追跡鶴   作:EMS-10

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 甲難易度に挑んで沼ったので、初投稿です(挨拶)


※警告※
頭の悪い内容
頭を空っぽにしてご覧下さい
生々しい表現が含まれています
本人達は【大真面目に】やっています
R17.9有り


 この小説に登場する人物達は、全員特殊な訓練を受けています。
 真似をすると、大怪我を負うか、最悪、死亡する恐れがあります。
 決して真似をしないでください。




※今更な各鎮守府の練度情報

・第603鎮守府の平均練度…80前後
・第8492離島鎮守府の平均練度…120前後
・第08鎮守府の平均練度…90前後
・江ノ島鎮守府の平均練度…140前後
・横須賀鎮守府の平均練度…155前後
・大本営本部の平均練度…160前後

 という感じになっております。

※この小説内では、ケッコンカッコカリを行わなくても、練度が100を超える設定となっております。
 その他、細かい設定は現在執筆中です。今暫くお待ち下さい。

※小説内の季節は、8月中旬頃となっております。
 予め、ご了承下さい。



第79話・我、夜戦ニ突入ス!

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、工廠──

 

 

翔鶴に手を出す(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)約9時間前。

 

 

15:00。

 

 

 

ころちゅ(殺す)!ぶっころちゅ(殺す)!」

 今の俺は本気だ!本気と書いてマジと読む!ぜってーころちゅ!

 

「お、落ち着け!」

 

「大破したけど、入渠すれば、後遺症や傷は一切残らず治るから落ち着いて!?」

 

「提督、落ち着いてください!」

 

「ああ、落ち着いているよ、摩耶、秋雲、涼月。落ち着いて深海魚(深海棲艦)共を穴あきチーズ(蜂の巣)にしてやると考えてるから、離してくれ!」

 

「全然落ち着いていねぇし!?あっ、こら!暴れるな!」

 

「暴れないで!暴れないで!秋雲さん達は、提督の事が心配なんだよ!」

 

「提督、お願いしますから、落ち着いてください!瑞鶴さんがフラル改(ル級flagship改)の砲撃を受け、負傷された事に対してお怒りになるお気持ちは分かります!分かりますが、だからといって、

 

 

 

 

 

 

 

特殊スーツを纏って、出撃しようとしないでください!」

 

 やぁ、提督だよ。俺は今から深海魚(深海棲艦)共にエサ(弾丸)を与えに行く所だ。けど、工廠で特殊スーツ──以前、夕張と妖精さん達が作ってくれたス○ィールスーツ高機動型Ver.3.0を纏おうとしたら、摩耶達に見つかり、止められています。

 えぇい、離せ!俺の(複数居る)嫁さん(の内、一人)を傷物(・ ・)にされたんだ!殺さなきゃ気が済まん!

 

 何があったか説明しよう。

 書類仕事をしていたら、無線で瑞鶴が戦艦ル級改flagshipの砲撃を受け、負傷──大破──したと報告が入った。

 それを聞いた瞬間、俺は出撃組に撤退指示を出し、工廠に仕舞ってある特殊スーツを纏って出撃する事を決意。

 そして、特殊スーツを纏おうとしたら、摩耶達に見つかり、止められ、今に至る。

 

「摩耶ちゃん退いて!深海棲艦を殺せない!」

 右腕に抱き着いて、出撃するのを阻止する摩耶に声をかける。

 

「摩耶ちゃん言うな!つーか提督、なんか変だぞ!?」

 

「俺は変じゃねぇ!いつも通りだ!」

 昨日から一睡もしていないせいか、テンションが高いだけで、普通だぞ?

 

「深海棲艦なら、さっき出撃組が撤退しながら殲滅したから、大丈夫だって!」

 

「俺は落ち着いているぞ、秋雲ォ!クイッ○ブーストしながら何処かに潜んでいる深海棲艦共を探し出し、蜂の巣にしてやれる程、落ち着いているぞォ!!」

 今の俺なら殺人的加速をしても。Gの影響を受けても骨折や内臓破裂せず、一方的に殲滅出来る気がする!だから秋雲、左腕にしがみつかないで?離して?

 

「提督、どうしても行くのですか?」

 

「行く!!」

 お願いだから涼月、羽交い締めしないで?拘束解いて?さっきからおっ○いが背中に当たって変な気分になりそうなんだ。

 

「……そう、ですか。分かりました」

 

 おや?分かってくれたのか?羽交い締めを解いてくれた──

 

「言葉で止まらないのなら……」

 

──と思ったら、腰に腕を回してきた。何をする気だい?

 

「物理的に止めるのみ、です!!」

 

 キツくホールドされた。そして、涼月は両足を肩幅程度に広げ、腰を落とした。

 あっ、分かった。分かっちゃった。これ、もしかしなくても──

 

「提督、まず先に謝罪致します。ごめんなさい!」

 

──バックドロップですね。

 

「W゙o゙o゙o゙o゙o゙o゙o゙o゙o゙o゙!゙!゙!゙!゙」

 

「「ぎゃあああああああああああああぁぁぁ!!?」」

 

 

 涼月は吠える(・ ・ ・)と、俺の腕にしがみついていた摩耶と秋雲もろとも、バックドロップしやがった。

 その勢いは凄まじく、摩耶と秋雲は工廠の壁まで吹っ飛んだ。

 ちなみに、俺はというと──

 

「ンゴォ!?」

 工廠の床に頭を叩き付けられた。しかし、涼月が絶妙な力加減で叩き付けてくれたからか、そこまで痛くなかった。

 いいか、バックドロップ……というか、プロレス技は危険だ。安易に真似しちゃダメだぞ?素人がプロレス技をやると、大怪我。下手したら死ぬ恐れがある。もう一度言うぞ?安易に真似しちゃダメだぞ?

 

「提督、落ち着いて頂けましたか?」

 

「うん、お陰様で冷静になれたよ。ありがとう、涼月」

 ただね?バックドロップする前に、摩耶と秋雲に一言声をかけてからして欲しかった。ほら、摩耶と秋雲が工廠の壁に叩き付けられてダウンしちゃってるよ?

 

「おい涼月!いきなりバックドロップすんなよ!」

 

「いやぁ、いきなりはキツイわぁ……勘弁してよ……」

 

 あっ、起き上がった。艦娘の力を使ったから、無事みたいだ。

 

「申し訳ございません……」

 

 

………………。

 

 

──第603鎮守府、執務室──

 

 

20:00。

 

 

「ずいかくぅ〜……うぁぁ〜……」

 工廠で涼月にバックドロップされて冷静になり、大人しくする事にしたんだけと、16:00頃、出撃組が帰還。すぐさま負傷──大破した瑞鶴が心配だから、入渠室へ運ばれた瑞鶴の様子を見に行ったら、怒られちゃったよ……。

 うぅ……瑞鶴に嫌われたぁ……。

 

「よし、死のう」

 確か、引出しの奥にN2地雷を仕舞っていたっけ。あったあった。こいつを持って、深海棲艦の大群に突撃して、自爆しよう。

 

「させません」

 

「離せ、早霜!瑞鶴に嫌われたんだ!俺はもう生きていられん!」

 くそっ、力強いな。あっ、N2地雷奪われちゃった。 

 

「瑞鶴さんは、司令官の事を嫌ってなんかいません。落ち着いてください」

 

「嘘だッ!」

 だって、瑞鶴が入渠したから様子を見に、壁をぶち破ってダイナミックお邪魔しますしたら、「提督さんのバカッ!」って叫びながら、アッパーぶちかましてきたんだよ?あっ、勿論、一糸纏わぬ姿だった。と言っておく。

 

「司令官、普通でしたら、入渠室──お風呂に突入した時点で、訴えられて、捕まってましたよ?」

 

「よし、出頭しよう」

 憲兵さん、俺です!

 

「ダメです」

 

「じゃあN2地雷で爆死する」

 

「それもダメです」

 

「どうせぇっちゅうねん!」

 

「司令官、あなた、疲れているのよ。休んでください」

 

「いーや!俺は疲れてなんかいない!まだまだ稼働出来るぞ!」

 このまま二徹してやる!今夜も警邏してくれているんだ。皆頑張っているのに、寝てどうする!

 

「正常な思考・判断が出来ていませんね……。そんなんじゃ、いざと言う時、しっかりと指示を出す事は出来ませんよ?」

 

「うぐっ……」

 

「ですので、今すぐお休みになってください」

 

「けど──分かった。休むよ」

 早霜に睨まれた。

 彼女が言った通り、今の俺は思考・判断がまともじゃない気がする。今朝から変な言動取りまくってるし、何故か知らんが普段の5割増でテンションが高い。

 

(こんなんじゃ、いざって時に正確な判断・指示を出せない)

 そのせいで、皆を危険な目に遭わせてしまう恐れがある。大人しく言われた通り、休もう。

 既に本日の仕事──書類は終わっている。あとは休むだけなんだが、今夜も夜間警邏(夜間出撃)してくれている娘達が居る。それだから、今夜も眠らず起きて待機しようと思っていたんだけど、早霜に休むよう言われ、今に至る。

 

「しかし、今の司令官は何をしでかすか分かりません。なので──」

 

 スマホ取り出して操作し始めた。LI○E起動してる。誰かに連絡する気なのかな?

 暫くスマホを弄ると、早霜は画面から顔を離し、俺を見てきた。その顔は、不敵な笑みを浮かべている。嫌な予感しかしない。

 

「──見張りを一人、付けます」

 

「いや、本当に大人しく──」

 休むから、見張りなんて必要ない。そう言おうとしたら、執務室の外から轟音──全力疾走する音が聞こえた。程なくして、扉が物凄い勢いで開いた。おーい、ノックしなさい。あと、廊下は緊急時を除いて走らない。

 

 

「提督の添い寝を担当します、翔鶴です!」

 

 

「チェンジで」

 襲われそうだから、変えてください。

 どうやら早霜は翔鶴に俺の監視役として呼んだみたいだ。けど、何故翔鶴?

 

「瑞鶴さんは入渠中。涼月さんは夜間出撃で不在。扶桑さん、由良さん、夕立さんは待機組の為。榛名さんと大鳳さんは現在療養中の為、翔鶴さんに頼みました。千歳さんはなんか怖いので、頼む勇気が無かったので除外させて頂きました

 

 俺の考えが分かったのか、早霜はそう言ってきた。

 あと早霜、小声だったけど聞こえたぞ?確かに千歳さんは何処か怖いけど、口に出しちゃダメだぞ?怒られちゃうぞ?

 

「一番の理由は、他の方では暴走した司令官を止められない気がしたので、翔鶴さんに頼みました」

 

 成程。自分でも言うのもなんだけど、俺が本気を出せば他の子から逃げ切れる自信がある。

 しかし、翔鶴相手だと難しい。適任だな。

……待て待て待て。翔鶴?なんか別の意味で危なくない?俺、襲われそうなんだけど?性的な意味で。

 

(まぁ、襲われたら襲われたで、ノーザンライトボムぶちかまして大人しくさせりゃいい)

 困った時のノーザンライトボム。これ、最強。今までどんなピンチ──主に、俺の貞操が奪われそうになった時──に陥っても、ぶちかませは何とかなった。

 

……加賀さん?ありゃ、例外だ。

 加賀さんは大本営本部に所属しているんだ。相当鍛えているから、艦娘の力を充分に引き出す事が可能で、ノーザンライトボムをぶちかまされても平然としていたんだろう。だが、此処(第603鎮守府)の皆はあそこ(大本営)に所属する艦娘達と比べれば、艦娘の力を最大限まで引き出せていない。

 

(つまり、何とかなる)

 昨日から翔鶴はハイライトが常時オフで、時折「ふふふ……」って不気味な笑みを浮かべたりしているが、何とかなる。きっと、何とかなるだろう。

 危なくなったらノーザンライトボム。それでもダメなら、逃げる。全力で逃げる。

 なんか、同じ事何回も言ってる気がする。まぁいいや。

 

「……分かった。早速だが、仮眠室で休む。何かあったら、遠慮なく叩き起してくれ」

 

「了解しました」

 

「私は、着替えを用意してきますね」

 

「分かった」

 翔鶴は執務室を出て行き、自室に向かった。

 さて、仮眠室のクーラーを入れて部屋を冷やそう。そんで、その間にシャワーを浴びて寝る準備をしよう。

 うおっ、暑い。執務室はクーラーが効いてて涼しいけど、仮眠室はクーラーをつけていないから、熱風が襲い掛かってきた。えっと、クーラーのリモコンは……あった。

 

「……あれ?」

 何度もスイッチを押すが、クーラーが動かない。リモコンの電池が無くなったのかな?急いで引き出しから電池を取り出し、交換。再びスイッチを押す。

 

「動かない。故障か?」

 まさか、この暑さのせいでクーラーにトラブルが発生して、動かなくなったのかな?妖精さん、すまないが調べてくれ。

 執務室内に居た妖精さんに頼み、クーラーを調べてもらった。

 程なくして、妖精さんから「仮眠室のクーラーが故障した」と説明された。マジか。仕方ねぇ、俺の部屋で寝よう。

 

 L○NEで翔鶴に連絡を入れないと。早霜に、「仮眠室のクーラーが故障したから、俺の部屋で寝るぞ」とLIN○を送るようお願いをした。

 これで良し。さっさと自室に戻ってシャワー浴びて寝よう。

 スマホ無いから不便だな。近日中に買いに行こう。

 

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 

 

side 翔鶴

 

 

『……それ、艤装の影響です』

 

 

 先日、彼に取り付けた盗聴器から聞こえた内容を、頭の中で繰り返す。

 艤装の影響。最初、それを聞いた私は錯乱しそうになった。

 この想いが、私自身の意思ではなく、艤装によって創られた(・ ・ ・ ・)意思だと思った。

 けれど、冷静になって考えてみたけど、それは違う。

 この想いは本物。正真正銘、私の意思。

 創られた(・ ・ ・ ・)意思なんかじゃない。

 

(きっかけは、彼と初めて出会った時の一言だった)

 今でもハッキリ覚えている。

 彼と初めて出会ったのは、私が7歳の時。以前住んでいた所から引っ越し、両親と瑞稀(瑞鶴)、私の四人で近隣の住人達に挨拶をした時に、彼──準と出会った。

 

 少し話を脱線させるけど、私の髪は生まれた時から白かった。原因は不明。両親や医者達はアルビノを疑ったけど、検査の結果、アルビノではないと診断された。

 白髪だから、同年代の子達からは「雪女」だの「化け物」だの。色々言われてからかわれていた。

 

 どうせ、コイツ()も私の髪を見て、からかってくる。そう思っていた。

 でも、彼だけは違った。彼は、私の髪を見てこう言ってきた。

 

 

『まるで、お月様みたいな綺麗な髪の毛だね』

 

 

 初めてだった。初対面の子に。私よりも歳下の子に、髪を褒められたのは。

 本当は嬉しかった。喜びたかった。けれど、当時の私は精神的に幼く、おまけに素直じゃなかったから、褒め言葉を侮辱と受け取ってしまった。

 そのせいで、私は、彼を──

 

「──さっさと準備しましょう」

 昔を思い出すのは後にしなさい。

 えっと、着替えに、通販でこっそり買った媚薬、睡眠薬、手錠、拘束用ロープに、()

……ふふふっ♪

 

(ここ最近、抑えが効かなくなってる)

 はしたないと自覚しているけど、性欲が溜まり過ぎて、最近彼を見る度、犯したい衝動に駆られてしまう。その結果、彼に襲い掛かり、何度も怖がらせてしまった。

 けど、彼は迫られても本気で嫌がっていないと思う。もし本気で嫌なら、彼はキツい口調でやめろと言ってくる。今まで何度も迫ったけど、嫌がってはいなかった。

 こちらが本気で、性位……じゃなかった。誠意を持って、一切ふざけず迫れば、抱いて(・ ・ ・)くれる可能性がある。

 

(何度か自分で発散した(・ ・ ・ ・)けど、それでも足りない)

 やっぱり、彼と繋がらないと、満たされそうにない。

 所謂、欲求不満。

 

(私はともかく、準はここ数ヶ月ずっと我慢していて辛そう)

 私や瑞稀が盗聴器を仕掛けているから、不用意に自家発電(・ ・ ・ ・)しなくなってしまった。気にせず。恥ずかしがらずに発散していいのに。

 

(今夜、楽にしてあげるわ♪)

 最初は嫌がるかもしれない。

 けれど、一切ふざけず。真剣に。誠意をもって迫れば(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)、きっと応えてくれる。

 

「今夜の私は淑女的よ。確実にぶち犯してやります♪」

 性欲は、人間の三大欲求の一つ。理性を壊してしまえば、後は──

 

「くふふふっ♪」

 嗚呼、楽しくなってきちゃった。

 

「ごめんね、瑞稀。お姉ちゃん、先に大人(・ ・)になるわ」

 第一婦人の座は譲るわ。表向き(・ ・ ・)は、ね。

……さて、行きましょう。

 

 

 

side 翔鶴 out

 

 

 

───────

────

 

 

 

side 提督

 

 

──第603鎮守府、提督私室──

 

 

23:00。

 

 

「……」

 暗闇。

 しかし、豆電球をつけているから、完全な暗闇ではない。

 眠れない。

 決して、豆電球がついているから、ではない。

 

 私室に戻り、シャワーを浴び、布団を敷き、横になって三時間近く経つが、眠れない。

 暑いから?クーラーが効いているから、それは無い。

 じゃあ、何が原因か?それは──

 

「……」

 

 姉鶴もとい、翔鶴──静流が、俺を抱きしめているからだ。

 

(とっても柔らかい胸の感触と、静流の鼓動を強く感じるせいで、余計に眠れなくなる)

……何が起きているか説明するとだな、俺は現在、静流に頭を抱きかかえられ、彼女の胸に顔を埋めて横になっている。

 いや、その、何故こんな事になったんだ?思い出そうとするが──

 

「ほら、しっかり眠りなさい」

 

──うん。眠りたいです。けど、静流さんのせいで眠れそうにないんです。

 えっとだな、確か、「脱走する恐れがあるから、抱きかかえます」とか言って、俺の事を胸に抱きかかえて横に──

 

「眠れないの?」

 

 はい、眠れません。逆に眠気が覚めてしまいました。

 

「眠らないと、身体に障るわよ?」

 

 分かっている。分かっているけど、抱きしめられたら興奮しちゃって眠れないです。

 

「私の事は、クッションか何かだと思えばいいわ」

 

 いや、そうしたいけど、貴女の鼓動が聞こえるから無理です。つーか、さっきから静流の心拍数が凄い事になってるんですが。普通、心臓の鼓動ってドクン、ドクン。って感じなのに、┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……ってなってますよ?

 

「目を瞑れば、眠気が来るはずよ」

 

 うん。そうしたい。けど無理です。

 最初は襲われると思っていたが、そんなことは無く、ずっと優しく抱きしめられたまま、三時間近く経過した。

 三時間近く、ずっと柔らかい胸と心臓の鼓動を間近で味わったせいで、ただでさえ危うい俺の理性が崩壊しかけている。

 もうね、ハッキリ言うわ。犯したい。けど、それはダメだ。そんなの、静流に失礼過ぎる。それに、初めては瑞鶴──瑞稀と決めている。

 

(己の欲を満たす為に、彼女を襲うのは最低な事だ)

 まるで道具の様に扱うみたいで嫌だ。こういうのは、互いに愛し合って、それを確認し合う為に──

 

「ねぇ、準」

 

「……何でしょうか?」

 はい、考え事するの、一旦中止。静流の話を聞こう。

 

「私は、貴方になら、何をされても良いと、本気で思っているわ」

 

「……」

 いきなり何を言い出すんですか?いつものように、悪戯っぽい笑みを浮かべて──いない。真剣な顔をしている。

……あっ、抱きかかえられていたけど、離れた。えっと、何を──

 

「……」

 

 静流さん、あの、マジで何をする気でしょうか?

 無言で起き上がったかと思ったら、今度は俺を仰向けにさせて、その上から覆い被さってきた。ヤバいね。これ、薄い本とかで見たことあるけど、所謂床ドン状態。

 ここは一旦、離れるようお願いを──

 

「私ね、もう待てないの」

 

「……」

 とても悲しそうな顔と声だ。何時ものふざけた雰囲気は無い。

 

「いつも迫れば、貴方は抵抗し、逃げる。正直、自信無くしそうなの。私って、魅力無いんじゃないか、って」

 

「……」

 泣いている。俺の頬に、彼女の涙が当たる。静流、お前……。

 

「その原因は、私がふざけた雰囲気で迫るから。貴方を怖がらせてしまったからだと分かっているの。分かっているけど、自分を抑えられなくて──」

 

 俺は無言で静流の言葉(想い)を聞くことにした。

 彼女は俺へ話しかけている間、ずっと涙を零していた。俺は……俺は……。

 

 

──ルート分岐、正規ルート──

 

 

「……」

 

「……あっ、んっ……」

 

 気が付けば、俺は静流を押し倒し、キスをしていた。

 静流とは二度目のキス。一度目は向こうからされたが、今回は俺からした。

 

(……ごめんよ)

 キスをしながら、この後どうするか考える。一先ず、ここから逃げよう。我ながら最低な事をするのは分かっている。分かっているが、とにかく、まだそういう事(・ ・ ・ ・ ・)をするわけにはいかない。

 

「……ぷはぁ」

 どれ程キスをしていたか分からないが、ゆっくりと静流の唇から離れる。あ、静流の顔が真っ赤だ。俺も赤いんだろうな。

 

「……ぁ……」

 

 彼女は名残惜しそうな顔をしていた。そんな顔しないでくれ。

 

「……すまん」

 ゆっくりと立ち上がって──

 

「ま、待って!」

 

「うおっ!?」

──部屋から出ようとしたら、彼女に足を掴まれた。それにより、俺はよろけてしまった。そして、静流が持ってきたバッグに突っ込み、中身をぶちまけてしまった。

 や、やっちまった……。

 

「準!?」

 

「大丈夫だ、気にするな。それよりも、静流のバッグを……すまない」

 俺が転倒したからか、静流は足から手を離してくれた。

 あーあ、中身が出てるよ。一旦電気つけてバッグに仕舞おう。急いで立ち上がり、電気のスイッチのある壁まで歩く。

 

「そ、そうなの?──あっ、待って!電気つけないで!」

 

「えっ、何で?」

 電気つけないと、バッグから出た物が何処にあるか見付からないぞ?豆電球がついているけど、完全に見えるわけじゃない。

 

「えっと、何がバッグから……出た……ん……だ……」

 

「ぁ……ぁぁ……」

 

……静流。君の事は今日から【娼鶴(・ ・)】って呼ぶ事にするわ。

 

「ち、違うの!違うのよ!これは──」

 

 娼鶴(・ ・)がなんか言ってるけど、俺の鼓膜には届かなかった。

 もしかしたら、さっきのは演技だったのかもしれない。うん。きっとそうだ。腹黒だし。娼鶴(・ ・)だし。

 

 さて、皆さんに、娼鶴(・ ・)の持ってきたバッグから零れた中身をお教えしよう。

 まず、目に入ったのは鈍色に輝く、めっちゃ頑丈そうな手錠。

 次に、妖精さん特製の、めっちゃ頑丈なロープ。

 次、お薬多数。何の薬か分からんが、睡眠薬か媚薬だろう。

 次、()。何に使う気だよ。俺は吸血鬼じゃねぇぞ?

 最後に、着替え。下着その他色々。これは普通だ。

 

「……」

 とりあえず、お仕置きするか。普段色々やられてるから、そのお返しをしよう。

 普段ならお仕置きする気なんて全く起きないが、今この時だけは何故か知らんが、お仕置きしたくて仕方ない。あれか?徹夜して正常な思考・判断が出来ていないからか?

 

「まぁいいや」

 こまけぇこたぁいいんだよ。さて、まずは──

 

「ほい」

 

「ガッ!?」

 

 起き上がって俺に向かってきた娼鶴(・ ・)の首筋に、素早く手刀を叩き込む。うん、完璧に入った。

 気絶したのか、力なく倒れる娼鶴(・ ・)

 素早く布団に運び、大の字にさせる。えっと、杭は四つある。畳にぶっ刺して固定しよう。

 

「ほいっ、と」

 まずは娼鶴(・ ・)の右手の近くにぶっ刺す。続いて左手の近く。右足、左足の近くにもぶっ刺して──よし、次だ。

 手錠──は二つしか無いから、娼鶴(・ ・)の右手と左手に付け、それを杭に付けて固定。

 次に、ロープは一本しか無いから、右足に括りつけて、それを杭に巻き付けて固定。

 左足だけ自由だ。まぁいいや。

 

「……ぅ……あっ」

 

 娼鶴(・ ・)が目を醒ましたようだ。起き上がろうとしたが、左足以外、身動きが取れない事に気付き、慌てた顔で自分の両手を確認し始めた。そして、自分がどんな状況か気付き、顔を青ざめた。

 

「おはよう」

 

「あ、あの、準?」

 

 さて、お仕置きタイムと行こうか。調子に乗り過ぎた罰を与えなきゃ(←暴走気味)

 

「ね、ねぇ、準、この拘束、解いて欲しいなぁ?」

 

 やなこった、めんどくせぇ。えーと、まずは足ツボマッサージから始めるか。

 学生時代、大鳳──鳳から足ツボを教えてもらった。確か、ここが肩のツボだったな。

 畳の上に座り、娼鶴(・ ・)の左足を持ち上げ、親指でツボを刺激。異常が無ければくすぐったいだけで済むが、異常があると──

 

 

「ぎぃやあああああああああああぁぁぁ!!?」

 

 

──こうなる。つまり、めっちゃ痛い思いをする。

 この反応。娼鶴(・ ・)さん、貴女、肩に負担かけていますね?艤装を纏っているから、負担がかかっているのかもしれない。今度、マッサージ屋さんの予約取って解してもらおう。

 

「痛い痛い痛い!!!」

 

 次、内臓──胃腸のツボ。親指で刺激を与える。

 

 

「ア゙ッ゙ー゙ー゙ー゙ー゙ー゙ー゙!゙!゙?゙」

 

 

 さっきより声が大きい。よっぽど痛かったのかな?

 

「やっ、やめてぇ!」

 

 やめません。さて、次。心臓だ。ここが悪かったら問答無用で病院に連行するぞ。親指で刺激を与える。

 

「あははは!く、くすぐったい!」

 

 良かった、痛くないみたいだ。

 次は何処にしよう?

 

「こっ、こんなの、私っ、望んでない!や、やめて!やめっ……お願い!!やめてェ!!!」

 

 知るか。バッグに手錠だの、薬だの、ロープだの、杭だの入れていたんだ。拘束プレイを望んでいたんだろ?なら、その望みを叶えてやるよ。

 

「次、耳のツボを押すぞ〜?」

 それに、なんか楽しくなってきた。

 やめたくねぇ。

 

「ひいぃ!?お願いします!何でもしますから、許してください!」

 

「ん?」

 今、何でもしますって、言ったよね?

 

「それじゃあ、やめて──」

 足ツボマッサージはやめよう。代わりに、

 

「──足裏くすぐりまくるわ」

 

「」

 

 あれま、絶望したような顔してる。

 なんか、興奮してきた。思いっきりくすぐってやろう。

 

 

………………。

 

 

「」

 

 やり過ぎたかな?

 気が付けば、娼鶴(・ ・)は気絶していた。

……今更だけど、これ、ヤバくね?

 

「……まぁいいや」

 仕掛けようとしてきたんだ。正当防衛になるだろ。

……なんか、眠気吹っ飛んじまった。執務室に行って待機しよう。

 

 

 

 

 この後、執務室に行き、寝ずに待機しようとしたら、早霜がガチギレし、裏拳を喰らって気絶させられ、医務室に連行された。そんで、ベッドに全身を縛られ、強制的に眠らされた、と言っておく。

 

 余談になるが、娼鶴(・ ・)は始業開始まで、放置されたそうだ。

 

 

 

side 提督 out

 

 

───────

────

 





次回予告


 いやー、マジで危うく理性ぶっ壊れて襲う所だった。
 俺はまだ、パパにはならねーぞ!
……さて、仕事するか。
 今日は大鳳と榛名をカウンセリング課に連れて行く。運良くキャンセルが入ったから、診てもらえるんだ。とりあえず、加賀さんに会わないよう、気を付けよう。
……あっ、野原主任、こんにちは。約一週間ぶりですね。
……ニヤニヤ笑って何ですか?
……涼月の第一次特殊改装(・ ・ ・ ・)のテストをするから見ないか?……は?

 
第80話・何故ベストを尽くした?


「最高だ……最高に危険だ、コイツは……」


【補足的なナニか】

・スティールスーツ高機動型Ver.3.0…元ネタはコナミが開発したアーケードゲーム、「スティールクロニクル」に登場するスーツ。
 全スーツ中、トップクラスの機動力を誇る。代わりに、装甲は紙以下。
 2014年の夏は、何時になれば来るの?コナミさん。

・クイックブースト…元ネタは「アーマード・コア」に登場する移動法。
 
・N2地雷…元ネタは「エヴァンゲリオン」に登場する地雷。とんでもない破壊力を持っている。但し、使徒には殆ど効かない。


以上、補足終了。



※CV:悠○碧さんの大鳳。いいね。こういう娘を待ってたんだよ、俺は!
 赤城と一緒に出撃させると、笑いの絶えない素敵な戦場になるから、一度お試しあれ。
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