追跡鶴   作:EMS-10

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第39話・母性

 

side 由良

 

─第603鎮守府、由良私室─

 

 

「……」

彼が居ない鎮守府は、やっぱり寂しい。気付かないうちに、依存していたみたい。

 

(…ムラムラしてきちゃった)

長年抑えてきたからか、想像以上にクる。やっぱり、私は人間なんだなぁ。

 

(…眠れない)

身体が熱い。決して気温や湿度が高いからではない。欲情しているから、身体が熱く感じる。

 

(このままじゃ、眠れそうにない)

気を紛らわす為、スマホでも弄ろう。…そうだ、ちょっと調べましょう。

今まで色恋沙汰に興味を持たなかった。だから、そういった知識が全くと言っていい程に無い。正確には、艦娘になる前は興味あったけど、艦娘になってからは全く無くなってしまった。いえ、

 

(そんな事を考える余裕が無かった)

気を抜けば死ぬ。だから、余計な事を考えず、生きるのに必死だった。でも、今は違う。以前と比べれば天国のような平和な所に居る。

 

(10年経てば、恋愛の仕方や嗜好が変わっている筈)

だから、こんな事を調べる余裕がある。

 

(えっと、「男性 恋愛 傾向」…っと)

スマホに調べたいワードを打ち込み、検索。

 

(なになに、「最近の男性は、母性を求める傾向がある」)

母性?どういう事?記事を読み進める。

 

(甘やかすより、甘えたい男性が増えている?)

へぇ、そうなんだ。

 

(なら、甘えさせてあげないと)

最近、彼は色々あり過ぎて疲れている筈。仕事もそうだし、重婚宣言によって何名か暴走している。甘えたがっているかもしれない。

 

(瑞鶴さんと翔鶴さんは少し、彼に甘えていますね)

数ヶ月前から様子を見てきたけど、彼女達は甘やかす回数が少ない気がする。どちらかというと、彼に甘えている。

 

(甘えさせてみようかな?)

少しでも負担を軽くしてあげたい。でも、どうすればいいのかしら?

 

(…お勉強しよう)

それから、スマホを弄って色々調べた。

 

(オギャリティ?…へぇ、ふぅん?)

そして、1つの記事を見つけた。これ、実践してみよう。…笑顔を見せて安心させる。成程。それから───

 

(ふふっ。沢山甘えさせてあげますからね?ねっ?)

 

 

side 由良 out

 

 

───────

────

 

 

side 提督

 

 

─第8492離島鎮守府─

 

 

「…………」

現在時刻、05:45。いつもより早く目が覚めた。いや、正確には目が覚めざるを得なかった。だって。

 

『山風と一夜を過ごしたなんて、許せないデース!』

 

「……」

金剛の叫び声が聞こえたから。その他、金剛含む例の5人の声も聞こえた。君達、明石特製の檻にぶち込まれてたよね?どうやって脱出したの?あの檻、とても頑丈で戦艦のパワーでも壊せない代物だった筈。

 

「…着替えるか」

難しい事考えるのはやめよう。顔を洗ってスッキリしよう。…ん?ノック?

 

『霞よ、起きてる?』

 

「あぁ、起きてるよ」

ドアの向こうから霞の声が聞こえた。以前、此処に来た時も霞に声をかけられたな。

 

『朝早くにごめんなさい』

 

「いや、気にしないでくれ」

霞の声が疲れているな。いつものハキハキした喋り方じゃない。

 

『金剛さん達がドンパチ始めそうだから、避難誘導しに来たの。悪いけど、急いで着替えてくれない?』

 

「分かった」

巻き込まれたくないな。急いで顔を洗い、提督服に着替えて部屋を出た。

 

「相変わらず早いわね」

 

「以前も言ったが、迅速に行動するよう鍛えられたからな」

 

「そう。それじゃ、安全な所へ連れて行くわ」

 

「頼んだ」

…あ、小嶋提督の私室から物が壊れる音が聞こえた。急ごう。

 

 

………………。

 

 

「…川内達、早く帰って来ないかな」

あれから1時間近く経った。俺は霞に連れられ、娯楽室に来ていた。

霞曰く、ここ、娯楽室は小嶋提督や艦娘達が寝泊まりする建物から最も離れた所にあるから、比較的安全らしい。

 

「川内さん達が戻ってくるの、今日の夕方頃だから、まだまだ賑やかなのが続きそうね」

 

物凄い疲れた顔してる。本当にお疲れ様です。

 

「…異動したくなってきた」

 

うん。その気持ち、分かる。毎日こんな事が起きるんじゃ、異動したくなる。

 

「あんたの所に異動しようかしら?」

 

「何でだよ」

やめときな?俺の所でも似たような事起きてるから。主に、榛なんとかさんや、涼なんとかさんとかが色々やらかすから。

 

「少なくとも、あんたの所の艦娘は理性的なのが多そうだし、暴走しても誰かが止めてくれそうだから」

 

「あー…確かに」

此処(第8492離島鎮守府)の艦娘達は、修羅場─小嶋提督と重婚した艦娘達によるドンパチ─が始まると、止めるのではなく、逆に煽って楽しむ娘ばかりだ。

 

「それに、お姉ちゃ…んんっ!満潮に会えるし」

 

今、お姉ちゃんって言おうとしたな。思わず頬が緩んじまった。

 

「…何笑ってるのよ」

 

おっと、気付かれた。

 

「いや、微笑ましいと思ってな」

本心を言う。

 

「…忘れなさい」

 

「分かった」

顔赤らめて恥ずかしそうにしてる。しっかりしているが、やっぱり寂しいんだな。

 

「…あ、砲声」

 

「始まったわね」

 

小嶋提督の私室のある方から、砲声が聞こえた。元気だねぇ。あ、また砲声。

 

 

──────────────

 

 

─第8492離島鎮守府、執務室─

 

 

「エ○オン…トー○ギスIII…ア○ツキ…皆、いい奴だった…」

 

例の5人による修羅場から3時間が過ぎた。お気に入りのプラモを壊された事でキレた小嶋提督により、5人を軍刀でザン○バル斬りして入渠ドック送りにした事で終息した。

その後、小嶋提督に呼ばれ執務室へ行くと、ソファーに真っ白になって座る小嶋提督が壊されたプラモの名前をブツブツ言っていた。そして、その小嶋提督の頭を優しく撫で続ける山風が居た。

 

「提督、しっかりして?あたし、また提督と一緒に、ガ○プラ作りたいな」

 

「山風くん…」

 

小柄な山風に頭を撫でられ、嬉しそうな顔をする小嶋提督。うん。とっても犯罪臭がしますね。

 

「…さて、渡良瀬提督。申し訳ありませんが、そろそろ向こうへお戻りください。あまり長時間、鎮守府を開けていると色々マズいですから」

 

「はい、了解しました」

確かに。休暇でもないのに提督が鎮守府に不在って、かなりマズい。

 

「逃げたくなるお気持ちは分かりますが、今後、あまり脱走せず彼女達と向き合ってください」

 

「分かりました」

思えば、俺ってよく脱走するな。本当に気を付けよう。…でも、怖いんだよなぁ。

 

「提督、昔はよく、脱走してた。人の事、言えないよ?」

 

「うっ…」

 

小嶋提督、山風に指摘され、気まずそうに顔を逸らす。あなたもよく、脱走してたんだ。というか、周り海だよね?それに、深海棲艦も多い。どうやって脱走したんだろう?気になるが、聞かないでおこう。

 

 

 

──────────────

 

 

─第603鎮守府、近海─

 

 

「付近に敵影なし。それじゃ、私達はここで」

 

「あぁ。ありがとう」

 

「どういたしまして」

 

小嶋提督と話をし、執務室を出た俺は工廠に向かい、此処(第8492離島鎮守府)に来る時に着ていたスーツと武器を明石から受け取り、装着して向こう(第603鎮守府)へ戻った。流石に心配だからと、霞と複数の艦娘が護衛に就いてくれた。そして、安全な海域まで来た。

 

「色々迷惑かけてすまなかった」

 

「気にしなくていいわ。それじゃ」

 

「あぁ。元気でな」

手を振って別れた。

…さて、戻りますか。

 

「本音を言えば、戻りたくないんだよなぁ」

戻ったら、またドンパチ始まりそうで怖い。

 

「…覚悟を決めろ、俺」

 

 

 

………………。

 

 

 

─第603鎮守府、執務室─

 

 

「おかえりなさい、提督さん」

 

「た、ただいま」

現在時刻、08:50。

此処に戻り、工廠へ向かってスーツと武器を妖精さん達に預け、執務室に向かうと由良が居ました。

どうやら、瑞鶴達は出撃していて不在らしい。メンバーは瑞鶴、葛城、榛名、足柄、阿武隈、涼月だと教えてもらった。

その他にも、漁船警護に翔鶴、千歳さん、摩耶、矢矧、海風、満潮が就いている。

俺が戻ったのを知らせるのは、皆が帰ってきてからにしよう。それよりも、

 

「あ、あの、由良…さん?」

 

「なぁに、提督さん?」

 

「あの、その、逃げた事は深く反省しています」

 

「そうですか♪」

 

「ですから、その…あの…」

怖い笑顔をやめて頂けないでしょうか?怒らせるような事したのは分かっています。

 

「なぁに?」

 

「」

あ、コレ、ダメだ。ブチ切れていらっしゃる。

 

「うふっ♪」

 

「」

とっても色っぽい声。でも、お顔はとっても怖い笑顔を浮かべています。

 

「お仕事しましょう?由良がお手伝いします♪」

 

「」

これ、もしかしなくても、「テメェが脱走したせいで仕事溜まってんだ。さっさと片せ」って事ですか?すぐに片します!

 

「あっ、書類は全て由良がやっておきました。なので、確認をお願いします♪」

 

「」

マジですか?やっべぇ、やっべぇよ。きっとアレだ、「テメェが脱走するから仕事が滞る。次脱走したら殺す」って警告だ。

 

 

──────────────

 

 

(笑顔を見せているのに、何で怯えているのかしら?)

ネットに書かれていた事を実践しているのに。

 

(そ、そうだ、甲斐甲斐しさをアピールしましょう)

既に書類は書き終えてある。提督さんの負担、和らげられたかな?もしそうなら、褒めて欲しいなぁ。

 

「あっ、書類は全て由良がやっておきました。なので、確認をお願いします♪」

よし、これで提督さんに甲斐甲斐しさをアピール出来た…って、あれ?何で顔面蒼白になっているの?見ちゃマズい書類だったのかな?で、でも、何度も確認したし、どれも資材の残量や今月の食費といった、艦娘が見ても問題ない書類ばかりだったし…。

 

 

──────────────

 

 

 

「……」

書類の確認終わり。誤字脱字、ミスは一切無かった。字も綺麗。完璧だ。書類の山を全て確認し、承認の判子を押して確認済のファイルに閉じる。

 

「何か、ミスはありましたか?」

 

「あっ、いや、大丈夫だ」

不安そうな顔をしながら由良が聞いてきた。

 

「ホント?良かった…」

 

「」

うわぁん。またイイ笑顔だぁ。「お前が居なくても、この鎮守府は運営できるんだぞ」って思っているんだろうなぁ。

 

「提督さん、今日は開発、どうします?」

 

「あー…そうだな、爆雷が少なくなってきたから、それを頼む」

以前より潜水艦との戦闘が増えたから、爆雷の消費が激しく、残りが少なくなっているんだよな。

 

「分かりました♪」

 

「」

すっげぇイイ笑顔。どうすりゃ許してくれるんだろう。

…そうだ、そろそろ由良が此処に着任して1年経つ。何かプレゼントしよう。それか、何処か連れて行こうかな?

 

(そんなんで許してもらう気は無いけど)

 

 

──────────────

 

 

(うーん、どうもいい反応じゃない)

笑顔を見せて甲斐甲斐しさアピールしても、彼の反応はイマイチ。

 

(諦めないから!)

母性をアピール、甘えてきたら、沢山甘えさせる。

 

『バブみを感じてオギャってください♪』

 

『マ"マ"ーーーーーーーーーッ!!!』

 

「……」

最終的にはこうなる。記事に書いてあった。

 

(沢山アピールしなくちゃ!)

 

 

──────────────

 

 

 

「…なぁ、由良」

 

「なぁに、提督さん♪」

 

工廠に行き、妖精さん達に頼んで爆雷を作ってもらっている間、由良に話しかけた。

うーん、とってもいい笑顔。いや、瞳孔かっ広げて歯を剥き出しにした笑いじゃないんだけど、どこか恐怖を感じる。

 

「そろそろ由良が此処に着任して1年が経つけど、何か欲しい物とか無いか?」

 

「うーん…そうですねぇ」

 

真剣に考えている。何でもいいぞ?

 

「…お休みが欲しいですね」

 

これ、アレだ。「此処で一番戦闘力高いからってこき使いやがって。もっと休み寄越せ」って奴だ。休み与えているけど、足りないって奴だ。すんません、大至急シフト調整します。

 

「わ、分かった。シフト調整する」

 

「あと、提督さんと一緒にお出かけしたいです♪」

 

あっ、きっと「何処にも連れて行ってくれないから、ストレス溜まってるんだ。何処か連れてけ」って奴ですね。ごめんよ、今まで何度か出かけないか?と誘ったけどその度に断られたから、鎮守府で過ごすのが好きなんだと思ってた。

 

「そ、そうか。行きたい所が決まったら、教えてくれ」

 

 

──────────────

 

 

(やった♪お出かけする約束出来た!)

今まで何度か彼に誘われたけど、外に興味が無かったから断ってきた。

 

(お仕事で二人きりになった事は何度かあるけど、一緒にお出かけするのは初めてね)

お出かけしたら、沢山母性をアピールして甘えさせてあげよう。

 

 

──────────────

 

 

 

「…よし、これだけあれば暫くは大丈夫だ」

開発は大成功。三式爆雷が3ダース分作れた。

 

「やりましたね?ねっ?」

 

とっても嬉しそうだ。「これで潜水艦を血祭りにあげられる」と思ってるのだろう。

 

「…さて、仕舞うか」

爆雷の入った箱を保管庫へ運び、仕舞った。

これでよし。書類に爆雷を開発した事を書かなきゃ。あと、消費した資材も。

 

 

………………。

 

 

「えーと、先月の消費した資材の数と今月の消費した数は…」

工廠から執務室に戻り、書類仕事を続ける。武器弾薬より燃料の消費の方が多いな。…ん?ノック?

 

『木曾だ。由良さん、封筒が届いたぞ』

 

「入ってくれ」

 

『えっ、その声、提督?』

 

木曾が驚いてる。まだ戻ってきていないと思っていたんだろう。扉を開けて入室してきた。

 

「まさか、もう戻ってきているとは思わなかったぜ」

 

「流石にマズいと思って、戻ったんだ」

正確には、小嶋提督に戻るよう言われたから、だけど。本当はもう少しだけ向こうに居たかった。

 

「そうか。おっと、お届け物だ」

 

「ありがとう」

木曾から封筒を受け取り、封を開ける。何の書類だろう?…あ、江ノ島鎮守府、藤原大将からだ。何何…お、鈴谷の第二次改装の書類と設計図だ。そういや、送ってくれるって言ってたっけ。

 

「嬉しそうな顔してるな」

 

「あぁ、鈴谷の第二次改装の書類と設計図が届いたからな」

書類を木曾に見せる。嬉しそうな顔してるよ。

 

「鈴谷も喜ぶだろう」

 

「だな」

さて、いつ改装しよう?あと、資材の消費量も確認しなきゃ。えーと、資材の残量が書かれたファイルは…

 

「はい、提督さん」

 

「あ、ありがとう」

ファイルを探そうとしたら、由良が差し出してくれた。相変わらず笑顔だ。本当にどうしたんだ?木曾も由良の笑顔を見て震えてるよ。

何度も言うが、決して瞳孔をかっ広げて歯を剥き出しにして笑っているわけじゃない。普通の、そう、満面の笑みだ。でも、何故だか恐怖を感じてしまう。

 

「ふふっ♪」

 

「」

「」

 

マジでどうした、由良。

 

「…あー、由良、どうしたんだ?」

怖いけど、思い切って聞いてみよう。どうして今日はそんなに笑顔なんだ?

 

「どうした、とは?」

 

キョトンとした顔をしながら首をかしげた。可愛らしい。

 

「いや、その、今日はいつもと違って笑顔が多いと思って…」

言った。言っちゃった。これでもし、「オメーが脱走しまくるからイラついてるんだよ」って言われたらどうしよう?

 

「それはですね…」

 

「そ、それは?」

心臓がバクバク言ってる。なんて答えるんだろう?

 

「秘密です♪」

 

「」

「」

 

由良、人差し指を唇に当てながら方目を閉じて微笑む。

俺と木曾、無言で固まる。

 

(あっ、これ、アレですね、「テメーの脱走のせいでイラついてるんだ、言わなくても分かるだろ?」って奴ですね、ハイ)

完全にお怒りですね、これ。

 

 

 

──────────────

 

 

(言えないですよ。母性をアピールしています、なんて)

というか、そんな事を素直に言っても、信じてもらえないでしょう。…あれ、提督さん?木曾さん?どうして顔面蒼白になって固まっているの?由良、何か変な事言いましたか?

 

「もう少しで本日分のお仕事が終わります。頑張りましょう?」

このペースなら、お昼前に今日やるお仕事が全て終わります。そしたら、提督さんと沢山お話したいなぁ。

 

 

 

──────────────

 

 

 

数時間後。

 

 

「…………」

やっべぇ。やっべぇよ。由良さん、完全にブチ切れモードじゃないですか。

 

(マジでどうしよう)

あの後、仕事を再開して本日分の業務を全て終わらせた。木曾は執務室を出た後、再び自主練に戻った。

そして、軽く昼食を摂り工廠裏に来て1人、休憩している。

 

「…脱走するの、やめよう」

事ある毎に逃げるのは、本当にやめよう。

 

「…どうすっかな」

今後の事について考える。俺は、瑞鶴と翔鶴の2人と重婚する。そして、俺に好意を寄せてくれる娘達を全員娶ろう。覚悟を決めろ。

 

「でも、重婚に反対する榛名をどうするか、だな」

養成所の時と比較にならない程暴走した榛名を思い浮かべる。説得して聞き入れてくれるのだろうか?

 

「…出来る出来ないじゃない。やるんだよ」

爺ちゃんから教わった言葉を口に出す。とにかく、よく話し合うしかない。

 

「あと2時間後に戻ってくる」

出撃と漁船警護に出た娘達が此処に戻って来るのは、約2時間後。休憩する前に連絡が来た。

 

(瑞鶴、大丈夫かな?)

出撃組の旗艦、瑞鶴から無線が来て俺が応答したら、俺の声を聞いて榛名が瑞鶴に襲いかかり無線を奪って話しかけてきたのには驚いた。驚き過ぎて途中で無線切ったのがマズかった。俺が無線を切って数秒後、再び瑞鶴から無線が来たが、

 

『提督、何故榛名が話しかけたら無線を切ったんですか?何故?何故?何故?何故?榛名の事が嫌いになったのですか?ねぇ、提督、黙っていないで教えてください。提督?ねぇ、提督?』

 

『は、榛名!提督さんとお喋りしたい、気持ちは、分かるけど!キマってる!アームロックキマってるから!私の腕を離して!』

 

『はい、榛名は大丈夫です!』

 

『私の腕は大丈夫じゃないのよ!やめっ、本当にやめっ…痛たたたたたたた!!!痛いっ!!!痛いって!!!』

 

聞こえてきたのは榛名の声と瑞鶴の悲鳴だった。

瑞鶴、ごめん。帰ってきたら、甘えさせてあげるから許してくれ。

 

「…あ、そうだ、浦樹に服返さないと」

服は既に洗って畳み、紙袋に入れてある。今週中に行こう。

 

「その前に、榛名を何とかしないとな」

昨日みたいに暴走したら、どうしよう。というか、確実に暴走するだろう。

 

「…頑張ろう」

とりあえず、今は休憩しよう。榛名の事は、2時間後の俺が何とかしてくれるだろう。

 

 

side 提督 out

 

───────

────





次回予告


提督と結婚したいですか?

\YES!YES!YES!/

重婚を認めますか?

\YES!NO!YES!/

NOと言った人。榛名さんですね?

\はい!/

どうしても、認めませんか?

\重婚は、榛名が、認めません!/

…そうですか。
なら、


O☆HA☆NA☆SHI(物理)が必要ですね



提督は、涼月が、お護りします!



第40話・大惨事、正妻戦争


「よろしい、ならば戦争(クリーク)です」



※鈴谷の過去編は、近日中に公開予定です。お楽しみに(但し、短い)
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