アカム武器なめんな。   作:糸遊

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更新が遅くなってしまいすみません。本当に忙しかったです。
前回更新の直後にMHWを購入し、マムタロさん以外のソロクリアを終えるまでに約2ヶ月…。
そして、ニンテンドーSwitchを購入し、どハマり。ブレスオブザワイルドヤバいです。

何気にリアルの方でもいろいろと追われる毎日…。なかなか執筆の時間が取れませんでした。
ストーリー構想的なのはもう出来ているので、もう少しだけお付き合い頂ければ、作者は幸せです。




第13話 覇を見てせざるは浪漫無きなり

「だああああぁぁっしゃぁぁぁああああい!

 リベンジじゃオラァァァァァァァァァァァァァ………」

 

 

 よし、話の通じないバカは落ちてった。これで話の通じる3人で話せる。

 今、私達がいるのは溶岩島のベースキャンプ。

 この間負けてしまったブチギレアカムトルムのリベンジということで、助っ人を2人お願いした。

 

 1人はまぁ、私やカルムとも馴染みのあるルファール。携えているのはスキュラ弓。

 常時怒り状態のモンスターが相手ということでスキルをそれ用のモノにしたらしいけど…彼女はまぁ、そっちがモンスターだろというレベルに強いので問題ないだろう。

 

 

 そして、もう1人なのだけど……。

 

 

「な、なんか降りて行っちゃいましたよ…?大丈夫なんですかアレ?」

「ん?あぁ…大丈夫だろ。いつもあんなんだし。何だかんだでピンピンしてるさ」

 

 

 どうにも頼りにならなさそうな顔の操虫棍使いのハンターにルファールが答える。

 聞いたところだとこの子がルファールのパーティの新しい一員らしいけれど、なんとも冴えない感じの雰囲気を醸し出している。

 携えているのはハイアーザントップ。まぁ操虫棍は手数も多くて乗りもしやすい武器だからいいんじゃないのだろうか?

 ただ…。

 

 

「えと…ナギ君でいいのかしら?貴方、スタイルは何にしているのだっけ?」

「あっ、ブレイヴスタイルですね」

 

 

 なんやねん、ブレイヴ操虫棍って。

 アレって全然ジャンプも出来ないスタイルだった記憶があるんだけど。いいから乗れよ。

 

 今回のパーティの武器構成はカルムがチャアク、私が大剣、ルファールが弓、そして目の前のこの子が操虫棍。

 私の理想としてはこの子がガンガン乗って、その隙に私達で攻撃を叩き込むのがいいのだけど…。

 

 

「………ちょっとルファール、こっち来て。あっ、そっちの子はいいから」

「………どうした?」

 

 

 小声でルファールを呼び寄せる。

 ナギ君とやらには聞こえないように小声で喋りたいところ。

 

 

「………あの子、本当に大丈夫?

 私としては、あの…レイリスちゃんとかクルルナちゃんとか…。その辺りを連れてきて欲しかったんだけど…。

 何よアレ?失礼だけどすっごい弱そうじゃない。 しかもブレイヴ操虫棍って…。聞いたこともないマイナー武器なんだけど?」

「ひ、ひどい言い草だなぁ…。

 大丈夫だって、彼はレイリス並みのハンターさ。集中したら私より凄いし」

「………いまいち信じられないのだけど」

 

 

 ルファールより上とかいうのはとてもじゃないが信じられない。

 そもそも私の知りうる限り、ルファールより強いハンターなんて聞いたこともない。そんなルファールよりも、あの冴えない顔をした操虫棍使いの方が技量があるとは思えなかった。

 

 

「まぁ一回見ればわかるって。今回は強敵なんだろう? なら、彼も相当いい動きをするはずさ。

 それに…そろそろカルムも1人だとしんどいんじゃないか?」

「ハァ…。じゃあ貴女を信じることにするわ?

 まぁ、最悪3人でもなんとかなりそうだし…」

「まぁ騙されたと思って彼を連れて行ってくれよ。悪いようにはならないさ」

 

 

 うーん…まだ納得しきれないところはあるけれど…。まぁいいのだろうか。

 最悪ナギ君のハンデを背負っていても、他3人でなんとかなるような気はしている。

 ………しょうがないか。

 

 

「よし、それじゃあ今回は安全に立ち回る意識を強く持って。頑張りましょう」

「あぁ、行こうか」

「わかりましたー」

 

 

 イマイチ気合の入らない返事を返してくれたナギ君。

 やっぱり不安だ…。

 

 煮え切らない気持ちを抑えながら、私は溶岩島のベースキャンプから飛び降りた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっし!麻痺入りそうです!」

「ナイスだヘナチョコ!」

 

 

 狩猟が始まって15分が経過、もう20分に差しかかろうという時間だろうか。

 今のところ、誰も力尽きてはいない。前回よりはマシ……というか、予想以上に楽に進んでいる。

 

 

「麻痺の後に睡眠入れる! 剣撃エネルギー貯めとけ!」

「おうよ!」

 

 

 もちろん、ルファールがいるのは大きい。初っ端から毒ビンでアカムを毒状態にし、そこからはブレイヴ弓特有の剛連射をバシバシ叩き込んでいる。腕が赤く光っているので挑戦者も発動しているらしく、まぁアホみたいなダメージをアカムに与えているだろう。

 

 ただ…ハンターが大きなダメージを出すだけでは、ここまで快適にはならない。

 

 そう、今回の狩猟はとても快適に行えていた。

 相手はアカムトルム。しかも超強化されている個体。

 ルファールがいただけではここまで快適に狩猟を行えてはいなかっただろう。

 

 なぜここまで快適なのかというと…まぁ……。

 

 

 

「よーし、寝ましたね。皆さん、爆弾は残ってますか?」

 

 

 

 ………この操虫棍使いのおかげなのだろう。

 

 今回の狩猟で、彼は既に2回の乗りと3回の麻痺を奪っている。

 2回の乗りはまだわかる…といいたいところだけど、彼は今回ブレイヴスタイル。乗りにはさっぱり適していないスタイルで、2回も乗ったのには驚かされた。

 そして、もっとヤバいのが3回の麻痺を奪ったこと。

 いや…手数多すぎでしょ。しかも全然攻撃を喰らっていないみたいだし…。

 

 拘束時間が長いお陰で、前回はあんなに鬱陶しかった溶岩噴出も全然発生していない。

 私が今回装備しているのはブラックX一式だから、W抜刀術が発動しているので、アカムチャアクのカルムと一緒に一回はスタンを奪った。ただ、操虫棍使いのナギ君に比べれば特筆すべきほどの活躍ではない。

 ダメージを出しているのは私たち三人だけど、彼がいないならここまでのダメージは出せていないだろう。

 

 

「じゃ、カルムさん、お願いしまーす!」

「あいさぁ!俺の最終奥義を見せたらぁ…!

 ブレイヴ☆オーバーリミット超高出力属性開放斬りぃぃぃぃァァァァ!!」

 

 

 しこたま騒がしい掛け声とともに、アカムトルムの頭部が大爆発に呑み込まれる。

 今回はナギ君がサポートに徹してくれると聞いていたので、カルムもひたすらにロマンを追い求めた装備にしたらしい。なんでも、超高出力属性開放斬りを連発するための装備らしい。おかげで、狩場には度々爆風が吹き荒れていた。

 

 大爆発がやんだ後、アカムトルムは二回目のスタンに入ったらしく、もがいていた。爆発があったから、頭へ近づくのが遅れてしまったけど、抜刀溜め→薙ぎ払いのコンボは入った。カルムも剣撃エネルギーをしっかり溜め終わったらしい。

 

 

 さて…あと少しだとは思う。

 いくら強化個体だからといって、G級の最前線を往く四人で20分以上攻撃し続けているのだから、もう一押しなはず。頑張ろう。

 

 

「乗れるか…な? っっと、乗りました!」

 

 

 ……一押しがはいった。これはもう勝った気がするなぁ。

 ナギ君は全く危なげを感じさせず、アカムから乗りダウンを奪う。ダウンと同時にアカムの頭部へ駆け出す私達。

 

 

「これ以上長引くと面倒だ!決めろ!」

 

 

 ルファールが矢を番えながら叫ぶ。いわれなくともそのつもり。

 

 ダウンしたアカムの目の前で、大剣を腰だめに構える。

 そして、最も力が込められるタイミングで一気に開放。全力で振りぬく。

 会心の手ごたえが伝わってくるけど、まだ終わらない。

 

 左足を回転の軸にして、渾身の力でもう一度振りぬく。ガツンとした手ごたえを再び感じた。

 よし…これでそろそろ…。

 

 

「ウルスさぁぁん!吹っ飛ばしたらごめんなさぁぁい!!」

「えっ…?はっ?ちょっ!?」

 

 

 ……後ろから、カルムが超高出力属性開放斬りをぶちかましてきた。

 榴弾ビンの凄まじい大爆発に巻き込まれ、吹っ飛ばされる私。それがアカムの頭部に吸い込まれたと同時に、アカムの身体はゆっくりと地面に倒れ伏した。

 

 

「おっしゃあ!ラスト頂きィ!」

 

 

 私のことなど気にする様子もなく、そんなことをぬけぬけと言い放つカルム。そんな私達を、ルファールとナギ君は引き攣った顔で見ていた。

 

 

「さ〜て、狩りの後のお楽しみ!剥ぎ取りタイムといきますかァ!

 ほれ、そこの2人も変な顔してないで剥ぎ取れよ?」

 

 

 ……私を吹っ飛ばしたことなどまるで眼中になかったかのようなセリフを放つカルム。

 

 よし、キレた。

 

 なんとか満面の笑みを顔に浮かべながら、ツカツカとカルムに歩み寄る。2人が青ざめているけどまぁ気にしない。

 

 

「おい、脳みそ鈍器野郎。歯ァ食いしばれ」

「ん?ウルス?随分とドスの効いた声に…」

 

 

 刹那、私の右ストレートが煌めく様な速さでカルムの顔面にぶち込まれた。

 カルムの首からはゴギンッ、というちょっとアレな音がして、3メートルは吹っ飛んだ。まぁ…向こうでピクピクしてるから死んではいないだろう。

 うん、いいパンチだった。今の私ならブラキディオスにも殴り勝てそう。怒りは人を強くする。

 

 

「さて、剥ぎ取って帰りましょうか」

「あ、あぁ…。いいパンチだったぞ…」

「お、お疲れ様でした…」

 

 

 一連の出来事を見ていた2人はかなり顔が引きつっているが、気にしないで欲しい。アイツが悪いんだ。

 

 

 そんなこんなで、アカムトルム強化個体の討伐は、強力な助っ人2人の力もあって無事に終了した。

 

 

 

 

 ちなみに、カルムは顎が外れ、首もイッていたらしく、しばらくはマイハウスで寝たきりの生活を余儀なくしたらしい。

 ざまあみろ。

 

 

 




ワールドの榴弾チャアクはこんな戦い方ですが、よく考えたらダブルクロスでも出来るじゃんと。
というわけで、ブレイヴスタイルオーバーリミット超高出力属性解放ブッパ方式に。

別作品の主人公を登場させたりしましたが、扱いやすくて便利です(ゲス顔)

恐らくですが、次かその次あたりで最終話かと。
アカム武器も全て紹介しましたし、アイスボーン発売までに新大陸の物語も書いてみたいかなぁと。

何はともあれ、この作品とはもう少しお付き合いいただければ幸いです。

質問、感想など気軽にどうぞ。お待ちしてます。

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