少し性的な表現が含まれています。
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side 翔鶴
鍛錬中、窓ガラスが割れる音が聞こえた。何かあったのかしら?鍛錬をやめ、急いで音のした方へ向かう途中、車庫からバイクの轟音が聞こえた。そして、凄まじい勢いでバイクが飛び出した。強化された動体視力が捉えたのは、バイクに乗る彼と瑞稀。
秘書艦の摩耶さんが叫んだ。提督が逃げた、と。
…逃げた?
「お姉ちゃんも連れていきなさい(どこへ行くんですか、提督!!!)!!!」
…あっ、本音と建前が逆だ。とにかく、足止めしないと。慌てず、しかし急いで艦載機を発艦させる。機銃でタイヤを狙うも、彼はバイクを巧みに操り全て避けた。このままでは、逃がしてしまう!摩耶さんはブ○イザー・アグニを。阿武隈さんはコ○マライフルを。矢矧さんはポ○トロンライフルを撃つも、全て躱されてしまった。こうなったら、妖精さん!お願い!
烈風改から妖精さんを飛び降りさせ、バイクにしがみつかせる。これで良し。あとは彼の行き先を突き止めるだけ。
「…はぁ。逃げられたか」
「うぅ…ダメでしたぁ…」
「こらー!仕事をほったらかすなー!」
摩耶さんと阿武隈さん、矢矧さんがそれぞれ走り去った提督達に向かって呟く。矢矧さんだけは叫んでいるわね。
「私が追いかけるわ」
3人に、彼のバイクに妖精さんを張り付かせた事を説明し、暫く彼らを泳がせてから車に乗って後を追う事にした。
……。
「お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙ん゙っ゙っ゙っ゙!!!」
「んんっ!3号機、緊急停止の信号を受け付けません!暴走です!」
「ポ○トロンライフルをぶち込め!矢矧、撃て!」
「さっき提督に撃った時、充電が切れたわ。今、充電中だから使えないわ」
あら、
「提゙督゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ゙っ゙っ゙!!!」
「私の指示に従ってくださぁい!んんっ!従ってくださあああああい!!!」
「チクショウ!やってやらァ!ATフィールドなんか怖くない!摩耶様を舐めるなァ!!!」
「3号機なんて粉砕よ!」
3号機の対応は、阿武隈さんと摩耶さん、矢矧さんに任せましょう。
「皆さん、初霜が、お護りします!」
「夕立も戦うっぽい!」
「秋雲さんも助太刀するよ〜?ついでに曲かけて盛り上げちゃうよぉ〜?」
♪魂のル○ラン♪
「ゔお゙お゙お゙お゙お゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!!!」
「「「「「「ぎゃああああああああああ!!!」」」」」」
秋雲さんが魂のル○ランを流したら、3号機は更に暴走した。
…このままだとマズいわね。皆さん、後は頼みます。
この場からこっそり逃げ、妖精さんの視界を共有した。
………。
「実家に向かっている?」
妖精さんを通して、彼と瑞稀の会話を聞くと、目的地は彼の実家のようだ。行き先が分かれば、慌てる事は無い。私の着替えと護身用のスタンガンを持ち、トランクに荷物を入れる。ついでに、彼と瑞稀の着替えも持っていきましょう。
私服に着替えて車に乗り、数時間後。一度、パーキングエリアに寄って休憩しよう。…あ、そうだ!彼にちょっとお仕置きしたいから、写真を撮って送ろう。ついでに、メリーさんみたいに電話をして怖がらせよう♪
……。
「…重婚、か」
妖精さんが聞いた言葉を呟く。
お父さんとお母さんは、瑞稀と私の2人と重婚するのを認めているようね。
それに、瑞稀自身も、重婚を認める様なことを言っている。
彼の心は瑞稀に向いている。
今、私は必死に彼の心を私に向かうよう、アプローチをかけている。
失敗する可能性が高い。
…。
そうだ。重婚して、彼のココロとカラダを私に向けてしまおう。
瑞稀にバレないよう、こっそり。
そうだ。そうしよう!
表向きでは、私は第二夫人。表向きは瑞稀が第一夫人。
でも。
「私に夢中にさせてしまおう」
裏側では、私が第一夫人。
…ふふっ、いいかもしれない。
重婚すれば、それが出来る。合法的に彼と肌を重ねられる。
「アハッ♪」
いい。
いい!
スゴくイイ!
「楽しくなってきちゃった♪」
おっと、いけない。アクセル踏み過ぎてしまった。速度違反で捕まっちゃう。慌てず、ゆっくり減速っと。
少し道が細くて複雑ね。運転に集中したいから、一旦妖精さんとのリンクを切りましょう。
それにしても、お父さんとお母さんが提督と艦娘だったなんて。少し驚いたわ。
…………。
「私、静流さん♪今、貴方の後ろにいるの♪」
目的地に到着。彼の実家の庭に車を停めて、と。よし。
庭は広く、家から少し離れた所に停めたから、エンジン音で気付かれる事は無い。
…うふふっ。彼、震えてる。可愛い♪
大丈夫よ、危害なんて加えないわ?
妖精さんと共有した視界に、彼が震える姿が映る。
車から降り、彼の実家の庭から何度か通話し、彼にそう言ったあと通話を切り、ピッキングツールを使ってこっそり家に侵入した。
さぁ、振り向いて、準♪
貴方の2人目のお嫁さんですよ♪
こんばんは、旦那様♪
side 翔鶴 out
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side 提督
「ハッハッハ!まさか、本当に1人、増えるとはのぉ!」
「も、申し訳ございません」
「なぁに、謝らなくて良い。静流ちゃんも、わざわざ此処に来てくれるとは。なんだか、すまんのぉ」
「静流姉、ビックリしたよ!」
「ごめんね、瑞稀。驚かせちゃって」
いや、うん。驚いた。驚いて悲鳴あげちゃったよ。
遡ること数分前。静流の通話を切り、トイレに行こうとしたら、俺の背後に静流が立っていた。白い髪と白い私服も相まって、幽霊が出たのかと思い、俺、絶叫。
俺の絶叫を聞き、瑞稀、バスタオル姿で参上。
爺ちゃん、寝る邪魔をされてマジギレ、手拭いで俺の顔面をシバく。
そして、俺、畳の上でダウンなう。
「準、大丈夫?」
「…大丈夫です」
瑞稀に心配される。
俺の顔がクレヨンし○ちゃんの「前が見えねぇ」状態になっているけど、そのうち戻るだろう。
「バカ孫なんざ放っておいて大丈夫だぞ、瑞稀ちゃん」
「千歳さんけしかけ確定」
「準よ、しっかりせい。今、経○秘孔の一つを突いた。これで傷の治癒が早くなり、顔が元に戻るだろう。だから千歳さんけしかけるのだけはやめてくださいお願いします」
俺が脅すと、爺ちゃんの態度が一変。少しだけ優しくなった。千歳さん便利だな。時々利用させて頂きます。俺の胃袋を破壊しようとするんだ、少しくらい利用してもバチは当たらないだろう。あ、顔が元に戻ってきた。
「そういえば静流姉、どうして私達が此処に居ると分かったの?」
静流が持ってきた私服に着替えた瑞稀が聞く。俺も思った。何で?
「ふふっ、それはね?」
静流は微笑むと、俺の右肩を指さした。え、何?…あ、妖精さんだ。俺と目が合うと敬礼してくれた。成程、そういう事ね。
「仕事を放り出して行くんですもの。驚いたわ」
「…すまん」
思い付きで行動してしまった結果、皆に迷惑をかけてしまった。今後、気を付けよう。あーあ、帰りたくねぇなぁ。きっと、矢矧がブチギレてるだろう。おかん系艦娘だもんな、あいつ。
「でも、何で逃げ出したの?それに、明後日、実家に帰省するって言っていたのに…」
「確かに。まだ、説明してもらってないや」
「あー、実はだな」
俺は静流と瑞稀に理由を話した。
千歳さんが異動して来る事。
千歳さんがヤバい人だという事。
心が耐えられなくなり、瑞稀を連れて逃走した事。
全て話すと、2人は同情的な視線を向けてきた。
「…準、何があろうと私は貴方の味方よ?絶対、助けるわ」
「私もよ!だから、心配しないで!」
2人は俺の味方をしてくれると言った。嬉しい。
「さて、静流ちゃん。お腹は空いてるかい?」
「あ、大丈夫です。此処に来る途中で食べたので」
「そうか…」
爺ちゃん、ちょっとしょんぼりしてる。ご馳走してあげたかったんだな。
それから、今度こそ爺ちゃんは寝ると言って部屋をあとにした。
「…とりあえず、風呂入るか。俺は最後でいいから、静流が先に入ってくれ」
長時間の運転で疲れているだろうし。それに、レディファーストって奴だ。…あれ、静流、何その、いいこと思い付いた、みたいな笑みは。
「ねぇ、準?」
「な、なんでしょう?」
すんごく妖艶な笑みを浮かべないで。ただでさえ数ヶ月発散していなくてムラムラしてんだから。そんな俺の思いを裏切る事を静流は言った。
「私、ずっとハンドルを握っててタオルを持つ握力が無いの。だから、身体を洗ってくれないかしら?」
「」
…はい?何言ってんの君。
「さ、さっき、ボストンバッグ持ってきてた…」
「準?」
静流さん、落ち着いて。こっちに四つん這いで迫ってこないで!シャツの隙間から北半球見えちゃってる!黒!レース!やべぇ(やべぇ)。
「静流姉、何言ってるの!?身体なら、私が洗ってあげるから!」
瑞稀が慌てて静流を止める。ありがとう、瑞稀。助かった。
「瑞稀、あなた、さっきお風呂に入ったのでしょう?何度も入ると、お肌がふやけて良くないわ。だから準に頼んだの」
「そ、そんなの、大丈夫よ!私、若いんだから!」
「ダメよ、お肌は女性の命よ?ねぇ、いいでしょ?」
「ぁ…ぅ…」
そんな流し目で言わないで!理性ブレイクしちゃう!
「それなら、私達の家に行って入ってくればいいじゃない!お母さんに頼めば手伝ってくれるわ!」
「…ちぇ。分かりました。大人しく1人で入ります」
そう言うと、静流はタオルと着替えを持って風呂場へ向かった。
「な、何だったんだ?」
あんな静流、初めて見たぞ?いや、何度か似た様な事をスマホ買いに行った時にされたが、今回のは特に色っぽかった。
「静流姉、やっぱり準を狙ってる」
「…はい?」
瑞稀がそう言った。俺を狙っている?嘘だろ?いや、自惚れかもしれんが好かれているとは思っていた。でも、それは友達として好き、って事だと思っていた。
「静流姉がお風呂から出たら、聞いてみる」
「お、おう…」
怖い。静流がなんて言うのか、怖い。返答次第でエラいことになりそうだ。
「…はぁ。巨乳になりたい」
「いきなりどうした」
俯きながら瑞稀が言う。
「だって、準、静流姉の胸、ガン見してた」
…すいません。仰る通りです。思わず見ちゃいました。俺の視線を釘付けにされました。ごめんなさい。
「…準は外見で人を選ばない、って分かっているけど、不安になる」
「……」
不安にさせてしまった。何やってんだよ、俺。
気が付くと、俺は瑞稀を優しく抱き締めていた。
「あっ…♪」
頭を撫でる。すると、嬉しいのか俺の胸に頭を擦り付けてきた。それから暫く互いに抱き合っていると、静流が戻って来た。名残惜しいが、瑞稀から離れる。イチャイチャしてると、スタンガンでお仕置きされそうな気がしたから。俺の悪い予感は良く当たるんだ。
「お風呂、頂きました」
「おう。それじゃ、入ってくる」
タオルと着替えを持って、風呂場へ行く。脱衣所のドアを開けると…
黒い布が2つ、出入口の床に目立つように置いてあった。
「静流ァ!」
急いで静流達の所へ行く。静流の顔は…笑ってらっしゃる。確信犯だな。
「あらあら、どうしたの、準?大声出すと、茂さんが起きてしまうわ?」
「お前なぁ…」
からかわれているな、これ。
「どうしたの?」
「…風呂場に行けば分かる」
顔に手を当て、ため息を吐きながら瑞稀に言った。
頭にクエスチョンマークを浮かべながら瑞稀は風呂場に向かった。数秒後。
「『静流姉ぇぇぇぇぇぇ!!!』」
スーパーモード(仮名)の瑞稀が声を荒らげながら戻って来た…あの、瑞稀さん?何で両手で静流の下着を目立つように広げて持ってきたの?
「『なっ、ななな、なんてことしてるのよ静流姉!準はウブなんだから、こんな事すると泣いちゃうんだよ?』」
瑞稀さん、確かに俺はそういった事に対してはウブです。ウブですけど、泣きはしないよ?…多分。
「てへ♪」
瑞稀、キレ気味。
静流、てへぺろ。
俺、俯いて心頭滅却なう。
「な、なんでこんな事したのよ」
あ、通常瑞稀に戻った。
「何でって、準に異性として意識してもらいたいからよ♪」
…はい?異性として意識してもらいたい?それって、
「私、風見静流は、渡良瀬準の事が好きです」
…え?
「静流姉、やっぱり…」
「…ずっと、見ていました。昔、沢山貴方に暴力を振るいました。それは、貴方の気を引く為でもありました。勿論、瑞稀を護る為でもありますが」
「静流…」
「瑞稀と再び付き合う事にした。瑞稀が第二次改装を施され、第8492離島鎮守府から第603鎮守府に戻ってきた際、貴方がそう言った時、自覚しました。私は、貴方の事が好きなのだと」
「…」
今の俺、アホみたいな顔しているんだろうな。口開けてポカーンとしてる。瑞稀は…苦笑いだ。
「最初は祝福しようと思いました。でも、日に日に想いが強くなり、我慢出来なくなりました」
「……」
そうだったのか。
それから、俺達は静流の話を聞いた。
どうやら、俺達の後を追わせた妖精さんから、瑞稀のご両親の「重婚?一向に構わん!」を聞き、我慢ができなくなり告白したそうだ。
「卑しい女と思われるかもしれません。それでも…それでも、私は…」
顔を俯かせる静流。俺は…俺は、どうすれば…
「静流姉、それ、本気なの?」
俺がどう答えればいいか悩んでいると、瑞稀が静流に質問した。
「本気です。嘘偽り、一切ありません」
顔を上げ、真剣な表情で静流は言った。
「…だって、準。どうするの?」
「どうする、って…」
瑞稀はイタズラが成功した子どもの様な笑みを浮かべている。
どうするって…重婚…いいのか?本音を言えば、静流の事は好きだ。好きだが、それは友愛的な物だ。いや、だった。そう言うべきだろう。気が付けば、時々静流の事を考える様になっていた。
「私は構わないわ。重婚すれば、合法的に一緒に過ごせるから。それに、準の家に来る途中話したけど、私が幸せでも静流姉が悲しい思いをするのは嫌なの。だから、3人で幸せになろう?」
「瑞稀…」
いい、のか?
「準は難しく考えすぎなんだよ。ほら、あの時、医務室で彼女に言ったじゃない。頭で考えるな、心に思った事をそのまま言葉にして吐き出せ!って」
そういや言ったな。けど、どうして瑞稀が知っているんだ?
「彼女に教えてもらったの」
疑問に思っていると、俺の顔を見て何を考えているのか察し、教えてくれた。成程。
「俺は…」
心に思った事をそのまま言葉に出せ、か。
なら!
─【正規ルート】─
「俺は、静流の事が好きだ!」
「…」
「…」
「順番なんて付けられない…と言いたいけど、1番は瑞稀だ」
思った事をそのまま言葉にして出した。
何で静流を好きになったかって?
俺に優しく微笑みながら、仕事を手伝ってくれた。
料理当番の日には、美味しい食事を作ってくれた。
それに…
(最低な事だと分かっているが、その…胸押し付けてきたり…正直、嬉しかった)
と、とにかく、俺は、静流のことが好きみたいだ。いや、好きだ。
胸を云々の所以外を、正直に話した。
「…最低な男だろ?幻滅してくれて構わない」
言ったぞ。言ってやった。さぁ、何とでも言え!単純な理由で好きになったんだ。罵られようが、ぶたれようが、瑞稀に呆れられ、振られる覚悟もできている!
「それが準の本音なら、私から言う事は何も無いわ」
「…えっ?」
色々覚悟していたが、待っていたのはそんな言葉だった。
「好きになるのに、理由なんて無いと思う。気が付いたら好き。それでいいと思うよ?」
「瑞稀…」
いい…のか?
「どこかで聞いた言葉だけど、恋は頭じゃなくて、心でする物、って言われてるし、準のそれは間違いじゃないと思うよ?」
「…」
「静流姉、おめでとう!」
俺が呆然としていると、瑞稀は静流にそう言った。
「…本当にいいの、瑞稀?」
静流は恐る恐るといった感じで瑞稀に言う。しかし、瑞稀は、
「いいよ!…それに、私だけ幸せで静流姉が不幸なんて、嫌。だから、さっきも言ったけど、3人で幸せになろうよ!」
笑顔でそう言った。
本当にいいのだろうか?こんな、不誠実な男を…。
色々考えていると、
「さて、まだまだ話すべき事は多いけど、お話は終わりにして今日はもう寝よう?」
「…分かった」
確かに。まだまだ話し合う事は多い。けど、時刻は23:30だ。爺ちゃんは既に寝ている。静かにしよう。
「とりあえず、俺は風呂に入る。瑞稀と静流は先に寝室に行ってくれ」
「分かった。あ、私たちが寝る所、布団1組しか用意してないから、押入れから布団出しておくね」
「頼んだ」
この家には布団が3組ある。内、1つは爺ちゃん用。もう1つは俺用。残り1つは予備だ。今日は瑞稀と2人で1つの布団に横になる予定だったから、俺達が寝る客間には1つしか敷いていない。結構大きな布団だから、布団が2組でも3人は余裕で包まれる。
再びタオルと着替えを持ち、風呂場へ向かった。
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「お布団出すから、ちょっと待ってて」
「ありがとう、瑞稀…あら?」
「どうしたの、静流姉?」
「み、瑞稀、これ…」
「ん〜?何…えっ!?」
「…」
「…」
「…あはっ♪」
「…これって、そういう事、よね?」
「だね」
「…あの、瑞稀」
「2人で襲おう!」
「えっ!?」
「いつまでもフラフラさせたくないし、準に覚悟決めさせたいから、2人で襲おう!」
「い、いいの?」
「うん、いいよ。既成事実作っちゃおう?」
「…分かったわ」
「ふふふ…あはははは♪」
「…うふっ♪」
───────
…………。
「ふぅ、いい湯だった」
こんなにゆったりと風呂に入ったのは、いつ以来だろう?向こうじゃ、ゾンビやサキュバスが突撃してくる恐れがあるから、のんびり入っていられない。
髪をドライヤーで乾かし、台所で麦茶を飲んで水分補給。さて、寝るか。瑞稀と静流が待つ客間への襖を開けて…あれ、2人とも、俯いたまま布団の上で正座して、どうしたんだ?
「……」
「……」
2人は無言。本当にどうしたんだ?疑問に思い、声をかけようとしたら、瑞稀が口を開いた。
「…ねぇ、準」
「な、なんでしょうか?」
何故か本能的恐怖を感じた。何でかって?瑞稀の声が…なんて言うの?嬉しさを堪える様な、とにかく嬉しそうな声だ。マジで何があったんだ?
「既に、臨戦態勢なのね…うふふ…」
「は、はい?」
静流の声も、どこか嬉しそうだ。だから、何でそんなに嬉しそうなんだ?疑問に思っていると、正座したまま瑞稀は箱を俺に見せてきた…って、オイ!近藤さんじゃねーか!何でそんな物が…そういや、爺ちゃんが用意したんでしたね、それ。
「「……」」
あ、2人からオーラが見える。めっちゃ見える。ピンク色した如何わしいオーラが…あ、待って、瑞稀さん、急に立ち上がったと思ったら、俺の両腕掴まないで!静琉さん、無言で襖閉めないで。待って、待って、ねぇ、ちょっと待って!落ち着いて話し合おう!話せば分かる、きっと分かり合える。だから落ち着いて?ね?服脱がそうとしないで?ねぇ?聞いてる?ねぇ?ねぇってば!?
「暴れないで、暴れないで、貴方の事が、ずっと好きだったんです!」
「マズいですよ!」
うん、静流。俺の事好きなのは分かったから、冷静に俺の足を掴まないで?あと、その言葉は色々マズいですよ?結構前に涼月にそれ、言われたっけ。懐かしいなぁ。
瑞稀は腕、静流は足を持っているから、今の俺は宙に浮いている。そのまま布団の上まで運ばれた。
「じゃけん夜戦イきましょうね〜!」
「瑞稀、そんな汚ったない言葉、何処で覚えたの?」
「足柄達と一緒に見た」
「足柄ァ!!!」
1ヶ月禁酒にするぞバッキャロー!瑞稀になんてもん見せてんじゃー!
「『さぁ、素敵なパーティー、始めましょう?』」
「それ、夕立の台詞ゥ!」
他の娘のアイデンティティ奪っちゃダメでしょ!というか、スーパーモード(仮名)にならないで!本気出さないで!
「あらあら。ここには私と瑞稀の2人が居るのに、他のオンナの名前を言うなんて…お仕置きが必要ね?ねっ?」
それ由良の口癖ェ!
「ま、待て待ってくれ!こ、心の準備が…」
「「『40秒で準備しな』」」
「ドー○船長おおおおぉぉぉぉぉ!!!」
名作の名言をアレンジして言わないで!ファンの人怒っちゃうよ?
「「『うふふ…うふふふふふ♡』」」
「ぁ…ぁぁ…」
腕…スーパーモード(仮名)瑞稀に押さえられている。
足…静流に押さえられている。
瑞稀と静流…艦娘のパワーを使っている。
翔鶴型航空母艦…16万馬力。勿論加減してくれている。
2人の目がハート。
ここから導き出される答えは…
「「『貴方がパパになるのよ!(ですよ!)』」」
「う、うわあああああああああああああッッッ!!!」
待て待て待て待て!俺達、まだジュウコンカッコカリしてない!
「ま、まだダメだ!ジュウコンカッコカリしていない!」
「大丈夫よ!」
「何でだよ!」
何で大丈夫って言えるんですか、瑞稀さん。
「準、世の中にはこんな言葉があるわ。バレなきゃ犯罪じゃない」
「ダメでしょ!」
静琉さん、そんなドヤ顔で言っていい言葉じゃないですよ、それ。…あ、待て、待って、上着脱がさないで。ズボン下ろさないで。待って、待って、待ってえええええぇぇぇぇ!!!
「『ジュウコンカッコカリの条件まで遠いけど、必ず満たせるよう頑張るわ!』」
「えぇ!私達なら、直ぐに出来るようになるわ!沢山戦果を挙げて、準の階級を准将まで上げてあげます!」
瑞稀…静流…ありがとう。そこまで俺の事を想ってくれて。でもな、でもな!
「2人して鼻血ダラダラ垂らしながら恍惚とした顔で言わないで!」
色々台無しだよ!あ、ちょ、本当に待って!ボクサーパンツに手をかけないで!アッーーー!!!
side 提督 out
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次回予告
提督達、今頃何してるのかなぁ。ナニだったり。あははっ、まっさかねぇ。もしそうだったら、提督、パパになるんだよねぇ。お祝いの品、考えとこ。それにしても退屈ぅ。鈴谷、つまんなーい!…あれ、時雨、どうしたの?手榴弾なんか箱に詰めちゃって。えっ、宅配…する?…え?…えっ!?
第32話・壊れ始める雨
「心なんて、簡単に壊れる物なんだよ、提督」
※今回、ルートが分岐しました。IFルートは番外編で書こうと思います。
※今週金曜辺りに、ゾンb…涼月の過去編を投稿する予定です。胸糞です。覚悟を決めておいてください(迫真)