血したんだったな。ははっ。ははははは!

 

「やってられっか!」

あの扶桑さんが。大和撫子な扶桑さんが。病んでいるなんて。こうなったら、逃げるしかない!

 

「俺は提督を辞めるぞ、ジョ○ョ!」

もう誰にも止められん。こんな所(鎮守府)に居られるか!俺は実家に帰るぞ!

 

「は?」

「あ"?」

「お"ぉ"ん?」

「逃がすと」

「思っているのかい?」

「残念ですが」

「拘束しますね?」

 

「君達、どこから湧いてきたの?」

瑞鶴、弓に矢をつがえない。

涼月、ドスの効いた声出さない。

翔鶴、ス○ナーK構えてチャージしない。

山城、艤装展開しない。

時雨、41型強化手榴弾取り出さない。

早霜、ガムテープで俺の手足縛るな。

榛名、拘束具取り付けないで。

 

「「「「「「「ベッドの下」」」」」」」

 

「人数的に無理があるよ!あるよね?物理法則無視してない!?」

質量保存の法則だっけ?あれ?どっちだ?

ていとく、は、こんらん、している。

 

「えぇい、離せ!俺は、ここから逃げなくちゃならないんだ!」

1ヶ月以内に日本から逃げ出さねば、俺の貞操。いや、命が危ない。今の俺なら海上だって走れる!アメリカ辺りに逃げるか。そうと決まればスタコラサッサだぜ!…早霜と榛名にガムテープと拘束具付けられて身動きが取れなかったんだ。

 

「なぁ、頼むからこれ外してくれ」

 

「ふふふ…逃げるから、ダメです」

 

早霜ェ…。これまでか。

 

「ねぇ、提督さん」

 

瑞鶴が俺に声を掛ける。何だ?まさか、身動き取れない俺を襲うつもりじゃないよね?

 

「この拘束外したら、私のお願い、なんでも1つ、聞いてくれる?」

 

「お、お願い?」

何を頼むつもりだ?不安に思うが、脱出できるなら、聞いてやろう。

 

「うん」

 

「…分かった。聞いてやる」

なんでも、と言ったが、瑞鶴なら変なお願いしないだろう。だから承諾した。

 

「…ありがとう」

 

瑞鶴は微笑みながら、弓矢を仕舞って俺に近付いてくる。

 

「ず、瑞鶴?」

 

翔鶴が心配そうに声掛けてる。

 

「瑞鶴さん、裏切るのですか?」

 

涼月、何処からプ○ズマカノン・ネオ取り出したの?こんな狭い所で撃ったら、自爆しちゃうよ?…ゾンビだからすぐに復活するか。あははははは…やべぇよ、やべぇよ。このままだと、俺に被害が及ぶ!

 

「瑞鶴ゥ!」

何とかしてくれぇ!

 

「Yes, Your Majesty」

 

何とかしてくれ!と、俺が言う前に瑞鶴は動いた。あ、いつもの姿だけど、瞳だけ紅い。ギ○スに掛かった人みたい(小並感)。

 

「だらっしゃあああああああいっ!!!!」

 

瑞鶴選手、隣に居た涼月選手にノーザンライトボオオオオム!

涼月選手、ダウウウウン!

 

「瑞鶴さんが、裏切りました!」

 

「オンドゥルルラギッタンディスカー!」

 

「ズェアアアアアアア!!!」

 

瑞鶴選手、気合いの入った叫びと共に、榛名選手と翔鶴選手にダブルラリアアアアアッッット!!!

 

「ウソダドンドコドーン!」

 

翔鶴選手、妹に裏切られたのがショックなのか、オン○ゥル語になっているううううう!!!

瑞鶴選手のダブルラリアットが榛名選手と翔鶴選手に襲い掛かぁぁぁぁるっっ!!そして、2人はダウウウウン!!!

 

「残念だったね」

 

「甘いっ!」

 

おおっと、時雨選手、ラ○ージパイクを構えて瑞鶴選手に襲いかかる!しかし!瑞鶴選手、これを華麗に避ける!

 

「ぶほっ!?」

 

そして、カウンターの、無言の腹パン!これは痛い!時雨選手、ダウン!

 

「よっこいしょ」

 

「うおっ!?」

瑞鶴に担がれた。所謂、お米様抱っこって奴だ。女の子に抱えられる男の図。シュールと言うか、なんと言うか。とにかく、恥ずかしい。

 

「逃がすかァ!」

 

山城選手、鬼の様な形相で追いかけて来た!

 

「しつこい!」

 

「邪魔だ、どけええええぇぇぇぇ〜〜!!!」

 

どっからそんな声出してんの、山城。

 

「ふんっ!」

 

「ゴッ!?」

 

瑞鶴選手、装甲甲板を展開し、山城選手の顔面に叩き込んだァ!容赦ねぇ…。

 

「ノ○ンの動き真似てみたけど、いいわね、これ」

 

みんなで私を否定するのか!な精神状態にはならないでね、瑞鶴。お願いだよ?そうなったら胃袋を口から吐き出す自信がある。

 

「さて、後は早霜だけね」

 

「殺る気なの?…お相手します」

 

早霜はリム○ットボムVを取り出した。だから何処から…以前、初霜が言ってたっけ。艤装格納領域には色々仕舞えて自由に取り出せる、って。四○元ポケットかよ。

 

「爆弾とかは、爆風で一掃できるってウィ○ペディア先生に書いてあったわ!」

 

そう言うと、倒れている時雨が持っていた手榴弾を奪って投げた。

 

「待て、アレは、爆発範囲が広い!」

 

「…あっ、40型と間違えちゃった」

 

色と重量違うでしょ…なんて、言ってる場合じゃねぇ!早く逃げないと死んじゃう!

 

「3,5秒以内に逃げればいいのよ!」

 

「ぬおっ!?」

瑞鶴は俺を担いだまま早霜に蹴りを入れて、医務室の窓を破って脱出。直後、医務室が大爆発を起こした。

 

「修繕費、幾らかかるかな…」

大本営に何て説明すりゃいいんだ?

 

「難しい事考えるのは、後にしましょ?」

 

「そうだな」

今は瑞鶴と逃げる事だけを考えよう(現実逃避)。

 

「…ん?」

瑞鶴の右足に何か付いている…これはっ!?

 

「…ふっ…ふふ…」

 

「!?」

は、早霜が!あちこち服が破けてアフロヘアーになった早霜が、医務室から出てきた!

 

「ふふふ…逃がしませんよ?」

 

そう言うと、ポケットからスイッチを取り出し、左手で持った。まさか!

 

「瑞鶴さんの足に、貼り付けました。ふふっ…ふふふふふ…」

 

「えっ、何これ!?外れない!?」

 

慌てて自分の足を見て、何かが貼り付いている事に気付く瑞鶴。急いで外そうとするも、外れない。無理だ。爆風を喰らうか、ワープする以外、外れないから。

 

「ふふ…うふふふふふ…」

 

や、やめて、早霜、やめて!

 

「死ぬがよい」

 

次の瞬間、俺と瑞鶴は爆風に包まれた。

 

 

 

──────────────

 

 

─執務室─

 

1週間後。

 

 

早霜のリ○ペVによって、俺と瑞鶴は瀕死の重症を負った…なんてことは無く、服が破け、アフロヘアーになるだけで済んだ。どうやら妖精さんの謎技術により、アフロヘアーになり服が破けるだけで済むように調整されていた。ちなみに、医務室の中に居た奴らもアフロヘアーになるだけで済んでいる。妖精さん、凄い。瑞鶴?アイツも俺と仲良くアフロヘアーになった。俺の服は破けたが、瑞鶴はスーパーモード(仮名)になっていたから、破けなかった。残念。言い忘れたが、今は全員、元の髪型に戻っている。

 

「この拘束を外してください」

 

「ダメよ?」

 

医務室からの逃走に失敗してから1週間。俺は、執務室に鎖と首輪で拘束されていた。あれから毎日、俺が何度も逃走しようとしたからか、鎖と首輪をつけられ拘束されてしまった。更に、風呂トイレ以外の時は常に見張りが付く様になっちまった。本日見張り役の翔鶴に頼んでみたが、断られた。

 

「逃げるなんて、ダメ。絶対ダメ」

 

ハイライトさん仕事しろ。翔鶴、危なげな笑みを浮かべながらス○ナーK構えないで。怖い。

 

「…はぁ」

じたばたしても仕方ない。仕事するか。…ん?この書類は。

 

「…アイツらが来るのかよ」

大本営から艦娘の異動を知らせる書類だった。

 

「また女が増えるのね…うふふ…」

 

翔鶴さん、ス○ナーKチャージしない。バチバチ放電しない。君、ブ○ストランナーじゃなくて艦娘でしょ?それ使って深海棲艦と戦ったりしてないよね?作品が艦○れからボ○ブレに変わっちゃうよ?

 

「誰が来るの?」

 

あの、翔鶴?背中に抱き着かないで。柔らかい物が俺の背中に直撃しています。凄く、大きいです…。

 

「朝潮型駆逐艦三番艦、満潮と、白露型駆逐艦七番艦、海風。雲龍型航空母艦三番艦、葛城の3人だ」

元気な娘が2人、お淑やかな娘が1人。計3名か。賑やかになるな。

 

「可愛い娘達なの?」

 

ふおおぉぉぉ!!?胸!胸当たってる!押し付けないで!マジで反応しちゃう!

 

「当ててるのよ?」

 

セクスイイィィヴォオオオイス。やめて!ホントにやめて!数ヶ月我慢してるから、反応しちゃう!ダメダメダメ!俺は瑞鶴が。瑞稀の事が好きなの!一途なの!

 

「…今日は付けてないの♪」

 

「付けてにゃい!?」

アカン、声が裏返った。つ、付けてないってああああんた、それアカンよ。形崩れちゃう…

 

「ふんっ!」

執務室に頭を叩き付ける!煩悩退散煩悩退散。

 

「ダメよ、そんな事したら」

 

ヒエーッ!両手をおでこに当ててきた!それに伴い背中に柔らかい物が更に強く押し付けられるうううう!!

 

「…はい、不合格。落第よ」

 

「…へっ?」

…ああ、そういう事か。油断してた。

 

「こんなんじゃ、安心して瑞稀を任せられないわね」

 

やっちまった。何やってんだよ、俺。

 

「…すまん」

 

「謝るなら、気を付けなさい」

 

「ああ」

本当に気を付けよう。

 

「…柔らかかった?」

 

「柔らかかった…あ」

思わず言っちゃったよ。

 

「ふふっ、付けてないからね。触ってみる?」

 

ゴクッ。

 

「生唾飲まない」

 

怒られた。

 

「本当にすまん…」

だらしねぇな。…あー、あと約3週間後か。

 

「…逃げたい」

 

「何でそんなに逃げたいのよ…」

 

そういや、あれから1週間経つけど、まだ話していなかったな。俺は翔鶴に説明した。

 

「…そう」

 

俺の話を聞いた翔鶴は、納得したのか同情的な顔をした。

 

「大丈夫よ、貴方は私が護るから」

 

「翔鶴…」

 

「未来の弟になるかもしれない人を、奪われてたまりますか」

 

「弟…」

そうだ。瑞稀と結婚すれば、コイツの弟になるんだな。

俺の考えている事が分かったのか、翔鶴は悪戯っぽい笑みを浮かべた。おい、何だよその顔は。

 

「お姉ちゃんに甘えてくれても、いいのよ?」

 

両手広げて何てこと言うの。…くそっ、その顔ムカつく。いいぜ、そっちがその気なら、こっちにも考えがある。

 

「困ったら、甘えさせてもらうよ。静流お姉ちゃん」

真顔で、真剣な声で言ってやる。ほら、何か言い返してみろ…あれ、顔真っ赤にして震えている。もしかして、怒らせた?

 

「…ぶほっ」

 

「ぬわあああああああ!!?」

鼻血!鼻血吹き出しやがったよコイツ!ああああ!真っ白の提督服が真っ赤になっちまった!クリーニングで落ちるかな?

 

「も、もう1回!もう1回言って!!」

 

「落ち着け!」

鼻血ダラダラ垂らしながら目をキラキラさせて顔を近付けないで!軽くホラーです!

 

「おちつついているわ!さぁ、もう一度!」

 

「落ち着いていねぇじゃねぇか!」

言葉ァ!つ、が1つ多い!明らか落ち着いていないよ!

 

「あ、おちつついて、って、なんか卑猥ね」

 

「お黙り!」

だから、卑猥な事言わないの!慎み持ちなさい!

 

「おねーちゃん!おねーちゃんって言って、弟くん!」

 

「キャラ!キャラ崩壊してる!」

初○島の生徒会長みたいな事言うな!俺は自分のカロリー消費して、手から和菓子なんぞ出せんぞ?

 

「提督は、私の旦那様になってくださる方ですから、ダメです!」

 

「天井から現れるな!」

涼月、いつから居たの?

 

「うるあああああああっ!」

 

「げふっ!?」

 

ボディスラムかましたぞ。いつ習得したんだよ。

 

「深海棲艦で練習したわ」

 

最近、深海棲艦が可哀想に思えてきた。というか、君、空母だよね?何でインファイトしてるの?

 

「さぁ、弟くん!おねーちゃんに甘えて!」

 

「やめろおおおおおお!!!」

笑顔で手を広げながら近寄らないで。クソっ!逃げ…って、鎖で繋がれていたんだっけ。おい、ばか、やめろ!離せ!近寄るなぁ〜〜!!!

この後、瑞鶴が助けに来るまで必死に抵抗した。

…胃潰瘍、再発しました。

扶桑さんが第603鎮守府にカチコミまで、あと約3週間後。どうにかしないと…。

 

 

side 提督 out

 

───────

────

 

 

side 翔鶴

 

あははは!楽しい!やっぱり、彼と居ると、楽しい!

 

「少し、興奮し過ぎてしまったわね」

彼にお姉ちゃんと言われた瞬間、興奮の余り暴走してしまった。そのせいで彼に怯えられてしまった。気を付けないと。

 

「…早く、欲しいなぁ」

胸を押し当てたら、面白い位に慌ててくれた。反応は上場。

 

「焦らず、確実に仕留めてみせる」

まだ、時間をかけなければならない。今、焦って仕掛ければ、失敗してしまう。

 

「ふふっ♪」

いつもの様に、冷静に行きましょう?

 

「それにしても…」

 

<今のは、わざと、ですよ?

 

「この翔鶴は、腹黒いわね」

瑞稀が遊んでいるアプリを試しにダウンロードして遊んでみたが、中々面白い。それに、このゲームには翔鶴が居る。貯めたキューブで建造したら、運良く1発で入手出来た。

 

「運がいいのかしら?」

…あ、このセリフ。…あはっ♪

 

「私も、やってみようかしら?」

そうと決まれば、真似てみよう。彼はどんな反応をしてくれるのかしら?楽しみ♪

 

 

side 翔鶴 out

 

───────

────





次回予告


提督、マジで大丈夫か?顔が真っ青通り越して、土気色になっているぞ?…は?また艦娘が来るのか?ここも大分賑やかになってきたよな。…ん?待てよ、艦娘が増えるのが嫌だから、そんな顔色なのか?違う?扶桑さんが、カチコミに来る…カチコミ…アタシ、ちょっと用事を思い出したから、実家に帰るわ。えぇい、離せ!泣くな!摩耶様は、面倒な事は大嫌いなんだよ!


第23話・妹系と幼馴染系


「幼馴染系女子は私一人で充分よ!」
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