追跡鶴   作:EMS-10

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※注意※
本人達は【大真面目に】戦っています

第603鎮守府及び第08鎮守府の艦娘達は、特殊な訓練を受けています(←ここ、重要)
あなたの鎮守府の艦娘達には、決して真似をさせないでください。



第42話・曇天の海上で輝いて

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、執務室──

 

 

「……はい?」

今なんつった!?扶桑さんが此処(第603鎮守府)に異動?何故?Why?

 

『聞こえなかったの?佐世保鎮守府から第603鎮守府に扶桑型戦艦一番艦、扶桑を異動させる、って言ったの』

 

「い、いえ、聞こえています」

ちゃんと聞こえてます。ただ、俺の脳が意味を理解するのを拒否して聞き返しちゃったんです。

 

『今まで佐世保鎮守府の戦力ダウンを理由に異動させなかったけど、扶桑以外の戦艦の練度と戦闘力が上がったから、そっちに送ることになったの。というか、もう抑えられないから受け取って!』

 

受け取って、って……扶桑さんは宅配物じゃないですよ?いや、人間だからナマモノ……何アホなこと考えてんだよ、俺。

 

『そっちに異動する為に戦果を挙げると言って、毎日毎日、鬼・姫級の生首持ってくるわ、一人で敵棲地にカチコミして壊滅させるわ、扶桑の戦い方を真似る駆逐艦娘が現れるわで、精神が死にそうだった。胃潰瘍になるわ、睡眠障害になるわ、拒食症になるわ、もう大変だったんだからね!』

 

「も、申し訳ございません…」

扶桑さん、何やってんの。

 

『お陰で大佐から准将になれたけど、全く嬉しくない!平和が欲しい!だから異動させるからね!』

 

「り、了解しました」

佐世保鎮守府の提督、大変申し訳ございません。俺のせいで苦労させてしまって。

 

『手続きとかはこっちがやっておくから。拒否権は無いわ。後で返却とか絶対しないでよ!フリじゃないからね!』

 

「アッハイ」

本音を言えばクーリングオフしたいです。でもそんな事したら扶桑さんが更に暴走するかもしれないから我慢しよう。

それから、浅田准将と異動に関する話をした。

電話を終え、受話器に電話を戻す。

 

「……扶桑さんが異動して来るって聞こえたけど、マジ?」

 

「……マジです」

 

「葬儀屋手配しておく?」

 

「浄土真宗だから、それを伝えといてくれ。あと、骨は実家の墓に埋めてくれ」

火葬場の予約とかもしないと。いや、葬儀屋さんに任せるか。一応、遺書を書いておこう。何て書こうかな?

使徒(扶桑さん)着任は、二週間後。やる事が多いなぁ?はっはっはっ!

というか、いきなり過ぎて未だ頭が理解しきれていない。

 

「葬儀屋手配しておく、って言ったけど、提督が死んだら瑞鶴さん達が戦争起こしそうだから生きて」

 

「……うん。頑張る」

数ヶ月前、カチコミしてきた時、和解出来たと思ったんだけどなぁ。ダメだったのかぁ…。

 

 

 

──第603鎮守府、提督私室──

 

夜。

 

 

「絶対護ってあげる。だから、安心して!!」

 

「マジでお願いします」

執務を終え、夕食を摂り入浴したあと、瑞稀(瑞鶴)を部屋に呼んで扶桑さんが異動してくる事を話した。静流(翔鶴)も部屋に誘ったが、体調が悪いから休むと言われ、自室で寝ている。

 

「ぬわぁ~ん、もう嫌だぁ~」

 

「よしよし」

 

瑞稀の胸に飛び込む。あ~、柔らけぇ。暖けぇ。

女性の身体って、柔らかいんだなぁ。あ、瑞稀の心臓、バクバク言ってる。

 

「心臓の音凄いな」

 

「あはは、バレちゃったか」

 

顔を赤らめ、少しだけ恥ずかしそうに微笑んでる。可愛い。

 

「……よし、復活」

癒された。これでまた戦える。

 

「え~、もっと抱き着いていてよ」

 

本当はもっと抱き着いていたいけど、これ以上は理性が崩壊しそうだから離れる。

 

「逃がさないわ」

 

わーい、抱き締められた。…痛い痛い、力入れ過ぎ。

 

「ほらほら、もっと甘えてよ」

 

いや、甘えたいけど、暴走しそうだから我慢しているんです。

 

「夜はこれからよ!」

 

「夜は寝ましょう」

睡眠は重要なんだぞ?睡眠不足は正常な判断が出来なくなったり、体調崩したりするんだぞ。

 

「分かった。一緒に寝るわ」

 

「自分の部屋に戻りなさい」

今一緒に寝たら、手を出しそうなんだよ。マジで最近ムラムラが収まらないんだよ。

それから暫く、瑞稀に抱き締められたが鋼の精神で堪えた。

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

side 翔鶴

 

 

来る。扶桑が。此処に。

 

「……奪わせない」

監視させた妖精さん達から、夕立さんの物理的説得で時雨は計画を諦めたと報告を受けた。でも、油断しちゃダメ。何かの拍子で再び仕掛けてくるかもしれない。

 

「味方を増やしておきましょう」

私一人では、限界がある。由良さんを誘おうかしら?彼女、重婚肯定派で準の事を本気で護ろうとしているし。

 

「忙しくなるわね」

まだまだ先は長い。諦めず、頑張っていきましょう。

 

 

side 翔鶴 out

 

 

───────

────

 

 

side 提督

 

 

──第08鎮守府、執務室──

 

 

一週間後。

 

 

「本日は、よろしくお願いします!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

演習のお誘いを受けた俺は、加藤中佐の運営する第08小隊…じゃなかった。第08鎮守府へ来ている。

演習のメンバーは、こちらは旗艦瑞鶴(改二甲)、山城(改)、摩耶(改二)、阿武隈(改二)、海風(改)、涼月(未改装)の6名だ。

対する第08鎮守府からは、旗艦瑞鳳(改二乙)、霧島(改二)、鳥海(改二)、五十鈴(改二)、村雨(改二)、荒潮(改二)の6名。

 

(相手は全員、改二か)

艤装の性能では、こちらが若干劣っている。でも、それは俺の指示でカバーすればいい。艤装の性能の違いが、戦力の決定的差ではないという事を、教えてやる!

…あ、そうだ、今のうちに借りてた服を返そう。あと、実家に帰った時に買ったお土産も渡そう。妖精さんの素敵技術、特殊な空間に仕舞ってもらっていたから腐敗も劣化もしていない。

 

「あの、加藤中佐、先日お借りした服を…」

 

「今は僕と準の2人だけだから、口調を崩して構わないよ」

 

「…分かった」

んじゃ、早速タメ口使わせてもらうぜ。

 

「こっちが、浦樹から借りた服。こっちが瑞鶴が借りた服だ。あと、これはお礼とお詫びのお菓子だ」

紙袋に入れた服と、お土産を浦樹に渡す。

 

「ありがとう」

 

「…俺、演習なんて久々だから、少し緊張しているんだ」

養成所以来だから、上手く出来るか不安なんだよなぁ。

 

「気持ちは分かるけど、緊張し過ぎるなよ?」

 

「あぁ」

それから、演習開始まで浦樹と軽く雑談をして緊張を解した。

 

「……そういや、瑞鳳と荒潮とは上手くいっているか?」

気になったから聞いてみた。あれ、顔青くなった。どうした?

 

「…祥鳳まで参加しました」

 

「」

薮蛇だったか。

 

「…準の方はどうなんだ?」

 

「…先日、大惨事正妻戦争が勃発した」

嫌な事件だったね。

そうそう、由良と榛名のメンタルがアレな事になったから、一昨日、予約したカウンセリングを受けさせたんだけど、結構マズい状態だと先生──妙齢の女性のカウンセラーだった──に言われた。

 

『さっさと抱いちまえ』

 

そして、俺と先生の2人で話をしていたら、サラッと、とんでもないアドバイスをされた。

いやいやいや、ダメでしょ。最終的には責任取るけど、今すぐはマズいですって。ケッコンカッコカリも、ジュウコンカッコカリもしていないんですよ?俺がそう言うと、呆れた顔をしながらこう言われた。

 

『その為にゴムがあるんだよ』

 

あのねぇ、そりゃないですよ。というか、あなた大本営直属の人間でしょ?艦娘と提督の不純異性交遊を推奨しないで。

 

『バレなきゃいいんだよ』

 

「……」

思い出したら、頭痛くなってきた。思わず頭に手を当てたら、浦樹に心配されてしまった。

 

「……大変だったんだな」

 

うん。大変だった。それなのに、扶桑さんが来る。更に大変になるな。もう勘弁してください。

 

「……俺から話を振っておいてなんだけど、今だけはこの話するのやめよう」

 

「……だな」

 

胃が痛くなってきた。妖精さん特製胃薬飲もう。

 

 

………………。

 

 

──第08鎮守府、埠頭──

 

 

「では、これより第603鎮守府対第08鎮守府の演習を開始します」

 

埠頭に集まった演習に出る娘達に、加藤中佐が説明をしている。

予報では降らないと言っていたが、天気は今にも雨が降りそうな曇天。幸い風は弱い。

 

「以上が、ルールになります。何か質問はありますか?」

 

中佐は艦娘達を見回して確認を取る。

 

「……無いみたいですね。では、それぞれ艤装を展開して所定の位置に就いてください。就き次第、無線で連絡してください」

 

「「「「「「了解!!!」」」」」」

 

全員が敬礼をしながら返事をした。

さて、ウチ(第603鎮守府)の面子に少し声をかけるか。…あれ、摩耶?何処に行くんだ?あれは、鳥海か。彼女と何か会話している。知り合いなのか?少し様子を見よう。

 

「─────」

「─────」

 

摩耶の顔が険しい。鳥海は、どこか申し訳なさそうな顔をしている。何を話しているんだ?…あ、戻ってきた。

 

「……あ」

 

「よう」

俺に気付くと、摩耶は気まずい顔をした。聞かない方が良さそうだな。

 

「ちょっくら声掛けに来た」

 

「……そうか」

 

元気が無い。どうしたんだ?気になるが、追求するのはやめておこう。

 

「いつも通りやればいい。見守ってるぜ、摩耶様(・ ・ ・)

余計な事は言わない。ただ、俺と摩耶の間でのみ通じる言葉を投げかける。

 

「…おう、任せとけ!」

 

あ、いつもの笑顔になった。空元気とかじゃない。

 

「よし、それじゃ皆の所に行こう」

 

「あいよ」

 

 

………………。

 

 

『こちら、旗艦瑞鶴。全員所定の位置に就いたわ』

 

「了解」

瑞鶴から準備が整ったと無線がきた。

 

「こちら、渡良瀬少佐です。加藤中佐、準備が整いました」

加藤中佐に無線で連絡を入れる。今は仕事中だから、敬語を使う。

余談だが、俺と加藤中佐は約100m離れて立っている。理由は、指示を聞かれない様にする為だ。作戦指示が丸聞こえだと、意味が無いからな。

 

『了解しました。では、演習、開始!』

 

加藤中佐が演習開始の指示を無線で出した。俺も瑞鶴達に伝えなければ。

 

「瑞鶴、演習開始だ」

 

『了解!』

 

「まずは単縦陣のまま航行。彩雲を飛ばして索敵を行ってくれ」

最初は索敵をさせる。改二で艤装とのシンクロ率が非常に高い(・ ・ ・ ・ ・)瑞鶴は、他の正規空母より一度に操れる艦載機の数が桁違いに多い。それを生かして、彩雲を複数機飛ばすよう指示を出した。

さて、向こう(第08鎮守府)はどう出る?

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

side 摩耶

 

 

(くそがっ!)

何でアイツは未だ艦娘をやっているんだよ。

 

「摩耶さん、どうかしました?」

 

「……いや、何でもない」

阿武隈に声をかけられた。今は演習中だ。集中しろ。

 

「敵艦隊、見ゆ!方角、北西!距離、約48,000m!」

 

「ッ!」

瑞鶴から演習相手を見つけたと報告が入った。この距離からじゃ、アタシの主砲は届かない。山城の砲撃もギリギリ届かない。もう少し近付く必要があるな。

 

「敵艦載機、発見!」

 

涼月が鋭い声で叫んだ。それと同時に、艦載機のエンジン音が聞こえた。見付かったか。

 

『瑞鶴、まだ攻撃機は発艦させるな。烈風を飛ばして敵艦載機を迎撃するんだ。』

 

「了解!」

 

「対空戦闘なら、アタシに任せな!」

第二次改装を受けてから、対空戦闘が得意になった。さぁ、来るなら来い!一機残らず撃ち落としてやる!

敵艦載機が去ってから数分後。レーダーに艦載機の反応を複数キャッチ。敵艦載機──艦爆隊みたいだ。上空高く飛んでいる──のエンジン音が聞こえてきた。数は…少ないな。

 

『輪形陣に変更!対空戦闘用意!』

 

おっと、提督から指示が入った。言われた通り、単縦陣から輪形陣に変更。

 

「初霜さんが居たら、大はしゃぎしていたでしょうね」

 

「ははっ、違ぇねぇ」

涼月が冗談を言いやがった。確かに、初霜が居たら「輪形陣!輪形陣です!」ってはしゃいでいただろうな。何ではしゃぐんだろう。今度聞いてみっか。

 

「数が少ない。幾ら軽空母だからって、少な過ぎるわ」

 

山城が警戒しながら言った。確かに艦載機の数が少ない。心理戦は苦手だから、とりあえず、

 

「全部撃ち落としちまおう!」

対空火器を敵艦載機に照準を合わせる。距離、角度、良し。レーダーには今の所、9時の方角から迫って来る敵艦載機以外は何も映っていない。

射程圏内まで、我慢だ。まだ。まだだ。……今だ!

 

「墜ちろ、カトンボ!!!」

まずは先頭を飛ぶ艦載機へ対空砲をぶっ放す!1機撃墜!

 

(良い動きだな)

アタシが撃つ直前、回避行動を取りやがった。予定では2機以上落とすつもりだったんだけどなぁ。

 

「────撃てッ!」

 

涼月が対空砲を撃った。すげぇ、一発で3機も墜としやがった!…ドヤ顔してらぁ。未改装であの精度。改装されたらどうなるんだ?

 

「ッッッ!後ろ!敵艦載機、接近!!!」

 

「えっ!?」

海風が叫んだ。レーダーを確認する。3時と6時の方角から、複数の反応有。この反応は…艦載機かよ!しかも、艦攻だ。数は多い。海面ギリギリを飛んでいる。相当いい腕みたいだな。

 

「さっきのは囮だったのか!?」

やられた。でも、まだ間に合う。撃ち墜としてやる!

 

「正面、12時の方角より、戦艦霧島が発砲!!!」

 

阿武隈が叫ぶ。くそっ、やられた!

 

「袋のミッ○ーマウスね」

 

「ミッ○ーは、マズい」

瑞鶴、袋のネズミって言いたいのか?夢の国のネズミの名前を安易に口に出さない方がいいぞ?グラサンかけてスーツ着た人達がやって来て連行されちまうぜ?

…お、瑞鶴が烈風で、3時の方角から来た敵艦攻隊全滅させやがった。続いて6時の方角へ撃墜しに向かってくれたが、間に合わないだろう。6時の方角から来た艦攻隊は、アタシと涼月で対処するか。

 

「冗談言ってる場合じゃないですよぉ!?」

 

「阿武隈ァ、情けない声出すなよ」

艦攻隊に対空射撃をしながら励ました。……やべっ、外した!

 

「イ゛ェ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!!」

 

涼月がカバーしてくれた。ナイス!……でも、女がそんな声出しちゃマズいと思うぞ。

とりあえず、敵艦載機は全滅出来た。次は霧島の砲撃を避け…風切り音!?しまった、回避!

 

「くっ!?」

霧島の砲弾がアタシの十数m手前に弾着。あっぶねぇ。被弾は……していない。他の皆は?

 

「ふっ、ふふっ…不幸だわ」

 

山城の奴だけ、至近弾食らって小破した。不運(ハードラック)(ダンス)っちまったみたいだ。

 

『全員、陣形を単縦陣にしろ。瑞鶴、今だ、ありったけの攻撃機を飛ばせ!』

 

「了解よ!全機爆装!目標、敵艦隊。やっちゃって!!!」

 

提督から無線に指示が来た。陣形を輪形陣から単縦陣に変更。

うっは、瑞鶴の奴、弓に矢を3つも(つが)えて放ちやがった。相変わらず規格外だなぁ。

 

『山城、主砲を撃って霧島を牽制してくれ!』

 

「分かったわ。主砲、良く狙って、撃てッ!」

 

流石戦艦。艤装の加護で護られたけど、鼓膜が痛くなるほど大きい砲声だなぁ。

 

『ハァッ!!』

 

「ッ!?」

相手との距離が近いから、混線しているのか無線から声が聞こえた。もしかして、今の声、霧島のか?

 

「嘘でしょ!?」

 

「マジかよ…」

霧島って奴、山城が撃った主砲の弾を素手で弾き返しやがった。阿武隈が、悲鳴に似た声出して驚いている。

 

「…ほぅ?」

 

や、山城?どうした?そんな獰猛な笑みを浮かべて。

 

「一発でダメなら……」

 

山城さん?山城さーん?主砲向けて何を……

 

「100発ぶち込めばいい!!!」

 

「ぬわあああああああ!!!」

山城の奴、スイッチ入りやがった!

慌てて山城から距離を取る。直後、山城の主砲三基が火を吹いた。

 

『ふむ、私の計算によれば……』

 

あ、また声が聞こえた。冷静な声だ。

 

『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!』

 

「」

嘘だろぉ…また素手で砲弾弾き返しやがった。というか、お前はス○ンド使いかよ。頭がどうにかなりそうだ……。

 

「……ふっ……ふふふっ……うふふふふふっ……」

 

「」

あの、山城…さん?早霜みたいな笑い方していますよ?

 

「面白い……面白いじゃない!!」

 

あっ、山城の奴、狂戦士モードに突入した。怖いから離れとこう。

 

「撃て!撃ちまくれ!砲身が焼けるまで、撃ち続けろ!!!」

 

山城、主砲を再び斉射。うわぁ、砲身が赤くなってきてるぞ。山城の艤装に宿る妖精さん達、涙目だ。可哀想。

 

「や、山城、艦爆で霧島を攻撃してもいい、かな?」

 

「あ"?」

 

「霧島以外の艦娘に爆撃します、ハイ」

 

瑞鶴、山城の眼光とドスの効いた声にビビってる。

……いや、今は演習中だろ、私情は捨てようぜ?

 

『瑞鶴、構わず霧島に爆撃しろ。山城、今は演習中だ。私情を捨てろ!』

 

「……分かったわ」

 

提督が叱ってくれた。お陰で山城は大人しくなってくれた。

瑞鶴の彗星一二型甲の爆撃が開始。霧島が爆風に包まれた。フラグになるから、言わないでおくか。

 

「やりましたか?」

 

涼月ィ!それ、フラグ!

爆風が晴れると、霧島は…中破。

 

「あら、フラグでしたか」

 

おい。分かってて言ったのかよ。

 

「なら、もう一度爆撃を…」

 

「その必要は無いわ」

 

「ほむ…山城?」

瑞鶴がもう一度霧島に爆撃機を飛ばそうとしたら、山城が静止した。山城の飛行甲板には、瑞雲がセットされている。あ、もしかして、アレやるのか?というか、

 

「瑞雲積んでるなら、飛ばして爆撃しろよ」

威力はあまり高くないけど、それでもダメージは与えられる。

 

「瑞雲は相手に叩きつける物。飛ばして爆撃させる物じゃないわ」

 

「いや、違うと思う」

絶対運用方法違うと思うぞ。由良のせいか?由良のせいだな?

 

「メガネ叩き割ってやらあああぁぁぁぁぁ!!!」

 

「「「「「山城!?」」」」」

あいつ、霧島に突撃しやがった!結構速い!お前、低速艦じゃなかったか?30ノット以上は出てるぞ?……あ、飛行甲板叩き付けた。

 

『霧島、大破。速やかに離脱せよ』

 

無線から、加藤中佐の声が聞こえた。山城、やりやがったな。

 

「タービンガン積みしたから、速いわ」

 

だから速かったのか。……あのさ、徹甲弾とか積もうぜ?火力ガタ落ちするんじゃないか?

 

「瑞雲があれば、何とかなるわ」

 

アタシの考えている事が分かったのか、山城は不敵に微笑みながら言いやがった。もう何も言わない。

ちなみに、山城は中破寄りの小破だ。戦艦って頑丈だな。

 

「五十鈴、村雨大破!あとは全員小破。ごめん、全部大破に出来なかった!」

 

「了解!気にすんな、あとはアタシ達が何とかする」

瑞鶴が五十鈴と村雨を仕留めてくれた。これで数的有利になった。でも、油断しない。

 

「……さぁて、やりますか」

目標は、鳥海だ。言いたい事が山ほどあるが、今は倒す事だけに集中しろ!

 

「さぁて、派手にやるぞ!カーニバルだぜッ!!!」

 

 

side 摩耶 out

 

 

───────

────

 





次回予告

矢尽き刀折れる。
武器は無い。
何寝言を言っているのですか?
肉体があるじゃないですか!
武器が無いなら、殴れば良いじゃないですか!
……というわけで、殴りに行きます。
涼月、吶喊します!!!


第43話・艦載機は叩き付ける物


「空母はインファイトする艦種じゃ無いです」



※霧島さんは、とっても可愛い女の子です。いいね?
※霧島嫁提督の皆さん、許してくださいなんでもしまかぜ
※近日中に、木曾の過去編を投稿します。2話〜3話を予定。
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