アカム武器なめんな。   作:糸遊

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何を血迷ったのか、今回はモンスター視点です。



第4話 覇爆砲で“しゃがめよ。“

我輩はジンオウガである。

 

『無双の狩人』との呼び名に恥じぬような強さを身につけるために、世界を旅している次第だ。

 

今まで旅をしてきて、様々なモンスターやハンターに出会った。そして、幾多の強敵にも遭遇した。

それらを全て撃ち倒し、今の我輩がある。

 

最近では、ハンター達が我輩のことを『じーきゅうこたい』だの何だの言っているが知ったことではない。

まだ我輩は強さを極めてはいないのだ。まだまだ強くなれる素質が自分にあると我輩は思っている。

 

 

 

 

 

 

そして今日。

また目の前にハンターが現れた。

 

今までもハンターは幾度となく相手をして、退けてきた。

だが、今回の相手は今までとは一線を画しているようだ。

 

身に纏っている黒い装備からはまるで覇王の如き威圧感が放たれ、我輩の身体を緊張させる。

 

 

「て、てめぇ…。ちょこまかと逃げ回りやがって…。遺群嶺は一方通行の飛び降り移動箇所が多いんだよ…。 何度も行き来させるんじゃねえ!おかげで時間ギリギリじゃねえか!」

 

 

何か言っているがそんなことは関係ない。

これは全力で挑まなければ、討たれるのはこちらだ。

我輩はそのハンターに向かって吼える。

 

 

「さぁて覚悟しやがれ…! 覇爆砲の圧倒的破壊力を見せてやるよ! 通常弾の弾幕でキャインキャイン言わせてやるから覚悟しなぁ!」

 

 

 

 

 

 

そして闘いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

黒い装備を纏ったハンターはその手に持った武器で、我輩の頭部目掛けて弾丸を撃ち出してきた。

弾丸が直撃し、ハンターは不敵な笑みを浮かべる。

 

だが、肝心の弾丸はとてもじゃないが我輩に通用するものではなかった。

こんな貧弱な弾丸で我輩を倒そうというのか。

実に愚かだ。 今すぐ叩き潰して………何ッ!?

 

 

先程貧弱な弾丸が直撃した場所で、何かが炸裂した。

なるほど…!先程の弾丸はこれが狙いか…!

 

ハンターは同じ物と思われる弾丸を再び撃ち出してきた。 この炸裂弾を弱点である頭にもらうのはなかなかに痛手だ。

我輩は後ろへ跳び、尻尾でその弾丸を受け止める。尻尾なら防御力も高く、この程度の炸裂なら充分耐えられる。

 

ハンターを見ると、次の攻撃の準備をしているようだ。

すかさず突進でハンターに突っ込む。

しかし、ハンターはうまく我輩の突進をいなしたようだ。

 

やはりこのハンターは手練れだ…。我輩がここで散り果てる可能性だって充分にある。

こうなったら我輩も全力を出しきるしかない。

 

我輩がフルパワーを出すためには膨大な電力がいる。そのために、周りにいる雷光虫を背部へ集めて電力を溜めないといけない。

我輩はすぐに背中に雷光虫を集め始める。

 

 

「おっしゃ、隙あり! これでブレイヴ状態突入だオラァ!」

 

 

雷光虫を集めている間にも、ハンターは我輩に向かって弾丸を撃ち続ける。

ぐっ…。 攻撃に怯んでチャージが途中で途切れてしまった…。

 

そして、ハンターの身体から青白いオーラが溢れ出た。

まずいな…。 我輩の本能が危険を訴えている。

 

 

「さぁて、準備は整った…。

弱点特効に超会心、おまけに見切り+1、さらに通常弾強化…。

さらにさらに、今回は暴れ撃ちに射撃術の特盛フルコースだ!

今からバ火力ボルテージショットを顔面にしこたまぶち込んでやるから覚悟しやがれぇ!」

 

 

ハンターはそう叫ぶとその場にしゃがみ、我輩を狙って凄まじい勢いで弾丸を撃ち始めた。

 

うぐっ…ぐああぁっ!?

 

まずい…!? なんて威力だ!?

このままだと何も出来ずに倒される…!

 

我輩は痛みを訴える身体に鞭を打ち、無理矢理雷光虫を集め始める。

 

 

「アーッハッハッハ!そんな隙を見せて無事でいられるとでも思っているのかこの犬ッコロがよぉ!

このまま撃ち続けて……ちょっ、ガブラス邪魔っ……ぶふぇ、毒った…。」

 

 

近くで飛んでいた小型の飛竜がハンターを小突いているようだが、そんなのはどこ吹く風。

ハンターは遠慮なく我輩に向かって弾丸を撃ち続ける。

 

 

 

………来た!

 

 

 

全身に電力が駆け巡り、我輩の力が十全と発揮される準備が整った。

 

すぐさまハンターの元へ近づき、前脚を全力で振り下ろす。

だが、その攻撃はハンターに軽くいなされた。

 

さらに、ハンターは自らが重厚な武器を抱えていることを忘れたかのような速さで我輩から走って離れる。そして再び弾丸を雨のように撃ち始めた。

 

ぐうっ……!? まずい…攻撃に怯んで雷光虫がいくらか我輩の制御下から抜けてしまった…!

 

 

そのことが我輩の生存本能を刺激した。

 

このままでは我輩はここで散る運命だ。

 

ならば最後に最高の力を出し切って終わりたい。

 

 

そう考えた途端、全身を迸る電気が青みを帯びた。

我輩はその全能感を感じつつ、天に向かって吼える。

 

 

「ハッ、怒り状態か! 最期に全力出そうってか? そうゆうの…嫌いじゃないぜ!」

 

 

ハンターは遠慮なく我輩に向かって弾丸を撃つ。

 

我輩はそれを気にすることなく、ハンターに向かって全力の突進を仕掛ける。

だが、ハンターはその攻撃すら簡単にいなしてしまった。

 

……ぐっ。

……ダメージのせいなのか、意識でさえ朦朧としてきている。

 

 

恐らくこれが最後の攻撃になるであろう。

 

 

我輩は背中に迸る電気を活性化させ、全力で跳び上がった。

 

 

 

「背面ボディプレスか! 惜しかったな!

そんなもんイナシてしまえばへっちゃらなんだよ!

そんじゃあここら辺で幕引きとさせてもらあばばばばばばばばばば」

 

 

 

何か聞こえたような気がするがそんなことは気にしない。

我輩は全身全霊の力でハンターを叩き潰した。

 

 

………手応えはあった気がする。

 

 

すぐさま起き上がり辺りを確認すると周りには大雷光虫が浮遊しており、ハンターは忽然と消え失せていた。

 

今までもハンターを倒したと思ったら忽然と消え失せていたので、今回もなんとか倒せたということだろう。

 

 

 

 

………強敵だった。 まず間違いなく、今まで我輩が相手取った中では最強であろう。正直勝てたのが驚きだ。

 

世の中、上には上がいるものだな…。

 

だが、我輩はまだまだ強くなる。

 

今回は生死を彷徨うような死闘だったので得られるものも大きかった。これで益々我輩は強くなれる。

 

感謝するぞ、強きハンターよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、雷狼竜は遺群嶺から立ち去っていった。 更なる強さを求めて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このジンオウガが今回の経験を糧にして強さを磨き続け、遠い遠い場所にある地方で

 

『極み吼えるジンオウガ』

 

と呼ばれるようになるのはまた別のお話。

 

 

 

 

 

 




ウルス「いや、何負けてんのよ。前回の流れからして勝ってるもんだと思ってたわ。」

カルム「俺悪くないもん!悪いの大雷光虫の麻痺とガブラスの毒だもん!」

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