一部、現実とは異なる描写が含まれています。
予めご了承ください
side 提督
──某県某所──
午後。
俺は今、重大な選択を迫られている。
下手したら、社会的に死ぬかもしれない。
その前に自ら命を絶った方がいいのかもしれない。
よし。
「ちょっくら屋上行って紐なしバンジーしてくる」
自ら命を絶つ、を選択。
「ちょっ、何言ってるの!?」
「ダメです、提……準さん!」
「勝手は、
「離せ!」
えぇい、両腕を掴むな!腰にしがみ付くな!
「大袈裟だよ!たかが、
私達の下着を選ぶだけなのに!!」
瑞稀、大声で言わないでください。
おっと、言うのが遅くなったが、俺は今、
それはいい。いいんだが、
「女性用下着売場に入る度胸は持っていません!」
そんな事したら、死ぬ。社会的に死ぬ。だから屋上に行って紐なしバンジーするんだ。頭から落ちれば、あの世へゴール出来るだろう。爺ちゃん。顔も声も知らない親父とお袋。先立つ不幸をお許し下さい。
「大丈夫、大丈夫だから、恥ずかしがらないで!」
「そうです。涼…私達が準さんに選んでもらいたいのです!」
「もし誰かに何か言われたら、陽菜達が全力でお護りします!」
「無理です」
幾ら頼まれても、NO、です。
あっ、店員さん、利用されてるお客さん達、騒がしくしてごめんなさい。今すぐ静かになりますんで、許してください何でもしますから。
……さて、どうしてこうなったのか説明しよう。
そう、あれは今から1週間ほど前の事だ。あんまり思い出したくないが、回想する。
──────────────
──第603鎮守府、執務室──
「(資材が)爆死した」
妖精さんから報告を受けて確認したんだけど、資材がそれぞれ一桁減っていた。うん。爆死だ。
「ば、爆死って……鉄血イベントのガチャをしたのですか?お金の使い過ぎはよろしくないですよ?」
「気を付ける」
本日の秘書艦、ゾンb…涼月が苦笑いをしながら書類を捌いている。ソシャゲに
……何を言ってるんだ、俺は。
昨日、ベルセルクが、両手足を複雑骨折し、艤装が轟沈一歩手前まで大破するまで演習をしやがった。
……えっ?ベルセルクって何、だと?ベルセルクってのはな、ヤ○グアニマルで不定期に連載されているマンガで、アニメ化もされた……分かった分かった、真面目に説明するよ。
扶桑さん、翔鶴、由良の3人を指す言葉だ。何でベルセルクと呼ぶ事にしたかって?
まず、ベルセルクとは北欧神話に登場する狂戦士らしい。あっ、俺は神話とかあんまり詳しくないから、ネットでググッた事をコピペして説明するぞ。
話を戻す。ベルセルクは、獣の皮を纏い自ら異常興奮状態に陥って、敵味方の区別なく虐殺したという狂戦士、と言われているから、
獣の皮=艤装。敵味方の区別なく虐殺=演習で戦った。
という単純な理由で名付けた。以上、説明終了。
……前話でベルセルクに何があったか。そのあと俺がどうなったか知りたい?
……分かったよ、話してやる。
演習を始めたベルセルクは、さっきも説明したが、両手足複雑骨折、艤装は中破の状態になった。んで、ベルセルクは気付いた。
『このまま帰ったら、失望させてしまう』
うん。時すでにお寿司……じゃない、時すでに遅しって言葉、知ってる?あぁ、失望はしないから安心して?代わりに怖がるけど。
おっと、また話が脱線しちまったな。んで、何を思ったのか、「手ぶらで帰れば失望させてしまうから、ちょっくら外洋に出て鬼・姫級の首を持ち帰ろうぜ」となったらしい。ツッコミどころ満載だが、ツッコミは入れないでくれ。疲れるだけだから。
それで、両手足複雑骨折、艤装は中破の状態で外洋に出て、首狩りを始めた。流石にボロボロだったから手こずったそうだが、装甲空母鬼と、その護衛艦隊を発見、カチコミかけて首を狩ったそうだ。
しかし、装甲空母鬼を1体狩った直後、他の装甲空母鬼2体と護衛艦隊達が襲来。普通なら死ぬ。けど、ベルセルクは逆に満面のマジ○チスマイルを浮かべて狩ったそうだ。
結果、演習で3人は中破していた為、上手く動けず何回か被弾して大破状態になったが、全ての敵護衛艦隊をブ○リーの如く全て
ただ、装甲空母鬼の顔が恐怖で歪んでいた、とだけ言っておこう。
「説明長いな……」
読者が飽きてブラウザバックしちゃうね。きっとそうだ。久々に謎電波受信しちゃったよ。
「えっ?説明が、長い?」
「独り言だ。気にしないでくれ」
仕事している涼月が怪訝そうな顔で見てきた。本当に気にしないでくれ。
「提督がそう仰るなら」
素直に聞いてくれた。いい娘だ。
そうそう、言い忘れたが、最新涼月が大人しくていい娘になった。少し前までゾンビだったのに。
(重婚の話をしてから、以前の涼月に戻った)
料理に媚薬をぶち込まなくなったし、俺が入浴していても乱入して来なくなった。危険な目付きで俺を見て来なくなった。それどころか、俺が嫌がる事、俺の負担になる事を一切しなくなった。
(癒しキャラになりつつある)
いい……。
「……あっ、提督」
「どうした?」
1枚の書類を持って俺の前に来た。
「資材の残りが心許なくなっています」
「うん、知ってる」
ベルセルクのせいで、艤装の修復と燃料・弾薬を大幅に消費しちゃったからね。その事実を知ったあの3人は、入渠後、顔面蒼白になって土下座しに来たけど、気にしてないから軽く注意するだけで許した。本当に気にしてないよ?
「出撃などは、いかが致しましょうか?」
「暫く休養状態にしよう」
そうするしかない。既に大本営に報告してある。あとでお小言言われそうだが、知ったこっちゃねぇ。
「次の資材支給は、2週間後。それまで、第603鎮守府を休養状態にする。つまり、お休みだ」
だから、出撃や警護はしない。休養状態の間は、代わりに他の鎮守府がやってくれる。今まで一度も休養状態にしなかったから、たまにはいいだろ。文句を言われたら、俺が何とかしてやる。
「そうですか。それは、提督もお休みする、という事ですよね?」
「あ〜……そうなる、のかな…」
お前、休んでばっかだろ!って声が聞こえる気がしたが、きっと気のせいだ。俺は休むぞ!社畜は辛いんだぞ?せっかくの休養状態だ。少しくらい羽根伸ばしてもいいだろ。
…………。
「……というわけで、第603鎮守府は休養状態にします」
放送で皆を会議室に集め、説明した。直後、歓声に包まれた。おーおー、嬉しそうだな。まるで夏休みを貰った学生達みたいだ。
「あっ、そうだ。もう一つ伝えなきゃいけない事があったんだ」
最近、俺の下着が減っている事を話さないと。
「単刀直入に言う。最近、俺の下着が減っているんだが、心当たりのある娘は、後でいいから返してください」
「あっ、ごめん。返すの忘れてた」
「瑞鶴、今ここで言わなくていいよ」
正直なのはいい事だけど、今ここで言わないで。
「……言い忘れてた。外出するのは構わないが、外出届けは、しっかり出してくれ。いいな?」
あっぶね、言い忘れるところだった。
「「「「「「は〜い」」」」」」
「最後に。一度に外出するのは4人までとする。皆と話し合って決めておいてくれ」
全員が外出してしまったら、何かあった時対応出来ない。だから、念の為。
これでよし。さて、俺はいつ出掛けようかな?
頭の中で出掛ける日時と、出掛ける先を考えていた時だった。
「提督は、いつお出かけされるのでしょうか?」
涼月がそう言ってきた。そうだな……Sガ○ダムのプラモが三日後に出るから、三日後にしよう。待ちに待ったSガ○ダムだ。EX-Sは出てるけど、何故かSガ○ダムは今まで出なかったんだよなぁ。何でだろ?大人の事情って奴か?
「三日後に出掛けようと思ってる」
俺はそう言った。直後、一部の娘達が殺気立った。
えっ、ちょ、どうしたの?
ちなみに、殺気立ったのは、瑞鶴、翔鶴、涼月、扶桑さん、由良、榛名、葛城、時雨。この8人だ。
あ、あの、瑞鶴達?席から立ってどうしたの?
「提督、三日後に出掛けたら、また別の日に出掛ける予定はありますか?」
翔鶴、落ち着いて?そんな血走った目で見つめられたら、ビビってお話が出来ないよ。
「い、いや、無い」
本当に無い。積んだガ○プラ作ったり、録り溜めたアニメやドラマを見るから、出掛ける予定は無い。
「……分かりました」
翔鶴、ハイライト消えてる。どうしたの?あっ、瑞鶴達が1箇所に集まった。何をする気?
「……ジャンケンで決めましょう」
「勝った3人が、三日後に出掛ける権利を得る」
「いいでしょう。全力でお相手します!」
翔鶴と葛城、榛名がそう言った。そんなに俺と一緒に出掛けたいの?やめときな?ガ○プラ買ってメ○ンブックス寄ってウ=ス異本買ってゲーセン寄るだけのクッソつまらん予定だよ?
「もう、これで、終わっていい。だから、ありったけを……」
翔鶴、落ち着いて。拳に血管浮かんでる。ジャンケンするんでしょ?殴り合いするわけじゃ無いでしょ?そんなに力込める必要は無いんだよ?
「This way」
扶桑さん、髪の毛!美しい濡れ羽色の髪の毛が、1本残らず逆立ってる!重力どうなってんの?もしかして、重力操れるの?
「first comes rock」
由良?由良さん?由良様?その構えは明らかジャンケンじゃなくて殴り飛ばす構えだと思います。戦闘力13kmですか?ボしてジャ○ャン拳で瑞鶴達を仕留める気じゃないですよね?ねっ?
「「「「「「「「くたばれやオラァ!!!」」」」」」」」
「やめろォ!?」
ジャンケンじゃなくて殴り合いになっちゃったよ!
この後、俺がやめるよう注意して、クジ引きで決めさせた。結果は。
「やったぁ!瑞鶴には、幸運の女神が付いていてくれるんだから!」
「この結果は……助かります!」
「ヒャッハー!!!」
瑞鶴、涼月、榛名の3人に決まった。約1名、キャラが崩壊しているが気にしない。気にしたら負けだ。いいね?
(榛名、か……)
カウンセリングを受けてから、少しずつ回復しているが、未だ完全じゃない。これを切っ掛けに、少しだけでもいいから回復してくれればいいんだが。
(さて、予定を考えるか)
───────
三日後。俺達4人は話し合いの結果、ショッピングモールに行く事にした。
全員私服に着替え、車に乗って向かったんだが、
(翔鶴と扶桑さん、由良が怖かった)
能面みたいな顔で見送らないで。心臓を口から吐き出しそうになった。
余談だが、助手席に誰が座るかで軽く揉めたが、「ケンカするなら俺一人で出掛ける」と注意したら、大人しく後部座席に座ってくれた。少し窮屈かもしれないけど、我慢してくれ。
…………。
「到着したぞ」
運転して数時間後。目的地に到着した。休日だから道が混んでて、予定より少し遅れたが、許容範囲だ。
「それじゃ、予定通り準の買い物から済ませましょう?」
「えっと、ガ○プラ売場は……」
「3階みたいですね」
車を降り、インフォメーションを見ながら瑞稀達がそう言った。
仕事が忙しくて予約するのを忘れていたから、売り切れて買えない恐れがある。その為、ショッピングモールの開店とほぼ同時に向かう事にした。3人も了承してくれている。
エレベーターに乗り、目的地へ向かう。おっ、予想より人が少ない。これなら買えそうだ。
「列に並んでくる。すぐ買えると思うから、店の近くで待っててくれ」
「分かった」
「お待ちしてます」
「お気を付けて」
…………。
(やったぜ)
1人1つ迄だったから、無事買えた。良かった。
さて、本来の予定ではこの後、メ○ンブックスに寄ってウ=ス異本を買う予定だったが、瑞稀達が居るからやめておこう。通販で買えばいいや。
さて、瑞稀達の所に行くか。
「お待たせ」
「あ、買えたんだ。おめでとう」
「ありがとよ」
瑞稀がそう言ってくれた。もう満足だ。あとは3人の買い物に付き合おう。その前に。
「コインロッカーに仕舞ってくる」
流石にデカいコイツを長時間持ち歩くのは辛い。だから近くに設置されているコインロッカーにSガ○ダムのプラモを仕舞った。お金を入れて、ドアを閉じて鍵をかけて……よし。
「俺の買い物は終わった。あとは皆の買い物に付き合うよ」
俺の都合で振り回したんだ。これ位は当然だ。時間になるまで、幾らでも付き合う。
「それじゃ、お言葉に甘えて」
「女性の買い物は長いですよ?」
「覚悟しておいてくださいね?」
「上等だ」
幾らでも付き合ってやる。どんなに振り回されても、疲れたりなんかしない。今の俺は目的の物が買えて、キラ付けが完了している状態。無敵だ!
…………。
「……と思っていたんだけどなぁ」
甘く見ていた。まさか、これ程とは。
(これが、男と女の違いって奴か)
俺の場合、気に入った物があるなら試着して、サイズが合うなら即購入、な感じだが、瑞稀達女性は違った。
「これなんてどう?」
「色合いが……」
「流行りが……」
「……」
中々決まらないのである。
正直に言おう。何故そんなに時間が掛かるんだ?何故そこまで拘るんだ?布だぜ?某アイドルの名言(?)を思い出す。
……でもまぁ、楽しそうだからいいか。
「あっ、準、これなんてどう?」
「……」
瑞稀がシャツ(?)を持って俺に見せてきた。すまぬ、瑞稀。俺、ファッションセンス壊滅的だから、コメント出来ない。あと、服の種類や名称がよく分からないから
「……ダメ?」
ちょっと待ってくれ、今想像してる。
瑞稀が持つ服を、脳内で着ている姿を想像。
…………。
いい。
「いい」
似合う。素直にそう思った。
「ホント?」
「あぁ。ただ、俺、ファッションセンス壊滅的だから、あまり参考にならないと思うぞ?」
俺が良いと思っても、女性から見たらダサいかもしれない。だから注意しておいた。俺に聞くより、涼子と陽菜に聞いた方が良いと思うんだけどなぁ。
「そんな事ないよ。気にし過ぎだって」
いやいや、気にしなさいよ。君らは俺と違って顔立ち整っているんだから。
「んじゃ、これ買う♪」
あっ、ちょっ……カゴに入れてレジに行っちゃった。
「提……準さん、あの、私のも、見ていただけないでしょうか?」
「いいぞ〜」
今はプライベートだから、涼子が名前で呼んでくれた。しかし、慣れていないのか提督呼びしそうになっていた。
えーと、どれどれ……白いワンピースか。再び脳内で(ry
「は、陽菜のも、見てください!」
「お、おう」
勿論見る。だから、そんな焦らなくて大丈夫だよ。
それから、涼子と陽菜の服を見て選んであげた。
……帰ったら、ファッションセンス磨こう。ネットとかで調べるか。あと、
………………。
洋服屋を出て時計を見ると、12:28だった。
「今の時間は混んでるから、もう少しだけ見て回ってからお昼にしないか?」
3人に提案してみた。どうやら俺と同じ事を考えていたらしく、賛同してくれた。さて、何処に行こうか?
「あっ、水着……」
涼子の視線の先を見ると、水着売場があった。かなり大きいスペースだ。丁度シーズンだからね。
水着で思い出したが、海水浴が出来る場所は、現在日本には数箇所しかない。理由は深海棲艦のせいです。その為、夏になるとプールが大混雑する。
(去年も連れて行ったなぁ)
仕事が少なかったから、涼子や
「ね?ね?見ていこうよ?」
「いいぞ」
恥ずかしいが、付き合おう。
「私も、見たいです。去年の水着が、サイズが合わなくなっているので」
「陽菜も、去年のが着れなくなったので見たいです!」
「……ねぇ」
「」
み、瑞稀?どうしたの?ハイライト消えた目で、底冷えするような声出して。
「サイズが合わなくなった理由、聞きたいんだけど、いいかな?」
「」
瑞稀〜?瑞稀さ〜ん?どうしてそんな殺気を放っているの〜?ほら、笑顔になって?
「理由、ですか?」
「えっと、水着の」
「「胸のサイズが合わな─────」」
「胸って脂肪の塊だから燃やせば溶けるわね燃やしましょう今すぐ燃やしましょうそうすれば水着を買う必要なんて無くなるわさぁ燃やしましょう選べマッチライターナパームこの3つから選んで選びなさい選べ」
「落ち着け」
涼子と陽菜の、水着のサイズが合わない理由を聞いた途端、瑞稀の奴壊れやがった。
物騒なこと言うな。とりあえず、瑞稀の頭にチョップ喰らわせておく。
「う"ぅ"〜……」
「唸るな」
お前は犬か。
「巨乳なんて滅べ!滅んでしまえ〜!」
あっ、水着売り場に走って行っちまった。他のお客さんの迷惑になるから落ち着きなさい。……ったく。
「あ、あの……瑞稀さんって、ひょっとして私より小──」
「そこまでだ涼子。戦争が始まっちまう」
ショッピングモールが瓦礫の山になりかねん。
「何も言いません」
よし、いい娘だ。
「秋ぐ……
「陽菜、やめなさい」
君、ナチュラルに毒吐くのやめなさい。自分じゃ毒吐いてる自覚がないからタチが悪い。帰ったら少しお話しよう。あと
「はい、分かりました。やめます」
うん。素直でいい娘だ。さて、行きますか。
涼子と陽菜、俺はそれぞれ別れて瑞稀を探す事にした。
何処にいるんだ?……居た。
(親の仇みたいな目で見るなよ)
サイズが大きい水着を睨むな。そんな事してもサイズは変わらんぞ。あと、俺は身体や見た目で選ばないから落ち着け。
「……貧乳じゃないもん。これから大きくなるもん」
「泣くなよ……」
涙目になっていじけてる。
「……そうだ、準に揉んでもらえばいいんだ」
「うん、黙ろうか」
ここ、何処だか分かってる?鎮守府じゃないよ?ショッピングモールだよ?そういう事言っちゃいけません。
………………。
「買えたか?」
瑞稀を見つけたあと、涼子と陽菜を探し、無事合流することが出来た。そして、水着を選ぶ事にした。
瑞稀はダークグリーンのビキニ。
涼子は黒のフリルが着いたホルターネックビキニ。
陽菜は白いパレオ付きのビキニを買った。
………何故水着に詳しいかって?高校時代、唯一の友人だった
「うん♪」
「良い買い物が出来ました♪」
「満足です♪」
「そいつは良かった」
3人とも嬉しそうだ。そうそう、俺も買う事にした。というか、買わされた。「去年買ったのがあるから大丈夫」って言ったんだけど、3人に「買え」と真顔で脅……お願いされたから買った。
せっかくだから、3人に任せることにした。したんだけど、ボクサー型とかブーメランパンツみたいな、とにかく露出が多いのを勧められた。勿論、断固拒否。
3人に任せたらエラいのを買わされると思い、自分で選んだ水着。紺色のサーフ型水着──男性用水着の中では一番露出の少ない奴を買った。ただ、3人に舌打ちされた。解せぬ。
さて、時間は13:30。そろそろフードコートの混雑が落ち着く頃だろう。
「そろそろお昼を食べよう……あれ?」
店を出てそう声をかけたが、返事が無い。
どうしたの?振り返ると、3人とも同じ所を見ている。何見てるの?何か見つけたの?
3人の視線の先を見ると、み、見ると……
(あらぁ〜……)
女性用下着を売るお店があった。うん。見ちゃダメですね。急いで視線を逸らす。
「……ねぇ、準」
「はい、なんで御座いましょうか」
あの、瑞稀さん、なんか、嬉しそうな声ですね。どうしました?
「先程、私達の選んだ水着ではなく、他の水着を購入されましたよね?」
「はい、買いました」
涼子ぉ、なんだよ、その悪魔みたいな笑みは。
「陽菜達、真剣に考えて選んだのに拒否されて、とても悲しかったです」
「ごめんね、流石に恥ずかしくて買えなかった」
露出度高過ぎて着る勇気が無いよ。
「だから」
「埋め合わせを」
「要求します」
「……何をすればいい?」
あっ、この後の展開が何となく分かった。分かっちゃった。アレでしょ?女性用下着売り場に連行して選ばせる気でしょ?
「私の」
「下着を」
「選んでください」
「やだ」
即答しておく。あのね、男の俺が女性用下着売り場に行ったら、変態扱いされちゃう。通報されちゃう。前科持ちになって提督辞めさせられちゃう。だから、やだ。あっ、別に提督辞めさせられるのは構わないんだけど、変態のレッテルは貼られたくないの。
「ほぉら、行こうよ?私の下着、選んでよ♪」
「ダメです!」
右腕を掴まないで!引っ張らないで!必死に踏ん張って抵抗。あっ、強い!こいつ、艦娘の力使ってるな?マズいぞ、瑞鶴は大日本帝国海軍の艦の中でトップクラスの馬力を持っている。本気を出されたら、軽々と運ばれちまう。
「拒否権はありません♪」
「ちょっ!?」
涼子ォ!腰に抱き着くな!背中ァ!柔らかいのが直撃しちゃってます!
「付き合ってもらいます♪」
「ぬわぁ!?」
左腕掴まれた!陽菜、君まで艦娘のパワー使わないで!痛い痛い、力込め過ぎィ!
「ふふふ……」
「うふっ……」
「あははは!」
「ぁ…ぁ……」
や、やめ、やめて!やめてぇ!
side 提督 out
───────
────
─
Another sideという名の番外編
──第603鎮守府──
さて、渡良瀬提督がピンチに陥っているが、ここからは第603鎮守府の様子をお送りしよう。
現在時刻、14:00。クジ引きで提督と一緒に出掛けられなかった艦娘達はどうしているだろうか?少し覗いてみよう。
……ん?銃声?鍛錬場から聞こえる。誰か射撃訓練でもしているのかな?行ってみよう。
「…………」
「…………」
おや、あれは翔鶴型航空母艦一番艦、翔鶴と、雲龍型航空母艦三番艦、葛城のようだね。手には……おい、何で正規空母の彼女達がガトリング砲を持っているんだ!?
「…………」
あ、あの、翔鶴?葛城?君達は何をしているんだい?
ハイライトが消えた目。
無言。
真顔。
ガトリング砲を乱射。
彼女達の足元には、夥しい数の空薬莢が転がっている。推定、数十万発分……ってオイ!君達分かってるの!?第603鎮守府は今、資材不足で休養状態なのを!
「……最高です」
「的を蜂の巣にした時、エクスタシーを感じます」
うっとりした顔で何を言ってんだ阿呆共ォ!?弾薬幾ら消費したと思ってんだよ!
……頭痛くなってきた。
というか、そのガトリング砲どっから入手した!?
それ、GAXダイ○ソアじゃねーか!
空転時間が長く!
射撃時の反動がデスメタ聞いてヘドバンする初霜よりも激しく!
身体をバカにされた由良よりも
見た目が扶桑の艤装よりゴツくて!
フルHGもフル修羅も夜叉キメラもなにもかも瞬間火力5400の前では平等に"餌”にすぎない!
そんな、ヤベー奴じゃねーか!
そんなにニュード争奪戦争がしたいのか、アンタ達は!?(CV:鈴○健一)
「鈴谷さんに感謝しないといけませんね」
「妖精さんにカタログを渡して再現してくれたお陰で、こうして楽しめる」
「「最高です♪」」
鈴谷ァ!テメー何てことしてくれたんだゴルァ!!
……もうここに居たくない。次、扶桑がどうなってるか見に行こう。
……えっ、私は誰かって?そうだな。私の事は、【キャット】とでも呼んでくれ。
さて、今回はこの辺でお別れだ。次話で会おう!
Another side out
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─
次回予告
楽しい。
とても楽しい。
けれど、独占する事は出来ない。
独占すれば、殺されてしまうかもしれない。
怖い。
死にたくない。
……はぁ。もう、いいです。
独占出来ないのなら、二人きりになった時、沢山甘えて満喫すればいい。
そうです。難しく考え過ぎたんです!
今は2番目、3番目でも、最終的に1番になればいいんです!
陽菜、吹っ切れました!
もう、難しく考えません!
とりあえず、今はお買い物を楽しみましょう!
……あら?あれは、瑞鳳…じゃなかった、高崎さん?殺気立ってますね。一体どうしたのでしょう?
第48話・休養その2
「浦樹、骨は拾ってやる」