今頃気付いた。休養編、めっちゃ長引きそう。
…あ、今回から需要が無いと思うけど、水着回です。プールでドンパチする艦娘達と、それに振り回される提督の慌てふためく様子をお楽しみください。
【作者から一言】
最近、非常に暑い日が続いています。皆様、熱中症や脱水症状には充分注意してください。
特に夜、寝る時は要注意です。クーラーをつけて寝ることを強くお勧めします。
昨年の今頃、電気代をケチる為にクーラーをつけず、扇風機だけつけて寝たら、重度の脱水症状を起こして緊急搬送されました。本気で死ぬかと思いました。
命は一つだけです。月、数千円〜1万円前後の電気代はかかりますが、寝る時はクーラーをつけましょう。命と比べれば安いです。
以上、作者からの一言でした。
side 提督
──休養状態9日目、第603鎮守府、談話室──
午前。
< 本日も、気温は35℃を超えるでしょう。熱中症や脱水症状には充分気を付けてくださいね?
「……」
マジでなんなの、この暑さ。外に居たら脳みそ茹で上がるぞ?外でお仕事される方々、本当に熱中症とか脱水症状とか気を付けてください。小まめに水分補給して時々日陰に入ったり、冷えピタとか貼って身体を冷やしてください。
< 続いて、週間天気予報です。予報では、全国的に一週間、晴れが続くでしょう。
「見事に太陽マークばかりですね」
「アルミホイルを使えば、目玉焼きが作れそうです」
「一週間の気温、全部35℃を超えてる……」
「……」
ここはクーラーが効いているから涼しいけど、外は地獄だ。
現在時刻、10:00。この時点で気温は33℃を記録している。この時間でこれなんだ。昼過ぎ頃はもっと気温が高くなっているだろう。談話室でテレビを見ながらそんな事を考えていた。
天気予報を見て、榛名は驚き、涼月は目玉焼きが作れそうだと言った。そして山城は一週間の気温を見て絶望していた。お前ら、マジで熱中症とか脱水症状にならないよう気を付けろよ?
「スイカ、切ってきましたよ」
「塩もありますよ」
「……ありがとう」
今朝、地元のお爺さんが差し入れしてくれたスイカを、妖精さん達の素敵技術であっという間に冷やした。そしてそれを翔鶴と海風が切って持ってきてくれた。有難く頂こう。うん、甘くて美味い。皆もスイカを受け取り、食べている。あれ、皆は塩かけないんだ。甘みが増して美味しいのに。まぁ、好みは人それぞれだから無理に勧めないけど。……あっ、葛城が塩かけてる。同士よ。目が合っちゃった。苦笑いすんなよ。
「こんなに暑いと、出掛ける気にならないわ」
「同意する」
余程の理由が無い限り、出掛けない方がいいかもしれん。下手したら死ぬ。おっと、種を出すか。皆から顔を背けて、皿に出す。葛城は……種ごと飲み込む派なんだ。
「子どもの頃、スイカの種を飲み込むとお腹からスイカが生える、って信じていたなぁ」
爺ちゃんにそう言われ、種を飲み込んだ時は大泣きしたっけ。懐かしい。
「あははっ、分かる。それで大泣きしてお医者さんに行かなきゃ!って大騒ぎしたなぁ…」
おっ、分かってくれるのか、葛城。さっきのスイカに塩をかけるといい、種が云々といい、俺と思考が似てるな。
「それにしても暑過ぎる。流石の俺も、これはキツい」
暑さには強い、って言う木曾ですら、音を上げている。
お前ら、マジで気を付けろよ?クーラーとか遠慮なく使え。電気代とか気にしなくていい。死なれる方が迷惑だ。
「こうも暑いと、泳ぎたくなるわ」
「すぐ近くに海があるけど、泳げないのがねぇ……」
瑞鶴、千歳さん、気持ちは分かるが、泳ぐなよ?以前も言ったが、
「泳ぎたいのなら、プールに連れて行くぞ?」
此処から車で30分以内の所に、かなり大きいプールがある。おまけにキャンプ場もあるから、毎年夏になると県外から大勢の人が来る。
「けど、外出は一度に4人まででしょ?」
「あー……」
そうだった。一度に大勢が外出したら、何かあった時に対応出来ない恐れがある。だけど、今回だけ外出出来る人数を増やそうかな?そうしよう。せっかくの夏。しかも休養状態なんだ。楽しんでもらいたい。
「よし、一度に外出出来る人数を8人にする。……あっ、今更だけど、皆プールに行きたいか?」
丁度、談話室に全員居るから聞いてみた。
「「「「「「行きたい!!!」」」」」」
よし、全員賛成してくれた。それじゃ、クジで決めるか。瑞雲危機一髪を用意しなきゃ。確か、執務室に置いてあったな。取りに行こう。
「ねぇ、提督」
「なんだ、山城」
真剣な顔してどうした?水着なら皆、持っているだろ?
言い忘れたが、皆水着を購入している。だから水着が無いから泳ぎに行けない、なんて事にはならない。通販って便利だね。昨日、暑い中配達してくれた宅配屋のお姉さん、本当にありがとうございます。
ここだけの話、翔鶴の水着が際どかったから、パーカータイプのラッシュガードを購入しておいた。更に、念には念を入れて、際どい水着を着そうな扶桑さんと由良用にもラッシュガードを購入しておいた。これで安心。もし
「一つ聞きたいんだけど、提督は誰と行きたいの?」
空気が変わった。上手く言葉に出来ないけど、空気が張り詰めている。おまけに一部を除いて臨戦態勢になっている。落ち着け、気を高めるな。
「……クジで決め──」
「誰と行きたいの?」
「山城、落ち着いて?」
血走った目で見つめながら迫らないでください。だ、ダレカタスケテ〜!山城から視線を逸らして救助要請。お前ら、提督のピンチだぞ!?誰か助けてくれ!目で訴えようと周りを見ると──
「(<⚫>)(<⚫>)」
「(<⚫>)(<⚫>)」
「(<⚫>)(<⚫>)」
「(<⚫>)(<⚫>)」
「(<⚫>)(<⚫>)」
「」
救いは無いのですか?
翔鶴、扶桑さん、葛城、由良、阿武隈が、お目目パッチリ開いて見つめてくるよぉ〜!そんなに瞳孔おっ広げると、目が乾燥しちゃうよ?ほら、瞬きして?
「クジ引きだと、提督と同行出来ない娘が出るわ」
まぁ、そうなるな。
「そこで提案があるのだけど」
「な、なんでしょう?」
距離!近いって!お願いします山城さん、少し離れて頂けないでしょうか?なんか、甘い香りがするくらい近い!吐息がかかりそうな位近いよ!?
「クジでグループを決めるから、全てのグループに提督が同行してほしいの」
「……へっ?」
つまり、俺は全員とプールに行け、と?いや、けどなぁ。おい、耳元に顔を近付けてどうした?そう思っていたら、山城は小声で話してきた。
「真面目な話、提督と一緒に出掛けられない娘の不満が凄いのよ」
「そ、そうなのか?」
「特に扶桑姉様。先日秋○原に出かけられなかった日は凄かったわ……」
「な、何があった?」
「……ケタケタ笑いながら日本刀の手入れをしていたわ」
「」
ヤベー。ヤベーよ。怖いよ。想像してみる。
……うん、ヤベーな。もしまたハズレを引いて同行出来なかったら、生身のまま日本刀だけ担いで海を泳いで深海棲艦を狩りに行っちゃいそう。それはマズいね。
「……よし、分かった。全員と行こう」
俺は皆にそう言った。これなら誰かが暴走することもない。翔なんとかさんとか、扶なんとかさんとか、葛なんとかさんとか、由なんとかさんとか、阿武なんとかさんとか。平和を守れるなら同行しよう。
「「「「「我が世の春が来たああああぁぁぁ!!!」」」」」
おい
こうして、俺は全員とプールに行く事になった。
ちなみに、クジの結果は以下の通りだ。
1日目……俺、葛城、榛名、鈴谷、矢矧、夕張、秋雲、初霜、時雨。
2日目……俺、瑞鶴、山城、摩耶、足柄、木曾、満潮、早霜、夕立。
3日目……俺、千歳さん、翔鶴、扶桑さん、由良、阿武隈、涼月、海風。
……あのさぁ、3日目のメンツがヤベー気がするんですが。海風以外ヤベー奴ばっかじゃん!泣きたい。けど、泣いても結果は変わらない。受け入れよう。まぁ、何とかなるだろう。
この時の俺は知らなかった。3日目のメンツがとんでもない事をやらかすなんて。あんな事になるなんて。
「さて、明日からプールに行く。全員、体調を崩さないよう気を付けて過ごしてくれ」
流石に今から行くと中途半端になるから、公平にする為明日から行く事にした。
──────────────
──休養状態10日目、某所──
現在時刻、09:00。
「到着したぞ」
車を駐車場に停めて皆に声を掛ける。おーおー、喜んでる。気持ちは分かるが落ち着け。
俺達が来たプールは10:00にオープンするが、混雑するから早めに来た。オープン1時間前だけど、駐車場はほぼ満車状態だ。幸い、空いている駐車場があったから停める事が出来た。
車から降り、荷物を持って施設に向かう。荷物は主にパラソルやブルーシートに浮き輪や、飲み物を入れたクーラーボックスだ。勿論、妖精さん達特製の物だ。例え何時間経とうが中はキンキンに冷えている。
「それじゃ、プールで落ち合いましょう?」
「おう」
……混んでいるな。俺と同い歳位の人や、学生と思しき集団、子連れのお父さんやお爺さんまで居る。
さて、着替えるか。先日買った水時に着替え、日焼け防止にラッシュガードを着て、財布とスマホを小型のポーチに入れて、それ以外の荷物をロッカーに入れて鍵をかける。鍵は腕に付けられるリストバンド型の物だ。
(えっと、出入口は……こっちか)
案内板を見てプールへの出入口に向かって歩く。まだオープンまで時間があるから、スマホでも弄るか。
……。
数十分後、オープンのアナウンスが入り、スマホを仕舞って出入口のゲートを進む。えっと、
人の流れに沿って歩き、待ち合わせ場所にしたオブジェの近くに向かう。えっと、ここだな。壁の近くに立ち、待つ。暫く待つと、水着姿の皆がやって来た。
「お待たせ」
「おっ、丁度俺も来た所だったんだ」
待った、なんて言わない。アニメやゲーム、マンガで学びました。
全員、ラッシュガードを着ているから、先日選んでやった
…………。
「ここにしましょう」
「そうだな」
荷物を置く場所を確保する為、休憩専用スペースをうろついていた。そして比較的空いている箇所を祀利が見付けてくれた。ここをキャンプ地とする!……違うだろ、何考えてんだ俺。暑さで頭がおかしくなったか?いや、元からおかしいか。さっさとブルーシートを敷いてパラソルを立てろ。日陰を作らないと、皆が日焼けしちまうぞ。……これで良し。
「俺はここで荷物を見てるから、泳いできな」
まずは皆から。しかし、誰も泳ぎに行こうとしない。どったの?ほら、泳いできなよ?ここは俺に任せて、先に行け!
「私、あなたと泳ぎたいわ」
「
「僕も」
「同じく」
「そ、そうか」
祀利と陽菜、
「荷物は私が見ているわ」
「私も、荷物を見張ります」
「いいから、行ってきなさい?」
「提……渡良瀬さん、ここは私達に任せてください」
「……分かった」
そこまで言ってくれたんだ、行こう。少し泳いだら戻る。それまで申し訳無いが荷物番を頼む。
……さて、泳ぐからポーチを外して、ラッシュガードを脱ごう。需要が無いと思うが、俺のストリップショーの始まりだァ!……ごめんなさいふざけ過ぎました。ああ、ブラウザバックしないで、ちゃんと俺以外の娘達の水着を解説するから帰らないで?暑さのせいで変なテンションになってるの。許してください何でもしますから!
「「「「「「「「……」」」」」」」」
ラッシュガードを脱いで、畳んで……あの、皆さん、何で俺の身体をジロジロ見るの?あっ、分かった。この傷が気になるんだな?これ、学生の頃
「結構鍛えているのね?」
「最近鍛えていないけどな」
最近筋トレサボってるから、無駄な肉が付き始めている。マジで鍛えよう。祀利、ジロジロ見ないでくれ。少し恥ずかしい。ほら、お前らも脱いで泳ぎに行こうぜ?
「CAST OFF!!」
璃奈、勢い良くラッシュガードを脱がない。周りのお客さんに迷惑だぞ?……へぇ、オレンジ色のビキニタイプの水着か。璃奈にピッタリだ。ちなみにパレオは無い。
「ふっふ〜ん。璃奈さんの水着姿に見惚れてるなぁ?」
「璃奈らしい色の水着だな、って思ってた」
水着の面積は普通。うん、健全。さぁ、次だ!早く脱げ!脱ぐんだ!なんか変態っぽいな、俺。ホントにどうした?暑さのせいでおかしくなったのか?
「それじゃ、次は僕が」
紗奈が紺色のパーカータイプのラッシュガードをゆっくりと脱ぐ。なんかエロい。おっ、黒の布地に赤いラインが入った、パレオ付きのビキニタイプの水着か。普段着ている艦娘の装束と似た色合いだな。
「どう、かな?」
「素晴らしいと思います」
平和な水着だ。それも込めて素晴らしい。
「スク水を着ようと思ったんだけど、それは初……善子に任せた」
えっ、
「……ビキニとか恥ずかしかったので…」
スク水を着ているようです。見たい(迫真)
「鼻の下伸ばしてんじゃないの!」
「いでででで!」
耳!
「あ、燈さん、その辺にした方が……」
「……分かった」
陽菜ァ!助けてくれてありがとう!おー痛ぇ……。耳取れてない?ちゃんとくっ付いてる?
「耳が取れたら、アロ○アルファでくっ付けてあげますから、大丈夫ですよ」
「全然大丈夫じゃないと思います」
俺はガ○プラじゃねぇぞ、
「ど、どうでしょうか?」
「少し、恥ずかしいですね」
「にっひひ、どう?」
「……」
陽菜、佳代、燈、祀利がそれぞれ水着を見せてくれた。よし、ジロジロ見ないよう気を付けよう。じゃないと今度こそ燈に耳をもがれて耳なし提督になっちまう。
まずは陽菜。先日俺が選んだ白いパレオ付きのビキニタイプの水着だ。露出度は普通。何処ぞの令嬢みたいな雰囲気の陽菜によく似合っている。何処がとは言わんが、結構大きい。
続いて佳代。ライトグリーンのタンキニだ。露出度は比較的少ない。意外かと思うかもしれないが、腹筋が少し割れている。本人曰く、へそ出しの装束だから恥ずかしくないよう鍛えているらしい。俺も見習わないと。何処がとは言わんが、普通の大きさだ。
次は燈。活発的な燈らしい、真っ赤なビキニだ。パレオは付いていない。露出はそこそこ高い。恥ずかしくないの?目線で問うが、ふふん!と鼻を鳴らしている。恥ずかしくないみたい。何処がとは言わんが、大きい。
最後に祀利。……そんな険しい顔をして。親の仇みたいに皆の胸を睨まない。先日祀利が選び、俺が良いと言った水着を着ている。上はネイビーのビキニ、下もネイビーのビキニだか……後ろが、その、
「どうして皆そんなに大きいの?ねぇ、どうして?」
おーい、祀利、ハイライト消えてんぞ?ハイライト戻して?
「どうして、と言われましても……」
「なんとも言えません……」
「ま、気にすることないよ。貧乳でも需要はあるし」
燈ィ!オメーなんて事言ってくれやがったんですかコンチクショー!ほら、祀利の顔が青筋だらけになっちゃったよ!こら!揺らして挑発するな!ああっ、祀利が女の子がしちゃいけない顔してる!!どんな顔をしているか例えるなら、ポ○テピ○ックのキレたポ○子みたいな顔だ。分かる人には分かると思う。
「胸って、脂肪だから燃やせば溶けるわよね?」
「落ち着きなさい」
マッチやライター、ナパームを艤装の格納領域から取り出したりしないよね?やめようね?
「胸って大きいと肩が凝るし、足元が見えないから大変なんだよ?そういった点では、祀利が羨ましいなぁ」
「燈、黙りましょう」
煽ってんじゃねええぇぇぇぇ!!ここを戦場にしたいのか、アンタは!?
「ギ○ノト榴弾砲だ!ギ○ノト榴弾砲を持ってこい!巨乳を一つ残らず燃やしてやる!!!」
「やめろォ!?」
落ち着け祀利!ギガ○ト榴弾砲なんかぶっぱなしたら、大勢のお客さんを巻き込んじゃうよ!爆発範囲40mもあるんだぞ!?やめなさい!
この後、必死に祀利を説得し、落ち着かせた。燈の奴はプールに来れた事で浮かれてあんな事を言ったそうだ。いいか燈、人が気にしてることを無闇矢鱈言うんじゃないぞ。軽く説教したら、反省してくれたのか申し訳なさそうにして祀利に謝罪をした。祀利も今後胸のことを言わないのなら許すと言ってくれて、この場は落ち着いた。
余談だが、燈の発言を聞いて紗奈と善子、佳代のハイライトが消えていた。キレて暴走しなかったから良かったが、もし暴走されたら止められる自信が無い。
「……さて、まずは何処から行く?」
かなり広いプールで、流れるプールやウォータースライダー等、とにかく沢山ある。
「ん〜、まずは身体を慣らす為に流れるプールに行かない?」
「よし、分かった」
燈の提案で最初は流れるプールに行く事になった。そうと決まれば行くか。
「その前に準備体操をしよう。足がつったりする恐れがあるからな」
もしつったら、溺れる恐れがある。溺れたりしたら、周りのお客さんやプールの監視員さん達──ライフセーバーの人達に迷惑をかけてしまう。しっかり身体を解そう。
「第一体操、始め〜♪」
璃奈、やめてください。こら、歌いながら体操しない。恥ずかしいです。おい燈、佳代、ノるな。周りの人が見てるぞ?
「腕を前から上に挙げて、大きく背伸びの運動〜♪」
あっ、やめる気ないみたい。少し離れて様子見よう。
この後、璃奈達は最後まで体操をした。他のお客さんの視線がキツかったです。ちなみに、俺達はこっそり離れて屈指したりして身体を解した。
side 提督 out
───────
────
─
Another side と言う名の番外編
やぁやぁ、諸君、また会ったね。私だ、キャットだ。こんなに早く再会出来るとは思っていなかったよ。
さて、渡良瀬提督達がプールで準備体操をしている頃の鎮守府の様子を見てみよう。
この暑さだ、皆大人しく部屋で過ごしている筈。間違っても外に出て馬鹿な事をするわけが──
「オーケエェェェイ……
レッツ・パリイイイイイイィィィィィィ!!!っぽい!」
何しとんじゃ夕立ワレェ!?何処ぞの
「最っ高に素敵なパーティー、始めましょう♪」
あっ、ダメだこりゃ。流されて大騒ぎになるパターンですね。おや、あれは?
「おーい夕立ィ!今すぐ戻ってこーい!」
おお、木曾!木曾じゃないか!第603鎮守府の数少ない良識人。おっぱいの付いたイケメンじゃないですか!勝ったな(確信)
「ん〜?木曾さん?どうしたっぽい?」
おっ、夕立が海に入るのをやめた。よーし、いい娘だ。そのまま戻って来なさい。
「どうした、って……お前、水着を着て何をしようとしていた?」
「まな板でサーフィンしようとしてたっぽい!」
アホだ。アホがここに居る。つーか、まな板でサーフィン出来るの?そのまな板、先日破棄が決まったボロボロの木製まな板だよ?小さいよ?無理じゃね?
「バカなことしようとするな!相棒……提督に迷惑をかける気か!?」
「ッッッ!?ご、ごめんなさい!」
おぉう、素直に謝った。そんで言うことを聞いて海から戻って来た。
「ほら、戻るぞ」
「ぽーい……」
「……つーか、何で水着を着ているんだ?」
うん、それ気になる。君、明日提督達とプールに行くじゃん。もしかして、待ち切れなくて泳ごうとしたの?
「明日が待ち切れなくて、己のほとばしるパトスを抑えられなくなって泳ごうとしたっぽい!」
あーそうですか。色々言いたいが、反省しているみたいだから、何も言わないで──おい、夕立、木曾、後ろ!大きな波が来ているぞ!?あぁっ!呑まれた!
「〜〜!?ぶはっ、鼻ァ!海水が鼻に入ったァ!痛ぇ!!」
木曾、大丈夫か!?……あれ、夕立が居ない。夕立?
「……あれ、夕立?」
木曾も夕立が居ないことに気付いたようだ。彼女は何処に──
<ぽいいいぃぃぃ〜〜!!?
……今、海の方から夕立の悲鳴?が聞こえたんですが。まさか、ねぇ。あ、夕立が物凄い勢いで沖に流されてる。はっやーい。……じゃないよ!やべーよ!
「夕立いいいぃぃぃぃぃ!!!?」
木曾、叫ぶ!しかし、叫んだところで夕立は戻らない。ねぇ、これヤバいんじゃない?
「待ってろ!今助けに行く!」
おおっ!木曾の奴、助けに向かったぞ!イケメン!痺れる!憧れるゥ!
「ぶるあああああぁぁぁああああっあっああああ!!!」(CV:若○規夫)
……夕立の奴、すんごいバタ足して水飛沫上げながらこっちに来るよ。木曾も唖然としてる。あっ、海岸に戻ってきた。さっき海岸に向かって泳ぐ際、やけに野太い気合いの入った雄叫びが聞こえた気がしたけど、気のせいだね。夕立、君の声は可愛らしいタ○ベユミボイスだ。間違っても若○規夫ボイスなんて出していない。
「生還!っぽい」
おかえりなさい……ちょっと待て、もしかして、艦娘の力使った?燃料消費しちゃうじゃん!ただでさえ資材がヤベーのに何してんのぉ!?
「ゆ、夕立、お前、艦娘の力を使ったのか!?」
おぉう、木曾の奴、顔面蒼白だ。それもそうか。さて、渡良瀬提督になんて言──
「え?使ってないよ?」
……は?
「自力。夕立の筋肉だけで戻ってきたっぽい!」
「」
あらら、木曾さん口を開けてポカーンとしてるよ。口みたいな栗……じゃない。栗みたいな口してるよ。
「提督さんに迷惑なんてかけたくないから、自力で戻ったぽい!だから燃料は消費してないっぽい!」
……君、凄いね。あの潮流れに真っ向から逆らって泳いで戻れるなんて。
とにかく、大丈夫そうだ。ほら、暑いから部屋に戻りなさい?
「あー、海水で身体中ベトベトっぽい。木曾さん、お風呂入りましょう?」
「……あ、ああ」
はいはい、行ってらっしゃい。しっかり身体を洗って、服や水着を洗濯しなさい。
さて、今回はこの辺で失礼するとしよう。
……ん?彼女達の入浴シーンを見せろ?おっと、それはダメだ。憲兵さんや運営さん達に処されてしまう。
では、今度こそ失礼するよ。さらばだ。
Another side out
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次回予告
水着はいいねぇ。見てるだけで飽きない。今年の夏○ミの薄い本のネタになりそう。
うっひょ〜!インスピレーション湧いてきたァ!璃奈さんテンション上がりっぱだぜぇ!
……あれ、提……らっせーさん?どったの?ウォータースライダーで遊んでたら、葛……祀利さんのショートパンツが脱げて流された!?詳しく!!あっ、祀利さん!うほっ、エロっ!後ろ殆ど紐じゃん!ね、ね、スケッチさせて!あっ、冗談です祀利さん冗談ですからその拳を私に振り下──ぶべらっ!?
第54話・休養その8
「そ、そんなに見たいの?いい……よ?」
※今回提督とプールに行った人物達の本名と、適性艦名(艦娘の名前)。
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※その他の登場人物達の名前は、次回以降紹介します。
※近い内に設定集を投稿します。