追跡鶴   作:EMS-10

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※注意※
現実とは異なる描写が多数含まれています。
予め、ご了承ください。



第51話・休養その5

 

side 提督

 

 

──某県、オタクの聖地──

 

午前。

 

 

「やっべ、テンション上がりっぱなしだわ」

 

「気持ちは分かるが、はしゃぎ過ぎて倒れるなよ?」

ただでさえ暑いんだ。脱水症状起こして倒れないでくれよ?おーい、走らない。落ち着け、璃奈(秋雲)

 

「この値段。そしてこのパーツの豊富さ。流石、秋○原です!」

 

佳代(夕張)は興奮しながら、カゴに乱雑に入れられた部品を見ている。なんの部品だろう?全く分からん。

それにしても、賑わっているな。人が多い。

 

「あ、あの、渡良瀬さん、その、はぐれそうなので、手を……繋いでも宜しいでしょうか?」

 

「おう、いいぞ」

確かに、この人混みだとはぐれそうだ。良く秋○原に来ている璃奈と佳代は慣れているから大丈夫だが、初めて来たと言う香織(海風)は土地勘が全く無いから、はぐれたら確実に迷子になるだろう。俺?何度か来た事があるから、少しだけ土地勘はある。

さて、何故俺は秋○原に来ているか説明しよう。あれは、数日前の事だ。

 

 

──────────────

 

 

──休養状態5日目、第603鎮守府、提督私室──

 

正午。

 

 

瑞鶴達と出掛けてVRで精神的ダメージを負ったり、翔鶴達が暴走して資材が鋼材を除いて一桁だけになったりして心が壊れかけたけど、提督は元気です。平和に休養しています。なんか日本語がおかしいな。まぁいいや。ともかく、俺や皆は平和に過ごしていた。

最初はぎこちなかったが、何度も普段通りにしてくれ、とお願いしたから、皆普段通りにしてくれてる。

そうそう、昨日ようやくSガ○ダムが完成したんだ。いやぁ、カッコイイ。感動したね。何度見ても飽きない。次は何を作ろうかな?ガ○ダムMK-Ⅴでも作ろうかな?そんでEx-Sと並べて原作──エ○ーズの攻防の再現でもすっかな?そうと決まればジオラマとかも欲しいな。秋○原に行こうかな?……ノック?誰だ〜?入室を促すと、夕張が入ってきた。どうした?何か用か?そう思っていると、

 

「明日、秋○原に出かけたいです。一緒に行きましょう!」

 

「秋○原?」

夕張はそう言った。理由を聞くと、以前時雨の艤装に第二次改装を施してもらった際、欲しい物をなんでも買ってやる、と約束をした。それを果たしてほしい、と頼みに来たそうだ。欲しい物、決まったんだ。なら、その約束を果たそう。あと、ついでに俺の買い物もしよう。なんか利用するみたいで少しだけ悪い気がしたが、別にいいよね?←

 

 

………………。

 

 

「……という訳で明日、夕張と秋○原に出掛けてきます」

夕張が部屋に来たあと、放送で皆を会議室に集めて皆に説明した。一応、報告しておかないと騒ぎになる恐れがあるからね。

 

「う〜ん、それなら仕方ないか」

 

夕張との約束云々を説明したから、瑞鶴は納得してくれた。他の娘達も納得してくれている。それもそうだ。いつも夕張に艤装の整備から日用品の修理までと、沢山世話になっているからね。

 

「ね、ね、提督、秋雲さんも秋○原行きたいなぁ?」

「わ、私も!」

「秋○原…色んな意味でカオスな街だと聞いています。私も行きたいです」

 

お前ら、落ち着け。秋雲が同行したいと言った途端、皆も同行したいと騒ぎ出した。翔鶴、扶桑さん、秋○原に行くのはいいが、疲れると思うぞ?あそこは扶桑さんが言った通り、色々な意味でカオスな街だ。純情な君達だと精神的ショックを受ける恐れがあるぞ?

……待てよ?翔鶴と扶桑さんは純情だろうか?冷静に考えてみろ。

まず、翔鶴。コイツは見た目は清楚だが、意外と強かだ。普通に下ネタ言ってくるし、オタ文化に対しても理解がある。あと純情じゃない。腹黒だから大丈夫だな。

次に扶桑さん。翔鶴と同じく、見た目は清楚だけど強かだ。翔鶴ほどじゃないが、時々下ネタ発言してくる。最近、俺の趣味を理解する為、秋雲や夕張からオタ文化を教えてもらっているらしい。そのせいか、時々ネットスラングの言葉を使ったりする。あと、純情じゃない。薩人マシーンだから大丈夫そうだ。

結論。二人は色々穢れていて、強かだから大丈夫そう。

失礼な事を考えているって?気のせいです。

 

(というか、この2人は何が起きても平然としていそう)

……ごめんなさい、純情じゃない、穢れまくってるなんて考えてほんとにごめんなさい。謝罪しますから、ハイライト消えた目で見つめないで。というか、俺の考えていること分かるの?あっ、分かるみたいですね。ニヤッと笑ったよ。怖いです。

これ以上変なこと考えたら、後で処されそうだ。何も考えるな。

 

「よーし、希望者が多いから、くじ引きだ。2名までだ」

一度に外出出来るのは4人までと、休養状態初日に説明した。今回は俺と夕張が確定しているから、残りは2名だ。さて、誰になるやら。

 

 

──────────────

 

 

(結果は、璃奈と香織になった)

くじ引き──妖精さん特製、瑞雲危機一髪で同行者を決めたんだが、カオスだった。

参加者は、翔鶴、扶桑さん、秋雲、初霜、海風、時雨、夕立、由良、阿武隈、鈴谷。そして、意外な事に矢矧と千歳さんが参加した。いや、マジで驚いた。あの矢矧が秋○原に行きたいなんて。それに、千歳さんも。皆驚いていたな。

余談だが、秋○原に行きたい理由を聞いたところ、秋雲と時雨、夕立はゲーム(・ ・ ・)を。初霜はスピーカーやCDを。鈴谷はサバゲー用品を。千歳さんは電化製品(・ ・ ・ ・)を買いたい、と言った。由良と阿武隈、海風は秋○原がどんな所か見てみたい、という理由だった。矢矧は教えてくれなかった。

……翔鶴と扶桑さん?この2人は俺と一緒に出掛けたい、という理由だった。

 

(開始早々、翔鶴と扶桑さんが脱落した時はヤバかった)

瑞雲危機一髪は、ドラム缶を模した缶に、無数に空いた穴へ魚雷を模した棒を1本ずつ刺して、当たりを引くと瑞雲のコクピットから妖精さんが飛び出すという代物だ。

一番手は翔鶴。一発で妖精さんが飛び出した。

 

『あら、当たりを引いてしまいました。同行確定ですね♪』

 

違うよ、翔鶴。当たりを引いたらダメなんだよ?ニッコリ笑顔で嬉しそうに言ってるけど、ハズレだからね?お留守番だからね?目元が真っ暗だったけど、気にしない。

二番手は、扶桑さん。これも翔鶴と同じく、一発で当たりを引いちゃった。

 

『うふふ♪大当たりですね♪渡良瀬さん、明日はよろしくお願いします♪』

 

いや、だからハズレだって。当てちゃダメなんだって。こら、瑞雲危機一髪の瑞雲を握り潰そうとしない。コクピットの妖精さんがガチ泣きして震えてるよ?

 

(阿武隈もヤバかったな)

翔鶴や扶桑さん程じゃなかったが、少しキレてたな。

 

『んんっ?おっかしいなぁ〜、何で妖精さんが飛び出しちゃったんだろぉ?あっ、分かった!ネタでわざと飛び出したんでしょ?私、弄られキャラだから、ハズレなのに飛び出したんだよね?そうでしょ?そうだと言って?言え』

 

……初めて見たよ、顔面青筋だらけにして微笑む阿武隈なんて。俺が軽く注意したらすぐ大人しくなってくれたから良かったけど。

 

「あ、あの、渡良瀬さん?」

 

おっと、いかん。ボーッとしてたせいで、海風……じゃない、香織が心配そうに見ている。

 

「どうした?」

 

「その、突然立ち止まったので、どうかされました?」

 

「すまん、何処を回るか考えてた」

考え事をしたせいで、香織に心配をかけちまった。気を付けよう。

 

「そうでしたか。てっきり、熱中症になってしまったのかと思いました」

 

あっ、天使だ。天使が居る。初霜と並ぶ天使だ。俺の事を気遣ってくれてる。優しいなぁ。……涼月?アイツは一度堕天した(ゾンビになった)。今、善行を積んで天使に戻っている最中だから除外。

正直に言おう。香織が同行者で良かった。もし翔鶴や扶桑さんだったら、心労がががが…。

 

「渡良瀬さーん、こっち来てくださーい!」

 

「ん?あいよー、今行く!」

佳代(夕張)が呼んでる。何か見つけたみたいだ。香織の手を引いて、佳代の所へ行く。日陰だから、涼しい。えっと、何を見つけたんだ?

 

(全く分からん)

何の部品か書かれていないから、何の為の部品か分からん。書かれているのは、値段だけ。秋○原らしさがあるな。そう思っていたら、佳代がカゴの中に手を突っ込んで、部品を幾つか手に取った。

 

「これと、これ。それからこれを……よし!」

 

「それが欲しいのか?」

 

「はい!」

 

「あいよ。んじゃ、買ってくる」

俺、機械とか全く詳しくないから、良い物なのか分からん。ただ、佳代が欲しい!って言ったんだ。なら、買ってやる。えっと、幾らだ?……安いな。会計を済まし、佳代と香織の所へ戻る。

 

「お待たせ。こんなんでいいのか?他にも買ってやるよ?」

というか、買わせてくれ。日頃、世話になっているんだ。

 

「うーん、そう言われましても、特に思い付かなくて……」

 

「そうか。もし気になった物があれば、遠慮なく言ってくれ」

今すぐ決めろ、なんて言わん。後日でもいい。欲しいものがあったら、言ってくれ。

……さて、璃奈を捜すか。メールで居場所を聞こう。えっと、電話帳を開いて、璃奈のメールアドレスを選んで…内容は、今、何処にいる?……これでよし。送信。

 

「あ、返信来た」

早いな。何処に居るんだろう?メールを開いて、何何……おーい、璃奈さん、なんつー所にいるの?

 

「璃奈さん、何処に居るのでしょうか?」

 

香織、すまんが言えん。純情な君が聞いたら、卒倒しかねん。佳代は察したのか、苦笑いしてる。君、よく璃奈と一緒にアレ(・ ・)を遊んでるしね。昨日、マンガの資料用に新作買うんだ!って璃奈は張り切ってた。だから佳代は璃奈が何処に居るか察したようだ。

 

「渡良瀬さん、私は香織さんと此処で待ってますので、迎えに行ってあげてください」

 

「あー、うん、分かった。任せる」

佳代、気を遣ってくれてありがとう。さて、変態淑女(璃奈)を迎えに行きますか。

 

「あ、あの、私は大丈夫ですから、皆で迎えに行きましょう!」

 

「大丈夫だ香織俺の事は心配しなくていい大人しく佳代と一緒に此処で待っていなさい待っていてくださいお願いします」

ダメだ、香織。君には早過ぎる。あの空間は訓練された紳士・淑女でなければ近寄れない領域なんだ。あっ、紳士・淑女の上に【変態】が付きます。この小説を読んでくれてる方達はなんの事か理解していると思うけど、一応言っておくね。また謎電波受信しちまった。

 

「大丈夫です!私、渡良瀬さん達の趣味を理解したいです!どんな物があるのか、知りたいです!」

 

わーい、香織さん、着いてくる気満々だー。やべぇよやべぇよ。どうすんの?香織って、意外と頑固な所があるんだよな。無理に止めると気に病む可能性があるし、かといって連れて行ったら精神的ショックを受ける恐れがある。どうする、俺。

 

「……香織さん、そんなに興味があるの?」

 

おーい、佳代さん?何その悪魔の笑みは。お前、まさか沼に引きずり込む気じゃ無いよね?ねっ?

 

「はい、あります!」

 

眩しい!笑顔が眩しいよ、香織さん!やめろォ!今ならまだ間に合う、引き返すんだ!引き返しなさい!

 

「よし、それじゃ行きましょう!」

 

佳代ァ!オメー何してくれてんのォ!?

……仕方ない。

 

「いいか、香織。店の近くまで行く。ヤバイと思ったら迷わず引き返せ。いいな?」

こうなったら連れて行こう。もし拒絶反応が出たら、直ぐ撤収。急いでメンタルケアだ。

 

「はい♪」

 

とってもいい笑顔だ。イイ笑顔じゃないぞ?いい笑顔ってのはな、満面の笑みで黒さが無い、綺麗な笑顔の事だ。イイ笑顔ってのは、腹の中が真っ黒な人、翔鶴みたいな奴がする笑顔の事だ。……何を考えているんだ、俺は。翔鶴にバレたら処されるぞ。

とにかく、行くか。

 

 

………………。

 

 

「……」

はい、到着しました、ソ○マップ4階。パッと見は普通の電化製品屋だが、5階からは違う。5階から上は紳士・淑女の領域だ。エレベーターを使って一気に行く方法もあったが、それをしたら、エレベーターが開くと同時に洗礼を受けるから、エスカレーターで登って行った。

余談だが、5階に行く前に3階で目的のジオラマとガ○ダムMK-Ⅴを買った。ここ、ジオラマが豊富だから簡単に見つかった。もっと見たかったけど、時間がかかりそうだったから断念。また今度来た時、じっくり見よう。その時は1人で来よう。絶対来よう。生きる理由が1つ出来た。

……さて、行きますか。俺達は璃奈の居る領域へ向かった。

 

「いいか、ここから先は香織にとって、未知の領域だ。少しでも拒絶反応が出たら、引き返すぞ?」

くどいようだけど、最終警告をしておく。

 

「はい、私は大丈夫です!」

 

何処ぞの陽なんとかさん(榛名)みたいなこと言い出した。本当に大丈夫だろうか?……本人がここまで言っているんだ。これ以上しつこく「大丈夫か?」って聞くのはやめておこう。

ゆっくりと5階へ続くエスカレーターに向かう。そして、ついに来た。R18と書かれた暗幕が張られ、エスカレーターの乗り口付近に、【新作エ○ゲの看板】が置かれている。

そう。俺達がこれから向かうのは、エ○ゲ売り場だ。

 

(香織の反応は!?)

急いで振り返り、香織の顔を見る。きっとショックを受けている筈だ……って、あれ?平然としてる。あ、分かった。ショックを受けて脳が情報を処理出来なくて、固まっているんだろう。きっとそうだ。そうに決まってる。はい、撤収──

 

「なんだ、エ○ゲですか」

 

「」

……え、今、なんて言ったの?

ナンダ、エ○ゲデスカ。

そう言った。うん、聞き間違えだな。

 

「しぐ……紗奈(時雨)お姉さんと夕奈(夕立)お姉さんがよく遊んでいるのを見ているので、大丈夫ですよ?」

 

「」

新事実、発覚。嘘やろ?あっ、関西弁になっちゃった。

……へいへいへい、ちょい待ちな、姉ちゃん(香織)。その口ぶりと態度から察するに、君、慣れているね?とりあえず、鎮守府に戻ったら二人(時雨と夕立)とお話だな。

 

「さあ、行きましょう?」

 

あ、あの、あのあのあの、香織さん、手を引いて歩かないでください。ぼく、頭が情報を処理し切れなくて混乱してるの。あっ、ちょ、待って?しかし、俺の願いは叶わず、5階のエ○ゲコーナーへ向かう事になった。

 

(めっちゃ見られてる)

周りは、男、男、男。とにかく男ばかりだ。ごく少数だが、女性も居る。

俺は香織に手を引かれているから、余計に目立つ。うーん、「リア充爆発しろ」って睨まれてる。なんか、すいません。とっとと璃奈を捜して離脱しよう。何処に居るんだ?

 

(……あ、居た)

新作エ○ゲコーナーの前でニタニタ笑っているよ。何で笑ってんの?声掛けたくねぇ。

 

「あっ、璃奈さん」

 

「……んあ?香織?えっ!?」

 

璃奈の奴、めっちゃ驚いてる。それもそうか。あの清楚でエ○ゲとは無縁そうな香織が、恥じらったり拒絶反応を見せず、堂々としていて声を掛けてきたのだから。

 

「捜しましたよ?お目当ての物は見付かりましたか?」

 

「うぇっ!?あっ、うん、見付かりました……」

 

「それは良かったです。あっ、それ、ゆ○ソフトの新作ですね?こっちはオー○ストの新作、こっちは……」

 

何で詳しいの?もしかして、紗奈(時雨)夕奈(夕立)から教わったの?気になるけど、聞くのが怖いから黙っておこう。

この後、璃奈は急いでエ○ゲを購入し、俺達と一緒にソフ○ップを後にした。いやぁ、まさか香織がエ○ゲを知っていたとは。お兄さんビックリだ。

 

 

………………。

 

 

「さて、次は何処に行く?」

買い物を終え、昼食を摂った後、皆に聞いた。ちなみに昼飯はお洒落なカフェ……ではなく、皆からの要望で、秋○原らしい物を食べる事にした。悩んだ末、俺達は秋○原名物の某定食屋に行った。ご飯普通盛りがキロ単位って、なんだよ。一番少ない量でも600グラムって…ビビったよ。おまけに、おかずの量も半端なかった。けど、皆は軽々と平らげた。店主さんは最初驚いていたけど、「残さず食べてくれて嬉しいよ!」と喜んでくれた。

 

「ん〜、私は特に無いから、皆に合わせるよ」

「私も」

「同じく」

 

「そ、そうか」

時間は未だ余裕がある。どうすっかな?俺は秋○原に来たら、主にソ○マップとメ○ンブックス、と○のあな、ら○んばんとゲーセン位しか寄らないから、他に何があるか詳しくないんだよなぁ。

 

「せっかくだから、適当にうろつかない?」

 

「うーん、そうするか」

璃奈の提案で、俺達は適当にうろつくことにした。

此処は秋○原。見るだけで楽しめる店が多いから、うろつくだけでも楽しい。路地裏の電化製品店や、フィギュア店、ミニ四駆とか色々あるな。おっ、ベ○ブレードもV○RSXもある。懐かしい。ガキの頃近所の奴らと遊んだっけ。ははは、見てるだけで飽きないや。

 

「おっ、渡良瀬さん、あの店、見てみません?」

 

「どれだ?」

佳代が興奮した声でそう言ってきた。何のお店だ?佳代が指さした店を見ると、沢山のPOPが店の出入口に貼られている。どのPOPにも、「秋○原で一番危険な店」と、不気味な文字で書かれている。何の店だよ!?つーか、どのPOPもドクロマーク描かれてるし!お巡りさん、このお店です!

 

「スタンガンとかを売ってる店みたいだよ?」

 

スタンガン?本当だ。璃奈に言われて店頭に置かれた商品を見ると、防犯グッズや護身用グッズが沢山並べられている。成程、だから「秋○原で一番危険な店」なのか。納得。

 

「少し、中を見ていきませんか?」

 

「いいぞ?」

香織が提案してきた。せっかくだから見ていこう。へぇ、防刃ジャケットとかあるんだ。いい値段がするな。まぁ、命を守れる値段だと思えば安いか。こっちはスタンガンだ。結構小さいな。スタンガン……翔鶴……ス○ナーK……うっ、頭が……忘れよう。こっちは何だ?催涙スプレー?ほぉ、液体ジョロキア入りなのか。これ、目にかかったら確実にム○カ大佐状態になるな。おっかねぇ。皆に何かあったらマズいから、買っておこうかな?

 

(いや、こんなの無くても、艦娘の力を使って痴漢をぶっ飛ばせそうだ)

但し、翔鶴と扶桑さん、由良。お前達は催涙スプレーを使いなさい。君達の場合、加減出来なくて痴漢を挽肉にしそうで怖い。3人分買っておくか。

……あれ、香織が居ない。催涙スプレーを3つ持って店内を見ると、香織の姿が見当たらない事に気付いた。何処に行ったんだ?奥の方に行ったのか?それか、混んできたから店の外に出たのか?そう思っていたら、店の奥から香織が出てきた。その顔は、少しだけ嬉しそうだった。

 

 

side 提督 out

 

 

 

───────

────

 

 

 

side 海風

 

 

(ふふっ、楽しいです♪)

彼と。渡良瀬さんとお出掛け出来て、一緒に過ごせて楽しい。ただ、璃奈さんと佳代さんが居るのが少しだけ残念です。

 

(けど、構いません。今はこうでも、私に依存させられれば……)

過程は大事です。でも、結果が残らなければ意味はありません。時間が掛かってもいい。最終的に笑えれば、それでいい。我慢する事は慣れています。

 

(……おや?)

璃奈さんの提案で寄った、危険なお店──実際は防犯グッズ等を売る、普通のお店(・ ・ ・ ・ ・)ですが、奥にも何か売っているみたい。少し、見てみましょう。

 

 

…………。

 

 

(こ、これは!?)

お店の少し奥に進むと、色々な薬品が売られていました。薬局じゃないのに薬品を売るとは。違法では無いのでしょうか?そう思いましたが、レジの近くに国から発行される、販売許可証が額縁に入れられて置いてありました。

 

(なら、大丈夫ですね)

許可証は偽物かもしれない、ですか?それは無いので大丈夫です。ここ秋○原は頻繁に抜き打ちで監査が入る事で有名です。少しでも違反をすると、問答無用でお店は閉店、運営者は逮捕されます。だから大丈夫です。

 

(どんな物を売っているのでしょう?)

棚に陳列されている商品を見ます。えっと、睡眠薬?こちらは、び、媚薬!?こ、こんな物が売られているとは驚きです。

 

(た、試しに少しだけ買ってみましょう)

えっと、効果が弱目の物にして……よし、これとこれを買いましょう。あら、通販もしているみたいですね。POPにそう書かれています。覚えておきましょう。

商品をレジに持って行き、お金を払って、店員さんに袋に入れてもらって……か、買えました。あっ、このまま持って出たら、渡良瀬さん達に聞かれてしまいますね。ショルダーバッグに仕舞って……これで良し。

 

(近い内に、試してみましょう)

誰かで試そうと思いましたが、騒ぎになる恐れがあります。少し怖いですが、自分で試しましょう。

彼が重婚の話をしてから、今は少しだけ大人しくなりましたが、第603鎮守府は暫く騒がしかったですね。

 

(紗奈お姉さんに相談しようと思いましたが、やめておいた方がいいですね)

アレを見てしまったから、やめておきましょう。

紗奈お姉さんは色々過激な所がある。だから、私のしようとする事にも理解を示してくれる筈。そう思っていたけど、夕奈お姉さんに物理的に止められて改心させられてしまった。もし紗奈お姉さんに相談したら、夕奈お姉さんに告げ口されて私の計画を、物理的に止めに来るでしょう。それは嫌です。

気付かれないよう、1人で実行しなくては。

この後、渡良瀬さん達と合流して、この危険なお店を後にしました。幸い、深く聞かれなかったので助かりました。ふふっ、警戒心が薄いですね?ふふふ。あはははははっ♪

 

 

 

side 海風 out

 

 

───────

────

 

 

 

side 提督

 

 

「んじゃ、そろそろ帰ろうか」

時刻は15:20。少し早いが、電車で来たから混雑する前に帰る事にした。皆も賛成してくれたから、駅に向かおう。平日だが、人が少し多い。はぐれないよう気を付けよう。切符を人数分買って、全員に渡した。改札に切符を入れて、えーと何番線だっけ…こっちだな。

 

 

 

………………。

 

 

「ほい、到着」

電車に乗り、目的地の駅で降りて駐車場に停めた車に乗り、鎮守府に向かった。電車で片道約2時間半。車で鎮守府まで約30分。結構長い筈だが、3人と会話していたから、あっという間だった。1人だと退屈で長く感じるんだろうなぁ。

 

「ありがと〜」

「運転、お疲れ様です」

「あっ、荷物は私達が運びますね?」

 

「頼んだ」

秋雲と夕張、海風がそう言って車から降り、トランクから荷物を取り出して鎮守府へ向かって行った。さて、車を車庫に入れますか。

 

 

…………。

 

 

「はい、荷物です」

 

「ありがとう」

車を車庫に入れ、鎮守府に入ると玄関で夕張が待っていて、俺の荷物を手渡してくれた。また楽しみが増えた。早く作りたいな。

一旦夕張と別れ、自分の部屋に荷物を運んだ。今すぐ作りたい衝動に駆られたが、我慢しよう。さて、夕食まで時間があるから、皆の様子を見に行くか。そういや、明日の夕食は俺が担当だったな。何を作ろう?

明日の夕食の献立を考えながら、鎮守府内をうろついていると、談話室から話し声が聞こえた。誰がいるんだ?そっと中を覗くと、

 

(翔鶴と扶桑さん。由良に阿武隈と時雨、夕立か…)

談話室に設置されているテレビの前で騒いでる。何しているんだ?おっ、ゲームしてるのか。なんのゲームで遊んでるんだ?光が反射してて画面が見えない。近付くか。

 

 

<俺の名はジャッ○・ザ・リッパー。リ○リアの白い悪魔…

 

 

テレビからゲームのキャラクターの声が聞こえた。ちょい待て、この声は堀内○雄さんだ!それに、そのセリフは──

 

 

<俺の…人斬りの本性を教えてやる…

 

 

(雷○!雷○じゃないですか!)

メ○ルギア・ラ○ジングかよ!女の子が遊ぶゲームじゃないと思うよ!?あっ、決して差別してるわけじゃないよ?そこんとこ誤解しないで?プレイヤーは…扶桑さんか。似合いますね。勿論言わない。言ったら怒られそうだ。

皆は画面に釘付けだから、俺が後ろに居る事に気付いてない。面白そうだから、少しだけ様子を見るか。

 

「あら、○電が覚醒しましたね」

 

「グロいけど、カッコイイゲームですね」

 

うん、確かにグロいけど、カッコイイゲームだと思う。扶桑さんと翔鶴は感心したような声で感想を言ってる。さて、このステージをクリアしたら声を掛け──

 

 

「雷○の技、真似してみようかしら?」

 

 

「やめてください」

扶桑さん、お願いしますからやめてください。あなた、ただでさえヤベーのに、これ以上ヤバくならないで?

……あっ、思わず声に出しちゃった。皆、凄い勢いで一斉に振り返ってきた。ゴキって嫌な音が聞こえたぞ?うん、首大丈夫?明らかに首が90°以上曲がっているんですが。怖いよ。身体は真正面を向いてるのに、首だけ真後ろを向いてるなんて。あっ、由良と阿武隈、時雨と夕立が首抑えて蹲ってる。大丈夫?翔鶴と扶桑さんは大丈夫そうだ。首の関節や筋が柔らかいのかな?(←提督、錯乱中)

 

「提…督?何時からそこに?」

 

「ついさっきです」

嘘は言っていない。もう少ししたら声を掛けようと思ったんだけど、思わず声を出しちゃったんだ。ほら、前向いて?俺じゃなくてテレビの画面を見て?そろそろムービーが終わって戦闘が始まるよ?扶桑さん、ほら、早く前を向いて?皆も画面見て?俺を見ても、何も楽しくないよ?

 

 

………………。

 

 

 

「やれやれ」

あの後、首を痛めた4人を入渠槽に運び、妖精さん達に頼んで治療してもらった。幸い、軽傷だったから、数分で完治した。

艦○れだと燃料や鋼材を消費するけど、入渠槽を使用した時に消費されるのは特殊な液体だけだから、資材は減りません。……俺は誰に何を説明しているんだ?マジで最近変だな。そろそろ医者に頭を診てもらうか?

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 





次回予告


日本刀、カッコイイなぁ。僕も振り回したいなぁ。そうだ、扶桑に教えてもらおう!そうと決まれば、頼みに行かなきゃ!
…あ、提督。もしかして、今の聞いてた?わ、分かった、分かったからやめるよ。だから泣かないで!?
……あれ、翔鶴さん?それ、日本刀……巻藁で試し斬りをする?あっ、提督が倒れた。


第52話・休養その6


「ミーム汚染された艦娘が続出している。残念ながら手遅れです、って奴だ」




※設定がややこしくなってきたので、近日中に設定集を投稿します。
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