追跡鶴   作:EMS-10

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※注意※

この小説はフィクションです。
実在の人物、団体、施設などとは関係ありません。


第54話・休養その8

 

side 提督

 

 

 

現在時刻、17:00。

 

 

「そ、そんなに見たいの?いい……よ?」

 

上気した頬。潤んだ瞳。明らかに発情している雌の顔をしている。……いい。

……いやいや、ダメだろ。しっかりしろ、俺。本能に任せて彼女を襲うなんて最低な事をするなよ。

俺の目の前には、デニムのショートパンツを穿いていない(・ ・ ・ ・ ・ ・)祀利(葛城)の姿があった。上の水着は面積が普通だが、下が、その…かなり際どいというか、細い。特に後ろなんか……だから、見るな。見るんじゃない。

 

「あなたになら…ナニされても、構わないわ?」

 

「お、おい」

近寄るな!上は大丈夫だが、下が着水の衝撃でかなりズレてるんだ。えぇい、何処だ!何処に流れた!

 

「ねぇ、私を見てよ?」

 

見ません。君もショートパンツを探しなさい!俺以外にもお客さんが居るんだよ?……あっ、何故か周りに誰も居ない。何で都合良く人が居ないんだよ!あっ、こら、撓垂(しなだ)れ掛かるな!……柔らかい。

………………。

…………。

…。

いいぜ。そっちがその気なら、付き合ってやるよ。

俺はゆっくりと左手を祀利の首に巻き付け、抱き寄せる。

 

「んっ……」

 

甘い吐息を吐く祀利。俺はゆっくりと、右手を祀利の股に伸ばして─────

 

 

 

 

───────

────

 

 

 

──某県、プール──

 

 

現在時刻、10:40。

気温32℃

 

 

 

……もう気温が30℃を超えてる。プールのあちこちに設置してある温度計を見て愕然。年々暑くなっているとニュースでやっていたが、暑くなり過ぎだろ。日中の最高気温が39℃を記録した所もある、って言ってたな。地球大丈夫か?

 

「おーい、らっせー(渡良瀬)さん、泳ぎに行こうぜぇ?」

 

準備体操を終えた璃奈(秋雲)が声をかけてきた。おい、既に汗かいてんぞ?水分補給しなさい。水中だと汗をかいているのが判りづらいから、気付かないうちに脱水症状を起こす恐れがある。

 

「その前に水分補給しろ」

 

「大丈夫だって」

 

「ダメだ!」

 

「っ!?」

 

「……怒鳴ってすまん。ともかく、水分補給するぞ」

いかん、思わず怒鳴っちまった。周りのお客さんも何事かと見ている。すいません、大声出してしまって。

一旦、皆を呼び香苗(矢矧)善子(初霜)の所へ行き、クーラーボックスからスポドリを取り出し、紙コップに注いで全員に渡した。何で?って顔してるから説明したんだが、平気だと言って飲もうとしない。あのなぁ……。

 

「お前ら、額に汗かいてんぞ?しかも、かなりの量だ。いいから飲め」

鬱陶しい奴だと思われても構わない。死なれるよりはマシだ。

俺の真剣な顔を見たからか、皆水分補給をしてくれた。そうそう、それでいい。俺も水分補給するか。

 

「あなた、お父さんみたいよ?」

 

「誰がお父さんだ」

祀利(葛城)、茶化すな。俺はお父さんじゃない、お兄さんだ。……いや、今この瞬間だけはお父さんでいいか。口煩いお父さんになってやる。

 

「……さて、泳ぎに行くが、その前に3つ、言っておく。1つ、周りのお客さんに迷惑をかけない。2つ目、小まめに水分補給をする。3つ目、少しでも体調が悪いと思ったら休め。いいな?」

 

「「「「「「はーい」」」」」」

 

返事してくれた。よし、いい娘だ。ウザがられてもいい。しっかり注意しておこう。

この後、香苗と善子に荷物番を任せ、浮き輪を持って俺達はプールに向かった。

余談だけど、浮き輪は近くに設置されている手動式のポンプを利用した。祀利が自分の息で膨らませようとしたが、止めた。君、かなりの肺活量があるらしいけど、一般人が見たら驚くからやめておきなさい。

 

 

 

………………。

 

 

 

「へぇ、結構広いね」

 

「日本で2番目に大きいプールだからな」

プールサイドから目的の流れるプールを眺めると、(鈴谷)がそう言ってきた。

テレビや雑誌でよく特集を組まれて紹介されているから、日本で2番目に大きいプールだと知っている。ちなみに、一番大きなプールは横須賀にある。

それにしても相変わらず広いな。かなりの人が入っているのに、余裕がある。いつだかニュースで、ここではない別のプールを紹介していたが、人がすしずめ状態で身動きが取れない映像を見たことがある。今年は昨年より暑いから利用するお客さんが増えて、ここもそうなるのかな?と思っていたが、流石日本で2番目に大きなプール。さっきも言ったが人が沢山入っているのに、泳げるほど余裕がある。これなら楽しめそうだ。

 

「まずは身体に水をかけて、水温に慣れましょう?」

「ほーい」

「分かった」

「了解です」

 

おっと、眺めていないで入る準備をするか。祀利が皆に提案し、璃奈と紗奈(時雨)陽菜(榛名)は返事をしてプールの水を手で掬って身体にかけ始めた。身体に水がかかると、皆冷たい!と、キャーキャー騒ぎ出した。おいおいどうした?そんなに冷たいのか?どれどれ……冷たいな。気温が高いから、冷たく感じるのかな?近くに設置してある電光掲示板を見ると、水温と気温が表示されている。

 

「水温24℃、気温34℃か」

10℃の温度差があった。そら冷たいわな。

余談だが、プールに適している温度は22℃以上らしい。

更に余談だが、遊泳に適している水温は26℃〜31℃らしい。祀利が言ってた。祀利は水泳をやっていたから、詳しいそうだ。

 

「うりゃっ!」

 

「ぶぼっ!?」

ぐわああああ〜!!?目がぁ〜!目がぁ〜!顔面にプールの水があああぁぁぁ〜!!?……燈ィ〜、やりやがったな?俺の顔面にプールの水をぶっかけやがったな?あっ、ぶっかけるって、なんか卑猥だな。あんまり卑猥な単語を使うと、運営さんに処されそうだからマイルドな表現をしよう。……運営さんってなんだよ、謎電波受信しちゃったよ。暑さのせいか?暑さのせいで頭がおかしくなったのか?いや、頭がおかしいのは元からか。とりあえず、やり返すか。右手に少しだけ水を掬って……うらァ!!

 

「ぶべっ!?やったなぁ?」

 

あっ、本気になったみたいだ。ちょっと待て、両手で大量に掬うな。やめろぉ!

 

「ごぼっ!?」

うっへぇ、髪の毛びしょびしょだ。まぁ、これから泳ぐから濡れるのは構わないんだが。さて、おふざけはこの辺にしておこう。これ以上騒いだら、周りのお客さんに迷惑だ。腹に水をかけて……冷たい。よし、次は肩と背中にかけ──

 

「えぇぇぇえええんんんんっっっ!?」

冷たっ!?誰だ、俺の背中に水をかけた奴は!やたら高い声出しちゃったよ!周りのお客さんが笑ってるよ!恥ずかしい……。

 

「ぶっ、あはははは!何その声」

 

「祀利ェ……」

オメーの仕業か。ニッコリ満面の笑顔。太陽みたいな眩しい笑顔だ。こんにゃろー、覚えてろよ?……気を取り直して、水を自分の身体にかけ──

 

「っ!」

る前に、周りを見る。やらせねぇぞ?これ以上水をかけられてたまるか。右側を見る。陽菜と璃奈、燈、祀利が居る。うん、大丈夫そうだ。燈と祀利が何かヒソヒソ話をしてるけど、大丈夫だろう。信じよう。次、左側を見る。佳代(夕張)と紗奈が居る。佳代は自分の身体に水をかけている。大丈夫だ。しかし──

 

「……」

 

「……紗奈さん、その手の水は何かな?」

両手に大量の水がありますよ。何をする気なのかな?お兄さんに言ってみな?

 

「……チッ」

 

紗奈、お前もかけようとしていたのか……。あと舌打ちすんな。ったく、やんちゃな奴だ。こら、水をかけない。…っ!嫌な予感がする!急いで振り返る!

 

「「……あっ」」

 

「……おい」

バケツに大量の水を入れて、何をしようとしたのかな?というかそのバケツ、どっから持ってきたの?ねぇ?教えて、燈、祀利。

 

「「……チッ」」

 

君達も舌打ちしない。ほら、水をそこら辺に流しなさい。……よし、いい娘だ。

 

「……それじゃあ、入ろう」

軽いハプニングがあったが、泳ぐか。足からゆっくりとプールの中に入る。うん、気持ちいい。お子さんも楽しめるよう設計されているからか、深さは俺の腰に届かない位の深さだ。プールサイドから離れる。これでよし。お前らも入れよ。

 

「冷たくて気持ちいいです!」

 

俺のあとに続いて陽菜が入ってきた。とても嬉しそうだ。同じ所に留まっているとお客さんに迷惑だから、流れに沿ってゆっくり歩くか。

 

「よーし、激流に身を任せてどうかしてやる!」

 

どうかしてどうすんだ。同化しろ。あと激流じゃねぇぞ。流れは緩いぞ?いいから早く来なさい、璃奈。

 

「しぐ……紗奈、行くよ!」

「うん!」

 

こら、飛び込むな。さっき周りのお客さんに迷惑をかけないよう注意しただろ。ほら、こっちに来い。

あとは佳代と祀利だけだ。彼女達は足からゆっくり入ってきた。そうそう、そうやって静かに入りなさい。

 

「全員入ったな」

俺を含めて7人。固まっていると邪魔になりそうだから、何人かに別れるか。皆にそう提案すると、賛同してくれた。

結果、俺と紗奈、陽菜、祀利の4人。燈と佳代と璃奈の3人に別れて泳ぐことにした。泳ぐと言っても、クロールとかで速度を出して泳ぐのではなく、流れに身を任せて漂う、って感じだが。

 

「浮き輪、使う?」

 

「俺はいい」

紗奈に勧められたが、断っておいた。俺はいいから、皆で使いな。紗奈が使っている浮き輪は、オーソドックスなドーナツ状の物だ。……それにしても、成長したな。昨年プールに連れてきた時に見た紗奈の姿と、第二次改装を施された今の姿を比べると、背丈が伸びた。オマケに尻や胸も大きく──何を考えてるんだ?やめろ、下心を持って見るな。

 

「何処を見てるんだい?」

 

「気持ちよさそうな顔してるな、って思ったんだ」

ごめんなさい、嘘です。言えねぇよ、背丈や胸、尻が成長したな、なんて。……おーい、耳元に顔を近付けてどうした、紗奈。

 

「僕のカラダに興味があるのかい?」

 

「君は何を言っているんだ?」

あれま、バレてた。気を付けよう。

 

「ふふっ♪」

 

「どうかしましたか?」

 

「なんでもないよ、陽菜さん」

 

良かった、誤魔化してくれた。もし紗奈が「僕のカラダをジロジロ見てきた」なんて言ったら、陽菜は確実に暴走するだろう。

 

「うーん、なんか物足りないなぁ……」

 

「物足りないって、何が?」

全力で泳ぎたいのか?今は我慢してくれ、祀利。

 

「もっと流れが強いのかと思ったんだけど、想像してたのよりゆったりで、物足りないわ」

 

「まぁ、ファミリー向けの流れるプールだからな」

一応、これより流れが強いプールはあるが、今は身体を水に慣らす目的でここを泳いでいるから我慢してくれ。

 

 

 

………………。

 

 

 

「んじゃ、何処に行く?」

流れるプール(ファミリー向け)を一周して身体を慣らしたあと、一旦出て皆に聞いた。流れるプール(流れは少し強目)や激流プール(小学生以下は保護者同伴でないと、利用不可)、波のプール、学校とかにあるような25mプール、ウォータースライダー。その他にも色々ある。

 

「僕は皆に合わせるよ」

「私も、皆に合わせます」

 

紗奈と佳代は皆に合わせる、か。

 

「ん〜、璃奈さんは激流プールに行きたいなぁ」

 

璃奈は激流プールか。

 

「私はウォータースライダーがいいなぁ」

「は、陽菜も、ウォータースライダーを体験してみたいです!」

 

燈と陽菜はウォータースライダーに行きたいみたいだ。特に陽菜はこういったプールに来たのが初めてらしく、さっきからとても興奮している。

さて、俺はどうすっかな。そうだ、香苗と善子の所に行って荷物番をしよう。

 

「あなたはどこに行きたい?」

 

「俺は香苗と善子の所に戻って荷物番をするよ」

祀利にどこに行きたいと聞かれて、俺はそう言った。おいおい、そんな顔すんなよ。まだ時間に余裕はある。あとで一緒に泳いでやるから、悲しそうな顔すんな。

 

「……分かった。私も荷物番するわ」

 

「気にせず泳いでいいんだぞ?」

お前らの為に連れてきたんだ。俺のことなんか気にせず楽しんでくれ。しかし、祀利は納得してくれなかった。

結局、俺と祀利は荷物番をする事になった。本当に俺のことは気にせず泳いできていいのに。

余談だが、紗奈と陽菜も俺と荷物番をしたかったそうだが、プールで泳ぎたい欲が上回ったのか、皆と泳ぎに行った。

 

 

 

………………。

 

 

 

「お疲れ様」

歩いて十数分後、目的地に到着。荷物番をしてくれた2人に声をかける。

プールからここまで距離はそこまで長くないが、人が多いからうまく進めず、時間がかかってしまった。

 

「あっ、渡良瀬さん!祀利さん!おかえりなさい!」

「ただいま」

善子が俺を見ると、嬉しそうにそう言ってきた。おっ、髪をポニーテールにしている。新鮮だ。香苗にやってもらったのかな?

 

「荷物番、ありがとね。代わるわ」

 

祀利が2人にそう声をかけた。

 

「あら、もう戻ってきたの?」

 

「もう、って、1時間以上経ってるぞ?」

流れるプール(ファミリー向け)は全長が非常に長いから、一周するのにかなり時間がかかる。時計を見たら、1時間以上経っていた。

 

「俺達が荷物番するから、楽しんできな」

ほらほら、行った行った。最初は渋っていたけど、やっぱり泳ぎたい欲があったのか、すぐに言うことを聞いてくれた。それでいい。あっ、熱中症と脱水症状には充分気を付けろよ?

 

「それじゃ、お言葉に甘えるわ」

 

「おう、甘えろ」

さて、荷物番しますか。香苗がラッシュガードを脱ぎ始めた。……いかん、思わず見てしまった。荷物を見ろ、荷物を。

 

「これ、お願いね?」

 

「あいよ」

香苗から畳まれた白いラッシュガードを受け取──ろうとしたが、見てしまった。香苗は立っていて、俺はブルーシートの上に座っている。だから、前屈みになって畳まれたラッシュガードを差し出してくる、白地に赤のラインが入った三角ビキニを着た香苗の立派な胸部装甲が眼前に広がる。……でけぇ。……しっかりしろ、俺。ラッシュガードを受け取り、空いてるスペースに置く。

 

「ふふっ、やっぱり男なのね」

 

すんません、提督、見ちゃいました。本当にすんません。

 

「まぁ、女として見てくれてるって事だから、悪い気はしない、と言っておくわ」

 

しかし、香苗は胸を見られても怒ったり恥じらったりせず、堂々とした顔でそう言ってきた。普通、「どこ見てるの!?」と言ってノーザンライトボムの一つや二つ、かましてくるモンじゃないの?……なんでノーザンライトボムなんだよ。普通ビンタや瑞雲ラリアット(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)だろ。くそっ、瑞稀(瑞鶴)のせいでミーム汚染しちまったみたいだ。

 

「あ、あの、渡良瀬さん、私のラッシュガードもお願いします」

 

「お、おう」

ボーッとするな。善子からラッシュガードを受け取れ。

……スク水だぁ。正確には、スク水タイプの水着だが。しかし、似合う。良く似合う。それしか言えん。

 

 

『スク水はいいですよ』

 

 

俺の頭の中に小嶋提督がログインしました。

……あなた、軽巡洋艦娘の嫁が居るでしょ?(川内と神通とケッコンしているでしょ?)そんなこと言ってると、処されますよ?

 

 

『スク水は世界遺産です。偉大な存在です』

 

 

いいからさっさとログアウトしてください。それか、川内と神通にイヤーッ!されなさい。

 

「イヤーッ!!」

 

「アバーッ!?」

後頭部に凄まじい衝撃!痛い!……って、なんで俺がイヤーッ!されてんの?誰がやった!?少しだけ目ん玉飛び出しちゃったよ!やったのは香苗……じゃない。俺の正面に居るから違う。まさか、善子……も違うね。香苗と同じく、俺の正面に居る。それじゃあ、祀利か?

 

「ジロジロ見ないの!」

 

「……すんません」

祀利だったみたい。声が苛立ってる。俺だったから良かったものの、一般人だったら目ん玉ポーン!になってたぞ?

 

「だ、大丈夫?」

 

「大丈夫、気にするな」

えーと、飛び出てる目ん玉を元に戻すには、この経○秘孔を突けばいいな。あべしっ!……よし、元に戻った。

 

「ほ、本当に大丈夫ですか?」

 

「大丈夫、大丈夫。気にしない気にしない」

心配かけてごめんよ?俺は大丈夫だから、泳ぎに行ってきなさい。

少し時間はかかったが2人を説得し、無理矢理行かせた。それでいい。さて、しっかり荷物を見張りますか。

 

「火炎放射器で巨乳を燃やしてやりたい」

 

「落ち着きなさい」

物騒なこと言わないの。祀利の奴、俺のせいで少し暴走気味だな。ちゃんとケアしないと。

 

「あっそうだエ○トフォーがあるからライターと併用すれば火炎放射器になるわねあなたライター持ってる?」

 

「タバコ吸わないから持ってません。持っていたとしても貸しません」

やめなさい。早口で一気に喋るな。そこまでして巨乳を駆逐したいのかよ。男だからどうしてそこまでしたいのか分からない。勿論、口には出さないが。

 

「なんで私、こんなに胸が小さいんだろ……」

 

すまん。なんて言葉をかけてやればいいか分からない。少なくとも俺は女性を胸──身体や見た目で人を判断しない。流石に身嗜みがだらしないと少しアレだが。

 

「やっぱり、男の人って胸がある娘の方が好きなの?」

 

「あー…その、俺の個人的意見だが、好きなんだと思うよ?男には無い形とか大きさをしてるし」

そもそも男は何故、女性の胸を見ると興奮しまうんだ?瑞稀や祀利が良く言っているが、脂肪の塊だ。何故だ?本能?分からない。論文とかあるかな?帰ったら調べてみよう。

 

「何難しそうな顔してるの?」

 

「何故男は女性の胸を見て興奮するのか、考えてた」

 

「あなたねぇ……」

 

ジト目で睨まないでくれ。

このあと、俺と祀利は他愛ない雑談をしながら荷物を見張った。そして13:30を少し過ぎた頃、皆が戻って来た。あれ?なんか皆、苦笑いしてる。それに、紗奈を気遣っている。

 

「どうした、紗奈?」

 

「な、なんでもないよ……」

 

紗奈の様子が変だ。俯き、しきりに太股を擦り合わせている。顔を見ると、耳まで真っ赤だ。まさか、熱中症になったのか?それか脱水症状?イカン、早く処置をしないと!!

 

「紗奈、早く日陰に来い!」

 

「えっ?あっ、あの?」

 

「えっと、冷えピタは何処だ?」

まずは冷えピタを貼って体温を下げる。次に水分補給をさせる。

妖精さん特製のクーラーボックスを開けて中身を掻き分けながら冷えピタを探す。スポドリ、スポドリ、ジュース、スポドリ、チ○ ノ、ジュース……あった。途中、掌サイズの氷の妖精が入っていた気がするが、気のせいだ。

 

 

<キンッキンに冷やしといたよ?あたいったら(最強)ね?

 

 

気のせいじゃなかった。うん、キンッキンに冷やしてくれてありがとう。けどチ○ノさん(妖精さん)、一般人に見られると大騒ぎになるからクーラーボックスの中に戻って?クーラーボックスの縁から顔を覗かせているチ○ノを優しく掴んで中に仕舞う。

 

 

<な、なにするだー!ゆ"る"さ"ん"っ"!

 

 

すまん、許してくれ。今は緊急事態だから、大人しくしてくれ。

 

「紗奈、冷えピタ貼るぞ!」

まずは首筋。血管が多いから、身体を冷やすなら首筋からだ。

 

「あ、あの、あのあのあの……」

 

くそっ、紗奈の奴、呂律が回っていない。まずいぞ、早く冷えピタを貼ってやらねば!(←提督は錯乱しています)

 

「ほら、貼るから首を差し出せ!」

決して薩人マシーン的な意味じゃないよ?アホなこと考えてないで、早く貼れ!箱を開けて封を切って、冷えピタを取り出してフィルムを剥がして……準備完了!ほら、そんな所に立ってないで早くこっちに来い!えぇい、棒立ちしている!こうなったら強引だが、抱き寄せて貼る!

 

「へっ?はっ?ちょ!?」

 

我慢してくれ、紗奈。お前を救う為なんだ!彼女の手を掴み、俺の前に座らせて────

 

 

 

「キエーッ!」

 

 

 

「ヌウーッ!」

 

 

 

な、なにするだー!貴様ァ!?いや、きっと紗奈は熱中症で錯乱しているんだ!早く処置を施そう!ほら、大人しくしろ!(←錯乱中)

 

 

 

「キエーッ!」

 

 

 

 

「ヌウーッ!」

 

 

 

 

ぐうぅ……た、倒れてたまるか!耐えるんだ!俺は!紗奈を!救うんだああああああぁぁぁぁぁ〜〜!!!(←くどいようですが、錯乱しています)

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

Another sideという名の番外編

 

 

 

突然だが、時は少し遡る。提督と祀利が荷物番をしている頃の皆の様子を見てみよう。もしかしたら、紗奈の様子がおかしい原因が分かるかもしれない。解説は私、キャットがお送りしよう。

まずは香苗と善子の様子を見てみよう。彼女達は第603鎮守府の良心だ。バカなことなんてしないだろう。おっ、壁際で人の通行を妨げないよう気を付けながら準備体操をしている。いい娘達だ。

 

「それじゃ、泳ぎましょう?」

 

「はい!」

 

香苗が善子に声をかけてプールに向かっている。どうやら25mプールで泳ぐようだ。

 

「ゴーグルや水泳キャップが無いから全力で泳げないけど、まぁいいわ」

 

ふむ、香苗は自由形(クロール)で泳ぐみたいだ。善子は?

 

「よし、行きます!」

 

おお、彼女は平泳ぎか。2人とも、身体を慣らすためかゆっくりだ。

…………。

あ、あの、香苗?いつまで息継ぎ無しで泳ぐ気なの?ターンした。ま、まだ息継ぎしないの?凄い肺活量だね。ちなみに、艦娘の力は一切使用していない。ターンした。50m息継ぎ無しで泳いでるよ。相当鍛えているみたいだね。あっ、やっと息継ぎした。周りの人達、驚いてるよ。

さて、次は善子を見てみよう。彼女は平泳ぎだから、度々息継ぎして泳いでるいる。綺麗なフォームだ。

…………。

おっと、もうこんな時間か。結局、2時間近く彼女達は25mプールで泳いだ。せっかくプールに来たんだ、他の流れるプールとかで泳いだら?

…さて、ここで不思議パワーを使って2時間前に戻ろう。今度は璃奈達の様子を見てみるとしよう。

 

 

………………。

 

 

はい、戻ってきました、2時間前。さて、璃奈達は何処に居るんだ?

 

「おーし、行くぞぉ!」

「おー!」

「お、おー!」

「僕達はここで見てるから、先に遊んできて?」

「写真撮影は私に任せて!」

 

ははは、元気がいいなぁ。璃奈の声に燈が返事をし、陽菜は少しだけ恥じらいながら返事した。

どうやら紗奈と佳代は3人の様子を防水加工されたカメラで写真を撮るみたいだ。どんな写真が撮れる事やら。

ほう、ウォータースライダーか。二種類──とぐろを巻いている物と、滑り台のように一直線の物──あるが、まずは一直線になっている方から遊ぶみたいだ。中々高いな。璃奈と燈は意気揚々と階段を登っているが、陽菜は少し怖がっているみたいだ。

 

「ほーら、はるはる(陽菜)、大丈夫だから行くよ?」

 

「は、はひっ!」

 

おーおー、燈が陽菜の手を引いている。傍から見たら、百合の花が咲いているように見える。気弱なお嬢さんをイケイケギャルがリードする。うむ、いいね。

 

「くっそぉ、スケッチしてぇ!」

 

そして2人の姿を見る璃奈は、本気で悔しがりながらアホなことを言っている。おーい、まさかとは思うが、夏のコ○ケの薄い本のネタにする気じゃないよね?もしネタにして描いたら、言い値で買おう。

……なんだい、諸君。そんな呆れた顔で私を見て。

……ゴホン。気を取り直して、様子を見よう。どうやら到着したみたいだ。

 

「……予想より高い件」

 

今頃気付いたのか、璃奈。しかし後戻りは出来ない。さぁ、行け!そして可愛らしい悲鳴をあげるんだ!私や読者達が期待しているぞ!

 

「んじゃ、まず誰から行く?」

 

「あー…陽菜さんからどうぞ」

 

「いえ、ここは燈さんからどうぞ」

 

どうやら、誰から行くか揉めているみたいだ。燈が順番をどうするか問い、陽菜が先に行くよう璃奈が促し、陽菜は燈から行くよう譲っている。なんか、何処ぞの倶楽部みたいな展開になりそうだ。

 

「…仕方ないなぁ、燈さんが切り込み隊長になってあげるよ!」

 

「い、いえ、ここは陽菜が!」

 

あっ、お約束のパターンになるな。璃奈、分かってんだろうなぁ?

 

「……いやいや、ここは璃奈さんが行きますよ」

 

「「どうぞどうぞ」」

 

「やっぱりこうなるのか、チックショー!」

 

はい、お約束の展開、ありがとうございました。

係の人に案内され、滑り台の前に璃奈が立つ。

 

「ッシャオラァ!行ってやりますよ!」

 

威勢がいいな。最後まで持つかな?

 

「璃奈、逝きまーす!」

 

何処ぞのガ○ダムパイロットみたいなことを言うな。あと、行くの字が違うと思うよ?あっ、滑って行った。

 

 

< くぁwせdrftgyふじこlp

 

 

声にならない悲鳴をあげながら行ったな。あ、無事着水したようだ。水着は脱げていない。残念だったね。

さぁ、次だ。次は誰が行くんだい?

 

「つ、次は陽菜が逝きます!」

 

おや、陽菜が行くみたいだ。字が違う気がしたが、気のせいだ。おお、覚悟を決めたような顔をしている。さぁ、行け、陽菜!君の悲鳴を聞かせてくれ!

 

「いざ、逝きます!」

 

だから字……もう突っ込まなくていいや。さて、どんな悲鳴をあげてくれ──

 

 

< ヒャッハーーー!!!

 

 

……聞いていない。何処ぞのアル中軽空母みたいな声なんて、聞いていない。めっちゃ楽しそうに滑ってるよ。璃奈と比べて背丈が高く、少し体重があるから速い。盛大に着水!水着は!?……チッ、脱げていない。脱げたのはパレオだけだ。

さぁ、最後は燈、君だ!結構際どいビキニだから、ポロリを期待しているよ!

 

「さてさて、行くとしますか!」

 

やる気満々みたいだね。あっ、行った!

 

 

< イエーイ!

 

 

楽しそうだ。速度は陽菜程じゃないが、中々速い。これは期待出来そうだ。着水まで、3──2──1──今っ!

盛大に水飛沫を上げたァ!水着は!?

 

「〜〜ぶはぁ!チョーキモチイイ♪」

 

……チッ、無事か。チッ。

ほらほら、次は佳代と紗奈だよ?さっさと滑った滑った。

 

 

……。

 

 

「結構高いね」

 

「面白そう♪」

 

紗奈と佳代は怖がっていないようだ。しかし滑ってる最中、予想より怖くて悲鳴をあげるかもしれない。楽しみだ。

 

「私から行くね?」

 

「いいよ」

 

佳代から行くみたいだ。どんな反応をしてくれるのだろう?係の人に誘導され、降り口の前に座って……準備が整ったようだ。

 

「無限の彼方へ、さぁ行くぞッ!」

 

お前は何処の宇宙レンジャーだよ。飛ぶ気か?っておい、かなり勢い付けて滑って行ったぞ!?

 

 

< うひゃああああ〜!?

 

 

あーあ、言わんこっちゃない。今まで滑った娘達の中で一番勢いが良いよ…うわぁ、飛んだ。飛んじゃったよ。皆、数m位なのに、彼女だけ十数mも飛んだ。あと少しでプールサイドに激突してたよ?まったく。……おい、何でポロリしてないの。意味がわからない。

 

「佳代さん、凄い飛んだね……」

 

紗奈の奴、苦笑いしてるよ。君は平和に滑ってよ?

 

「僕も飛んでみたいなぁ……」

 

あ、あのぉ、紗奈さん?まさか、君までアホ(佳代)と同じことをする気じゃないよね?ねっ?

 

「……よし、行こう!」

 

行くな!やめろォ!?あっ、ちょっ、こら、勢い付けて滑るのはやめ──なかった。あーあ。君はそんなキャラじゃないでしょ。アレか?プールに来れた事でテンション上がってハメ外しちゃってるのかな?

 

 

< アッハハハハハ!!!

 

 

楽しそうでなによりです。もう何も言わないよ。……あーあ、派手に着水してる……よ…………

…………。

…脱げた。脱げちゃったよ、紗奈の水着。パレオが、じゃない。水着が、脱げた!しかも!下ァ!!!

本人は脱げたことに気付いていない!紗奈ァ!ダメだ!水から上がるな!見えちゃう!雑草一本生えてない綺麗な肌が見えちゃぅぅぅぅ!!!

あああああああ!!立ったああああぁぁぁ!!!そして燈が持つカメラがシャッターを切ったああああああああ!!!いやあああああああ!!!うわあああああああああ!!!!

 

……誤解のないように解説しておくが、燈は紗奈の水着(下)が脱げたことに気付いていない。燈はただ、着水して水から上がった瞬間の紗奈を撮ろうとしただけなんだ。結果、とんでもない写真が撮れてしまったわけだが。

 

 

< へっ?あっ…あああっ…うわああああああああ!!!?

 

 

……あーあ、紗奈が悲鳴あげてるよ。

……さて、この辺にしておこう。これ以上解説したら、運営様に処されてしまう。

今回はここまでだ。また会おう。

……なんだい?紗奈の写真が欲しいのかい?

おーい憲兵さんコイツらです。

 

 

 

Another side out

 

 

───────

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次回予告


わ、渡良瀬さん、大丈夫ですか?時雨さんにキエーッ!されたお顔がアン○ンマンみたいになっていますよ?
……えっ?俺なら大丈夫?本当ですか?
……分かりました、信じます。
あっ、そうだ!渡良瀬さん、お昼を食べたら、陽菜と一緒に激流プールに行きませんか?いいのですか!?陽菜、感激です!


第55話・休養その9


「パレオ!パレオで前隠して!早くっ!」
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